海外で働く -公認会計士の転職ナレッジ

  • 2017/5/1

経済のグローバル化が進展し、大企業だけでなく日本の中小企業までが海外進出を行う現在、公認会計士が活躍するフィールドも国内だけに留まりません。日本経済が縮小傾向にある中で、高い語学力や国際感覚を身に付け、公認会計士がグローバルに活躍していくためのキャリア形成について解説します。

海外で働く職種への転職の傾向

全体的な傾向

  • 海外留学や海外勤務は公認会計士の中でも比較的人気のキャリアパスである。
  • 海外勤務が前提の求人は転職市場に一定数存在するが、その中で公認会計士が採用対象になる求人となると、財務会計分野に限定されることもあり、少なめである。
  • 公認会計士が海外で働くためには、下記の4つの選択肢が想定される。

「国内の監査法人から海外に出向する」
「海外現地の監査法人に転職する」
「国内の事業会社から海外に出向する」
「海外で現地の事業会社に転職する」 の4つである。(詳細は後述)

  • 転職市場において、海外勤務や語学力を活かした業務にチャレンジできるのは30代前半程度までが基本である。35歳を過ぎるとそれまでに実務上で語学を使う業務や海外勤務を経験していなければ、そう言ったポジションに転職するのは難しい傾向にある。
  • 海外で働く場合は、キャリア以外にもビザ取得の問題などもあるため、働きたい国のビザ取得が容易かどうかは重要である。

海外勤務を実現するために必要な英語力

  • 海外勤務や語学を活かせるポジションへの転職においては、ノンネイティブの場合「TOEICスコア」「ビジネスでの英語の使用頻度」「英文職務経歴書」をもとに総合的に判断され、TOEICは800点程度以上の取得が目安となる。
  • TOEICスコアとビジネス英語力は必ずしも相関関係があるわけではない(TOEICが高得点でも英語が話せるわけではない)が、日本の転職市場ではTOEICスコアがひとつの指針として利用されている。(そのため、帰国子女でもTOEICを受験しておくのが無難。)
  • 海外で現地の企業に直接応募する場合、当然のことながら「英会話」ができなければ転職は難しい。グローバル企業でTOEICスコアが選考基準として設けられている場合、800点程度であることが一般的。(グローバル企業の中でもトップクラスに位置する企業ではTOEIC900点以上を基準にしているところもある。)
  • TOEFLでもTOEIC換算して前述の水準を満たすのであれば、当然のことながら問題はない。

海外で働くための4つの選択肢とキャリアの特徴

国内の監査法人から海外に出向する。

  • BIG4監査法人など、グローバルファームのメンバーファームとなっている監査法人などから海外に出向することによって海外勤務を実現することができる。
  • BIG4監査法人以外にもグローバルファームのメンバーファームは複数あるが、実際に毎年一定数を出向するのはほぼBIG4のみである。(BIG4以外のファームでは、グローバルミーティングに定期的に参加したり、案件やクライアントをシェアしたりするなどの交流はあるが、日本の人員を海外に出向させることはあまり多くない。)
  • BIG4からの出向も社内で選抜もあるため、監査やアドバイザリー実務で高い評価を受け、かつ、TOEICスコアを高めるなど、一定の努力をしておくことが必要。

海外現地の監査法人に転職する。

  • 海外で勤務するために海外の監査法人の中途採用に直接応募する方法もある。
  • 日本国内で海外の監査法人の採用情報を探す場合、現地事務所のwebサイトなどから直接応募するのが一般的。
  • 国内では、会計監査ジャーナルやJICPA Career Naviなどに海外現地ファームの求人情報が掲載される場合もある。
  • 日本の公認会計士が海外現地のファームに転職する場合、日系企業が多く進出している地域が採用されやすく、近年では中国(香港、上海、深セン 等)、アメリカ、イギリス、シンガポール、ベトナムなどが代表的である。
  • 海外現地のファームが日本人公認会計士を採用する場合、日本企業の現地法人関連のジョブのマネジメントや彼らとのコーディネート、営業などを任されることが多い。(現地の会計実務は現地スタッフに任せてしまうことが多い。)
  • 海外での勤務期間が長くなり、日本の会計基準から離れすぎていると、日本に戻ってくる際の転職活動が厳しくなる可能性がある。ただし、今後のIFRSのコンバージェンスが進むと海外と日本の差異は少なくなるので、その傾向は多少緩和される可能性もある。
  • 海外勤務の後に再び日本に戻って働きたい場合、海外での滞在期間が長くなったり、年齢が40歳を超えてくるなどすると前述のように転職活動が簡単でないこともある。そのため、海外勤務中も日本の会計基準や上場企業の事例や証券取引所の規定などにもキャッチアップしておくことが理想。また、日本の公認会計士とも定期的に連絡を取り、人脈を維持しておくことも重要。

国内の事業会社から海外に出向する。

  • グローバル企業に転職すれば、海外の子会社などに出向するチャンスがある。
  • 特にグローバル企業の経理財務部門では、海外子会社のCFOやControllerとして海外出向する機会も少なくない。(出向先の規模にもよるが、小規模子会社であれば経理、財務、労務、人事など幅広い業務の統括経験が積める場合もある。)
  • 国内の事業会社に転職し、海外子会社に出向する場合、入社後3年から~5年間は本社経理部門などに配属され、本社の経理体制を理解した上で、海外に出向となるケースが多い。
  • 近年は、日系企業が発展途上国や後進国に生産拠点を有しているケースも多く、場合によっては僻地への赴任となるケースもある。

海外で現地の事業会社に転職する。

  • 働きたい国や地域が決まっている場合、現地の企業に直接就職する方法もある。
  • 現地の企業に直接就職する場合、人事・給与制度に注意する必要がある。特に新興国などにあるグローバル企業の子会社の場合、本社からの出向者と現地採用者の給与差が大きい傾向にある。新興国の日本企業で現地採用となると、給与が日本からの出向者の半分以下のケースもあるため注意が必要。

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海外で働く場合の年収

  • 海外で勤務する場合、国や地域、為替相場によって年収は異なるが、BIG4監査法人の海外事務所であれば、日本人が出向または現地採用となった場合、日本円換算で年収800万円程度以上は保障されてることが多く、30代中盤以上であれば1200万円~1300万円相当(またはそれ以上)であることも少なくない。
  • 海外で勤務する場合、海外の家賃事情、生活費、為替リスク、現地および日本の所得税などを考慮して希望年収を決定する必要がある。

おすすめ書籍

海外での仕事や転職について学ぶには下記の書籍が参考になります。

グローバルで成功するプロの仕事術

中小・ベンチャー企業のための 東南アジア進出戦略

英文履歴書の書き方 Ver. 3.0

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