2020年8月のスポーツ(ゴルフ)、監査、IPO関連の会計士業界ニュースをまとめました。
2020年8月9日、11日、14日にリリースされた「あずさ日経カップ5度目の決勝進出」「地銀でフォワードルッキング引当広まる」「IPOの受け皿不足で監査難民問題解消せず」の3件のニュースをご紹介します。
あずさ日経カップ5度目の決勝進出
- あずさ監査法人が5度目の決勝進出 日経カップ予選C組(日本経済新聞 2020年8月9日付)
あずさ監査法人といえば「スポーツアドバイザリー室」を設置し、KPMGジャパンが日本ブラインドサッカー協会とスポンサー契約を締結するなど、スポーツチームと繋がりが深いイメージがあります。
今回、あずさ監査法人が企業対抗ゴルフ選手権である日経カップにおいて決勝進出に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
日経カップ 企業対抗ゴルフ選手権2020は9日、茨城県筑波CC(7012ヤード、パー72)で団体戦の予選Cグループが行われ、あずさ監査法人がトップで3年連続5度目の決勝大会進出を決めた。
引用元:あずさ監査法人が5度目の決勝進出 日経カップ予選C組(日本経済新聞 2020年8月9日付)
記事によると、決勝大会は9月26日に、先に出場権を得ている昨年の上位12社と、予選を突破した26社を合わせた38チームで行われると伝えられています。
5度目の決勝進出ではありますが、昨今のコロナ禍で、限られた練習で成果を出して決勝大会進出を決めることができて、普段とは違う喜びがあったのではないでしょうか。ご興味のある方は以下をご参照ください。
- あずさ監査法人が5度目の決勝進出 日経カップ予選C組(日本経済新聞 2020年8月9日付)
地銀でフォワードルッキング引当広まる
- 地銀 コロナ損失処理先手 欧米流、貸倒引当金厚めに(日本経済新聞 2020年8月11日付)
金融検査マニュアル廃止とコロナ禍での景気悪化のタイミングが重なってしまいました。日本公認会計士協会は銀行の貸倒引当金の引き当てルールについて、会計監査で柔軟に運用する方針を発表するなど、引当金の積み増しで銀行の経営を圧迫しないよう、異例の対応を取りました。
今回、地銀の貸倒引当金に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
新型コロナウイルスの流行が長期化する中で、将来発生する損失を前倒し処理する地銀が増えてきた。ふくおかフィナンシャルグループに続き、福島銀行、東京スター銀行も最終赤字を計上。「フォワードルッキング(FL)引当」と呼ばれる欧米普及の新手法で、将来の経済を保守的に予測する動きが広がってきた。
引用元:地銀 コロナ損失処理先手 欧米流、貸倒引当金厚めに(日本経済新聞 2020年8月11日付)
記事によると、国内メガバンクなど約10行の金融機関が、引当金の算出に将来予測を盛り込んだと伝えられています。そのうち、ふくおかFGは有価証券報告書でFL導入を明記しています。この動きを受けて、他の地銀でもFL引き当て導入に向けた議論が進むとみられています。
将来の経済予測は不確実性が高い上に多額に引当金が計上される可能性があるため、将来予測の根拠の妥当性について、慎重な監査対応が必要になりそうです。ご興味のある方は以下をご参照ください。
- 地銀 コロナ損失処理先手 欧米流、貸倒引当金厚めに(日本経済新聞 2020年8月11日付)
IPOの受け皿不足で監査難民問題解消せず
- 4大監査法人、IPO業務回避が顕著に 「監査難民」解消見えず(日本経済新聞 2020年8月14日付)
IPO企業が監査法人と契約ができない「監査難民」問題の出口が見えません。準大手監査法人がIPO企業を積極的に引き受けたり、金融庁が、IPO監査を準大手や中小監査法人が引受られるよう仕組み作りに乗り出していますが、現状はどのようになっているのでしょうか。
今回、監査難民問題に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
会計監査の業界で「ビッグ4」と呼ばれる大手監査法人が、新規株式公開(IPO)の業務を回避する傾向が顕著になってきた。2020年1~6月のIPO企業のうち大手が監査をしたのは65%と過去最低ペースだ。
引用元:4大監査法人、IPO業務回避が顕著に 「監査難民」解消見えず(日本経済新聞 2020年8月15日付)
記事によると、IPO新規契約数は、すでに準大手監査法人が大手監査法人を上回っていますが、いずれ準大手だけではカバーしきれなくなるという見方が伝えられています。金融庁でも、昨年末にIPO関係者の協議会を設置し、大手監査法人に組織体制や人員配置のあり方の見直しを求めるなど、対策を進めています。
監査の品質向上のため工数と監査時間が増加する中、IPO監査のための人員拡充には限界があります。IPO準備企業にも、監査法人が監査契約を引き受けやすいよう、決算月を監査法人の繁忙期からずらしたり、組織を整備するなどの自助努力が求められていますが、以前ハードルは高いようです。ご興味のある方は以下をご参照ください。
- 4大監査法人、IPO業務回避が顕著に 「監査難民」解消見えず(日本経済新聞 2020年8月15日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)