公認会計士の中には他資格の取得にチャレンジされる方も少なくありません。本項では、公認会計士が取得を目指す人気資格や公認会計士資格とシナジーのあると思われる資格について、転職市場での実際の評価について解説します。(評価は★から★★★★★の5段階とし、★★★★★最高値とします。)
米国公認会計士(USCPA)
取得難度…★★★ 転職市場での評価…★★★★
日本国内での転職を考える際、日本の公認会計士資格と比較すると、米国公認会計士(以下、USCPA)の評価はそれほど高いわけではありません。しかし、日本の公認会計士資格とのダブルライセンスによるシナジーは大きく取得した際のキャリアアップ効果は大きめです。また、取得難度が高すぎず、米国会計基準に関する知識および英語力の向上が可能といったメリットがあることを考えると、公認会計士にとってはおすすめの資格と言えます。
概要
- USCPAは日本の公認会計士資格と比較すると取得難度もそれほど高くない資格である。
- 取得難度が高くない分、USCPA資格単体では評価もそれほど高くはないが、日本の公認会計士資格と合わせた際のシナジーが比較的大きめという点からはお勧めの資格である。
- USCPAは、米国会計基準および英語の会計用語を学ぶことができるという点から、日本の公認会計士資格とのシナジーが大きめである
- 国際的に評価される資格であるため、海外で働く場合にも一定の評価を得ることができる。
取得の際のリスク・注意点
- 取得難度も高くなく、かつ、格段に高評価な資格でもないため、在職しながら取得することが望ましい。
- USCPAが評価されるフィールドは、アドバイザリーファームであればクロスボーダー案件を取り扱っているファーム、事業会社であれば日系グローバル企業や外資系企業など広範囲に渡り、汎用性の高い資格である。
- USCPAが評価されるフィールドは語学力が必要とされるフィールドであることが多いので、USCPAの取得と共に英語力も磨いておくことが望ましい。
- 資格の登録(License Certificate)は行っていてもいなくても転職市場での評価には大きな影響はない。(ただし、一般的には、登録しなければ名刺に資格を記載できないため、USCPAの資格を名刺に記載したい場合は登録を行う必要がある。)
国際会計検定(BATIC)
取得難度…★~★★★(点数による) 転職市場での評価…★~★★★(点数による)
国際会計検定(BATIC)は東京商工会議所が主催する検定試験です。国際会計に関する知識や英語力を証明する試験として一定の評価(効果)は見られますが、プロフェッショナルとして活躍する公認会計士の資格を補強するにはやや弱めの資格です。
概要
- USCPAと比較して受験コストが安く容易に受験することが可能。
- 試験は合否ではなくスコアで評価されるため、徐々にスコアを高めていくことができる試験である。
- 国際会計に関する知識と英語力を同時に図れる効率のよい試験である。
取得の際のリスク・注意点
- 受験および取得が容易な分、転職市場での評価はそれほど高くはない。
- コントローラーレベルを取得しなければ転職市場で相応の評価を受けるのは難しい。
- 会計系アドバイザリーファームや外資系企業などではUSCPAの方が評価は高い。特に会計系アドバイザリーファームではBATICではほとんど評価をされないことが多い。
- 日本の公認会計士資格を取得している場合、USCPAの方がシナジーも大きく転職市場での評価も高いので、多少、コストと時間をかけてもUSCPAを取得する方が望ましい。(もしくは、TOEICで高得点を取得する方が望ましい。)
USCPA・BATICを取得して活躍する公認会計士の記事を読む
USCPA・BATIC関連のおすすめ書籍
米国公認会計士(USCPA)、国際会計検定(BATIC)等について学ぶには下記の書籍が参考になります。
CPA Comprehensive Exam Review: Financial Accounting and Reporting Business Enterprises
Wiley CPA Exam Review 2016, Financial Accounting and Reporting
国際会計検定BATIC Subject〈1〉公式テキスト
国際会計基準戦争 完結編
国際会計基準戦争
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