2025年監査法人IPOランキング IPO件数昨年1位の太陽は?大手の巻き返しはなるか?【件数・シェア・時価総額】



2025年_監査法人IPOランキング

2025年の監査法人IPOランキングをまとめました。
同年のIPO総数65件を、担当監査法人ごとにまとめています。

⇒2024年以前のランキング・その他監査法人関連ランキングはこちら

注記

※監査法人の規模別の集計においては、大手(EY新日本、トーマツ、あずさ、PwC Japan)、準大手(仰星、BDO三優、太陽、東陽)、その他を中小として分類しています。分類の定義は「監査事務所検査結果事例集(令和6事務年度版)」(公認会計士・監査審査会 令和6年7月付)に基づいています。なお、記事中「大手」は「四大」とも記載しています。また、外国監査法人に関しては、国内の提携監査法人の規模に準じて分類し集計しています。(例:KPMG LLP、EY LLP→大手監査法人、BDO USA, LLP→準大手監査法人)

※個々の監査法人の実績に関しては、外国監査法人は個別の法人として取り扱い、提携監査法人の実績には含めずに集計しています。

※優成監査法人は2018年7月2日に太陽有限責任監査法人(以下、太陽監査法人)と合併を行っております。2017年以前の優成監査法人のIPO実績は優成監査法人として集計し、2018年分以降は太陽監査法人に含めて集計しています。

※PwCあらた有限責任監査法人(以下、PwCあらた監査法人)は2023年12月1日にPwC京都監査法人と合併し、名称をPwC Japan有限責任監査法人(英語名:PricewaterhouseCoopers Japan LLC)に変更しています(PwCあらた監査法人が存続監査法人)。同日以前のPwC京都監査法人のIPO実績は同社の実績としてカウントし、2023年12月1日以降はPwCあらた監査法人に含めて集計しています。

昨年1位の太陽は2位に! トップに立ったのは…

まずは直近3年間の監査法人別IPO件数ランキングを見てみましょう。

監査法人IPOランキング_2025_監査法人別ipo件数ランキング表(図1)監査法人別IPO件数ランキング

※クリックすると拡大します。
※鞍替え、指定替え、TOKYO PRO MARKETを含まないランキングです(以下同様)。
※以下、本文・図中の「有限責任監査法人」「監査法人」は一部を除き省略します。

内訳に入る前に、注目すべきは総数でしょう。2023年の96件、2024年の86件に対し、2025年は65件と大幅に落ち込みました。

こういった状況の中、2025年にIPO件数トップに立ったのはEY新日本です。一昨年・昨年の2位からついに1位へと輝いています。

2024年にトップだった準大手の太陽はトップから陥落。とはいえ2025年も2位と力強さを見せました。ただEY新日本の15件に対して太陽は7件で、件数ベースでは倍以上の差がついています。

あずさは2023年・2024年共に10件以上を維持していましたが、2025年は2件に急減。トーマツも2023年の17件から2024年は10件、2025年には6件へと減少傾向にあります。

シェアでは中小の勢いが拡大

次に「監査法人の規模別IPO件数割合」を見ていきましょう。

監査法人IPOランキング_2025_規模別シェアの推移グラフ(図2)監査法人の規模別IPO件数割合

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※外国監査法人に関しては、国内の提携監査法人の規模に準じて分類し集計しています。(例:KPMG LLP、EY LLP→大手監査法人、BDO USA, LLP→準大手監査法人)

2024年まで続いていた中小の拡大傾向は今年も継続。というよりもその勢いは増しており、2023年の16.7%、2024年の23.3%から2025年は36.9%へとシェアが拡大しています。中小が準大手のシェアを超えたのは、ここ10年で初のことです。

大手監査法人のシェアは、2024年こそ少し回復したものの、2025年はまた低下。44.6%は、2023年の47.9%を下回り、過去最低のシェアとなっています。
とはいえ、大手の中でも差は拡大。2025年、EY新日本は41.7%だった一方で、あずさ5.6%と大きな差が生じています(後述)。

準大手は、大手から溢れた案件の受け皿として、また独自の強みを持つ勢力として一定の地位を確立してきました。2016年の18.1%から2022年には35.2%までシェアを拡大しましたが、2025年には18.5%へと落ち着きを見せています。

件数ではEY新日本以外は落ち込む

それでは、シェアの四大監査法人に太陽を加えた5法人の件数推移を見てみましょう。

監査法人IPOランキング_2025_四大+太陽監査法人のIPO件数の推移グラフ(図3)四大+太陽監査法人のIPO件数推移

※クリックすると拡大します。
※2017年以前の太陽監査法人の実績には優成監査法人の実績は含まれておりません。

EY新日本は2021年に33件という圧倒的な実績を記録した後は件数を減らしていましたが、2025年に15件で再び単独首位に立ちました。IPO総数が減少する中で、高い上場件数を叩き出しています。

太陽は2024年の14件から、2025年は7件と、数字上は半減。とはいえ準大手ながら2位をキープしています。

かつて市場を牽引していたトーマツとあずさの両法人は、右肩下がりの傾向。トーマツは2017年の28件から2025年には6件まで減少。あずさは2018年の25件から2025年には2件へと落ち込んでいます。

PwCは長らく一桁台で推移してきましたが、2024年はPwC京都と合併した影響もあり10件の大台を達成したものの、2025年は6件という結果となりました。

総じて、2018年頃まではEY新日本・トーマツ・あずさの三強状態でしたが、現在はEY新日本と太陽に加え、台頭してきたPwCの存在感も大きくなっています。

EY新日本以外は件数を落としていますが、先述したとおり、IPOマーケット全体が65件と低調です。シェアで見ると印象は変わるでしょうか。「四大+太陽監査法人 IPOシェア推移」に移りましょう。

監査法人IPOランキング_2025_四大+太陽監査法人のIPOシェア推移グラフ(図4)四大+太陽監査法人 IPOシェア推移

※クリックすると拡大します。

2016年に33.7%の高シェアを誇っていたEY新日本は、2023年には14.6%まで低下したものの、2025年には41.7%という極めて高いシェアへと急上昇しました。これは2016年以来、最大の割合となっています。

太陽監査法人は準大手ながら、2016年の9.6%から2025年に19.4%へと、シェアを倍増させました。2024年にはシェア16.3%で単独首位でしたが、2025年はEY新日本にその座を譲っています。

PwCは長らくシェア5%以下で推移していましたが、2024年はPwC京都と合併した影響もありシェアを上げ15.1%、2025年には16.7%となりました。件数自体は2024年の10件から2025年に6件となっているものの、シェアは上がっています。

あずさとトーマツは、かつては25%〜30%超のシェアを誇っていましたが、近年は右肩下がりの傾向。特にあずさは2018年の27.8%から2025年には5.6%へと激減。件数も2018年の25件から2025年は2件へと大きく落ち込んでいます。

2025年市場の概観と2026年への展望

2020年頃から存在感を増していた準大手・中小。その中から準大手たる太陽がトップに立ったことが2024年のトピックでした。2025年はどうなるか注目された中、EY新日本がトップに返り咲いています。
とはいえ太陽は2位で、存在感が下がっているわけではありません。

2025年の定性的なトピックについては、「オルツ社の不正会計」と「グロース市場の上場維持基準厳格化」が挙げられるのは間違いありません。

循環取引を利用したオルツ社の不正会計事件が、IPO監査の厳格性を高め、審査を厳しくする方向へと力学が働くのは間違いないでしょう。グロース市場改革についても、2030年から上場維持基準を「上場から5年後に100億円以上」に引き上げる案が正式に決定しました。

IPOの件数は、2023年は96件、2024年は86件に対し、2025年は65件と下降傾向。金利の上昇などのマクロトレンドも原因と思われますが、本質的な原因は、小粒上場の嫌気と思われます。上述のグロース市場改革なども手伝い、時価総額が上昇に向かえば改善の兆しとなるかもしれません。

また政府がスタートアップ育成5か年計画などでスタートアップを盛り上げようとしているものの、その進捗は芳しくありません。単にIPOの件数が多ければいいというわけではありませんが、2026年以降のIPOマーケットにプラスになる材料の登場を期待しています。

さて、監査法人に話を戻すと、近年のIPO市場では「監査難民」問題が深刻化していました。数年前から大手監査法人が受託を制限する一方でIPO件数は増加。その受け皿としてまずは2018年以降に準大手監査法人がシェアを伸ばしました。その後準大手の拡大も落ち着くと、2021年からは中小監査法人のシェアが拡大し、現在もその傾向が続いており、2025年は観測史上初めて中小のシェアが準大手を上回りました。四大との差も10%を切っています。

この背景には、大手監査法人が採算性の低いIPO監査よりも、既存の上場企業監査を優先しているという事情があるようです。今回もトーマツやあずさが存在感を落とす結果となりましたが、こういった影響もあったのかもしれません。
とはいえ2025年に件数が急減したあずさは、7月に「グロース・サポート事業部」を新設。IPOの手を緩めているわけではないように思われます。

また、現場を支えるシニアスタッフ層以下の人手不足も深刻です。大手監査法人でもAIによる業務効率化など様々な対策が行われていますが、監査法人からの若手層の流出を減らす必要があり、解決には時間がかかるでしょう。

総じて、2026年も引き続き準大手・中小の存在感は維持されると予想されるものの、前述したIPO監査の厳格化を踏まえれば、大手(や準大手)が存在感を高めてもおかしくありません。
2025年にIPO件数トップだったEY新日本は、九州地区のスタートアップ支援を強化すべく、9月に福岡事務所内に「IPO地区戦略室」を設立し、より一層IPOに注力しようとする様子が窺えます。

これらの状況は、IPOマーケットや監査法人ランキングにどのような影響を与えるでしょうか?公認会計士ナビでは継続してウォッチしていきます。

なお、公認会計士ナビチャンネルでは、IPOとM&A支援を生業とし、「アドレナリン会計士」の異名を取る江黒崇史さんをゲストにお迎えして、2025年度のIPO市場の振り返りと、2026年の予想についての動画を配信しています。こちらもぜひご覧ください。

執筆:雨見 隠

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本記事で使用されているデータは公認会計士ナビを運営する株式会社ワイズアライアンスが集計したデータになります。データの集計には細心の注意を払っておりますが、その正確性を100%保証するものではございませんので、御理解の上お読みください。また、本記事の内容・データ使用によって損害を被った場合、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。なお、万が一、ミス・修正点等に気づかれました際にはお問合せよりご一報頂けますと幸いです。

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