本日、平成30年度修了考査の合格発表が行われました。
合格された皆様、おめでとうございます!
平成18年度に公認会計士試験制度が新制度へと移行され、旧3次試験が修了考査へと変更されてから、本年は13年目の修了考査となりました。
本年の修了考査では838名の方が合格されたものの、合格率が大幅に下がる結果となりました。
本記事では、平成30年度の修了考査の合格発表の内容を詳しく考察していきます。
平成30年度・修了考査合格者の概要
まず、平成30年度の合格発表に関する概要は下記の通りです。
【受験願書提出者数】1,618名
【受験者】1,495名
【合格者】838名
【対受験願書提出者数合格率】51.8%
【対受験者数合格率】56.1%
合格者数と合格率
合格者数は前年比227名減!過去12年で最低
さて、合格者数や合格率を見ていきましょう。
まずは合格者数です。
平成30年度の修了考査における「合格者数」は前年度の1,065名と比較して227名減の838名となりました。これは過去12年で最低の合格者数であり、平成23年度の2,378名をピークに7年連続の減少、当時の約3分の1となっています。
受験者の総数は昨年の1,536名から1,495名へと減ってはいますが、今回の減少数はそれを大幅に上回る減少となっています。
対受験者数合格率は過去最低の56.1%
※平成18年度・修了試験の「対受験願書提出者数合格率」は開示されていないため、旧3次試験を受験した51名のデータとなっています。
続いて合格率を見てみましょう。
今回は合格率が例年を大きく下回る厳しい結果となっています。
「対受験願書提出者数合格率」は51.8%となり、昨年の64.4%から12.6%の大幅減となっています。
また、「対受験者数合格率」は56.1%と昨年の69.3%を13.2%下回る結果となり、こちらも大幅減となっています。これは修了考査が始まって以来、データのない初年度(平成18年度)を除いた過去最低の水準となっています。
氏名非公表制度は合格者の約1割が利用
修了考査の試験内容や結果とは関係はありませんが、一昨年度(平成28年度)の修了考査から制度変更があり、受験者本人から申請があれば、合格発表時に氏名を公表せず受験番号のみを公表することが可能となっています。
今回の修了考査においても、合格者名簿を確認すると、全国で82名が氏名非公表制度を利用しているようです。
これは合格者全体の約1割の人数となりますが、昨年度の利用者も約1割でしたので、ほぼ横ばいの状況です。
修了考査の合格者名は、日本公認会計士協会のサイトにて発表されWEB上に履歴として残りますので、個人情報に対する考え方が厳しくなっている昨今、氏名非公表制度の利用者は今後も増えていく可能性もあると思われますが、昨年から本年にかけては横ばいとなりました。
本年度の特徴と今後の傾向
今回の修了考査合格者838名すべてが公認会計士協会の正会員登録を行ったとすると、公認会計士(正会員)数は31,189名(2019年3月31日現在)から32,027名へと増えることとなり、約2.6%増加することとなります。
また、今回の修了考査で特筆すべき点はやはり合格率の低さと言えるでしょう。
今回の主な受験者は平成27年(2015年)の会計士試験合格者であり、以下の図3のように平成20年(2008年)から平成27年(2015年)にかけて、会計士試験の合格者数(修了考査の受験対象者の母数)はコンスタントに減少していました。
そのため、今回、合格者数が減少したとしてもそれ自体は自然な流れと言えますが、合格率の低さから想定を下回る合格者の少なさとなりました。
修了考査の合格は、法人内での将来的な昇格に影響したり、また、合格を機に転職を検討する方々もおられたりするなど、キャリアプランにも影響があります。今後の修了考査では、合格率がどれくらいの水準となっていくのか、動向に注目です。
※本文中のデータは全て公認会計士協会発表のデータより作成。
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