新型コロナウィルスの影響で、令和2年の公認会計士試験の日程は当初予定より大幅に遅れて実施されることになりました。今後の試験スケジュールについても明らかにならず、受験生の皆さんも不安な状況が続いていると思います。
そんな中、先日、公認会計士・監査審査会より今後の公認会計士試験のスケジュールが発表されましたが、論文式、短答式ともに大きな変更があり、受験生から不安の声があがるなど、話題となっています。
令和2年の論文式試験は従来の3日から2日に短縮して実施
まず、令和2年の論文式試験の実施日が発表されました。
- 令和2年公認会計士試験(論文式)の実施日程等について(公認会計士・監査審査会Webサイト 2020年6月26日付)
例年であれば1日2科目で3日間かけて実施されるところ、今年は1日3科目で2日間の日程で実施されるということです。
【試験実施日】令和2年11月14日(土)、15日(日)
- 11月14日(土):企業法、監査論、租税法(朝9時半~18時)
- 11月15日(日) :会計学、会計学、選択科目(朝9時半~19時)
2日間になったため、1日平均で9時間拘束される長丁場となります。
集中力が持つかどうかも心配ですが、論文式は筆記のボリュームが多く、緊張しながら急いで記述するので鉛筆を握る手に力が入ってしまい、筆者も試験終了時間に手がしびれていた記憶があります。今年は過酷な試験になることが想定されます。
令和3年の公認会計士試験のスケジュール
次に、令和3年の公認会計士試験のスケジュールが、公認会計士・監査審査会Webサイトで公表されています。
- 令和3年公認会計士試験の実施に係るお知らせ(公認会計士・監査審査会Webサイト 2020年6月26日付)
令和3年の公認会計士試験は、従来であれば令和2年(2020年)12月に第Ⅰ回、令和3年(2021年)5月に第Ⅱ回の計2回の短答式試験が行われる予定でしたが、令和2の年公認会計士試験が大幅に延期されたことに伴い、令和3年の短答式試験は令和3年(2021年)5月の1回のみの実施となりました。
- 短答式試験期日:令和3年5月23日(日)
- 論文式試験期日:令和3年8月20日(金)~令和3年8月22日(日)
令和2年から令和3年にかけての会計士試験スケジュール
令和2年から令和3年にかけて変更された試験スケジュールを時系列で並べると以下の通りです。
- 2020年8月23日 短答式試験(令和2年 公認会計士試験第Ⅱ回短答式試験)←5月から延期になった試験
- 2020年11月14日~15日 論文式試験(令和2年 公認会計士試験論文式試験)←従来の3日を2日に短縮して実施
- 2020年12月 従来予定されていた短答式試験(令和3年 公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験)は中止
- 2021年5月23日 短答式試験(令和3年 公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験)
- 2021年8月20日~23日 論文式試験(令和3年 公認会計士試験論文式試験)
2020年12月実施予定の短答式試験が中止になり、2021年5月の受験生が増えることが予想されます。このため、2021年5月の短答式試験は合格率が下がり、受験生にとって不利になるのではないかと悲観する方も多いと思います。この点、公認会計士・監査審査会Webサイトによると、論文式試験の受験者数を例年並みに確保する観点から、短答式試験の合格基準はより弾力的に運用するということなので、合格率の面ではひとまず安心して良いでしょう。
一方で、2020年12月の短答式に合格し、次の8月で論文式に合格することを目指していた方にとっては、12月の短答式試験がなくなると、2021年5月の短答式から短い準備期間で論文式にのぞまなくてはならず、TwitterなどSNSでも今回のスケジュール変更に対する不安の声があがっています。
受験生のみなさまには大変な状況が続きますが、ひとりでも多くの方が良い結果となりますよう祈念しております。
試験の詳細については、下記をご覧ください。
- 令和2年公認会計士試験(論文式)の実施日程等について(公認会計士・監査審査会Webサイト 2020年6月26日付)
- 令和3年公認会計士試験の実施に係るお知らせ(公認会計士・監査審査会Webサイト 2020年6月26日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)