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公認会計士の年収はどれくらいなのでしょうか?本記事では、公認会計士の年収を統計データでチェックしてみようと思います。
目次
公認会計士の年収はいくら?統計データで見る平均年収の水準
先に結論をお伝えすると、厚生労働省の最新の統計(令和7年賃金構造基本統計調査)では、公認会計士・税理士の平均年収は約811万円です。前年の令和6年調査では約856万円、直近6年間(令和2〜7年)の平均でも約796万円と、おおむね800万円前後の水準で推移しています。
公認会計士の年収に関しては、ネットなどでもよく話題に上りますが、統計データ上では実際のところどのようになっているのでしょう。また、そこから読み取れる公認会計士の年収トレンドからはどのようなことが読み取れるのでしょうか。整理してみたいと思います。
なお、この統計は税理士と合算した区分の数値です。公認会計士と税理士で仕事内容や年収がどう違うのかは、税理士との年収比較記事で詳しく解説しています。
はじめに -参考にした統計と注意点-
まずはじめに今回の記事を執筆するにあたり参考にした統計データとデータに関する注意点を記載しておきます。
参考にした統計
- 賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
今回のコラムで取り上げているデータは、厚生労働省による賃金構造基本統計調査の数値を利用しています。本記事では、平成17年(2005年)から令和7年(2025年)までの各年の調査結果を用いています(平成25年以降の数値は政府統計の総合窓口「e-Stat」で公開されているデータから取得しています)。
統計に関する注意点
- 今回の統計で集計されている年収は税理士と公認会計士を一括りにした年収です。そのため、厳密には純粋な公認会計士の年収統計ではありません。(あくまで推測ですが、税理士よりも公認会計士の方が高いと思われるため、実際の公認会計士の年収は統計の水準よりもやや高いかもしれません。)
- 参考とした統計は「給与所得者」を対象としているため、独立・開業している公認会計士の年収は含まれていません。また、大手監査法人などのパートナー(代表社員・社員)の年収が含まれているかは不明です。
- 参考とした統計では、給与は「きまって支給する現金給与額」「年間賞与その他特別給与額」のふたつで構成されています。そのため、それらの数値をもとに執筆者側で下記の公式に当てはめて年収を計算しています。
年収=「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」
- 参考とした統計は標本調査のため、統計上の誤差を含みます。特に公認会計士・税理士の区分では、集計対象となった労働者数が年によって約5,000人から約4万人まで大きく変動しており、単年の数値には振れがある点を割り引いて見る必要があります。
- 令和2年(2020年)調査から、調査対象職種の見直し(職種分類の変更)や労働者数の推計方法の変更が行われています。そのため、令和元年(2019年)以前の数値と令和2年以降の数値は単純に比較できない点にご注意ください。
公認会計士全体の平均年収の推移(従業員10人以上の全事業者)
では、まずは公認会計士全体の年収を見てみましょう。
下記の年収は、従業員数10名以上の事業者に勤務する公認会計士を対象とした年収データです。
まず、平成24年調査までのデータから見ていきます。平成21年の年収が著しく高くなっているのがやや気になりますが、リーマンショック前は約800万円程度であった平均年収が、リーマンショック後には最低で630万円まで下がっています。
また、リーマンショックの起きた平成20年に一度、年収水準が下がった後に、翌年大きく跳ね上がっています。通常は、リーマンショックの年をピークに右肩下がりとなる傾向がありますので、この点は本データの特徴的な部分であると考えられます。(この点に関しては、公認会計士、税理士という特殊な職業柄、十分なサンプル数が確保できていない、もしくは、サンプルに偏りがあるなど、統計としての正確性に欠けている可能性もゼロではないことを考慮しておく必要はあるかと思います。)
いずれにせよ、監査法人や事業会社・会計事務所などに勤務している公認会計士全体の平均年収は、700~800万円程度であるとは言えそうです。
その後の推移も見てみましょう。平成25年から令和元年(2013〜2019年)にかけては、年によって約680万円から約1,040万円と振れ幅が大きいものの、おおむね700〜900万円台で推移しました。令和2年(2020年)調査からは職種区分と推計方法が変わったため単純比較はできませんが、令和2〜7年(2020〜2025年)の平均年収は約659万円から約958万円の範囲にあり、6年間の平均は約796万円です。最新の令和7年(2025年)調査では約811万円(きまって支給する現金給与額57.1万円×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額125.3万円)となっています。
これらから考えると、監査法人や事業会社・会計事務所などに勤務している公認会計士全体の平均年収は、現在もおおむね800万円前後と言えそうです。
大手監査法人・大企業(従業員1,000人以上)勤務の公認会計士の年収
次に、従業員1,000名以上の事業者に勤務する公認会計士の平均年収を見てみましょう。
従業員1,000名以上の事業者ということで、一般の大企業に勤務している公認会計士もここに含まれますが、大部分が大手監査法人勤務の公認会計士とも想定できるかと思います。
先ほどの公認会計士全体の平均年収と比較すると、平均して100万円以上年収水準が高いことが読み取れます。
直近のデータでも見てみましょう。令和6年(2024年)調査では従業員1,000人以上の平均年収は約1,044万円で、全体平均(約856万円)より約187万円高くなっています。一方、令和7年(2025年)調査では約800万円と、全体平均(約811万円)をわずかに下回っており、年によっては逆転しています。令和2〜7年の6年間の平均では約930万円で、全体平均(約796万円)を約134万円上回っていますので、長期的には大手監査法人・大企業勤務の公認会計士の方が年収水準が高い傾向が続いていると考えられます。ただし、この区分は集計対象の労働者数が少ない年もあり(令和3年は約1,200人)、単年の数値の振れは全体平均より大きくなっている点には注意が必要です。
なお、大手監査法人といっても4法人で規模や業績には違いがあります。各法人の売上・人員数の比較はBIG4監査法人の業績・人員数比較の記事をご覧ください。
また、特徴的な点としては、先ほどの統計と同様に、リーマンショック(平成20年)後の年に1度年収が下がり、さらにその後2年間に渡って高い水準を維持している点が挙げられます。
先ほどの全体平均でも似たような傾向が見られましたが、なぜリーマンショック後に右肩下がりにならず、このような傾向が見られるのでしょうか?
この点に関して、2つの仮説を述べてみたいと思います。
仮説1:平成20年(2008年)に一度、年収水準が下がっている点について
平成18年からの数年間、公認会計士試験の合格者の数が増加しており、それに伴い大手監査法人の新卒者の数も増加しています。平成20年ともなると、平成18年からの合格者数は合計で1万人近くになるため、業界全体で若手スタッフが大量に増加し、平均年収を引き下げるほどにインパクトを持ってきたのではないかと推測されます。(ただし、公認会計士試験合格者が統計に含まれているかどうかが不明ですので、単なる統計のブレである可能性もあります。)
仮説2:リーマンショックから2年に渡って、高い年収水準が維持されていた点について
監査契約の見直しは期中には行われにくいため、リーマンショック直後ではなく少し遅れて監査法人の業績に影響が出たと予想されます。また、大手監査法人が初めてリストラを行ったのは、平成22年であり、そこを契機に各法人ともに給与体系や人事制度の大幅な見直しを行い、残業代も支給されにくくなるなど、本格的な年収ダウンが始まりました。そのため、通常の業界より1年~2年程度、遅れて年収のダウントレンドがやってきているのではないかと推測されます。
一方で、平成24年は全体平均と同様に前年より平均年収がアップしていることが読み取れます。
年代別・男女別・企業規模別に見る公認会計士の年収
最後に、公認会計士の年収を年代別・男女別・企業規模別に見てみましょう。年代別・男女別のデータは、従業員10人以上の全事業者(企業規模計)の数値です。
令和7年(2025年)調査を年齢階級別に見ると、20〜24歳で約482万円、25〜29歳で約603万円、30〜34歳で約683万円、35〜39歳で約767万円、40〜44歳で約891万円、45〜49歳で約996万円と、40代後半にかけて年収が上がっていく傾向が読み取れます。前年の令和6年(2024年)調査でも、25〜29歳で約573万円、40〜44歳で約975万円、45〜49歳で約1,026万円と、同様の傾向です。(50代以降は集計対象の人数が少なく年による振れが大きいため、参考程度に見るのがよいでしょう。)
男女別では、令和7年(2025年)調査の平均年収は男性が約851万円、女性が約691万円で、約160万円の差があります。令和6年(2024年)調査では男性約1,029万円・女性約589万円と差がさらに大きく、女性の平均年収は2年続けて600〜700万円前後にとどまっています。同じ年齢階級で比べても、たとえば令和7年調査の25〜29歳では男性約623万円に対し女性約538万円、40〜44歳では男性約909万円に対し女性約833万円と、女性の方がやや低い水準です。
統計の数字だけでは見えない、女性会計士のキャリアや働き方の実情については、女性会計士のキャリアと働き方の実態の記事もあわせてご覧ください。
企業規模別に見ると、令和2〜7年(2020〜2025年)の6年間の平均年収は、従業員1,000人以上で約930万円、100〜999人で約767万円、10〜99人で約670万円となっており、規模が小さいほど低い傾向が見られます。ただし、最新の令和7年(2025年)調査に限ると、1,000人以上が約800万円、100〜999人が約828万円、10〜99人が約809万円と、規模による差はほとんど見られません。会計事務所や中小監査法人に勤務する公認会計士の多くは10〜99人の区分に含まれると考えられますので、この区分の数値は長期の傾向と単年の値の両方を見ておくとよいでしょう。
まとめ -公認会計士の平均年収は今も約800万円と高水準-
これらのデータから、監査法人や企業に勤務している公認会計士の平均年収は、おおむね800万円前後(令和7年調査で約811万円)であると言えるかと思います。国税庁が発表している民間給与実態統計調査によると、令和6年分の給与所得者の平均給与は478万円(正社員に限ると545万円)ですので、公認会計士は一般の給与所得者の1.7倍程度の年収を得ていることとなります。
また、これらのデータは、前述のとおり、税理士の年収も含んでおり、一方で、独立している公認会計士(おそらく勤務会計士より年収水準はかなり高いと予想されます)の年収は含んでいませんので、あくまで推測ですが、公認会計士全体の平均年収は1,000万円近い(場合によっては1,000万円を超える!?)とも考えられます。こう言った数字を考慮すると、公認会計士の年収は以前と比較して下がったとはいえ、未だ、高い水準を維持していると言えます。
実際に独立開業した会計士の年収がどの程度なのかは、30人へのアンケートをもとにした独立開業した会計士の年収実態の記事で紹介しています。
なお、ここまで見てきたとおり、公認会計士の年収は勤務先の規模や年代、性別によって差があり、監査法人以外へ転職した場合は年収の考え方も異なります。監査法人からの主な転職先や年収の目安は会計士の転職・キャリア情報ガイドで整理しています。
年収レンジを明記した募集中の求人は「公認会計士の求人一覧(募集中)」でも確認できます。
こうした統計上の年収を、実際にキャリア支援の現場ではどう捉えているのかについては、動画『公認会計士の年収の期待値、どれくらい?キャリアのプロがどう捉えているか聞いてみた』でも解説しています。
自分の年収が水準と比べてどうなのか、年収を上げるにはどのような選択肢があるのかを個別に相談したい方は、公認会計士専門の転職相談(無料)もご利用ください。
今後の公認会計士の年収に注目です。
公認会計士の年収に関するよくある質問
Q1. 公認会計士の平均年収はどれくらいですか?
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、公認会計士・税理士の平均年収は約811万円です。前年の令和6年調査では約856万円、令和2〜7年の6年間の平均でも約796万円と、おおむね800万円前後の水準で推移しています。
Q2. 大手監査法人(従業員1,000人以上)に勤務する公認会計士の年収はどれくらいですか?
令和6年調査では約1,044万円で、全体平均(約856万円)より約187万円高くなっています。一方、令和7年調査では約800万円と全体平均(約811万円)をわずかに下回りました。令和2〜7年の6年間の平均は約930万円で、全体平均(約796万円)を約134万円上回っています。
Q3. 公認会計士の年収は年代別にどう変わりますか?
令和7年調査では、20〜24歳で約482万円、25〜29歳で約603万円、30〜34歳で約683万円、35〜39歳で約767万円、40〜44歳で約891万円、45〜49歳で約996万円と、40代後半にかけて年収が上がっていく傾向があります。50代以降は集計対象の人数が少なく、年による振れが大きいため参考程度に見るのがよいでしょう。
Q4. 女性の公認会計士の平均年収はどれくらいですか?
令和7年調査の平均年収は男性が約851万円、女性が約691万円で、約160万円の差があります。令和6年調査では男性約1,029万円・女性約589万円でした。同じ年齢階級で比べても、たとえば令和7年調査の40〜44歳では男性約909万円に対し女性約833万円と、女性の方がやや低い水準です。
Q5. 公認会計士の年収は一般の給与所得者と比べてどのくらい高いですか?
国税庁の民間給与実態統計調査によると、令和6年分の給与所得者の平均給与は478万円(正社員に限ると545万円)です。公認会計士・税理士の平均年収は令和7年調査で約811万円ですので、一般の給与所得者の1.7倍程度の年収を得ていることになります。






































