公認会計士が独立して成功するポイントとは!?営業力、仲間、税務…若手会計士たちが語る独立の秘訣【第2回・公認会計士ナビonLive!!(2)】



来る2015年3月21日(土)に第3回・公認会計士ナビonLive!!(テーマ:ベンチャーキャピタル・PEファンド×公認会計士)が開催されます。

本記事では、第3回の開催に向けて、第2回のトークセッション「海外・グローバル×公認会計士」を振り返ります。

第2回・公認会計士ナビonLive!!では、「海外・グローバル×公認会計士」をテーマに、海外をフィールドとするコンサルティングファームや外資系企業で活躍する公認会計士が、グローバルビジネスや英語力について語りました。

本記事では、登壇者である若手独立会計士4名が語った独立の秘訣やその苦労や成功の体験を要約してお届けします。

※登壇者の経歴はすべてイベント開催時のものです。

やはり税務は安定収益、早期に優秀な税理士をメンバーに加えた経営判断が奏功

渋佐 寿彦/公認会計士・税理士

虎ノ門有限責任監査法人 理事長

1981年生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。2003年10月、公認会計士試験第二次試験合格。同月、新日本監査法人(現:新日本有限責任監査法人)に入所し、監査業務やデューデリジェンス業務等に従事後、2007年6月に公認会計士登録。2007年8月に新日本監査法人を退所し、翌月に虎ノ門会計公認会計士共同事務所を設立、代表公認会計士就任。同事務所は2008年9月に法人成りをし、日本で4番目の有限責任監査法人である虎ノ門有限責任監査法人となる。現在は、事業再生を中心としたコンサルティング業務を展開する株式会社虎ノ門会計の代表取締役を兼務する。また、会計・税務・監査のみならず、法務・労務・不動産鑑定の専門家サービスをワンストップで提供する「虎ノ門LLP」のマネージングディレクターも務める。

参考URL:虎ノ門LLP

独立時の考え・戦略:若さを補うために敢えて堅い社名で監査法人を設立

監査法人に入所して4年半くらいの頃に、J-SOXが翌年度から適応される状況になった。また、四半期開示も適用されたばかりのタイミングということで、コンサルティング分野に好景気の波が来ていた。

当時は仕事の単価も会計士の年収も今と比べて高かった。そのため、監査法人での給料も良かったのだが、この波に乗れば独立しても何とかなるのでは?と思い始め、考えが独立に傾いていった。

独立時、自分が24歳、一緒に起ち上げたパートナーの中島が30歳くらいということで、若さがマイナスになる懸念もあった。そこで、社名も横文字を使わず「虎ノ門会計」という昔からありそうな名称にし、また、監査法人も設立し、堅いイメージでブランディングした。

堅いイメージを大事にしながら、仕事もしっかり行うことにより、「社名は堅いけど、接してみると実はフットワークが軽く面倒見の良い事務所だよね」と言ってもらえることを意識し、結果的にそれが良かった。

創業メンバー選び:パートナーとの共同創業にはメリット・デメリットがある

共同パートナーの中島は新日本監査法人時代の同じ部門の先輩。独立する場合、ひとりのほうが売上も全部自分のもので良いかもしれないが、パートナーがいると相談でき心強い。

中島は会計士としてはひとつ上の先輩だが、監査法人入所前にサラリーマンとしての経験があるので、年齢は6つほど違う。その分、頼りになり、自分は営業、中島は管理・人事面を担当するなど、うまく役割分担できている。お互いの得意分野が違うことは最初からわかっていて組んだが、そこがうまくいった。

ただ、誰かと組む時は、お互いの意見がぶつかる状況も考えておくことが重要。自分と中島も経営判断において意見が異なる場合があり、今は3人目のパートナーがいるので、ふたりの意見が異なった場合はもうひとりのパートナーの意見を選ぶことにしている。「対立した場合は3人目のパートナーの意見を尊重して、片方は折れよう」と最初から約束していた。

営業・顧客獲得:実は監査法人時代のつながりから仕事を頂くことも多い

営業スタイルは紹介が多い。監査法人時代に担当していた金融機関で知り合った人からの紹介や、前職の上司・先輩や、前職の監査法人が(独立性の問題などで)コンサルティングに入れないクライアントを紹介してくれるケースが多い。同業から仕事をもらうことが多いというのは当事務所の特徴かもしれない。 

また、虎ノ門グループには、公認会計士、税理士、社会保険労務士、不動産鑑定士、弁護士と複数の士業が所属しているので、そのつながりで仕事を紹介しあうケースもある。他士業との提携メリットも大きいと感じている。

失敗談やアドバイス:税務をどうするかは重要、税理士を早期に採用することを決断した

振り返ると、税務を経験してから独立したほうが良かったかもしれない。独立当初はコンサルティング中心のサービス展開だったが、そうなると収入が安定せず、収入が多い時とそうでない時がある。一方で、特に従業員を雇うと経費はコンスタントに出て行ってしまう。

リスクをとって独立したとはいえ、やはり最終的には安定を求めるのが人間の性だと思う。毎月、安定的に顧問料を得ることができる税務業務を行いたいと思うようになった。最終的には、金融機関からの創業融資を利用し、その資金で経験豊富な税理士を雇うとの判断に至った。

監査法人でも税務は経験できるが、法人税中心になってしまうので、会計士が独立を目指すのであれば消費税など税務の経験を積んでおくのが良いと思う。 

会計士補のまま監査法人を退職して独立。顧客獲得のポイントは信頼!スキルや価格だけではない

細田 将秀/公認会計士・税理士・日本証券アナリスト協会検定会員

株式会社インターナレッジ・パートナーズ 代表取締役社長

1980年生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。2003年公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツ(現、有限責任監査法人トーマツ)入社、金融インダストリーグループに配属。金融機関を中心に、法定監査、財務DD、不良債権処理に係る債権評価等の各種コンサルティングに従事。法定監査では有価証券、デリバティブ取引等、金融商品に係る分野を担当する。証券系SPCのファンド監査にも多数関与した。また、金融機関におけるSOX導入支援業務にも従事する。

監査法人退職後、パートナーを含む複数の公認会計士により株式会社インターナレッジ・パートナーズを立ち上げ、金融商品の評価業務、ストックオプションの導入支援、SOX業務、ファンド管理、M&Aにおけるストラクチャー及び財務・税務DDなどのFAS業務全般に従事。近年では、2010年に金融機関クライアントのIFRS導入準備の支援プロジェクトに参画したことを皮切りに、IT企業、製造業等のIFRS導入支援をスタート。 一方、クライアント企業の税務ニーズの高まりから、2010年5月IKP税理士法人を設立。各種プロジェクトにおける特殊税務(組織再編税制やストックオプション税制等)に対応するだけでなく、税務顧問も多く担当する。技術系ベンチャー企業、IT系ベンチャー企業などのIPOを目指すベンチャー企業の税務顧問も積極的に受託し、税務サービスだけでなくVCからのファイナンスを含めた資金調達コンサルティングサービスを提供している。

参考URL:株式会社インターナレッジ・パートナーズ

独立時の考え・戦略:「BIG4出身の会計士が、BIG4より安くやります!」で仕事がとれると思っていた

独立した時は、ちょうどJ-SOXバブルの終わりかけの時期で、バリュエーションなどの案件も多い時期で、「個人で受託すれば儲かるんじゃないか」くらいのやや安易な感じではあった。

実は、独立前に転職も考えていて、弁護士を目指そうと思った時期もあった。大学時代は日本全体が不景気で就職氷河期の時代でもあった。

当時、再生がブームというか、民事再生法が成立し始めた頃で、ちょうどダブルスクールが流行っていた時代でもあったので、会計士か弁護士になろうと考えていた。どちらかというと法律よりも数字を扱う方が好きだったので公認会計士になったが、実際に再生案件をみてみると、民事再生法、会社更生法にしても、弁護士がトップで案件を管理し、弁護士の方が活躍していることがわかった。

なので、実は監査法人に入って早い段階で弁護士の勉強を始めていた。修了試験が終わって、公認会計士になって数年したら司法試験を受けようかなと思っていたが、結局は今の妻と結婚したため、諦めることにはなったが・・・。

金融部での仕事は楽しかったが、もともとバリュエーションなどのFAS業務に強い関心があったので、トーマツ内部でのFASへの転籍か、外資系・国内系問わず外部の金融機関への転職も考えていた。ただ、今後のキャリアを考える中で妻と話し合っている中で、妻から「組織で働くよりも、あなたが組織を作った方が面白いのではないか」と言われて、独立を意識するようになった。実際、その半年後にトーマツを辞めた。今思えば、一度事業会社に転職してからでも遅くはなかったかな?と思う。

当時は12月に修了考査があって、11月頭くらいには試験休暇と溜まってた有給休暇の消化で会社には行っていなかった。このまま試験に落ちてたら、会計士補で独立することになってしまう可能性もあったが、、まあ落ちることはないだろと思って、合格発表前に監査法人を退職した。

退職後、ある程度の資金を貯められるように最初は大手の資格スクールで講師をしてお金を貯めた。当時は講師の報酬もよかった。

ただ、資格スクールの講師はバイトで本業にするつもりは毛頭なかったので、通常の会計士業務を行うため営業活動を始めた。独立したときに得意先もツテもなかったのでゼロからの営業だったが、退職直後に1ヶ月半くらい営業したら、当時25歳という若さもあって、びっくりするくらい誰も相手にしてくれなかった。

今は全部紹介で仕事を貰っているので、世の中って紹介とか信頼が大事だと分かっているが、当時は「大手監査法人だと1,000万円の仕事、うちでは200万円でやりますよ!」と言えば仕事をもらえると本気で思っていた(笑)。そんな感じからのスタートだった。

創業メンバー選び:自分が今までに会った会計士で一番優秀だと思う相手を共同創業者に選んだ

当初は4人でスタートしようと思っていたが、ひとりは奥さんに止められて直前に独立を取りやめてしまった。3人でスタートしたが、ひとりは方向性の違いなどから独立して2年半くらいで辞めて、現在のボードメンバーはトーマツ金融部で同期だった井出とのふたり体制。

自分は修了考査が終わる前に辞めたが、井出はシステム監査の経験を積んでからジョインしてもらうことにした。そうして、ITと金融をドメインに事業をスタートした。それから、現在ではIFRSが盛り上がってきた中で、IFRSコンサルもメイン業務の中核に据えた。

国際会計に関してはちょうどIFRSが話題になっていた頃に、いくつか仕事も入ってきていたが金融庁長官の延期発言があり、ほぼ案件がなくなってしまった苦い思い出もある。ただ、最近はまた盛り上がりつつあるかなという感じである。

パートナー同士はもちろんケンカもするけれど、大人なので折り合いを着けるし、何より井出は今まで会った会計士の中で一番優秀だと思って一緒に独立したので、意見が対立したとしても何だかんだで信頼している。

営業・顧客獲得:紹介でベンチャーやファイナンス案件を獲得

クライアントは紹介中心で増えている。紹介してくれるのは既存のお客さんや金融機関の方々など。

クライアントはベンチャーから上場企業まで幅広く行っている。自分たちが金融部出身でファイナンスに強いので、バリュエーションやストックオプション設計などIPO準備企業の資本政策関連の仕事も多い。ベンチャー企業のクライアントなどには、もちろん記帳代行や給与計算といったバックオフィス業務のアウトソーシングも行っている。

失敗談やアドバイス:人材採用には苦戦。顧客と従業員をいかにバランスよく増やせるか

細かい失敗談はいろいろあるが、今、苦労しているのは人材採用。

いろいろと募集はかけているが、自分たちの求めるクオリティが高すぎるのか、応募者が来ても筆記試験でほとんど落ちてしまう。仕事はどんどん来るのに、それに見合った人材の採用が追いつかない。

人手が増えなければ自分が動かないといけないので、自分は記帳作業もする。独立して軌道に乗ってもそうゆう苦労もあったりする。

会計士ではなく他士業のメンバーとの独立を選択、監査法人時代の人脈作りが今につながっている

前川 研吾/公認会計士・税理士・行政書士

汐留パートナーズグループ CEO

1981年生まれ。北海道大学経済学部卒。公認会計士・税理士・行政書士。2003年、公認会計士2次試験合格。新日本有限責任監査法人監査部門にて製造業、小売業、情報サービス産業等の上場会社を中心とした法定監査に従事。また、同法人公開業務部門にて株式公開準備会社を中心としたクライアントに対する、IPO支援、M&A関連支援、デューデリジェンス等のFAS業務等の案件に数多く従事。汐留パートナーズグループ設立後は、公認会計士・税理士・弁護士・社会保険労務士等のプロフェッショナルによるワンストップサービス、クライアントの海外事業のサポートを行っている。

参考URL:汐留パートナーズグループ

独立時の考え・戦略:独立直後にリーマンショック、厳しい環境からのスタートだった

2008年9月にリーマンショックがあったが、その少し前に独立したので、かなり厳しい環境からスタートしている。

当時、3つの選択肢から独立を選んだのだが、残り2つは外資系金融、もうひとつは、IPO準備企業でのCFOを考えていた。

IPOは、上場を実現できる企業を選ぶのは簡単ではないと思って辞めた。外資系金融に関しては、当時は英語ができなくて、もしかしたら飛び込めば良かったのかもしれないが、飛び込まなかった。外資系金融と独立は自分の中で対極だと思っていて、どっちかに行ったら、どっちかにはもう行けないというのは感じていて、自分としてもそこが人生の分岐点だと思い覚悟をして独立しようと決めた。

経験面では、監査法人からいきなり独立したわけだが、新日本監査法人でいろいろと経験できていたのが良かったと思っている。最初の3年で大企業の監査、その後、IPO支援部門に異動したので、転職をせずに大企業とベンチャー企業の両方を見ることができた。当時は、今と違ってそこまで厳格に監査だけという感じではなかったので、監査だけではなくいろいろな経験を積むことができたのも良かった。

また、監査法人勤務時代には異業種交流会に参加したり、自分でも交流会を主催したりとアクティブに活動していた。その時に出会った方々と独立後に一緒に仕事をする機会を得たり、顧問の依頼を貰ったりと、監査法人時代の活動が今を支えてくれているのをすごく感じている。

創業メンバー選び:あえて会計士ではなく、他士業との共同創業を選んだ

汐留パートナーズは、公認会計士、税理士、弁護士、社会保険労務士、行政書士、海事代理士と複数の士業がお客様をワンストップでサポートすることをコンセプトにしている。

ただ、創業当初は、今のような完全なワンストップサポートの体制を描けていたわけではなかった。最初は、IPOコンサルをやろうと会社を起ち上げたが、会計士のスキルだと原価計算や決算早期化、開示のコンサルができるな…IPO支援をするのであれば、会計だけではなく労務や法務もできるほうがいいな…とおぼろげにそうゆうことを考えていた程度。

お客様の良きパートナーでありたいと考えて、汐留“パートナーズ”という社名にしたのだが、気がつけばいろんな方のご縁に恵まれて、複数の士業がパートナーシップを組んで、お客様をサポートする現在の体制になった。

また、この他士業で組んだのも、うまく行ったポイントかもしれないと思っている。公認会計士だけで独立すると「オレが営業頑張って仕事をとってきてるのに、アイツは作業してるだけ…」みたいな話になることもあると聞くが、他士業だと専門分野が異なるのでお互いに良い距離を保っていけている。 

営業・顧客獲得:WEBからの集客でもクライアントを獲得

自分は他の登壇者のみなさんと違って金融機関とのつながりがあったわけではないので、1件1件コツコツと獲得していった。

ただ、監査法人時代にWEBサイトの作り方や、SEO対策(検索エンジン対策)やリスティング広告(WEBの広告)などについて勉強していたので、そこから獲得したお客様も多数ある。

現在もテーマごとに複数のWEBサイトを運営しているが、自分でホームページを作ることができて、SEO対策やリスティング広告出稿を行っている会計士は珍しいんじゃないかと思っている。

失敗談やアドバイス:経営者になると辛いことがたくさんある、でも、その分楽しいこともある

渋佐氏と同じく税務をどうするかは重要だと思っている。最初は大丈夫だったが、大きなお客さんが増えて徐々に税務のレベルが上がってくると厳しくなってきた。それが独立して3年目くらいの話。

そこからは組織として税務を行っていけるように、税理士試験の法人税法や国税三法に合格しているスタッフを採用したり、50代、60代のベテラン税理士の方に顧問になって頂いたりして、複雑な税務業務にも対応できる体制を作ってきた。

あとはもうひとつ。独立して個人でやっている時は自由だが、人を雇い始めると辛いことが出てくるし、好きなことだけやっていくわけにはいかない。当社も税理士法人だけで35名の体制になったので、実務はほぼ現場に任せているが、自分は営業、WEB、人事や給与などいろんなことをやっている。

自分はそれがやりたくて独立したので良いが、専門家としての会計士を貫きたいのであればあまり人を雇わないほうがいいかもしれない。そうでないと、人を雇うといろいろと辛いことが出てくる。

冗談ではなく、本当に辛いことばかり(笑)。でも、辛いことがあるのと同じくらい、楽しいこともある。 

キャラクターの違うパートナー選びは重要、選ぶ道のりはどこをゴールにするかで異なる

宮崎 良一/公認会計士・税理士

株式会社Bridge 代表取締役CEO

2005年、同志社大学商学部卒業、有限責任監査法人トーマツ・トータルサービス1部に入所。2006年、公認会計士試験合格。公認会計士の独占業務である会計監査を中心に、小規模クライアント向けにIPO支援業務、内部統制支援業務、IFRS導入支援業務等、さまざまな業務を経験。5年間の監査法人経験を得て、2011年10月、管理部門を総合的に支援する「株式会社Bridge」を設立し、代表取締役CEOに就任。その後、中村弘会計事務所に参画し、2011年12月、「税理士法人Bridge」に名称変更すると同時に、代表社員に就任。その他、事業会社の取締役も兼務している。

参考URL:株式会社Bridge

独立時の考え・戦略:先輩たちの背中を追って、勢いで独立した

監査法人トーマツのトータルサービス部からキャリアをスタートした。IPO専門部隊であったため、監査法人の中では比較的若いメンバーやクライアントも多く、勢いのある部署だった。みんなただひたすらに仕事をして夜中からお寿司や焼き肉を食べに行く、みたいなことを3年くらい続けていた。

ただ、そんな中で徐々に、先輩たちがベンチャーに転職したり独立したりとどんどん辞めていって、そういった姿を見ていて、自分もそれを追いかけたいなと思ったのが独立したきっかけ。

今振り返ると2011年はまだ景気も良くなかったが、景気の善し悪しとかもあまり考えず、勢いで独立したところはある。 

創業メンバー選び:一番信頼できる同期と一緒に独立

2011年に独立したが、監査法人時代の同期である大庭とコンサルティング会社を設立した。本音ベースでは、一人でやるのが寂しい、不安という気持ちももちろんあり、一番信頼できるパートナーを誘ったというのが経緯。これまでほぼケンカもせずとても良い関係でやってきている。

うまくやれている秘訣は、多分、役割分担がしっかりしていること。自分が外回り、人脈形成しながらお客さんとリレーションを作る。お客さんの課題を解決でき、かつ、当社としても強みを発揮しやすいプロジェクト提案を行い、大庭がそれをもとにしっかりクオリティを担保したサービス提供していく。このチームワークがうまく行っている。 

営業・顧客獲得:ただ目の前の仕事に誠意を持って対応していくことが大切

当社のお客様は業界でも有名なスタートアップやIPO準備企業、上場企業など。お客様には恵まれているという自負はある。何故そういったお客様を獲得できたのかは、よくわからないが、敢えて理由をあげるならふたつあると思う。

ひとつは、会社のブランディング。当社はWEBサイトに「成長意欲の高いお客様のみお問合せください!」と明記してある。これは本来問合せてくれるはずのお客様が減るかもしれず賭けだったが、それがハマった。例えば、飲食業の人から問合せがあっても、ただ「お店を出したい」というのではなく、「将来的にはフランチャイズで大きくしたい!」というお客様が来てくれているイメージ。

もうひとつは、目の前の仕事に誠意を持って対応していくということ。結局は信頼関係が人を繋いでいく。僕も仕事を受ける時は「何があっても最後まで全部責任を持ってやり遂げます」ということで仕事を頂いている。そういったことを大切にしなければならない。

失敗談やアドバイス:絶対的に正しい選択はない、登る山によって登り方は違う

独立して2年半が経過したが、細かい失敗はあれども全体としては順調に推移している。大庭とふたりで独立して良かった。ただ、ビジネスには良い時も悪い時もある。来年、再来年に悪い時期が来て、もしかしたら、業績の悪化をきっかけにパートナー同士がモメることもあるかもしれない。

会計士が独立するにあたっては、「ひとりで独立するほうが良い」「ふたりで独立するほうが良い」という話かというとそうではないと思う。

当社は大きい山を登ろうと思っていて、そのためにはふたりで始めたことが良かったとし、役割を分担するやり方もそれに合っていると思う。登る山の大きさによって、その登り方は変わってくると思う。独立するのであれば目標に応じたやり方をとるのが大切。 

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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