【第1回】公認会計士の転職適齢期はいつなのか?:会計士のキャリア小六法

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本日より会計士のキャリア小六法と題して、公認会計士のキャリア形成や転職に関するノウハウをミニコラムとして連載していきます。

公認会計士のみなさんの中にはキャリアに関して興味をお持ちの方も多いものの、公認会計士のキャリアに関して体系的にまとめられた情報はほとんどありません。そこで、この「会計士のキャリア小六法」では、「会計士のキャリア形成についての考え方のポイント」をミニコラム形式でみなさんにわかりやすくお伝えしていきます。

第1回のテーマは「公認会計士の転職適齢期はいつなのか?」です。

いつか転職したいのだけど・・・

公認会計士のみなさんの中には、すぐに転職したいと考えているわけではないものの、漠然と「いつか転職したいな…」「監査法人にはずっといないかもな…」と考えている人も少なからずおられると思います。実際、みなさんの周囲にも将来的な転職を考えていたり、実際に転職した同期や先輩、後輩も多数おられるでしょう。

けれども、いつ転職するのが良いのか?という話になると人によって意見は様々です。

「シニアスタッフに昇格してからのほうがいいよ」

「インチャージを経験してからがいいよ」

という意見がある一方で、

「マネージャーになっても学ぶことは多いよ」

などと言われると、「結局、いつがベストなんだろう???」となってしまいます。

けれども、この転職適齢期にはある程度の法則があり、自分自身で目処をつけることができます。

今回はこの方法を解説します。

「内的要因」と「外的要因」

転職適齢期を判断するためには「内的要因」「外的要因」のふたつが参考になります。

この「内的要因」と「外的要因」は、それぞれ以下の要素で構成されます。

内的要因

  1. 年齢
  2. 実務経験
  3. 年齢と経験のバランス

外的要因

  1. 景気の状況
  2. 会計業界の景気
  3. 志望業界の景気

転職が気になっている人は、一般的に「景気が良い時に転職しよう」「年齢が若いうちに転職しよう」と考えがちですが、実は、転職可能性キャリアの売りどきに影響を与える要素は上記のように複数あり、それらが総合的に影響しあうことによって転職可能性が高くなったり低くなったりします。

では、次に、それぞれの要素について簡単に解説したいと思いますが、ボリュームが多いのでまずは今回と次回で「内的要因」について解説し、次回以降で「外的要因」や「それらふたつを合わせた考え方」などについて解説していきます。

内的要因とは?

年齢やスキル・経験など個人のキャリアに起因する「内的要素」

「内的要因」とは本人の年齢やスキル・経験など個人のキャリアに起因するものを言い、下記の3つの要素などが挙げられます。

  1. 年齢
  2. 実務経験
  3. 年齢と経験のバランス

1:年齢

年齢に関しては、一般的に20代後半の人材が転職市場でのニーズは高くなる傾向にあります。

20代後半に近づくにつれて若手即戦力としてニーズが高まり、30代前半は横ばい、35歳以降は、緩やかにニーズが下がり始め、少しずつ求人が少なくなっていく(転職の選択肢がせまくなっていくイメージです。)

※ただし、これはあくまで一般的な傾向のため、キャリアの形成方法によって30代以降も評価が下がりにくいキャリアを作れるケースももちろんあります。

2:実務経験

実務経験に関しては、業界によりますが、最低で3年、できれば5年程度の経験があると若手即戦力として評価されやすい傾向にあります。経験は長いほうが良いですが、必ずしも長ければよいわけでもなく、次項3の「年齢と経験のバランス」も考慮する必要があります。

また、経験の長さだけでなく、内容や強みも合わせて考慮する必要があります。

3:年齢と経験のバランス

1の「年齢」と2の「経験年数」は複合的にも評価されます。単純に年齢が若い経験が豊富というだけではなく、年齢と経験のバランスも重要な要素となるのです。

例えば、市場での評価の高い「20代後半」の年齢でも、希望する業界の実務経験が短ければ評価は高まりませんし、同じ「実務経験5年」の人材でも、27歳で5年の経験があるのか、40歳で5年しか経験がないのかで評価が異なってきます。

また、30代になると実務の経験だけでなく、マネジメント経験が求められたりと、年齢や経験年数によって求められる経験の内容にも変化が出てきます。

公認会計士と内的要因

転職適齢期はこのように「年齢」「経験」「年齢と経験のバランス」で決まってくるため、例えば、ストレートで大学を卒業して新卒で就職した人であれば、就職して5年程度の経験を積んだ27歳前後での市場価値が高くなる傾向にあります。

けれども、公認会計士に関しては、会計士試験の平均合格年齢が26歳前後であり、キャリアをスタートする年齢が個々人で異なるため、そこを考慮しながら転職適齢期を見極めていく必要があります。

今回は以上です。

次回は、この「内的要因」についてどのように自分自信のキャリアに当てはめれば良いのかを、会計士試験の合格年齢などの具体例を挙げて解説します。

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【改訂履歴】
「会計士のキャリア小六法」は時代に即したノウハウをお伝えするために不定期で改訂されております。本記事の改訂履歴は以下の通りです。
初稿:2013年12月19日
第2稿:2019年4月30日改訂

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この記事の著者

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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