ベンチャーやスタートアップに興味あるけど、業界情報ってどうやって集めたらいいの?
IPOマーケットが活気付き、日々、「ベンチャーやスタートアップ」(以下、スタートアップで統一)業界の資金調達ニュースがメディアを賑わせています。スタートアップへの転職や、監査や税務・会計コンサルの仕事でスタートアップへのアプローチを希望する公認会計士も増えてきました。
ただ、「何か賑わっているけど、どうやって業界に詳しくなったらいいかわからない」という人が大多数だと思います。
今回、 「スタートアップ業界がどんなところか知りたい」「イケてるスタートアップや業界のトレンドを知りたい」「スタートアップへの転職を検討したい」といった方々に参考になるようにWEB記事や書籍などをまとめてみました。
ぜひご参考ください!
そもそも「スタートアップ」って?「ベンチャー」と「スタートアップ」の違いって何だ?
さて、そもそも「スタートアップ」や「ベンチャー」とは何なのでしょうか?最近は「ベンチャー」ではなく「スタートアップ」という呼び方が徐々に広がっていますが、「スタートアップ」という呼称については会計業界にはまだ耳慣れない人も多いのではないでしょうか。
まずは下記の記事でスタートアップとベンチャーの違いやそのステージについて理解しましょう。
スタートアップってどんなとこ?雰囲気や空気感を知る。
スタートアップの世界は公認会計士のみなさんがいる監査法人や会計ファームとはまったく異なる環境です。スタートアップを理解するためには、まずはその空気感や雰囲気を知りましょう。
【公認会計士とスタートアップ】
●公認会計士ナビのスタートアップ関連記事
公認会計士ナビでもスタートアップにチャレンジした若手会計士の記事を掲載しています。みなさんと同じようなバックグラウンドからスタートアップに飛び込んだ方々なので参考になると思います。未読の方はぜひご一読を!
- 僕がITベンチャーに進んだきっかけ
- 26歳の公認会計士がベンチャーに飛び込んだ話
- インチャージでもなく、CFOでもなく、僕は起業家への道を選んだ(前編)
- インチャージでもなく、CFOでもなく、僕は起業家への道を選んだ(後編)
- 会計士がスタートアップに転職する際の不安は3つ。経済合理性を考えると転職すべきでない!?公認会計士とスタートアップ:前編
- 会計士がスタートアップに飛び込んでみたらどうにかなるのか? 公認会計士とスタートアップ:後編
【スタートアップ・ベンチャーの雰囲気とは?】
●不格好経営
DeNAのファウンダー・南場さんの本です。2013年に話題になりました。ベンチャーが大きくなっていく空気感がわかります。イケてるスタートアップもスムーズに大きくなったのではないということやベンチャー企業のジェットコースターのようなスピード感を知るには最適な一冊です。(スタンドファーム株式会社 代表取締役 豊吉隆一郎 氏 推薦)
だいぶ古いサイトですが、1990年代~2000年の初期のITバブルの頃の起業家の活躍をまとめたドキュメンタリーです。長いです。現在の新興上場企業の経営者の方々が若かった頃の様子をまとめています。とにかくはちゃめちゃで、これを読んで具体的に何か役に立つわけではないですが、「あぁ、ベンチャーってこれくらいハチャメチャなところなんだな」というのがよくわかりると思います。(※最近はこうゆうベンチャー企業は減ってきている気がしますが。)
【シリコンバレー流を学ぶ】
●LEAN IN(リーン・イン)
監査法人や会計ファームとスタートアップは別世界と言っても良いくらい大きな違いがあります。そんな環境に1歩踏み出すにはマインドチェンジが重要。Google、米国財務省を経てFacebookのCOOを務めるシェリル・サンドバーグの生き方からスタートアップという環境にいかにマインドを合わせていくかを学べます。(freee株式会社 代表取締役 佐々木大輔 氏 推薦)
●スタートアップ・バイブル
●ゼロ・トゥ・ワン
公認会計士がすアートアップに飛び込み場合、どうしてもファイナンスや経理、管理に意識が向きがちです。けれども、スタートアップの本質は事業・ビジネスにあります。「スタートアップ・バイブル」や「ゼロ・トゥ・ワン」でシリコンバレー流の起業・ビジネス開発を学びましょう。(ゼロ・トゥ・ワン・・・株式会社ベストティーチャー 代表取締役社長 宮地俊充 氏 推薦)
スタートアップのファイナンスや事業計画って?スタートアップ特有のファイナンスを理解しよう
スタートアップのファイナンスや事業計画とはどのようなものなのでしょうか?会計士試験で勉強したり上場企業の監査で経験した事業計画書やバリュエーションと通ずるところもあれば、スタートアップ独特な部分もあります。参考になる書籍やWEB記事をまとめてみました。
【スタートアップファイナンス:書籍】
●起業のファイナンス
ベンチャーファイナンスの教科書です。スタートアップに飛び込みたい公認会計士なら必読。
●起業のエクイティファイナンス
起業のファイナンスの応用編。前作に比べて専門的な内容になっていますが、公認会計士なら必読です。
【スタートアップファイナンス: WEB記事】
- スタートアップの資金調達レシピ(by小林雅/Facebook) ※Facebookで小林雅氏の「友達の友達」まで閲覧可能
- スタートアップのシリーズBの資金調達(小林雅のBlog)
- 資本政策の成功/失敗とは?(リブライトパートナーズ代表 蛯原 健のブログ)
- シードラウンドで投資家が株40%取っても誰も幸せにならない(The Startup)
【スタートアップ・ベンチャーの管理部門(財務・法務等)】
●ベンチャー企業の法務・財務戦略/ベンチャー・マネジメント[事業創造]入門
スタートアップの管理部門業務に関してはこの2冊。理論と実務を学べます。(株式会社プレイド 財務担当 鳥羽大毅 氏 推薦)
【事業計画】
- 起業前に知っておくべき!事業計画書で失敗しないための5つの注意点(Find Job! Startup)
- 起業家は必読!皆が知らない「資本政策」の3つの注意点【創業期・シード期編】(Find Job! Startup)
- 起業前に知りたかった!資金調達で失敗しないために覚えておくべき4つの注意点(Find Job! Startup)
- あのベンチャーはいくら調達?国内スタートアップ150社の資金調達実績を全てまとめました(imitsuレポート)
【ベンチャーキャピタル】
スタートアップ業界はベンチャーキャピタルを抜きにしては語れません。VCに関してもしっかりと理解しましょう。
The Startupというサイトの中にVCの赤本というコーナーがあります。ベンチャーキャピタリストが伸びるベンチャーや投資方針について語っており参考になります。
同じくThe Startupというサイトでベンチャーキャピタルのリターンを分析したコーナー。ベンチャーキャピタルのパフォーマンスは非開示のため分析の正確性はわかりませんが、独自視点で詳細に分析されています。
- 私は、こんな人になら、金を出す!
日本の独立系ベンチャーキャピタリストの草分け的存在、日本テクノロジーベンチャーパートナーズの村口和孝氏の本。ベンチャーキャピタリストの視点から成功する起業について語っています。
【CFOやIRなど】
スタートアップ系イベントのまとめ記事です。新興上場企業の若手CFOの視点が学べ、非常に読み応えあります。
- コロプラ・GMO・スタートトゥデイの財務トップが語った「IPOストーリー、その後のIRの実際」
- IVS 2014 Spring: スタートアップファイナンスの実際(前編):なぜ最近のアプリはテレビCMにお金を使うのか?CFOが語る、お金の”張り方”
- IVS 2014 Spring: スタートアップファイナンスの実際(後編):“IPOやるやるやる詐欺”も戦略のひとつ?CFOらが語る、ファイナンスと会社の成長の実際
【その他:起業家の視点から資金調達や事業計画作成を見ると…】
スタートアップのCFOを目指すにせよ、独立して彼らにコンサルティングを行うにせよ、起業家の目線を知ることが非常に大切です。下記の記事ではエンジニア出身の起業家が初めての資金調達を行うまでの経緯が書かれており、ファイナンス知識のない起業家がどのようにベンチャーキャピタルからの資金調達まで至ったのかを知ることができます。(資金調達の専門家として公認会計士も少し登場します。)
業界情報を継続的に集めよう!このサイトをチェックすべし!
業界の情報は日々、アップデートしていかなくてはなりません。下記のメディアはなるべくチェックするようにしましょう。
上記のサイトは定期的に目を通しておくと良いWEB系スタートアップに関するニュースやオピニオンサイトです。どの記事を読めというのはありませんし、記事の量も多いので全部読めというものでもありませんが、「資金調達」や「業界・マーケット分析」関連の記事を優先的に読んでおくと良いでしょう。まずは興味のある記事から少しずつ読んでみてください。毎日コツコツと読んでいると、どんな企業や分野が注目されているのかが少しずつわかるようになります。
- 参考:キャピタリストナビ
公認会計士ナビの姉妹サイトです。「最新ニュースピックアップ」や「キャピタリストのブログ広場」のコーナーでベンチャー企業の資金調達やシリコンバレーの話題、キャピタリストの最新のブログ記事キュレーションしています。いろいろなサイトを見る時間がなければひとまずこの辺りを見ておけば最低限のニュースを拾うことはできます。
基礎知識がついたらあとはどんどん行動するのみ!スタートアップ業界の人脈を作ろう!業界に入り込もう!
●業界の人にアポをとって話を聞く
WEBや書籍だけではスタートアップのことはわかりません。スタートアップで働く人に実際に話を聞いてみることが大切です。経営者(起業家)、公認会計士、CFO、ベンチャーキャピタリストなどの話を聞いてみるのが良いでしょう。スタートアップの人たちは温かい人が多いです。マナーを守れば会ってくれる可能性も意外と高いですので、FacebookやTwitterなどで積極的にコンタクトしてみましょう。また、コーヒーミーティングなどのサービスを使ってみるのもおすすめです。
●イベントに参加する
スタートアップやベンチャーの業界を理解し、人脈を作るにはイベントにも積極的に参加してみましょう。スタートアップ業界では以下のようなイベントが開催されています。
(イベント例)
- Samrai Venture Summit(SVS/サムライベンチャーサミット)
- Tech Crunch Tokyo
- Connect!
- Infinity Venture Summit(招待制)
- Startup Asia Tokyo
※各リンク先は過去のイベントページが含まれています。ご注意ください。
このようなイベントの情報やニュースは、業界の人たちとFacebookで友だちになったり、前述の参考サイトを定期的にウォッチしたりしていれば自然と入ってきます。業界に詳しそうな人と積極的に友達になったり、友達でなくてもフォローしてみたりしましょう!
以上、上記のような方法でスタートアップ業界について学んでみてください。ひとりでも多くの公認会計士の方が業界に興味を持ってくれると幸いです!
公認会計士のスタートアップへの転職をサポート
公認会計士ナビの転職・キャリアサポートでは、スタートアップへの転職やCFOキャリアを目指す公認会計士の方々のサポートを行っています。「スタートアップでCFOを目指したい」「スタートアップへの転職にどれだけリスクがあるか聞きたい」など、お気軽にご相談ください!