公認会計士が独立開業を目指す -公認会計士の転職ナレッジ

  • 2015/8/1

公認会計士の中には独立開業を目指して資格を取得した方も少なくないでしょう。公認会計士の独立は、不況時には少なく、好況時には多くなるなど景気の善し悪しによって左右されますが、独立開業は公認会計士の間でコンスタントに人気の高いキャリアパスでもあります。

本項では、公認会計士が独立を目指すに当たり、気を付けるべきキャリアステップを解説します。

公認会計士の独立に関する傾向

最初はどうやって独立しているのか?

  • 公認会計士が独立する場合、主に「監査」「FAS・コンサルティング」「会計アドバイザリー」「税務」などのサービスで独立することが多い。
  • 上記以外にも、連結会計ソフト会社などを設立し起業家となった公認会計士、大学教授や作家になった公認会計士など様々な形態の独立事例がある。
  • 公認会計士の最も簡単な独立スタイルは「監査」(主に非常勤)での独立であり、非常勤(パート)の公認会計士として監査業務を請け負うことから独立をスタートする公認会計士は比較的多い。そして、そこから「税務」や「FAS」「会計アドバイザリー」へと業務範囲を広げていくことが一般的である。
  • また、独立開業と言っても、自らのできる範囲で監査業務やデューデリジェンス業務などを請け負いながら、事業の拡大を目指さずに個人会計士として開業生活を送る公認会計士も少なくない。
  • 一方で、非常勤の監査業務を行いながらFASや税務クライアントの拡大に積極的に取り組み、事業の拡大を目指すスタイルを取る公認会計士もいる。(もちろん、その逆で、FASや税務業務で独立し、空き時間に監査のパートを入れるスタイルを取る公認会計士も比較的多い。)

独立の成功と失敗、景気との関係

  • 公認会計士の独立の成否は景気によっても影響を受け、好景気時には非常勤での監査業務やデューデリジェンス業務を受注するのは容易だが、不景気時には難しくなる傾向にあり、独立難度も高まる。
  • 独立する公認会計士の数は好景気時に増加し、不景気時には減少する。これは好景気時は非常勤の監査やFAS(財務DDやVAL)業務を獲得しやすいことにも起因する。
  • 公認会計士が独立に失敗するケースはそれほど多くはないが、好景気時やブームの時期に独立し、特定業務に依存した事業を行なっていると景気の悪化や市場環境の変化によって事業が厳しくなり失敗するケースもある。(IPOやJ-SOXブームの時など、特定の顧客やサービスに依存して独立した公認会計士がリーマンショックで大打撃を受けたケースなどがそれに当たる。)
  • リーマンショックの際に影響を受けた会計ファームには、大規模会計事務所だけでなく、個人の公認会計士も含まれる。事業拡大を目指さず個人で食べられる範囲の業務で独立していた公認会計士の中には、リーマンショックに伴い、知り合いからの非常勤の監査業務やFAS業務を受注できなくなった者もいる。(そういった景気悪化などのリスクを考えると、個人で独立する場合は、複数の顧客やサービスラインを持ち、特定の顧客に依存しない体制を早期に作るのが良いと言える。)

公認会計士が独立するためのキャリア形成

キャリア・経験

  • 公認会計士は「知識と経験」を提供する職業であるため、独立前にしっかりと経験を積んでおくことが重要である。
  • 一方で、若いうちの独立は「経験が少ない」というデメリットはあるものの、「勢いがある」「単価を安く仕事を受注でき価格競争力がある」「家庭面、キャリア面でリスクテイクしやすい」「若い起業家(クライアント)とのリレーションを築きやすい」といったメリットも有り、どのタイミングで独立するかは一考の余地がある。
  • 近年では公認会計士の数が増加しているため、独立の際には他の公認会計士と差別化できるような「強み」を身に付けておくことが重要である。
  • 特に「監査」や「財務デューデリジェンス」業務はほとんどの公認会計士が提供できるサービスであるため、それ以外のスキルを身に付けておくことは重要と言える。
  • 公認会計士が他の公認会計士とスキルを差別化する場合、「会計・ファイナンス分野での差別化」と「会計・ファイナンス以外の分野での差別化」の2つに分けられる。
  • 「会計・ファイナンス分野での差別化」は、「M&A」「企業再生」「IPO」「ストラクチャードファイナンス」など会計やファイナンスに関連する分野での強みを身に付けることである。
  • 「会計・ファイナンス以外の分野での差別化」は、「経営」「マーケティング」「IT・システム」など会計やファイナンス分野ではないが同分野に近くシナジーのある分野での強みを身に付けることである。
  • 会計・ファイナンス分野においては、コーポレートファイナンスのコモディティ化が進んでいることから、「デューデリジェンスができる」「バリュエーションができる」というだけでは、差別化ができず価格競争に巻き込まれやすい。得意業種や専門分野を作ることによって、自らが勝てるフィールドを用意しておくことが重要である。
  • 公認会計士が独立する場合、税理士と競合する部分も大きい。近年は税理士業界も競争が厳しいため、ただ税務申告ができるだけではなく、税務や労務分野でも強みを身に付けることを意識しておくことが望ましい。
  • 特に、税務業務は毎月の顧問料を安定的に得られるストック収入となるため、会計事務所を経営するに当たって魅力は大きい。そのため、独立前に税務経験を積んでおきたいと考える公認会計士は特に多い。ただし、それに反して公認会計士の税務分野への転職は簡単ではない傾向にある。(詳細は『税務(会計事務所・税理士事務所・税理士法人)への転職』を参照。)
  • 強みとなるスキルや差別化できるスキルを独立までに身に付けておくことも重要だが、他の公認会計士や士業と組むことによって実現するという手法もある。

人脈・営業力

  • 独立する場合には人脈も重要であるため、独立前にしっかりと「人脈」を作っておくことが大切である。
  • 公認会計士にとっての「人脈」とは2種類あり、「公認会計士業界の人脈」と「顧客となる可能性のある人脈」の2つである。
  • 「公認会計士業界の人脈」を豊富に有していることによって、監査やFAS案件をシェアすることができ有用である。また、同じ環境にいる公認会計士同士で現在のトレンドを共有したり、メンタル面で支え合ったりする同志としても貴重である。
  • 「顧客となる可能性のある人脈」は「経営者や上場企業の役員・管理職、など直接的に顧客となる人脈」、および、「金融マン(銀行、証券、保険)や他士業など顧客を紹介してくれる可能性のある人脈」などである。
  • 特に、豊富な人脈を有していれば、独立して失敗しても公認会計士の人脈を活かして監査法人に戻る、または、経営者などの人脈から事業会社にサラリーマンとして再就職する可能性も出てくるため、独立失敗の際のセーフティーネットにもなる。

WEB・ITツール 

  • 近年ではWEBサービスやITツールの進歩によって、ローコストでの独立やクラウド上でのデータ共有やコミュニケーションが可能となっている。
  • 最新のWEBサービスを使いこなすことはクライアントへの効率的、かつ、スピーディーなサービス提供を行うために必要だが、それ以外にも、それらサービスを使いこなす若手起業家との接点としたり、彼らのニーズに応えていくという点においても重要である。
  • また、情報発信やPR、WEBマーケティングを効率的に行うために、Facebook、Twitter、ブログなどの活用も重要である。
  • 独立時におすすめの業務系ツールとしては、Google Apps、ChatWork、Dropbox、Evernoteなどが挙げられる。
  • 独立時におすすめの会計系ツールとしては、クラウド会計ソフト(freeeMFクラウドネットde会計弥生会計 オンライン)、会計事務所向けクラウド税務・会計ソフトA-SaaSクラウド請求書サービスMisoca(みそか)などが挙げられる。

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会計士が独立して税理士登録するならこれに加入すべき!エッサムファミリー会で税理士認定研修を簡単に!(公認会計士ナビ)

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公認会計士の独立開業に関しては下記の書籍が参考になります。

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