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2023年において「インボイス制度」は「確定申告」を超える個人事業主の高い関心事である
弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡本 浩一郎)は、2023年における個人事業主の課題や関心事について把握するために、全国の個人事業主を対象に実態調査をしました。その調査結果がまとまりましたのでお知らせします。
サマリー
- インボイス制度・電帳法改正への対応」は、2023年において個人事業主の高い関心事となっている
(1)「個人事業主の課題」において、1位は「収入が安定しない(51.7%)」、2位は「インボイス制度・電帳法改正への対応(23.9%)」、3位は「確定申告(19.9%)」となった。
(2)「バックオフィス業務の関心事」において、最も関心がある業務1位は「インボイス制度・電帳法改正への対応(40.4%)」、2位は「確定申告(28.6%)」であった。 - インボイス制度の対応準備を開始している個人事業主は約6割。困りごと1位は「何をどう進めたらよいかわからない」
(1)準備内容の1位は「制度についての情報収集(36.8%)」、2位は「対応方針の検討(23.2%)」、3位は「取引先との対応を相談・調整した(15.0%)」。
(2) 準備における困りごとの1位は 「何をどう進めたらよいかわからない(40.8%)」、2位は「自社への影響がわからない(33.8%)」、3位は「準備開始時期がわからない(28.2%)」 - 2022年(令和4年)分の確定申告においてe-Tax利用意向は前回比で微増。e-Tax利用経験者の内、約7割が時間削減メリットを実感する一方で、従来の申告方法から変えたくない層も一定数残る
(1) 2022年分の e-Tax利用意向は40.2%、前回分(2021年)と比較して2.9ptの微増となった。
(2)e-Tax利用経験者の73.2%が時間削減のメリットを実感しており、「3時間以上」の削減と回答した人が20.5%と最も多い。
(3)e-Taxを利用したくない理由は「紙での提出に慣れているから(40.5%)」が最も多く、他の理由を大きく上回る。 - 資金繰りに関心のある個人事業主の約8割は資金繰り状況を「厳しい/やや厳しい」と回答。 現在「必要とする」「関心がある」と回答した人は約9割となった。また、困りごとの1位は「返済できるか不安(49.5%)」
(1)資金繰りの状況は「厳しい(46.2%)」「やや厳しい(32.0%)」となり、大半を占める。
(2)過去に資金調達の経験のある個人事業主は60.9%。
(3)資金調達方法は、1位が「給付金(47.6%)」、2位が「補助金・助成金(41.5%)」、3位が「日本政策金融公庫(41.5%)」となった。
(4)資金調達の意向は「資金調達を必要としている(51.4%)」「資金調達の必要はないが、関心がある(40.6%)」となった。
(5)資金調達の検討時における困りごとは「返済できるか不安(49.5%)」「補助金などの対象者に当てはまらない(35.5%)」「どの調達手段が良いかわからない(34.4%)」など。 - 事業承継に関心がある個人事業主において、「事業の承継」経験者は約3割、「事業の買収」経験者は約2割であった
(1) 事業承継に関心がある個人事業主のうち、「事業の承継(売却)」経験者は32.4%、「事業の買収」経験者は17.4%。
(2)事業承継に関心がある個人事業主の内、35.2%が「現在、事業の承継(売却)を検討している」、18.3%が「これまでに、事業の承継(売却)をしたことがある」と回答。
(3)事業承継の検討経験がある個人事業主の内、「事業の承継(売却)」における困りごとは「後継者/売却先がいない(62.4%)」が他の項目を大きく上回る。次いで「債務保証、個人保証による借入金(24.8%)」「売却する金額が合わない(24.8%)」。
(4)事業承継に関心がある個人事業主の内、16.0%が「現在、事業の買収を検討している」、14.2%が「これまでに、事業の買収をしたことがある」と回答。
(5)事業承継の検討経験がある個人事業主の内、「事業の買収」における困りごと1位は「事業の成長性や持続性(63.6%)」。次いで「経営者や従業員の維持・処遇(48.5%)」「買収価格(43.9%)」。
総括
2023年における個人事業主の最大の関心事は「インボイス制度」
2023年10月1日からインボイス制度が開始される。これまで個人事業主の課題や関心事としては、「収入面」や「確定申告」が主なものだったが、当調査結果から今年は特に「インボイス制度」への高い関心があることが推察できる。広く課題を聞いた「個人事業主の課題」では、「インボイス制度・電帳法改正」が全体の2位、バックオフィス課題に限定したものでは1位であった。
確定申告のe-Tax利用は高止まり傾向
毎年、特に1月~3月においては個人事業主の確定申告への関心が高まる。近年は、政府からの積極的な利用促進の効果などもあり、e-Taxを利用する人の割合が増えている。一方で、当調査結果からe-Tax利用は高止まり傾向であることが推察できる。2022年分の e-Tax利用意向は40.2%と半分の割合に迫る結果だが、前回分(2021年)と比較すると2.9ptと微増。2020年分を前回比較すると、9.9pt増加であったことから、e-Tax利用率は高止まりの傾向であると考えられる。
個人事業主も「資金繰り」や「事業承継」に対する一定の関心がある
個人事業主においても法人と同様、資金繰りや事業承継に高い関心をもっている。また、それぞれの困りごとが2位以下も拮抗しており、課題が多岐におよんでいると推察できる。
調査概要
調査期間:2023年1月11日~1月16日
調査対象:全国の20~70代の男女。令和4年(2022年)分の確定申告を行う予定の個人事業主。一次調査において、令和5年の悩みとして「インボイス・電帳法改正への対応」「資金繰り」「事業承継」のいずれかを選択。本調査は1,000サンプル。
調査方法:インターネットによるアンケート調査
*構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります。
調査データの引用に関するお願い
調査データをご使用いただく際は、下記クレジットをご記載ください。
出典:「個人事業主 実態調査 2023」弥生調べ
データを加工してのご使用はお控えください。グラフデザインの再作成は可能です。
【補足情報】
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調査結果の詳細
グラフなどの調査結果の詳細は、こちらのページ下部に掲載の「参考資料ファイル」を参照ください
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