会計士はどの業界を専門にすべきか!?PwCあらた監査法人のディレクターが語る保険業界とアドバイザリー【PR】



公認会計士のキャリアが多様化する昨今、自らのコアキャリアをどこに置くべきかが気になる若手会計士は少なくないだろう。

今回、公認会計士ナビではPwCあらた監査法人様にご協力を頂き「保険業界向けアドバイザリー」のキャリアについて3回シリーズで特集する。

保険業界向けアドバイザリー」では、どのような専門性を身に付けることができ、公認会計士にとってどのような活躍フィールドが広がっているのであろうか?

第1回では、PwCあらた監査法人・保険GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)グループ、ディレクターの宇塚公一氏に話を伺った。

【本記事の目次】

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PwCあらた監査法人 第2金融部(保険・共済)

ディレクター 公認会計士

宇塚 公一(うづか こういち)

2001年、公認会計士2次試験合格、中央青山監査法人入所、2006年あらた監査法人入所。金融部にて大手保険会社の会計監査マネージャーを経て、2009年より金融庁勤務。金融庁においては金融規制の検討、企業会計審議会事務局業務などに従事。2012年よりあらた監査法人復帰。保険業界向けのアドバイザリーを専門とする保険GRCグループにてディレクターを務める。

保険業界専門の会計士とは?-必要とされる「GRC」の知見

保険業界向けアドバイザリーキャリアの3つの特徴

「例えば、現在、Googleや大手自動車会社が自動運転車を開発していますが、これが一般的になると自動車保険はどうなると思いますか?これからの保険業界は今とは大きく異なったものになっていく可能性もあるかもしれません。」

宇塚氏はそう問いかける。

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PwCあらた監査法人・保険GRCグループにてディレクターを務める宇塚氏は、中央青山監査法人、あらた監査法人での保険会社の監査、そして、金融庁での保険規制緩和の検討などの経験を有する保険業界向けアドバイザリー分野における第一人者のひとりだ。

その宇塚氏とのインタビューの中で上記のコメントは飛び出した。

現在、保険業界は変化の時期に直面しており、保険業界向けアドバイザリーにアドバイザーにとってもやりがいのある時代となっているという。

とは言え、「保険業界専門の公認会計士」のキャリアを具体的にイメージできる人は多くないだろう。保険会計や金融商品会計といった特殊性の高い会計処理のイメージが頭に浮かぶ程度の人が大多数ではないだろうか。

宇塚氏によると、保険業界向けアドバイザリーでは、会計分野での専門性を身に付けられる点だけではなく、

  1. 「GRC」アドバイザリーのキャリアを身に付けることができる
  2. 業界が国際化しており、国際業務を経験できるフィールドがある
  3. 業界が変化の時期を迎えており、アドバイザーの存在意義が高まっている

という3つの特徴が挙げられるという。

今回、この3つの点から公認会計士と保険業界向けアドバイザリーのキャリアに踏み込んでみた。

会計・財務に留まらない「GRCアドバイザリー」とは?

PwCあらた監査法人において、保険業界専門のアドバイザリーを提供する「保険GRCグループ」では、日系ならびに外資系の保険会社を主なクライアントとし、国際化する保険業界において日々、新たに生じるクライアントの課題解決を「会計・財務」や「GRC」という分野において支援している。

PwCあらた監査法人のオフィス

一般的に「公認会計士が携わるアドバイザリー業務」というと、企業会計や内部統制に関する助言を行う

「会計アドバイザリー」

や、財務やM&Aなどに関する助言を行う

「FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)」

などを思い浮かべる人が多いだろう。

宇塚氏によると、保険GRCグループのアドバイザリーは「会計・財務アドバイザリー」に加えてこの「GRCアドバイザリー」も主力サービスとして提供している点に特徴があるという。
GRCとは、

  • Governance(ガバナンス)
  • Risk(リスク)
  • Compliance(コンプライアンス)

の3分野の頭文字を指す。

この「GRC」に「会計・財務」を加えた4分野が保険GRCグループの主要サービスだという。

具体的にはそれぞれ下記のようなサービスを提供している。

【会計・財務アドバイザリー】

「会計・財務アドバイザリー」では、保険会社の会計処理全般に関するアドバイザリー、IFRSの導入支援、合併・買収後の会計や内部統制面からのPMI(Post Merger Integration/統合支援)、また、PwCネットワークのM&Aアドバイザリーチームと連携して、財務デューデリジェンスやストラクチャリング等に関するアドバイザリーサービスを提供している。
金融商品会計や保険会計など、独自性の高い保険業界向けの会計ナレッジを活用しクライアントをサポートするサービスだ。

【Governance(ガバナンス)アドバイザリー】

「Governance(ガバナンス)アドバイザリー」では、グローバル展開する保険会社に対する海外子会社のガバナンス強化のためのアドバイザリーやコーポレートガバナンス・コードへの対応支援を行っている。
保険業界では、ここ数年でも第一生命、明治安田生命、住友生命、東京海上HDと言った大手保険会社が海外の保険会社の買収を行っており、拡大する関連会社に対してガバナンスをどう効かせていくかは特に重要なテーマとなっている。

【Risk(リスク)アドバイザリー】

「Risk(リスク)アドバイザリー」では、ORSA(オルサ/Own Risk and Solvency Assessment)*への対応を始めとしたERM(Enterprise Risk Management)関連のアドバイザリーサービスを提供している。リスク管理におけるフレームワークや規定の整備、ORSAレポートの作成支援、そして、2016年から欧州で適用開始となるソルベンシー2**規制への対応など、海外も含めた保険会社のリスク管理ニーズに対応している。

*「リスクとソルベンシーの自己評価」、2015年より金融庁への報告が求められている。
**欧州において導入に向けて検討が進められているソルベンシー規制。

【Compliance(コンプライアンス)アドバイザリー】

「Compliance(コンプライアンス)アドバイザリー」では、国内における各種規制への対応や、海外での金融・保険関連当局対応の支援を行っている。
国内では直近で言えば保険募集人に関する規制強化への対応がトレンドである。海外においては国や地域によって異なる規制への対応や、コンプライアンス関連課題に対するアドバイザリーサービスを提供している。

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この「GRCアドバイザリー」だが、必ずしも「ガバナンス」「リスク」「コンプライアンス」それぞれのジャンルに納まりきるものではなく、プロジェクトによってはジャンルをまたいだ複合的な課題もある。

公認会計士は会計士試験においてGRCに関する知識も学んでいると思うが、会計・財務も含めたそれらの知識を総合的に活かし、かつ、保険業界向けに特化したアドバイザリーサービスを提供しているのが保険GRCグループである。

国際化する保険業界への対応 -グローバルに活躍できるGRCアドバイザリーのキャリア

日系保険会社による米国保険会社の買収 -国際化する保険業界

保険業界では、近年、世界的な業界再編が進んでおり、先日も、チューリッヒ生命が英国のRSAインシュアランス・グループを1兆円を超える金額で買収予定との報道がなされるなど大型M&Aのニュースが業界を賑わせている。

これは日本企業も例外ではなく、例えば、この2年だけでも、住友生命、明治安田生命、第一生命、東京海上HDと言った日系の大手保険会社が、米国の保険会社を数千億円規模で買収している。

【日系保険会社による近年のクロスボーダーM&A事例】

  買収企業 被買収企業 金額
2015年 住友生命 シメトラ・フィナンシャル(米国) 4,666億円
2015年 明治安田生命 スタンコープ(米国) 6,246億円
2015年 東京海上HD HCCインシュアランスHD(米国) 9,413億円
2014年 第一生命 プロテクティブ生命(米国) 5,822億円

保険GRCグループでも、国際業務へのニーズは年々高まっていっているが、これも日本の保険会社が積極的に海外企業の買収や海外での事業活動の拡大を模索していることが起因する。

日系保険会社の海外事業比重が高まるにつれ、先に述べたORSAやソルベンシーⅡと言った規制の影響も高くなり、また、規制や現地の法律、時には文化・慣習まで考慮したコンプライアンスやガバナンス強化を行う必要性が生じてくる。

アドバイザーである保険GRCグループのメンバーたちの活躍フィールドも自ずと国際化していっているのである。

PwCあらた監査法人

チーム一体となり語学力や専門性を伸ばせる環境

保険GRCグループでは、このような業界の国際化に対応していくためのメンバー育成にも力を入れている。

例えば、語学面では、メンバー全員がCASEC750点(TOEIC800点相当)以上を取得できるようグループとして自主目標を設定し、一丸となって英語力向上に取り組んでいる。

「国際化する保険マーケットに対応するために、最終的には全メンバーが英語について困難がない状態にできるのが理想。まずはわかりやすい目標としてCASECの点数を目安としているが、幸い、当グループには外国人メンバーもいるため英語力を自然に伸ばす環境が用意されている。資格試験(CASEC)をきっかけとして、チーム全体が自発的に英語力を高めていこうという良い雰囲気が醸成されている。」宇塚氏は語る。

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また、ナレッジの共有にも積極的だ。

規制トピックを扱った各種e-learningが提供されているほか、定例で業界トレンドについて一定の職階以上のメンバーが集まって意見交換する場を設けたり、昨秋にもメンバーのひとりがイギリスに出向し、海外の先進事例へのアクセスを容易にしているという。

保険業界専門のキャリアに将来性はあるのか? -業界の変革期、高まるアドバイザーの存在意義

業界が動くときこそアドバイザーの力が必要とされる

会計士が専門分野を決める際、業界の将来性も気になるところだろう。

高齢化の進展に伴い、成熟期から緩やかな衰退期に入ったとされる日本経済。日本の産業を見渡した時、長期での成長が予測できる産業というのは決して多くはなく、多くの若手会計士はどの分野を専門にするかそこに頭を悩ませる。

保険業界に関してもそれは例外ではないだろう。

保険業界向けアドバイザリーの専門家はそれをどう捉えているのか?

PwCあらた監査法人・ディレクター・公認会計士・宇塚氏

宇塚氏が印象的な意見を聞かせてくれた。

それは、「業界が変動する時ほどアドバイザーの力が必要とされる。変化していく業界を選べ。」ということだ。

「今の日本では、高齢化や人口減少の影響から、残念ながら長期的にマーケットが縮小していくのは事実。では、プロフェッショナルとして専門とする業界の直近の業績や将来の見込みが安定していると良いのか?というと、実はそうとも言えない。クライアントの業界が変化に直面している時ほど外部のアドバイザーの力が必要とされ、プロとしての存在意義も高まる。」

宇塚氏は語る。

まさに変化の真っ只中にある業界を専門とすることは、日々、刻々と変化する業界動向にキャッチアップしていかなければならず、専門家にとっては厳しい仕事といえるだろう。
一方で、成熟・安定した業界を専門とするよりも専門家に力が必要とされ、存在意義も増す。

これは公認会計士がみずからのキャリアをどの業界に置くかを考える上で重要な視点のひとつと言えるかもしれない。

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「現在、我々のクライアントである保険会社は、国際化に対応するためにM&Aや海外進出を加速しています。クライアント自身がこれまでにない変化に対応しようと日々、努力している。それを支える我々アドバイザーの責任も重い。」

宇塚氏はクライアントと関係や業界の将来をこう語る。

「例えば、現在、Googleや大手自動車会社が自動運転車を開発していますが、これが一般的になると自動車保険はどうなると思いますか?また、Fintech(フィンテック)というカテゴリーで語られる金融とテクノロジーが融合した分野のベンチャー企業が台頭してきており、保険業界の未来は今、私達が見ているものとはまったく違うものになっているかもしれない。

そういった変化に適応しようとするクライアントをサポートするのが我々専門家のミッションであり、大きな変化の中でこそ我々にもチャンスが産まれてくる。変化を乗り越えることがクライアントにとっても我々にとってもチャンスであると捉えています。」

多様な人材が活躍するチームへ -保険GRCグループが目指すフィールド

保険GRCグループで求める人材

保険GRCグループでは業容拡大に伴い人材採用にも積極的だ。

「現在の人員を、2020年を目処に今の数倍の規模へと拡大させたい」と宇塚氏は意気込みを語る。

同グループではどのような人材を求めているのだろうか?

宇塚氏によるとキーワードは「多様性」であるという。

保険GRCグループで取り扱う案件は言葉では「ガバナンス」「リスク」「コンプライアンス」の3つに分類されるが、保険会社から持ち込まれる課題は3つのジャンルでは括りきれないほど多様である。そのため、それらに対応していくためには画一化された人材ではなく、多様な人材を集め、育成していく必要がある。

「アドバイザリーは何もないところから、どのようなアプローチでお客様の役に立つかを考え、創造していく仕事。日々変わるお客さんのニーズを柔軟に捉えてサービスを提供していくことが大切。」

宇塚氏はアドバイザリーに対するポリシーを語る。

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「当グループでは、公認会計士はもちろんのこと、米国公認会計士(USCPA)やCIA(公認内部監査人)、保険会社出身者(リスク管理、法務・コンプライアンス、経営企画、経理・財務などの経験者)といった幅広い人材を採用対象としています。変化や決まっていないことに柔軟な人、様々な経験を積んだ方を迎え入れ、多様性のある組織にしたい。」

また、保険GRCグループでは、国際業務も多いため英語力のある人材も歓迎だ。

理想はビジネスレベルの英語力を有している人材だが、前述の通り、チーム全体で英語力を高めていくことができる環境もあるため、国際業務にチャレンジしたい人材、これから英語力を高めたい人材も含めて歓迎だという。

「変化に対して前向きな方、慣性の働くままに職業人生を終えることに危機感を感じている方、保険GRCでは、業種の専門性と業際を飛び越えられるビジネススキルの向上を通じたグループを目指しています。是非とも一度、直接お話をしましょう。」
宇塚氏はそう呼びかける。

「保険」「GRC」「国際性」、3つのキャリアが磨ける保険GRCアドバイザリーのフィールド。

興味のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか?

第2回:従業員満足度No.1チーム!PwCあらた監査法人の若手マネージャーが語る保険業界向けアドバイザリーとは?

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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