会計士がスタートアップに飛び込んでみたらどうにかなるのか? 公認会計士とスタートアップ:後編

来る7月5日(土)に「独立・開業」「海外・グローバル!」をテーマにした第2回・公認会計士ナビonLive!!が開催されます。本記事ではイベントの雰囲気を皆様にお伝えすることを目的とし、第1回・公認会計士ナビonLive!!(テーマ:「FAS・コンサルティグ」「ベンチャー・スタートアップ」)の模様をピックアップしてお伝えいたします。

今回は「公認会計士×スタートアップ」のトークセッション(後編)を取り上げます。

「スタートアップ」のトークセッションでは、スタートアップやベンチャー企業で活躍する3名の若手公認会計士とSkyland Ventures(ベンチャーキャピタル)のファウンダーである木下慶彦氏が、スタートアップ業界とはどのようなところか、公認会計士がスタートアップで活躍するには何が必要かなどを熱く語りました。

>>前編「会計士がスタートアップに転職する際の不安は3つ。経済合理性を考えると転職すべきでない!?」はこちら

 

どうにかならないのがスタートアップ。どうにかするしかないのもスタートアップ。
株式会社Bridge 執行役員/公認会計士 山田一也

株式会社Bridge 執行役員/公認会計士 山田一也
株式会社Bridge 執行役員/公認会計士 山田一也

2006年に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツ名古屋事務所、スタートアップのCFOを経て、現在はスタートアップ向けに会計・ファイナンスの支援を行っているBridgeの山田一也氏は、参加者からの「スタートアップへの転職には不安がありますが、思い切って飛び込んだら何とかなりますか?」との質問に「どうにかなるかと言えば、どうにかならないことが多いのがスタートアップだと思う。でも、どうにかするしかないのがスタートアップでもある」と答えた。

山田氏によれば、公認会計士がスタートアップに転職するということは、端的に言えば「内部統制どころか数字も整備されていない会社に飛び込んで活躍すること」だと言う。会計士は、監査を通じて様々な企業を見る機会があるが、監査を受けている会社はどんなにボロボロでも最低限の内部統制がある。しかし、スタートアップに関しては内部統制の仕組みどころか、そういった発想自体がないところが大半だ。また、会計士は会社を把握するために数字から入るが、そもそもその前提となる数字が整備されていないことも多い。

山田氏が大手監査法人から従業員15名のスタートアップに転職した際も、数字が全く整備されていなかった。そして、そこを整備してみると資金調達が必要であることが発覚する。当然、金融機関やベンチャーキャピタルから資金調達をしなければならないが、社内は自分以外には、社長と役員含めエンジニアかデザイナーしかいないという状況。「誰がやるの?」となると、山田氏しかいない。監査経験しかない26歳だったが、まさに何とかするしかない状況であった。

山田氏は「スタートアップでは、やったことがなくても、なんとかするしかない!という状況が必ずある。ただし、わからないことは社外も含めて知っている人に聞けばいい」とアドバイスする。その理由として、スタートアップは会社の垣根を超えた結び付きが強く、親切で温かい人も多いなど、業界全体で助け合うマインドに溢れている点も挙げた。

スタートアップに飛び込む原動力は原体験と競争環境
Skyland Ventures 代表パートナー 木下慶彦

Skyland Ventures 代表パートナー 木下慶彦
Skyland Ventures 代表パートナー 木下慶彦

26歳で自身のベンチャーキャピタルであるSkyland Venturesを起ち上げた木下慶彦氏は、「スタートアップに飛び込むかどうかを考えるには自身の原体験や競争環境が重要だ」と語った。

日々、多くの起業家と接する木下氏いわく、起業家の多くは起業を選択したり、特定のサービスを起ち上げたりする背景に、「なぜ起業するのか」「なぜそれを行うのか」につながる原体験を有しているという。そして、それは公認会計士の場合にも参考になると指摘する。なぜスタートアップに行ってみたいのか、スタートアップに何を求めるのか、ということを考え、過去の自分を振り返ってみることは有効な方法のひとつだという。

さらに、その行動を加速するのが、競争環境だとも強調した。

「ひとつ年上の友人である佐俣アンリが、ベンチャーキャピタルANRIを起ち上げてから、ことあるごとにお前はいつやるの?と煽られたんです。それが刺激になり、あいつができるのならオレにもできると思うようになった」と語るように、木下氏自身が26歳という若さでベンチャーキャピタルを起業した背景には、身近な友人の存在も大きかったことを明かした。

木下氏の投資先であるMUGEN UP(ムゲンアップ)にも若手会計士がCFOを務めている会社があるが、そういったスタートアップで活躍する会計士が増えることによって周囲が刺激を受け、スタートアップを目指す会計士が今後増えいって欲しいと展望を述べた。

また、木下氏も他の登壇者と同じく、「スタートアップが気になるのであれば、その業界で活躍する会計士にアポをとって話を聞きに行けば良い」と提案する。

「会計士は真面目な人が多いので、知らない人に突然アポを取るのに抵抗があるかも知れないが、スタートアップでは普通のこと。例えばアパレル分野で起業を目指す起業家は、同業で伸びている会社の経営者にアポをとって話を聞かせてもらう。大企業なら競合に話を聞くなんてありえないが、スタートアップでは当たり前」と、会計士に限らず、起業家やCFOなどできるだけ多くの人に会って話を聞くことの重要性を説いた。さまざまな人の話を聞くことによって、自分自身がスタートアップに向いているかを判断することもでき、良いスタートアップや経営者との出会いが、転職のきっかけになるかもしれない。とにかく動き、量をこなすことが大切だと語った。

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