将来は独立したい!アドバイザリーと国際部のどちらがいいですか?:くわえもんの“会計士の悩みはオレに聞け!”vol.9

このコーナーでは、“くわえもん”こと高桑昌也氏が、厳しく、優しく、ユーモラスに公認会計士のみなさんのお悩みに答えます!

さあ、みんな!くわえもんに相談してみよう!

“くわえもん”とは?

高桑昌也 通称“くわえもん”

公認会計士・税理士、株式会社イーエスリサーチ 代表取締役社長

麻布高等学校・慶應義塾大学卒。大学在学中(2000年)に公認会計士2次試験合格、中央青山監査法人、金融庁、エスネットワークス取締役等を経て、現職。さそり座O型。秋田県男鹿半島出身。

趣味:写真、旅行、夜の麻布・六本木

今回のお悩み:将来は独立したい!アドバイザリーと国際部のどちらがいいですか?

今回の相談者

 

しょうさん、男性、22歳、会計士試験受験生

※写真はイメージです。

相談内容

くわえもん先生、こんにちは。

公認会計士を勉強中の22歳しょうと申します。取らぬ狸の~になってしまいますが会計士試験に合格し、監査法人で数年勤めた後に資格登録して、独立したいと考えております。

そこでファーストキャリアを、

(1)仕事量の多いアドバイザリー事業部(コンサル)を選択する

(2)一般的にファーストキャリアに選ばれる国際事業部を選択する

の2つで悩んでいます。(在学中合格者と比べ年を重ねた私が配属が通るのかという疑問が残りますが…)

 

理由としては以下ふたつです。

(1)伝聞ではあるが、アドバイザリー事業部はとにかく実力がつき、ビジネスのダイナミズムを経験できる(らしい…)

(2)仕事の延長で英語力を伸ばせる。(1)ほど忙しくないので自己研鑽としてITの勉強が出来る。

 

自分としては(2)が優勢です。

なぜならば、

  • 独立後に英語を話せれば勝負できる市場が63倍になるから(単純な計算ですが…)。
  • また、様々な事業を考えていきたいと考えているが、独立といってもIT系ですることになりそう。
  • 基本情報処理試験は合格しているので、今後はさらに上の資格にチャレンジする。
  • プログラミングを勉強して簡単なiphoneアプリを作ってみる。

以上のことを通じて、(自分がCTOになるわけではありませんが)CEOとしてIT戦略の概要を掴めるくらいの理解を深めていきたいと考えております。

ただ一方で、自分は激務なアドバイザリー事業部についていけないから、理由をつけて逃げてるだけではないのかという精神的な弱さの自覚もあります。

くわえもんさんは、独立に関してどのようにお考えでしょうか。

くわえもんからの回答

経験、英語、ハードワークを意識しよう!

こんにちは。夏の暑さの中、炭水化物抜きダイエットにいそしんでおります、くわえもんです。

今年の頭から7キロくらい減って、とりあえず満足です。仕事面では、最近は自治体系の案件を沢山頂いており、仕事まみれで幸せな日々を送っております。

受験生の皆さんはもうすぐ論文式試験とのこと。もうちょっとですので、頑張ってください。

ちなみに私は15年前に受けましたが、試験の前の週は不安にかられ大荒れで、家で日本酒飲んで暴れていたような気がします。親には本当に申し訳ないことをしました。

さてご質問の件、私の周辺では「監査やってから、コンサル(アドバイザリー)へ」が多かったような気がします。「コンサルやってから監査」というのは不思議とあまりいませんでした。監査はチェックが多く、どちらかというとそんなに面白みもないので、コンサルの「ディールを通じて何かを創り上げる」楽しさとかを知ってしまうと、監査に目が行かなくなるのだと思います。もし監査で何か経験しておきたい(実地棚卸を経験したい)とかでなければ、いきなりコンサルでもいいような気がします。20代のうちの貴重な時間がもったいないですし。

なお、しょうさんは「国際部に行くと、英語力がつく」とお考えかもしれませんが、英語が使えるようになるかどうか、これは自助努力の賜物です。

私も国際部らしき昔の青山監査法人系の部門にいて、外資系の会社の監査やっていましたが、「WorkDone」とか監査調書を英語で書いたりするくらい。監査業務でそんなに英語バリバリかというと、実はそうでもない。もちろんパートナーやマネージャーが外人だったりで、それなりに英語は使いますが、まあそれなりです。中には英語苦手なスタッフもいましたしね。国際部に行けば決して英語力がつく訳ではない。

あと監査もコンサルもどちらも激務です。

というか公認会計士という資格を取った以上、仕事量は他の職種よりも2~3倍くらいあると思ったほうがいいでしょう(ちなみに私もこの原稿書いているのは土曜です)。ほかIT系で起業を考えているようですが、起業すると自分の会社の資金繰りや、従業員の面倒も見なければいけなくなり、さらに大変になりますよ。業績が悪ければ投資家や銀行からギャンギャン言われて、ノイローゼになることも少なくありません。

上記より、個人的な意見を言いますと、将来独立を考えているのであれば(2)の国際部というのは、得られる果実が英語くらいで、それ以外のメリットを余り感じません。(1)のコンサルで研鑽を積みながら英語の勉強をすれば、「ディールを通じた経験」と「英語」、それに「ハードワークへの対応力」という3つの果実を得られるので、いきなり(1)で良い様な気がします。

■追伸…

ちょっと注意しておきたいのは、(1)のコンサルというのは、BIG4系のアドバイザリーであっても、監査法人と異なり金融機関出資やコンサルを渡り歩いた人間など、様々なキャリアの人間が多いこと。監査法人だと公認会計士が当然ながら幅を利かせているのですが、コンサルでは公認会計士だからといって優遇されたりしない。実力がものを言う世界であり、苦労してせっかく取った資格がすぐに活かせないかも知れないので気をつけたい。

私は昔とあるM&Aの案件で、コンサルの人間(その人間は銀行系の戦略コンサル出身。今は某銀行の部長職にあり、公私ともに仲良くしている)と対峙し、その総合力と突破力に辛酸を舐めた経験がある。当時20代後半、資格を持っていることに安心し、胡坐をかいていた自分を恥じた。コンサルには資格がなくても、優秀な人材は多い。若いうちに接することができれば、それはしゅうさんの公認会計士としての貴重な経験になるだろう。

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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