会計士なら監査を経験しておいたほうがいいでしょうか?:くわえもんの“会計士の悩みはオレに聞け!”vol.5



このコーナーでは、“くわえもん”こと高桑昌也氏が、厳しく、優しく、ユーモラスに公認会計士のみなさんのお悩みに答えます!

さあ、みんな!くわえもんに相談してみよう!

“くわえもん”とは? 

高桑昌也 通称“くわえもん”

公認会計士・税理士、株式会社イーエスリサーチ 代表取締役社長

麻布高等学校・慶應義塾大学卒。大学在学中(2000年)に公認会計士2次試験合格、中央青山監査法人、金融庁、エスネットワークス取締役等を経て、現職。さそり座O型。秋田県男鹿半島出身。

趣味:写真、旅行、夜の麻布・六本木

今回のお悩み:会計士なら監査を経験しておいたほうがいいでしょうか?

今回の相談者

経理マンさん、男性、30歳、公認会計士試験合格

※写真はイメージです。

相談内容

くわえもんさん、こんにちは。

30歳の会計士試験合格者です。27歳の時に会計士試験に合格し、現在、上場企業で経理を担当して3年目です。今、監査法人に転職するかどうか迷っています。

私は、大学を卒業して社会人を何年か経験した後に会計士試験にチャレンジしました。そのため、合格年齢も遅く、ちょうど就職氷河期の合格でもあったため、大手監査法人に就職できずにやや不本意ながらも現在の会社に就職しました。

ただ、現在は今の会社に満足しています。今の会社は上場企業の中では大きくはないものの、業績は安定していて離職率も低いです。仕事にもやり甲斐があります。経理部の人数が少ないので、若手の私にも海外連結決算や税務申告などの仕事がまわってきています。大手監査法人より年収がかなり安いのは気になっていますが、こんな感じの会社なので安心して長く勤められる気もしていて基本的には満足しています。

ところが、去年から大手監査法人が積極的に採用を行い始めたため、私と同じく就職氷河期で監査法人に就職できなかった友人が何人も大手監査法人に転職しました。これまで監査法人への就職に未練はないと思っていたのですが、周囲がみんな大手監査法人に転職するのを見て、自分も監査を経験しておいたほうがいいのか不安になってきました。

やはり会計士は監査を経験しておいたほうがいいのでしょうか?

ぜひアドバイス頂けると助かります。 

くわえもんからの回答

これは悩ましい問題。でも、二択である必要もないかも。

こんにちは。くわえもんです。最近ちょっとずつ暑くなってきましたね。

私は花粉症なのですが、苦しい時期も終わり、快適な季節になってきました。仕事もプライベートも、夏までバリバリ突き進みます。

 

さて今日は経理マンさん30歳のお悩みです。

整理すると、

■現在の職場にとどまる場合

メリット:業務はやりがいあり、満足。

(給与は低いが許容範囲。)

デメリット:「監査未経験」という、自分の中でのある種片手落ち感あり。

■転職して監査法人に行く場合

メリット:監査ができるので、合格当時の自分の思いは満たされる。片手落ち感も充足される。

(給与は多少上がる?)

デメリット:安定した現在の職場・事業会社を離れることになる。

監査スタッフとして1からのスタート。

ていう形になるんですかね。

 

うーん。迷ってますね。どちらにしても、後悔だけはしたくないですよね。30代になってから「やっぱり監査やっておけばよかったな~」なんて思いたくはないです。そうすると、20代のうちに監査法人にトライするのが良いのかもしれませんね。

ただ、現在の職場が割と恵まれているというのが、ふんぎりのつかないところですね。

 

恋愛に例えると、

「A子は幼なじみあがりの彼女で高校の同級生。器量も良く、そこそこかわいい。結婚したらいい奥さんになってくれそう。でも何年も付き合っていてマンネリ感。

B子は最近知り合った、年上の大人な女性。美人。自分の知らない世界を教えてくれそう。

さあどっちにしよう?」

みたいな。

一旦B子に行って色々なことを経験すると、A子には戻れないんでしょうけど(笑)

 

話を戻します。

二択が嫌というなら、たとえば折衷案を取るというのもありじゃないですかね。

今の事業会社に勤務しつつ、監査法人でアルバイトをする。

監査法人は繁忙期(例えばゴールデンウィークなど)の間は、監査のアルバイトを募集しています。有価証券報告書の表示のチェックなどであれば、経理マンさんの経理経験も生かせるのではないでしょうか?そのアルバイトで監査を経験して、本当に監査がやりたかったのかどうか?見つめなおしてみては。

(もちろん事業会社には兼業禁止の決まりがあるでしょうから、大人として断りを入れたうえで)

そのうえで慣れ親しんだA子さんにするのか、新しいB子さんに突き進むのか、考えるのもありだと思います。

<追伸>

ちなみに私は監査法人に実質1年ちょいしかいませんでした。ただ監査法人の雰囲気とか構造、監査のテクニックを知るためであれば、充分な期間であったと考えています。

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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