本日、令和4年度修了考査の合格発表が行われました。
本年は、公認会計士協会のサイトの不具合の影響で、発表予定時刻の10時に閲覧ができず、合格者名簿ではなく、合格証書のダウンロードで合格を知ったという方々もおられたようですが、1,392名の方が見事合格となりました。
合格された皆様、おめでとうございます。また、残念ながら不合格となってしまった皆様におかれましては、次回、良い結果が得られますよう祈念しております。
本記事では、令和4年度の修了考査の合格発表の内容を詳しく考察していきます。
令和4年度・修了考査合格者の概要
まず、令和4年度の合格発表に関する概要は下記の通りです。
【受験願書提出者数】2,181名(男性1,702名、女性479名)※女性比率22.0%
【受験者】2,000名(男性1,543名、女性457名)※女性比率22.9%
【合格者】1,392名(男性1,068名、女性324名)※女性比率23.3%
【合格者の年齢】平均年齢29.8歳、最高年齢67歳、最低年齢22歳
【対受験願書提出者数合格率】63.8%
【対受験者数合格率】69.6%
合格者数と合格率
合格者数は前年比12名減少でほぼ横ばい
さて、合格者数や合格率を見ていきましょう。
まずは受験者数と合格者数です。
令和4年度の修了考査における「受験者」の総数は昨年の2,174名から2,000名へと減少しています。また、「合格者数」は1,392名と、前年度の1,404名と比較して12名の減少となっています。
受験者数の増減は、3~4年程度前の論文式試験の合格者数と相関性が高い傾向にありますが、参考までに近年の論文式試験の合格者数の推移は以下になります。
対受験者数合格率は69.6%
続いて合格率を見てみましょう。
ここ数年、大きく低下し、昨年回復が見られた合格率ですが、本年も大きく改善しています。
※平成18年度・修了試験の「対受験願書提出者数合格率」は開示されていないため、旧3次試験を受験した51名のデータとなっています。
「対受験願書提出者数合格率」は63.8%と、昨年の59.3%から4.5%のアップとなっています。
また、「対受験者数合格率」も69.6%と、前年より5%アップとなっています。以前の修了考査は、70%程度の合格率で推移していましたので、以前の水準に戻ったと言えるでしょう。
今年から男女別合格者数、年齢も開示。氏名非公表制度は合格者の13.4%が利用
今年の合格発表では、新たに男女別の合格者数と、合格者の年齢に関する数字が開示されています。論文式試験の合格発表では以前より開示されていましたので、そちらに体裁を揃えたのかもしれません。
【受験願書提出者数】2,181名(男性1,702名、女性479名)※女性比率22.0%
【受験者】2,000名(男性1,543名、女性457名)※女性比率22.9%
【合格者】1,392名(男性1,068名、女性324名)※女性比率23.3%
【合格者の年齢】平均年齢29.8歳、最高年齢67歳、最低年齢22歳
また、現在の修了考査では、受験者本人から申請があれば、合格発表時に氏名を公表せず受験番号のみを公表することが可能となっています。
今回の修了考査においても、全国で187名、合格者全体の13.4%の方が氏名非公表制度を利用しています。
制度開始以降の推移は以下のグラフの通りで、昨年利用率が大きく高まったものの、今年はそれよりもやや下がる形となりました。
個人情報については、世間的にも年々敏感になっている昨今ですので、氏名非公表制度を利用する方は増えていくのかと予想しておりましたが、もしかすると、合格者名簿で自分の名前を確認したいという希望をお持ちの方も意外と多いのかもしれません。
公認会計士の転職市場、今後は今年後半の景気次第!?
今回の修了考査合格者1,392名すべてが公認会計士協会の正会員登録を行ったとすると、公認会計士(正会員)数は34,436名(2023年3月末現在)から35,828名へと、約4.0%増加することとなります。
現状は業界全体でまだまだ人不足ですので、公認会計士の数が増えるとともに、活躍する公認会計士の露出が増えることで、業界全体にも良い影響があると言えるでしょう。
また、修了考査の合格をきっかけとして、転職や今後のキャリアを考える方々もおられるかと思います。
現在の公認会計士の転職市場は、ここ数年の流れを受けて引き続き転職希望者が優位な「売り手市場」が継続しています。
現時点で言えば、企業側の採用意欲は旺盛であり、3~5年程度以上の監査経験のある公認会計士の方であれば、転職すること自体は容易な市場となっています。
一方で、米国の銀行破綻、大手テック系企業のリストラなど、世界経済の先行きが見通しにくい中で、今後の日本経済の動向も読みにくい部分があります。公認会計士の転職市場は、IPOやM&Aと言った資本市場と連動しやすい傾向がありますので、今年後半以降の日本の資本市場や景気動向がどうなってくるかによって、これまで続いた売り手市場にも変化が見られる可能性もあるかもしれません。
いずれにせよ、修了考査の結果をきっかけとし、ひとりでも多くの会計士の方が充実したキャリアを歩めるよう祈念しています。
以上、本年の修了考査に関する考察でした。
公認会計士ナビでは、引き続き修了考査の動向をウォッチしていきます。
※本文中のデータは全て公認会計士協会発表のデータより作成。
修了考査合格後の転職・キャリア相談なら!
公認会計士ナビでは、公認会計士や会計士試験合格者の方々の転職をサポートしております。情報収集から、実際の転職活動のサポートまで、ニーズに合わせてサービスをご活用ください。
1:転職やキャリアの情報収集をされたい方
キャリアに関する情報収集をされたい公認会計士の方のために、転職やキャリアに関する情報を下記にまとめてあります。修了考査合格後のキャリアに関する情報収集にご活用頂ければと思います。b
2:キャリアや転職について話を聞いてみたい方
まずはプロのアドバイザーに話を聞いてみたいという公認会計士の方のために、個別形式でのオンラインキャリア相談を受け付けております。以下よりキャリアセミナーにお申込みください。
3:転職活動をサポートして欲しい方
公認会計士ナビの転職エージェントサービスでは、公認会計士のキャリアに詳しいアドバイザーが、豊富な業界知識と親身な姿勢でキャリアプランの検討から実際の転職活動までをサポート致します。転職することを決めている方はもちろん、転職をするかどうか検討中の方からご利用可能です。ご希望の方は下記ページよりお申込みください。