「金融に興味があったわけではない。今もやりたい仕事があるわけではない」
「でも、新しい仕事にはわくわくする」
インタビューに答えてくれた令和アカウンティング・ホールディングス株式会社の杉﨑氏は、一見矛盾するような、そんな心の内を明かしてくれた。
杉﨑氏は、有限責任あずさ監査法人の金融部門でキャリアを積んだ後、令和アカウンティング・ホールディングスに転職。今では記帳代行やファンド組成、特定目的会社の設立など、様々な「新しい仕事」に取り組んでいる。
やりたい仕事があるわけではない。だがそれは、決して無気力なわけでも、仕事に対する軸がないわけでもない。
杉﨑氏が、金融をキャリアに選んだ理由、転職を決めたきっかけ、令和アカウンティング・ホールディングスを選択した道程を聞いた。
杉﨑 友寿(すぎさき ともひさ)
令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
第3事業部 第2グループ
シニア/公認会計士協会準会員
麻布大学 獣医学部 動物応用科学科卒業後、2015年、公認会計士試験合格。有限責任あずさ監査法人にて、表見会社、保険会社、REITなどの監査業務に従事。2022年、令和アカウンティング・ホールディングス株式会社へ入社。REIT・SPCの月次会計、TMK設立支援等の業務に従事。
獣医学部経由、公認会計士。きっけかはラグビーで培ったチームワーク
杉﨑氏は獣医学部を卒業している。公認会計士になる者としては珍しい経歴だ。どういった経緯で公認会計士になろうと決意したのだろうか。
杉﨑氏が獣医学部を選んだのは、シンプルに「動物が好きだったから」。
しかし、進学したのは獣医学部とはいえ、獣医の資格を得られる学科ではなかった。大学ではラグビー部に所属していた杉﨑氏だが「獣医になれるチームメイトも多いのに、自分はなれない」と疎外感を覚える。でも手に職はつけたい。
どうしようかと思った矢先、ふと「自分は理系だし、数字を扱う税理士がいいかな」と思いついた。
税理士になりたいと思ったので、ひとまず会計資格の専門学校に相談しに行きました。そうしたら「手に職をつけたくて、ラグビーでチームワークも経験しているなら、税理士より公認会計士のほうがいい」と提案いただいたんです。「監査はチームで働くから、チームワークは大事」だと。
専門学校のトークにうまく乗せられてしまったのかもしれませんが(笑)、それで公認会計士を目指すことにしたんです。なので、正直、そのときは監査が何かもよくわかっていなかったですし、資格を取ったらなんとかなるだろうと思っていました。
卒業間近になってから勉強を始めた杉﨑氏。試験には無事に合格したものの、次に待ち受けた難題は就職だった。
会計士という資格で色んな仕事をしたくて転職へ
試験に合格した杉﨑氏は、大手監査法人への就職活動を始めた。
しかし「なぜ大手監査法人を志望したのかと」かと問いには、「本音は、周りのみんながそうだったから」だと杉﨑氏は苦笑する。
やりたいことがあるわけではなかったので、これといった志望動機がないんですよ。でも面接では志望理由を応えなければいけないから、頭をひねって考えました。
私は愛知県出身で「東京に出たい」という思いだけはあったんです。それで「愛知ではなかなか担当しにくい金融監査に興味がある」ということにしました。これも本音を言うと、当時はそんなに金融に興味があったわけではなく、恥ずかしながら、東京に出るための口実に近かったんです。
金融監査に焦点を絞って大手監査法人の面接を受けた杉﨑氏。
大手監査法人では、銀行や不動産、保険、証券とセクターが分かれていて、金融の中でも特定のセクターを担当する仕組みであることが多い中で、有限責任 あずさ監査法人(以下、あずさ監査法人)は、セクターを横断できるローテーション制度があるため、その中を横断して担当できるという方針であった。
「金融の中でもさらに特定のセクターにしぼりすぎると視野が狭くなるかも」と考えた杉﨑氏は、あずさ監査法人の方針を気に入り、就職を決める。
あずさ監査法人には6年半勤め、前半は証券会社、後半は保険会社をメインに担当した。その間にREITやLPS(投資事業有限責任事業組合)の監査も実施。これが後に令和アカウンティング・ホールディングスへと転職するきっかけへと繋がる。
充実した生活を送っていた杉﨑氏だが、転職が頭にチラつくようになってきた。
パートナーに言わせたらまだまだだと思いますが、インチャージも経験して、ある程度監査の全体像を理解して、監査はやりきったという感覚がありました。
同時に監査法人で働いているうちに、公認会計士という資格は色々な仕事ができるんだとも思うようになったんです。それで他の世界を見てみたくなって、転職することにしました。
とはいえ、転職に当たっても大事なのは志望動機だ。
転職動機は?何をやりたい?財務デューデリジェンス? 事業再生? M&A?
志望動機を考えるものの、ここでも「やりたいことが思いつかなかった」と、杉﨑氏は語る。熟考した結果「自分にとって大事なのは特定の仕事ではなく、色々な仕事に取り組むことだ」と思い至った。
その思いをもった杉﨑氏は、幅広い経験を積める転職先を探し、その中でも「All Round Playerを育成する」という方針をもつ令和アカウンティング・ホールディングスへと転職を決めた。
知識をアップデートして新しい仕事に取り組む
令和アカウンティング・ホールディングスに入社した杉﨑氏は、これまで培った金融の知見を活かしながらも、望み通り多様な業務に従事している。
現在担当する主な業務は、上場REITの会計アウトソーシングで、TK-GK(匿名組合と合同会社を組み合わせた投資ストラクチャー)の管理業務の統括、TMK(特定目的会社)の設立などにも関与している。
会計アウトソーシングの仕事は、PM(プロパティマネジメント)レポートをクライアントからもらい、それを仕訳に落とし込み、開示作業まで担当するという作業が中心だ。
(なお杉﨑氏の担当ではないものの、令和アカウンティング・ホールディングス全体ではこの周辺の業務も担当している。)
アウトソーシングと聞くと、もしかしたら単純作業のように思われる読者もいるかもしれないが、決してそんなことはないと杉﨑氏は語る。
アウトソーシングと聞くと、粛々と記帳代行をこなすような地味な仕事をイメージする方もいると思いますし、実際私もそう思っていました。ですがやってみると全くそんなことはありません。
例えば不動産関連のSPCでは、クライアントからの依頼でCAPEX判定(資本的支出か収益的支出かの判定)を行うことも頻繁にあって、緊張感のある判断をしなければいけないこともあります。
アウトソーシングといっても単なる事務作業を請け負っているわけではなく、プロフェッショナルジャッジメントも必要となってくる。だからこそ刺激的で、飽きずにやれているという面はありますね。
監査法人でも、SPC監査は行うが、TMKの設立などに関わるケースは少ないと思われる。しかし杉﨑氏は、入社から半年で4つのTMKの設立に関わったという。
最初の案件こそ上司と一緒に取り組んだが、次からは自分主体で取り組んでおり、「色々な仕事がやりたい」という杉﨑氏にとっては、貴重な経験となっている。
今まで担当したことがない業務であるため、当然、新しい知識(例えば資産流動化法や細かい消費税の知識等)も必要になってくる。
「基本的には会計の知識が根底にあるので、全く目新しい知識というのはそこまで多くはない」と杉﨑氏は語るものの、連携している他のプロフェッショナルたちにも相談しながら、日々、知識をインプット・アップデートしている。
監査法人を飛び出し、多様な業務を担当している杉﨑氏だが、業務以外でも監査との違いを感じる面もあるという。それは「クライアントとの距離感」だ。
監査では、当然、独立性が求められるが、今の業務はクライアントのサポートであるため、「監査と比べて、かなり会社側に立てている」と感じているようで、これも杉﨑氏の刺激になっている。
やりたいことではなく、「困っている人を助けたい」
杉﨑氏の令和アカウンティング・ホールディングスへの転職には、実はもう1つのきっかけがあった。「給料が下がらなかった」ことだ。これは単に杉﨑氏だけが会社に評価されているという話ではない。
通常、大手監査法人から転職しようとすると、転職候補先からは、現状より若干低めの給料額が提示されるケースが多い。しかし令和アカウンティング・ホールディングスは現状維持、または少し上の額を提示することが多いそうだ。
その理由は「前職での経験を評価しているから」だと言う。令和アカウンティング・ホールディングスでは「今まで積み上げてきたものが転職したからといってなくなるのはおかしい」と考えているのだ。
これは公認会計士や監査法人での勤務経験だけでなく、事業会社での経理や、金融機関での経験に対して同じである。「評価されるべきものを評価してもらえるのは令和アカウンティング・ホールディングスの良いところ」だと杉﨑氏は語る。
転職を考え際に給料が気になるのはもちろんのこと、令和アカウンティング・ホールディングスのこの考え方は、転職希望者にとっても大きな安心材料のひとつだろう。
杉﨑氏は自身の経験を踏まえ、監査法人から転職を検討している方向けにメッセージをくれた。
転職活動をすると、面接では「何がしたいですか」だけでなく、「何ができますか」と聞かれますよね。
監査法人での仕事は自分の成果が見えにくいこともあって、「自分には何もないんじゃないか」と心配になる人が多い印象があります。
ですが、私が今担当している会計アウトソーシングでは、監査の経験は必ず活きてきます。なので自分を過小評価しすぎず、こういった業務にも目を向けてくれると嬉しいです。
「やりたいことがない」と語りながらも、オールラウンダーとしての研鑽を積む杉﨑氏。最後に、今後のキャリアをどのように考えているのかを聞いた。
綺麗事に聞こえるかもしれませんが、自分は「困っている人の力になりたい」という気持ちが強いんです。なので仕事の内容よりも、困っている人に手を差し伸べられるかどうかが、仕事のやりがいだと感じます。
だからやっぱり、やりたい業務というものはないんです(笑)。
だからこそ幅広い業務に関与できるオールラウンドプレイヤーは向いていて、お客様に寄り添ってその困りごとを一緒に解決していく令和アカウンティング・ホールディングスの仕事のやり方は自分に合っています。
「やりたいことがない」との言葉は、一見するだけではマイナスの印象だ。しかしインタビューの最中、杉﨑氏からは今の仕事での充実さが窺えた。実際、本人も「監査法人から転職して、より一層仕事が楽しくなった」と語っている。
令和アカウンティング・ホールディングスは、絶賛採用強化中だ。杉﨑氏の話に共感した方は、気軽に門を叩いてみてほしい。
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