公認会計士の年収ってどれくらい?統計データから見る会計士の年収



公認会計士の年収ってどれくらい?

公認会計士の年収はどれくらいなのでしょうか?今回、公認会計士の年収を統計データでチェックしてみようと思います。

公認会計士の年収に関しては、ネットなどでもよく話題に上りますが、統計データ上では実際のところどのようになっているのでしょう。また、そこから読み取れる公認会計士の年収トレンドからはどのようなことが読み取れるのでしょうか。整理してみたいと思います。

はじめに -参考にした統計-

まずはじめに今回の記事を執筆するにあたり参考にした統計データとデータに関する注意点を記載しておきます。

参考にした統計

今回のコラムで取り上げているデータは、厚生労働省による賃金構造基本統計調査の数値を利用しています。

統計に関する注意点

  • 今回の統計で集計されている年収は税理士と公認会計士を一括りにした年収です。そのため、厳密には純粋な公認会計士の年収統計ではありません。(あくまで推測ですが、税理士よりも公認会計士の方が高いと思われるため、実際の公認会計士の年収は統計の水準よりもやや高いかもしれません。)
  • 参考とした統計は「給与所得者」を対象としているため、独立・開業している公認会計士の年収は含まれていません。また、大手監査法人などのパートナー(代表社員・社員)の年収が含まれているかは不明です。
  • 参考とした統計では、給与は「きまって支給する現金給与額」「年間賞与その他特別給与額」のふたつで構成されています。そのため、それらの数値をもとに執筆者側で下記の公式に当てはめて年収を計算しています。

年収=「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」

  • 参考とした統計の標本誤差率(=統計上の誤差)は職種ならびに各年によって異なりますが、公認会計士・税理士に関してはおおよそ2%程度です。

公認会計士全体の年収

では、まずは公認会計士全体の年収を見てみましょう。

下記の年収は、従業員数10名以上の事業者に勤務する公認会計士を対象とした年収データです。

公認会計士の年収 全体

平成21年の年収が著しく高くなっているのがやや気になりますが、リーマンショック前は約800万円程度であった平均年収が、リーマンショック後には最低で630万円まで下がっています。

また、リーマンショックの起きた平成20年に一度、年収水準が下がった後に、翌年大きく跳ね上がっています。通常は、リーマンショックの年をピークに右肩下がりとなる傾向がありますので、この点は本データの特徴的な部分であると考えられます。(この点に関しては、公認会計士、税理士という特殊な職業柄、十分なサンプル数が確保できていない、もしくは、サンプルに偏りがあるなど、統計としての正確性に欠けている可能性もゼロではないことを考慮しておく必要はあるかと思います。)

いずれにせよ、監査法人や事業会社・会計事務所などに勤務している公認会計士全体の平均年収は、700~800万円程度であるとは言えそうです。 

大手監査法人・大企業勤務の公認会計士の年収

次に、従業員1,000名以上の事業者に勤務する公認会計士の平均年収を見てみましょう。

従業員1,000名以上の事業者ということで、一般の大企業に勤務している公認会計士もここに含まれますが、大部分が大手監査法人勤務の公認会計士とも想定できるかと思います。

公認会計士の年収 大手法人

先ほどの公認会計士全体の平均年収と比較すると、平均して100万円ほど年収水準が高いことが読み取れます。

また、特徴的な点としては、先ほどの統計と同様に、リーマンショック(平成20年)後の年に1度年収が下がり、さらにその後2年間に渡って高い水準を維持している点が挙げられます。

先ほどの全体平均でも似たような傾向が見られましたが、なぜリーマンショック後に右肩下がりにならず、このような傾向が見られるのでしょうか?

この点に関して、2つの仮説を述べてみたいと思います。

仮説1:平成20年に一度、年収水準が下がっている点について

平成18年からの数年間、公認会計士試験の合格者の数が増加しており、それに伴い大手監査法人の新卒者の数も増加しています。平成20年ともなると、平成18年からの合格者数は合計で1万人近くになるため、業界全体で若手スタッフが大量に増加し、平均年収を引き下げるほどにインパクトを持ってきたのではないかと推測されます。(ただし、公認会計士試験合格者が統計に含まれているかどうかが不明ですので、単なる統計のブレである可能性もあります。)

仮説2:リーマンショックから2年に渡って、高い年収水準が維持されている点について

監査契約の見直しは期中には行われにくいため、リーマンショック直後ではなく少し遅れて監査法人の業績に影響が出たと予想されます。また、大手監査法人が初めてリストラを行ったのは、平成22年であり、そこを契機に各法人ともに給与体系や人事制度の大幅な見直しを行い、残業代も支給されにくくなるなど、本格的な年収ダウンが始まりました。そのため、通常の業界より1年~2年程度、遅れて年収のダウントレンドがやってきているのではないかと推測されます。

一方で、平成24年は全体平均と同様に前年より平均年収がアップしていることが読み取れます。 

まとめ -公認会計士の年収はまだまだ高い!?-

これらふたつのデータから、監査法人や企業に勤務している公認会計士の平均年収は少なくとも700~800万円程度であると言えるかと思います。国税庁が発表している民間給与実態統計調査によると、平成23年の給与所得者の平均年収は409万円ですので、公認会計士は一般のサラリーマンの2倍近い年収を得ていることとなります。

また、これらのデータは、前述のとおり、税理士の年収も含んでおり、一方で、独立している公認会計士(おそらく勤務会計士より年収水準はかなり高いと予想されます)の年収は含んでいませんので、あくまで推測ですが、公認会計士全体の平均年収は1,000万円近い(場合によっては1,000万円を超える!?)とも考えられます。こう言った数字を考慮すると、公認会計士の年収は以前と比較して下がったとはいえ、未だ、高い水準を維持していると言えます。

そして、上記統計にも現れていますが、平成24年の平均年収は平成23年の実績を上回っています。また、昨今ではアベノミクスによる景気回復の傾向もわずかながら見られますので、仮にこのまま景気回復が本格化すれば、今後、公認会計士の平均年収は、リーマンショック前の高い水準に戻っていく可能性もあると言えるでしょう。

今後の公認会計士の年収に注目です。





この記事の著者

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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