2020年3月の監査法人関連ニュースをまとめました。
2020年3月5日、11日にリリースされた「米SEC情報開示の延期容認」「新型コロナの影響を情報開示」「金融検査マニュアル廃止と新型コロナで揺れる銀行決算」の3件のニュースをご紹介します。
米SEC情報開示の延期容認
- 米SEC、条件つきで情報開示の延期容認へ 新型ウイルスで(朝日新聞 2020年3月5日付)
先日、公認会計士協会の手塚会長から、決算発表の延期について証券取引所や金融庁と議論するとコメントが出されました。米SECでは、日本より一足早く情報開示延期が決まったようです。
今回、米SECの情報開示延期容認に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
米証券取引委員会(SEC)は4日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている企業に対し、情報開示の延期を認める方針を示した。
引用元:米SEC、条件つきで情報開示の延期容認へ 新型ウイルスで(朝日新聞 2020年3月5日付)
記事によると、SECは、一部の財務情報の開示について、延期の理由を説明すれば45日間の延期を申請できるという方針を示したそうです。
渡航制限や待機措置が広がる中で必要な監査手続が実施できるのか、かなりの困難が予想されます。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 米SEC、条件つきで情報開示の延期容認へ 新型ウイルスで(朝日新聞 2020年3月5日付)
新型コロナの影響を情報開示
- 新型コロナ、企業は開示が課題に 米では当局が業績影響要請(日本経済新聞 2020年3月5日付)
新型コロナの感染拡大は、経済活動に大きな影を落としています。
今回、米SECなどがコロナウィルスによるリスク開示を求めていることに関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
新型コロナウイルスに関連した業績や感染者の情報を、どこまで開示するかが企業の課題になってきた。業績の情報が乏しければ、投資家の不安から株価下落につながりかねない。
引用元:新型コロナ、企業は開示が課題に 米では当局が業績影響要請(日本経済新聞 2020年3月5日付)
記事によると、米SEC以外にも、英国財務報告評議会の他、国内では東京証券取引所が、感染拡大の影響が分かり次第速やかに開示するよう求めているということです。
感染が拡大し厳しい舵取りが続く中、企業は情報開示への対応も迫られることになります。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 新型コロナ、企業は開示が課題に 米では当局が業績影響要請(日本経済新聞 2020年3月5日付)
金融検査マニュアル廃止と新型コロナで揺れる銀行決算
- 新型コロナと「検査マニュアル廃止」銀行に広まる不安(毎日新聞 2020年3月11日付)
昨年12月18日に、金融庁から金融検査マニュアルの廃止が発表されました。これに伴い、自主的に引当の判断ができるようになりました。
今回、金融検査マニュアル廃止後初の決算を控えた銀行業界が抱える問題について、毎日新聞が報じています。
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり銀行業界の警戒感は一段と高まっている。取引先企業の業績悪化に対する不安がその一つだが、実はもう一つ別の問題を抱えている。
引用元:新型コロナと「検査マニュアル廃止」銀行に広まる不安(毎日新聞 2020年3月11日付)
記事によると、新型コロナウィルス感染の影響で経済の先行きが不透明な中、金融検査マニュアルの廃止という事情も相まって、銀行業界に対する監査がかなり厳格に行われるのではないかと懸念されているということです
新型コロナウィルスの影響で経営が悪化する貸出先が増える中、どれだけ厳しく引当を積めば監査法人に納得してもらえるのか、金融機関に不安が広がっています。以下で詳細が述べられていますので、ご参照ください。
-
新型コロナと「検査マニュアル廃止」銀行に広まる不安(毎日新聞 2020年3月11日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)