公認会計士の中には他資格の取得にチャレンジされる方も少なくありません。本項では、公認会計士が取得を目指す人気資格や公認会計士資格とシナジーのあると思われる資格について、転職市場での実際の評価について解説します。(評価は★から★★★★★の5段階とし、★★★★★を最高値とします。)
公認内部監査人(CIA)
取得難度…★★★ 転職市場での評価…★★★
公認内部監査人(CIA)は内部監査に関する世界標準の資格です。会計監査および内部統制監査に従事する公認会計士にとって、公認内部監査人資格の取得によって業務監査面を強化することができます。内部監査職やリスクアドバイザリー分野を志向する公認会計士にとっては、特に取得が推奨される有用な資格です。
概要・取得の際の注意点
- 公認内部監査人は内部監査、リスク&コンプライアンスなどの分野にて評価される資格である。
- 取得難度が特別に高い資格ではないので、在職しながら取得することが望ましい資格である。
- 公認会計士資格に加えて公認内部監査人資格があれば、特に内部監査職への転職に有利となる。
- 世界標準の資格であるため、外資系企業でも評価の対象となる。
- 内部監査職の求人は転職市場にそれほど多くはないが、経験者や希望者もそれほど多くはないため、公認会計士の場合は資格を取得しておくだけでも転職可能性は高まる傾向にある。
- 特にトップクラスの外資系企業の内部監査職においては、日本の公認会計士資格と監査法人での監査経験だけでは、評価がやや弱い場合があるため公認内部監査人資格を取得しておく方が望ましい。
- 公認内部監査人はリスクアドバイザリー、エンタープライズリスクサービスをメインとするアドバイザリーファームへの転職においても有利となる。
公認情報システム監査人(CISA)
取得難度…★★★ 転職市場での評価…★★★
概要・取得の際の注意点
- 公認情報システム監査人は内部監査、リスク&コンプライアンスなどの分野にて評価される資格である。
- 特に、上記に付随するIT関連業務での評価が高く、IT監査、ITリスクマネジメント、ITフォレンジックなどの分野で評価される傾向にある。
- 取得難度が特別に高い資格ではないので、在職しながら取得することが望ましい資格である。
- 公認内部監査人資格とあわせて取得することによって、より評価につながる資格である。
- 公認会計士の間では、IT関連の監査やリスクアドバイザリーはそれほど人気のある分野ではないので、公認情報システム監査人を取得しIT監査に携わることによって他の公認会計士との差別化は実現しやすい。
- IT監査やITリスクアドバイザリーの分野はややニッチな分野になるため、一般的な内部監査やリスクアドバイザリーのキャリアを強化する一環として公認情報システム監査人を取得し、IT分野の経験も積んでいくとバランスの良いキャリア形成が可能となる。
その他の内部監査関連資格
内部監査・内部統制関連資格には、公認内部監査人(CIA)や公認情報システム監査人(CISA)以外に下記のような資格もあります。資格を取得するだけで転職市場での評価が格段にアップするということにはなりませんが、内部監査やリスクアドバイザリーに携わる公認会計士であれば、CIAやCISAとあわせて取得することによって、キャリアにはプラスになる資格です。
- 公認不正検査士(CFE):一般社団法人 日本公認不正検査士協会
- 内部監査士(QIA):一般社団法人 日本内部監査協会
- 内部統制評価指導士(CCSA):一般社団法人 日本内部監査協会
- 公認金融監査人(CFSA):一般社団法人 日本内部監査協会
内部監査・内部統制関連資格を取得して活躍する公認会計士の記事を読む
CIA・CISA関連のおすすめ書籍
公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)について学ぶには下記の書籍が参考になります。
これだけは知っておきたい内部監査の基本
金融機関の内部監査―金融検査マニュアル対応と実践的監査スキルの要点
内部監査基本テキスト―公認内部監査人資格認定試験対応
CISA(公認情報システム監査人)試験ガイドブック&問題集
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