事業の多角化に伴い会計システムをクラウド化。IT導入補助金の活用で内部統制強化も実現
株式会社リバティー
日本全国の小規模宿泊施設向けに統合経営管理システムの開発・販売と、コンサルティングサービスを提供しています。また、リバティーリゾートグループの運営を行っております。
https://liberty-web.co.jp/
課題
- 事業ごとに異なる会計システムを使用しており、データの取り扱いが煩雑だった
- 経費精算が手書きの精算書に領収書を添付するアナログな業務フローであり、効率化が求められていた
- Excelで予実管理をしていたため、タイムリーなデータ反映が難しかった
結果
- 会計システムが統一され、データの一元管理が可能になった
- 経費精算システムの導入により、経費精算のデジタル化が進み、業務効率化につながった
- 複数事業の予実管理がワンクリックで完了するようになり、経営判断の高速化にも寄与
事業の多角化に伴い、会計システムの見直しを開始。わかりやすいUIと複式簿記に則ったクラウド型会計システムであることが決め手に。
――会社の概要と事業内容について教えてください。
吉田様:株式会社リバティーは、小規模の宿泊施設業者へ向けて、予約から会計までを一元管理する経営支援システムの開発および販売を行っている企業です。
ソフトウェア事業では、集客から決算までをシームレスに一元化できる宿泊業支援システム「あすなろ」を提供しています。また、システム活用に関するコンサルティングとして集客サポート「すけさん」の提供や、ホームページ制作を含むWeb事業も行ってきました。
一方で、静岡県内で旅館など4つの宿泊リゾート施設を運営しています。自社でも宿泊施設を運営している強みを活かし、信頼性の高いハイレベルなサポートを日本全国均一に提供できるよう、日夜努力を続けています。
弊社の強みは営業力の高さです。小規模クライアントへきめ細やかに対応できるよう、実態に即した課題解決サポートをモットーとしています。実際に現地へ足を運び、宿泊施設運営・関連システム開発のノウハウを活かしたコンサルティングが可能です。
――ご担当者様の担当業務と経理領域のチーム体制や役割分担について教えてください。
吉田様:私は取締役兼執行役員と管理部長を兼任し、経理や総務をはじめとするバックオフィス全体を管轄しています。
エー様:私は主に旅館事業の売上仕訳と、購買・経費仕訳を担当しています。
ズジン様:私は主にソフトウェア事業の売上仕訳を担当しています。また、固定資産計上・償却も担当しています。
吉田様:上記の業務に加え、会計システムでの仕訳の登録や申請を、エーとズジンの2名で行い、その承認をわたしが行うというコンパクトな体制で経理業務を回しています。
経理チームでは、経理業務のレベルアップを目標に日々、業務に取り組んでいます。
また、毎月の月次決算を5営業日で締めることも目標に掲げています。旅館事業を始める前は、目標を達成できていましたが、旅館事業の開始後は売上や経費の種類が増えたことにより業務が複雑になり、月次決算にかかる時間が増加傾向にあります。また、パートスタッフの増加で給与計算の締めにも時間がかかるようになったため、改めて月次決算の早期化を目標に業務効率化に取り組んでいます。
――マネーフォワード クラウド導入前に感じられていた課題と、導入の背景について教えてください。
吉田様:以前、ソフトウェア事業ではオンプレミス型の会計システムを使用していました。一方、民事再生からスタートした旅館事業では、自社開発のシステムを使用している形でした。
ソフトウェア事業で使用している会計システムに旅館事業のデータを取り込む作業の複雑さがボトルネックになっていました。そこで、会計システム統一による業務効率化を目的に、会計システムの見直しに着手することになったというのが検討の背景です。
マネーフォワード クラウドを含む4社で比較検討した結果、クラウド型の会計システムであることと、わかりやすいUI/UXであることに加え、複式簿記に則った仕訳登録ができることが決め手となり、マネーフォワード クラウド会計の導入を決めました。さらに、今後、事業が拡大していき、経理担当者が増えた場合にも、それぞれの拠点から複数人が同時にアクセスして業務を行えるため、企業の成長にも耐えうるバックオフィス体制を構築できると感じました。
――マネーフォワード クラウド会計Plusへ移行されたきっかけを教えてください。
吉田様:会社規模の拡大に伴い、今後の成長を加速させるためには内部統制を強化する必要があり、マネーフォワード クラウド会計Plusへの移行を決めました。マネーフォワード クラウド会計に不満がなかったことと、すでにマネーフォワード クラウド会計に慣れていたこともあり、このタイミングで他社システムを検討することはありませんでした。システム移行にかかる工数を最小限に抑えたかったため、そういった面でもマネーフォワード クラウド会計から会計Plusへ移行する選択がベストだと感じました。
――マネーフォワード クラウド経費とManageboardを導入した背景を教えてください。
吉田様:マネーフォワード クラウド経費の導入は、インボイス制度の施行がきっかけです。これまで経費精算は手書きの精算書に領収書を添付して提出してもらい、それを経理で集約して1ヶ月分をまとめて会計システムに仕訳登録するというアナログな業務フローで対応していました。この煩雑な業務フローを見直し、小口現金管理もなくしたい意向があったため、インボイス制度施行のタイミングで経費精算システムを導入し、業務効率化を図りたいと考えました。
適格事業者登録番号の有無などを現場のメンバーに確認・判断してもらうことは難易度が高いため、とりあえず現場のメンバーには「領収書をスマートフォンで読み込んでもらう」という業務フローに統一したかったという背景もあります。マネーフォワード クラウド同士での連携性を重視していましたので、こちらも他社システムとの比較はしませんでしたね。
吉田様:Manageboardは、複数事業の予実管理を標準化し、経営判断の高速化を目的として導入を決めました。
導入前までは予算・実績に関する報告書をExcelで作成していました。しかし、事業の拡大にともなう集計単位の増加により、ファイルの容量が重たくなってしまったり、計算が合わず作業のやり直しになってしまうケースが多発していました。加えて、速報値と確定値で生じるズレをタイムリーに反映することが難しいという課題感もありました。また、Excelの特性上、業務が属人化しやすく、私以外での対応が難しい状況でもあったため、それらの課題を総合的に解決するためにはシステム化がマストだろうと考えました。
あわせて、当時は観光庁の事業のひとつとして、ポストコロナにおける観光産業を見据え、サービス価格の適正化を行う流れとなっていました。ホテル・旅館事業を含む再生・高付加価値化の実現を目指す「交通・観光連携型事業」が公募され始め、支援対象に選ばれると高付加価値経営旅館として補助金が支給されます。
応募要件を満たすためには、部門ごとの損益を明確にし、自社の財務状況を可視化することが不可欠です。マネーフォワード クラウド会計PlusとManageboardを組み合わせることで、精緻な予実管理が可能となるため、高付加価値経営旅館への登録を目指して運用したいという目的もありました。
IT導入補助金を活用し、会計システムをアップグレード。内部統制強化を実現。
――今回、IT導入補助金を活用してマネーフォワード クラウド会計Plusと請求書をご導入いただいたと伺っております。IT導入補助金を申請した理由や、活用についての感想を教えてください。
吉田様:IT導入補助金を活用した一番の目的は、マネーフォワード クラウド会計から会計Plusへのアップグレードの起爆剤とするためです。
先ほどお伝えしたとおり、内部統制強化のためにはマネーフォワード クラウド会計Plusの導入が欠かせません。ただ、機能の面ではマネーフォワード クラウド会計のままでも不満がなかったこともあり、経理業務に関わっていない人々の中にはわざわざコストが増えるアップグレードに対して消極的な意見が少なくありませんでした。そこで目をつけたのがIT導入補助金です。
補助金の申請は、マネーフォワードのサポートがあったおかげでメールでのごく簡単なやり取りだけでスムーズに通り、ストレスは一切ありませんでした。過去に弊社自身がIT導入支援事業者であり、申請要件を満たすことの難しさと採択率の低さを理解していたからこそ、マネーフォワードのサポートが手厚いことを実感しています。
補助金制度は申請に手間を要するイメージから、IT導入補助金の利用も躊躇している企業があるかもしれません。しかし、実際に活用してみると、想像していたよりも少ない負担で申請から運用開始まで進めることができました。IT導入補助金以外にもさまざまな補助金制度がありますが、補助内容と自社にとっての申請のしやすさとの兼ね合いを考慮しつつ、使える制度は活用してDX化を進めていけると良いのではないかと思っています。
バックオフィスのクラウド化により業務の効率化と内部統制強化、さらにメンバーのスキルアップにも貢献。
――実際にマネーフォワード クラウドを導入してみての感想を教えてください。
ズジン様:言語的なハードルから、使い始めた当初は操作に慣れるのが大変でしたが、そのハードルをクリアしてからはマネーフォワード クラウド会計Plusのコメント機能を活用しながら、担当者間や承認者とのやりとりをスムーズに行えるようになりました。
吉田様:マネーフォワード クラウド会計Plusを導入したことでシステム的に内部統制が担保され、バックオフィス体制構築が一歩前進したと思います。
また、導入効果のひとつとして、メンバーのスキルアップが挙げられます。メンバーが申請した仕訳データに対してフィードバックしていくなかで、経理担当者の大幅なレベルアップにつながったと思っています。税務チェック機能を活用することで簿記の学習にもつながり、エーとズジンは簿記未経験から簿記2級ほどのレベルまで向上しているのではないでしょうか。ズジンは簿記2級を取得し、税理士試験の学習もスタートしています。他の社員もズジンから刺激を受け、簿記2級の取得を目指す動きが生まれています。
Manageboardについては、実績などのレポーティングがワンクリックで完了し、業務効率化につながりました。従来のExcelでは、会計システムからCSVを出力・貼付し、予算や実績を見比べながら管理するという運用だったため、予実管理にかかる工数を大幅に削減できたと思います。ドリルダウンで科目の紐付けのミスなどを発見しやすくなった点もいいですね。
また、システム化したことで、属人化してしまっていた業務フローから脱却し、業務の標準化にもつながりました。現在は引き続き、私が担当していますが、今後、担当者が増えたり、変更になった場合でも、業務の連携がスムーズに行えると思います。
――最後に、マネーフォワード クラウドの導入を検討されている方々に向けてメッセージをお願いいたします。
ズジン様:先ほども申し上げたとおり、マネーフォワード クラウド会計Plusのコメント機能がおすすめです。指示や申し送り事項をわかりやすく記載できるだけでなく、担当者間でのコミュニケーションが効率化されるため、わたし自身もよく活用しています。また、それぞれの仕訳にPDFなどのデータを添付できる機能があり、検索性が高いところも気に入っています。過去の領収書や資料を探す手間が削減されました。
エー様:マネーフォワード クラウド会計Plusとマネーフォワード クラウド経費の連携で業務が効率化できています。仕訳帳の画面からワンクリックで明細までたどり着けるところが使いやすくて良いですね。マネーフォワード クラウドは必要なシステムを選択して導入することができるため、複数システムを連携することで業務効率化を加速させることができると思います。
吉田様:マネーフォワード クラウドは、使っているなかで自然と会計知識を身につけることができ、人材教育の面でも助かっています。会計に関する意識は、管理職や経理担当者だけではなく、会社全体で高めていくことが大切だと考えています。マネーフォワード クラウドを活用することで会社単位での会計スキルが底上げされるため、ゆくゆくは日本全体のパワーアップにつながっていくのではないかと思っています。
※掲載内容は取材当時の情報です。
公開日:2024年4月9日 公開当時の情報となります
今回の導入サービス
引用元:事業の多角化に伴い会計システムをクラウド化。IT導入補助金の活用で内部統制強化も実現 – 「マネーフォワード クラウド会計Plus」導入事例