2020年11月の会計士業界ニュースをお届けします。
「ソフトバンクG初CROに元EY新日本監査法人市村氏」「freee、カミナシが監査支援ツールをリリース」の2本です。
ソフトバンクG初CROに元EY新日本監査法人市村氏
年々、企業のリスク管理の重要性が増す中、CRO(Chief Risk Officerの略、最高リスク管理責任者)のポジションが公認会計士の新たな活躍の場となるかもしれません。
今回、ソフトバンクグループ初のCROに元EY新日本監査法人の市村氏が就任した件に関する記事が、Bloombergよりリリースされています。
ソフトバンクグループは、初のチーフ・リスク・オフィサー(CRO)にEY新日本監査法人出身の市村清氏を起用した。
引用元:ソフトバンクG、初のCROに元EY新日本監査法人の市村氏を起用(Bloomberg 2020年11月2日付)
記事によると、市村氏はEY新日本監査法人に2007年9月から2020年6月まで勤務しており、11月2日に新設したリスク管理室の室長に就任されるそうです。
企業の事業リスク増加に対応するCROは、会計士の知見が活かせる仕事でもあります。今後、CROとして会計士が活躍する機会が増えるかもしれません。ご興味のある方は以下をご参照ください。
freee、カミナシが監査支援ツールをリリース
- freeeアプリストアに「kansapo」掲載開始 監査等に必要なデータ検索がスムーズに(freee Webサイト 2020年11月20日付)
- 監査をもっと効率的に クラウド監査アシスタント kansapo(税理士法人つばめWebサイト)
- カミナシ、監査業務の支援サービス(日本経済新聞 2020年11月22日付)
監査のデジタル化は、監査法人だけではなく、事業会社でも進んでいます。事業会社が効率的に監査を受けるための支援ツールが、複数リリースされています。
まず、クラウド監査アシスタント kansapoが、税理士法人つばめよりリリースされています。
freee株式会社(本社:東京都品川区、CEO:佐々木大輔、以下「freee」)は税理士法人つばめ(本社:東京都渋谷区、代表者:河村浩靖)が提供する、クラウド監査アシスタント「kansapo」と「クラウド会計ソフトfreee(以下、会計freee)」とのAPI連携の開始と、freeeアプリストアへの新規掲載をお知らせします。
引用元:freeeアプリストアに「kansapo」掲載開始 監査等に必要なデータ検索がスムーズに(freee Webサイト 2020年11月20日付)
現在、監査では、分析する前提のデータマネジメントができていない、データの加工・資料のやり取りや質問対応・調書化に時間がかかるなどの課題がありますが、都度データを出力して加工せずとも「kansapo」を使えば、欲しい情報が検索可能となるということです。
「kansapo」は、会計freee(エンタープライズプランを除く)を利用している顧問先が対象となります。サービスの詳細については、こちらをご覧ください。
もう一つ、企業向けの業務監査支援サービスに関するニュースが、日本経済新聞よりリリースされています。
システム開発のカミナシ(東京・千代田)は24日、企業向けに監査業務の支援サービスを始める。法律や社内ルールを守って業務を遂行しているかチェックリストをシステム上で作成。
引用元:カミナシ、監査業務の支援サービス(日本経済新聞 2020年11月22日付)
記事によると、タブレット端末で写真を撮り、各チェック項目を入力するだけで報告書が完成するということで、業務監査のデジタル化のためのサービスになります。2021年春までに導入企業約100社を目指していると伝えられています。
監査品質の向上に向けて、デジタル化の波が加速しています。ご興味のある方は以下をご参照ください。
- freeeアプリストアに「kansapo」掲載開始 監査等に必要なデータ検索がスムーズに(freee Webサイト 2020年11月20日付)
- 監査をもっと効率的に クラウド監査アシスタント kansapo(税理士法人つばめWebサイト)
- カミナシ、監査業務の支援サービス(日本経済新聞 2020年11月22日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)