米連邦裁がPwCに約693億円の損害賠償支払い命令、英国で監査の質低下に警告など3件:今月の会計士業界ニュース(2018年7月その1)

  • 2018/7/10

2018年7月3日に、監査法人、監査報告書などに関する複数のニュースがリリースされています。

米連邦裁がPwCに6億2,530万ドル(約693億円)の損害賠償支払い命令、英財務報告評議会(FRC)が監査法人の監査の質低下に警告、監査報告書での情報開示の今後などの記事を幅広くご紹介します。

米連邦裁がPwCに6億2,530万ドル(約693億円)の損害賠償支払い命令

東芝事件を受けて訴訟が提起されるのを見て、監査法人の法的責任を改めて実感された方も多いのではないでしょうか。

今回、PwCが賠償責任を追及され、米連邦裁から6億2,530万ドル(約693億円)の損害賠償支払い命令を受けたという記事が、THE WALL STREET JOURNALよりリリースされています。

米連邦裁判所は2日、金融危機の際にアラバマ州の地銀コロニアル・バンクの破綻を招いた詐欺を見抜けなかったとして、大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)に対し、6億2530万ドル(約693億円)の損害賠償を支払うよう命じた。

引用元:米連邦裁、PwCに過去最大規模の賠償金支払いを命令(THE WALL STREET JOURNAL 2018年7月3日付)

記事によると、コロニアル・バンクの主要取引先による大規模な詐欺を見逃す過失をおかしたことを理由に、PwCに損害賠償責任が求められました。また、コロニアル・バンクの破綻は金融危機時の米銀破綻として最大規模であるため、米連邦預金保険公社(FDIC)が主張する巨額の賠償額を全面的に支持した判決になったようです。

今回の一件で監査法人の責任の重さが表面化し、日本の監査法人の在り方にも一石を投じる事件になりました。

英財務報告評議会(FRC)が監査法人の監査の質低下に警告

米国の次は、英国でも監査法人に厳しい目が向けられています。

今回、英財務報告評議会(FRC)が6月18日に公表した『監査クオリティーレビュー』に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

企業の決算書類が正しいかどうか調べる監査法人に、英国で厳しい視線が注がれている。英財務報告評議会(FRC)は6月、大手4法人について「監査の質を早急に改善する必要がある」との報告書をまとめた。監査を通った企業の破綻や会計不祥事が続発。監督の強化を求める声が市場や政界から広がり、FRCは踏み込んで警告した。

引用元:企業監査の質、英で批判 大手に解体論も (日本経済新聞 2018年7月3日付)

記事によると、『監査クオリティーレビュー』の対象となった監査法人8社のうち、特にKPMGの監査の質の低下が指摘されているとのことです。FRCは監査法人に対して、プロ意識の欠如といった要因を指摘しています。

監査人の人手不足という英国と同じ内情を日本の監査法人も抱えています。品質向上に向けた英国の監査法人の取り組みは、日本の監査法人の参考になるのではないでしょうか。今後の動向が気になります。

監査報告書での情報開示

東芝事件を発端として、企業と監査法人のなれ合い関係がクローズアップされ、監査報告書を通して利害関係者への情報開示を充実させていくという話が出ていました。

今回、これからの監査報告書に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

監査法人が企業の決算をどう判断したのかを示す「監査報告書」も今後のテーマだ。これまでは「(財務諸表のすべての重要な点が正しく表示されている)無限定適正」などの結論に対して、理由は抽象的な記載にとどまっていた。財務諸表の信頼性を高めるために、監査プロセスの開示や会計士の意見を加える流れになる見通しだ。

引用元:監査法人との関係も透明に(日本経済新聞 2018年7月3日付)

記事によると、東芝を監査していた新日本監査法人の在任期間が50年近くに及んでいたことから、今後は監査法人を選んだ理由や在任期間の開示も求められるそうです。

利害関係者に対して多くの情報開示ができるようになる一方で、企業と監査法人はどこまで情報を出すのか、難しい線引きもあります。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧

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