公認会計士の転職適齢期 まとめ:会計士のキャリア小六法 第4回

  • 2013/12/29

 

会計士のキャリア小六法・第1回から第3回では、公認会計士の転職適齢期を見極めるための「内的要因」と「外的要因」についてそれぞれ解説しました。

第4回の今回は、転職適齢期のまとめとして、内的要因と外的要因のふたつを合わせて自分のキャリアや転職適齢期を判断していく方法をお伝えします。

まず、前回までの確認として、公認会計士の転職に関連する内的要因と外的要因は以下になります。

<内的要因>

  1. 年齢
  2. 実務経験
  3. 年齢と経験のバランス

※内的要因の詳細は第1回(公認会計士の転職適齢期はいつなのか?)、第2回(合格年齢から見る会計士の転職適齢期)を参照ください。 

<外的要因>

  1. 景気の状況
  2. 会計業界の景気
  3. 志望業界の景気

※詳細は第3回(公認会計士の転職と景気の関係は?)を参照ください。

 

内的要因と外的要因を複合的に判断する

では、内的要因と外的要因を複合的に判断するにはどのように考えれば良いのでしょうか?

早速、具体例を見てみましょう。

下記に2つのケースをご紹介しますが、いずれのケースも

  • 24歳で公認会計士試験に合格
  • 監査法人勤務
  • FAS志望

という前提とします。

 

<ケース1:2006年・24歳で公認会計士試験に合格した場合>

まずは2006年に24歳で公認会計士試験に合格したケースです。 

【2006年】 24歳、公認会計士試験に合格

ここで大手監査法人に就職し、5年勤務すると以下のようになります。

【2011年】 29歳、監査法人での経験5年

  • 内的要因…29歳、5年経験、公認会計士、シニアスタッフ
  • 外的要因…全体の景気:やや回復基調、会計業界の景気:悪い、FAS業界の景気:悪い

2011年の時点では、29歳で経験5年、公認会計士登録も完了し、シニアスタッフに昇格しています。内的要因だけみるとキャリアのバランスは良く、転職適齢期です。一方で、外的要因に関しては、景気全体としてはリーマンショックからの立ち直りがやや見られるものの、会計業界やFAS業界の景気は悪い状況でした。

こういった状況においては、

  • 景気は悪いが、適齢期ではあるので転職活動を行う
  • 年齢的にはややピークは過ぎるが、景気がよくなるのを1~2年待つ

という判断をすることとなります。

 

また、ここで転職をせずもう2年在籍した場合は以下のようになります。

【2013年(現在)】 31歳、監査法人での経験7年

  • 内的要因…31歳、7年経験、公認会計士、シニアスタッフorマネージャー
  • 外的要因…全体の景気:良い、会計業界の景気:回復基調、FAS業界の景気:回復基調

2013年の時点では、内的要因を見ると、31歳で経験7年、シニアスタッフ(早い人であればマネージャーに昇格)と年齢的には20代後半のピークはやや過ぎたものの、経験は十分で未だ転職適齢期です。また、景気も回復基調にあるので、全体として転職適齢期と言えます。

このケース1の場合、結果論ですが、2013年には景気が上向いてきているので、2011年よりも2013年に31歳で転職活動を行うほうが良いと言えそうです。とは言え、これは断言できるものではなく、FASに転職するのであれば若いほうが有利なため、もしかすると20代である2011年に転職したほうが、良い転職につながったかもしれません。また、今から振り返ると2013年の景気は上向いていますが、実際は2011年の時点では将来どのタイミングで景気が上向くかは予想できず、より下落するリスクもあったため、そういったところにも転職適齢期を判断する難しさがあります。

 

<ケース2:2008年・24歳で公認会計士試験に合格した場合>

次に、2008年に24歳で公認会計士試験に合格したケースを見てみましょう。 

【2008年】 24歳、公認会計士試験に合格

ここで監査法人に入所し、5年在籍すると以下のようになります。

【2013年(現在)】 29歳、監査法人に5年勤務

  • 内的要因…29歳、5年経験、公認会計士、シニアスタッフ
  • 外的要因…全体の景気:良い、会計業界の景気:回復基調、FAS業界の景気:回復基調

ケース2の場合、ちょうど現在にあたる2013年で29歳となり、経験も5年と転職適齢期を迎えます。また、景気も回復基調にあるため、内的要因、外的要因ともに転職には向いていると言えます。

景気はさらに上向く可能性はありますが、やはり20代というのは転職市場において評価されやすいので、これ以上待たずに転職活動を行うのでも十分に良いと考えられます。

 

転職適齢期を判断するポイント

このように転職適齢期を分析していくのですが、キャリアプランニングにおいては、「現在転職すべきか」ということよりも「自分にはいつ適齢期がくるのか」ということを知り、時間をかけて準備していくことが重要です。そのため、将来的に転職を考えている場合、何年に自身が何歳でどれくらいの経験を積んでいるかを書き出し、シミュレーションしておくのが良いでしょう。

なお、外的要因に関しては、景気の予測が難しいのですが、将来の景気に関しては「良い」「普通」「悪い」など3つくらいのパターンに分けてシミュレーションしてみると、転職適齢期がイメージしやすくなります。

また、内的要因の構成要素であるスキルや経験に関しては、「どのような経験を積んでいるか」によっても評価が異なりますし、「年齢を経ても市場価値がダウンしにくいキャリア」などもありますので、本シリーズにて順次、解説していきます。ご期待ください。

 

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