公認会計士と税理士の違いとは?キャリアや就職&転職事情を徹底比較!

“公認会計士と税理士が就職・転職するときの違い”って何?

会計系の資格受験を考えたとき、公認会計士にするか税理士にするか悩む人も多いと思います。

公認会計士も税理士も勉強期間が長く、受験するとなれば一生を左右します。勉強をスタートする前に就職や転職事情についても詳しく知りたいですよね。

公認会計士ナビでは、公認会計士や税理士専門の転職エージェント事業を行っていますので、そちらで培ったノウハウから、公認会計士と税理士のキャリア(就職・転職)に関する疑問にお答えしたいと思います。

公認会計士と税理士を徹底比較!就職や転職などキャリアに関する違いは

Q1.公認会計士と税理士では、活躍するフィールドに違いはありますか?

公認会計士は、「会計監査」を中心に「経理」「財務」「金融」など幅広い領域で、かつ、「コンサルティングファーム」「事業会社」「会計事務所」のいずれでも活躍している傾向にあります。

一方の税理士は、会計系の資格という点で公認会計士に似ていますが、「税務」「経理」のフィールドを中心に活躍することが多いです。具体的には、「会計事務所」か「事業会社の経理部や税務部」で働いている方が多いです。

また、M&Aや企業再生などのコンサルティングの仕事を行っている公認会計士や税理士もいますが、同じM&Aや企業再生と言っても、公認会計士は財務や会計面から、税理士は税務面から、M&Aや企業再生の仕事を行っていることが一般的です。

ですので、税務への興味が高い方であれば税理士、会計や財務などもう少し幅広い分野に興味がある方であれば、公認会計士が適していると言えるかもしれません。

Q2.東京に残るか地元に戻るか迷っています。公認会計士と税理士で勤務地に違いはありますか?

まず公認会計士は、北海道・埼玉・千葉・東京・神奈川・近畿・兵庫・北部九州など16地域会のうちのどれかに所属しますが、地域会ごとの在籍者数を見ると、公認会計士の約6割が東京会、約1割が近畿会に所属しており、首都圏集中型の分布になっているのが特徴です。

これはクライアントが首都圏に集中していることを意味しています。大勢の会計士ともに、様々なクライアントを監査してみたいと考えるのであれば、東京で就職するのがオススメと言えるかもしれません。

一方の税理士も公認会計士と同様に、東京・東京地方・千葉県・関東信越など15の会のどこかに登録しています。しかし、会ごとに所属人数の分布を見ると、税理士のうち東京会が約3割、近畿会が約1割となっています。

税理士は会公認計士と比べると地方にも分散しているのが特徴です。

これは税理士が税務を行うクライアントは主に中小企業であることが多く、公認会計士のクライアント(公認会計士が監査する企業)は上場企業などの大企業が多いことが理由と考えられます。

東京に残るなら公認会計士でも税理士でも変わりませんが、地方で働きたいと思っているなら税理士が適した資格とも言えるかもしれません。

Q3.将来は英語を活かして働きたいのですが、公認会計士と税理士のどちらが適していますか?

公認会計士は大手監査法人に就職すると、大企業の監査を担当することが多いです。大企業だと海外に関連会社があって、監査証拠として入手した契約書やメールなどが英語をはじめとした外国語で書かれていることがあり、外国語に触れる機会があります。

また、国際部に所属すればニューヨーク証券取引所など他国の市場に上場している企業の監査を担当することができます。SEC基準(米国会計基準)やIFRS(国際財務報告基準)などの習得は必須で、英語を使っての業務となります。(海外市場に上場している会社を担当するのであれば、東京など首都圏での勤務が必要になります。)

他にも、BIG4だと海外の会計事務所と提携しているので、海外のメンバファームの事務所へ出向するチャンスもあります。監査法人によってはTOIECなど英語試験の受験を推奨している法人もあります。

一方の税理士は、大手税理士法人に行かないと英語に触れる機会は少ないでしょう。

BIG4を中心に大手税理士法人であれば、海外に関連会社を持つグローバル企業の国際税務や外資系企業の税務に英語を使って従事する機会があったり、監査法人と同様に海外のメンバーファームへ出向するチャンスもあります。

また、大手税理士法人でなくとも、外資系企業や国際業務専門の会計事務所であれば英語を使う機会はありますが、そういった業務を行っている会計事務所は多くなく、かつ、東京など大都市の会計事務所が多いです。公認会計士と税理士の違いもありますが、税理士の場合、英語を使うチャンスを増やすためには大都市圏で働くことが必要です。

そのため、英語の使用機会で、公認会計士と税理士を比較するなら、一般的には公認会計士の方が英語を使うチャンスは多いでしょう。

Q4.公認会計士と税理士の年収に違いはありますか?

国税庁から出ている平成27年度の統計情報を見ると、「公認会計士、税理士」の1人あたり所得金額は約678万円でした。

この約678万円という金額は、公認会計士と税理士の両方を合わせた金額です。

公認会計士と税理士を区分した統計情報は見つけられなかったのですが、年収も気になるポイントかと思います。そこで、転職エージェントサービスでの年収相場を参考にコメントしたいと思います。

【公認会計士の年収イメージ】

公認会計士の年収は、監査法人や事務所の規模により異なりますが、大手監査法人に就職すると、初任給は残業代を含めて600万円弱で、マネージャーになると1,000万円くらいが目安になります。長く勤めていればマネージャーまでは昇進できるケースが多いので、1,000万円くらいはもらえそうです。

【税理士の年収イメージ】

税理士の年収は、中小の会計事務所だと、500~600万円、税理士なる前の受験生や科目合格者の間は、250~400万円くらいが目安です。年収700万円以上の税理士を目指すなら、中堅以上の会計事務所や業績の良い会計事務所を選ぶ必要があります。

なお、税理士の場合も、もしBIG4税理士法人に入れば、BIG4監査法人に就職した公認会計士と同等かそれ以上の収入が期待できます。ただし、税理士約77,000名のうちBIG4税理士法人に在籍しているのは約1,500~2,000名程度で、税理士全体の3%弱しかいません。

そのため、単純に年収の高い大手法人に就職できる可能性だけ見れば、公認会計士の方が税理士よりも高年収を実現しやすいと言えるかもしれません。

公認会計士と税理士を徹底比較!転職に関する違いは?

Q5.転職を考えています。公認会計士と税理士はそれぞれ何年くらい実務を積んでから次の進路に進むのでしょう?

【公認会計士の転職やキャリアの積み方】

公認会計士は、合格すると監査法人で会計監査や、その一環として内部統制監査の経験を積みます。その中で、企業会計や会社法関連、コーポレートガバナンスなど幅広く知識を見つけていきます。大体3年から5年くらい監査法人で経験を積んだのちに、転職市場に出ていくことが多いでしょう。

公認会計士の場合、転職市場では、いろんな分野で応用が利く経験をしていると好意的に見られます。

転職先としては、監査のスキルを活かして企業の経理部門に行く場合や、FASや企業再生などのアドバイザリー業に行く場合、投資銀行など金融系に行く人もいます。ほかにも、財務や経営のコンサルティング会社や、会計事務所で税務をする場合もあります。

公認会計士の場合、監査法人の次のキャリアの経験を軸に、30代くらいでキャリアを固めていくイメージです。

【税理士の転職やキャリアの積み方】

一方、税理士は試験勉強をしながら働く人もいるでしょう。専門学校・大学を出て試験を受けながら会計事務所で働き、合格科目を積みあげていくという働き方をする人や、財務諸表論など2科目くらい受かってから就職する人もいます。

そこでの仕事は、中小企業の記帳や決算業務であったり、申告書を作ったり資金繰りを見たりします。合格科目が4科目になり残り試験科目が少なくると業務にさける時間が増えてくるので、より高度な業務をする人が増えてきます。税理士まであと少しとなるこの時期には、法人税務や所得税専門、または相続専門で行こうとか進路を決めてくる人が多いでしょう。

そのため、税理士は合格までの間(試験勉強中)から経験が積み上がっていく形になります。

なお、公認会計士も税理士のいずれに関しても気を付けなければいけないのは、合格する年齢が遅くなるほど、進路(専門分野)を変えるのが厳しくなっていく点です。若く合格した人の方が、その後の進路を色々と選ぶことができます。

Q6.公認会計士と税理士ではどちらが独立しやすいですか?

税理士は会計事務所での経験がそのまま独立後も使えますので、会計事務所で何年か働きながらクライアントを見つけて、そのまま独立することができます。

一方の公認会計士は、監査法人から転職して監査以外の経験を積んでから独立するイメージになります。多くの会計士は監査法人からキャリアをスタートしますが、個人で独立して監査を行うのは難易度が高いためです。

そのため、資格をとってそのまま独立するなら、税理士のほうが独立しやすいでしょう。

公認会計士は、監査法人後のキャリアの選び方で、いろんな独立形態があります。コンサルをやりたいなら、どういった分野のコンサルにするかで転職先を選びます。

Q7.将来コンサルで活躍したいのですが、公認会計士と税理士で違いはありますか?

公認会計士は合格すると、監査法人で監査を経験しながら企業会計や会社法などの知識に詳しくなり、内部統制の検証もするのでコーポレートガバナンスに関する知識と経験も積みます。また、公認会計士は試験科目の中に経営学があり、経営面の知識もカバーしています。

そういった知識や経験を活かして、公認会計士は経営管理・財務面からの切り口でコンサルティングを行う傾向にあります。

一方の税理士は、Q1でも少し触れましたが、税務面からコンサルティングを行うことになります。

税理士は、会計事務所で税務を行う人が多いですが、会計事務所でもM&Aや事業承継、企業再生、また、相続税など資産税や、国際税務を専門コンサルティングに行う場合もあります。

金融機関やコンサルティングファームに転職してコンサルティングを行う人も一部いますが、そこでM&Aや事業承継、企業再生などのコンサルティングに携わる場合も、税務面を中心にコンサルティングを行うことが多いです。

このように資格によって関わり方が異なりますが、公認会計士の方が関わり方が広い傾向にあります。一方で、税理士は、税務中心になることが多いものの、税務分野は非常に複雑でもありますので、深くアドバイスすることができます。

Q8.公認会計士と税理士ではクライアントに違いはありますか?

公認会計士試験に合格すると、合格者の多くは大手監査法人に就職します。そこでは、監査を行いますが、監査を必要とする企業は上場企業や会社法上の大企業など、大手企業が中心となります。そのため、大手企業を相手に仕事をしたいなら、公認会計士がおすすめです。

一方で、税理士は中小企業も大手企業も担当しますが、大手企業は大手税理士法人が見ているケースが多いと言えます。

しかし、税理士約77,000名のうちBIG4税理士法人に在籍しているのは、約1,500~2,000名程度で税理士全体の3%弱しかいませんので、ほとんどの税理士は、中小企業を見ています。

そのため、中小企業向けの仕事をしたいのであれば、税理士のほうがおすすめと言えるでしょう。

Q5.上場企業の経理部門への転職を考えているのですが、公認会計士と税理士ではどちらが有利ですか?

公認会計士は、会計監査で上場企業に助言・指導する立場にあります。そのため経理に転職する場合も、上場企業に好まれる傾向にあります。

一方の税理士にも、上場企業の税務部門で採用されて働く人がいます。ただし税務の専門部門がある会社は一部の大企業なので、求人数が少なく、採用のハードルが高い傾向にあります。

 上場企業に転職したいなら、公認会計士のほうが転職しやすいといえます。

Q6.結婚・出産育児後も働ける資格が取りたいです。公認会計士と税理士で女性が働きやすいのはどちらの資格ですか?

大手監査法人ではダイバーシティを推進していますが、家事育児と両立しながら緩く働くなら、独立するのが良いでしょう。

公認会計士の場合は、出産・育児から復帰してバリバリ働くこともできますが、監査法人で非常勤(パートみたいな感じです)で日当数万円(時給にすると数千円代後半~1万円弱)で働くことができます。4月から6月の繁忙期には月20日くらい、子どもが長期休暇になる夏休みや冬休みなどの閑散期はあまり働かない、ということもできます。

ただし監査法人での非常勤の採用は時期によって採用に波があります。景気が良くたくさん働ける年もあれば、不景気であまり仕事がない年もあります。

税理士の場合、会計事務所で週何日かアルバイトで働くとすると、時給1,500円くらいで中小企業の税務を見たりします。BIG4税理士法人でパートができるなら、時給2,000~3,000円くらいのケースもあります。

そのため、非常勤やパートの時給だけで言うと公認会計士のほうが高いと言えます。

一方で、税理士の魅力は、自分でお客さんが持って家庭と両立しながらプチ独立ができるところです。税理士の場合は、自分で独立して、数人とか数社など家庭と両立できる範囲のクライアントを持って仕事をすることもできます。(公認会計士も税理士登録を行えば税務の仕事ができますが、監査の後に一度転職をして、税務の経験を積む必要があります。)

以上、公認会計士と税理士の就職・転職の違いをお伝えしました。将来は経営管理面のコンサルティングがやりたい方、地元に戻って独立したい方、大企業相手の仕事がやりたい方、みなさんの希望に対して向いている資格はどちらなのか、その判断材料になればと思います。

最後に、みなさんの合格を心よりご祈念いたします。

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