会計士不足と過剰労働の悪循環、会計士関与の社福売買で広島国税局が20億円の申告漏れ指摘、不正会計見抜けない監査制度など全3件:今月の会計士業界ニュース(2022年1月その2)

公認会計士業界時事ニュース

2022年1月の会計士業界ニュースをお届けします。

「会計士不足と過剰労働の悪循環」「会計士関与の社福売買で広島国税局が20億円の申告漏れ指摘」「不正会計見抜けない監査制度」の3本です。

会計士不足と過剰労働の悪循環

AI導入をはじめ監査の効率化が進められていますが、監査法人の人手不足は依然として続いています。

今回、監査法人業界の人手不足や業界再編に関する記事が、東洋経済オンラインからリリースされています。

医師、弁護士と並び、「三大士業」と称される公認会計士。その労働実態は業界内で“ブラック”ではないかと噂されてきた。作業は企業の本決算シーズンである4~5月に集中。細かい作業を長時間行ううえに、作業は年々増える一方だからだ。

引用元:「ブラック」な公認会計士の仕事に未来はあるか 規制強化で中小監査法人の淘汰が迫っている(東洋経済オンライン 2022年1月20日付)

記事によると、監査現場の業務量が増加する一方で監査業務から離れる会計士も多く、監査法人に在籍する会計士は会計士全体の4割程度に減少しているそうで、監査法人に在籍する会計士の負荷が増えていると伝えられています。また、40人以下の中小監査法人は、規模確保に向けて合併が加速するだろうとも指摘しています。

会計士の監査法人離れが進んでいるという話はよく聞きますが、一方で、大手監査法人では、労働環境の改善やキャリア制度などに力も入れており、個人的には、数年前とは状況が変わってきているという印象を受けています。いろいろな情報を見比べてみると、違った監査業界が見えてくるかもしれません。

詳細は以下の記事をご参照ください。

なお、今回の記事は、週刊東洋経済にて詳細な特集が組まれています。

また、今回の記事について、公認会計士ナビチャンネルでは『会計士の仕事はブラックだという記事について【反論・ツッコミあり】』を公開しています。今回の記事を別の切り口で見てみたいという方は、こちらのYouTubeもご覧ください。

会計士関与の社福売買で広島国税局が20億円の申告漏れ指摘

社会福祉法人の売買代金を別法人の出資金として受け取った場合は、個人の所得なのでしょうか?それとも法人の所得なのでしょうか?社会福祉法人からの資金流出事件が、民事再生、20億円の申告漏れへと発展、また、本件には公認会計士の関与も指摘されています。

今回、社会福祉法人「サンフェニックス」に関する記事が、讀賣新聞オンラインよりリリースされています。

社会福祉法人「サンフェニックス」(広島県福山市、民事再生手続き中)の資金流出問題で、設立者の男性医師(72)が2016年に経営権を事実上売買した際の所得を申告しなかったとして、広島国税局から20億円の申告漏れを指摘されていたことが関係者の話でわかった

引用元:資金流出の社福、経営権売買時の20億円は設立者の「所得」と認定(讀賣新聞オンライン 2022年1月25日付)

記事によると、サンフェニックス元理事の医師は、2016年3月、経営権を東京都内の男性公認会計士に売却し、代金42億円のうち20億円は出資の方法で受け取ったということです。広島国税局は、当該出資金は医師に支払われた個人所得にあたると認定し、申告漏れを指摘したとみられています。

サンフェニックスの民事再生に伴い、関係会社のМ.K.C.associatesをはじめとした連鎖倒産が起きています。事件はどこまで広がりを見せるのでしょうか。

詳細は以下の記事をご参照ください。

不正会計見抜けない監査制度

不正会計を見過ごさないために、監査法人に何が求められているのでしょうか。

今回、不正会計に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

「衝撃だ」。東証1部でマニュアル制作などを手掛け、滝川クリステルさんのCMでも知られるグレイステクノロジーの不正会計が判明した一報を受け、ある監査法人のパートナー会計士が発したつぶやきには驚きと失望が混じっていた

引用元:グレイスの不正会計発覚、見抜けぬ監査に「制度疲労」(日本経済新聞 2022年1月26日付)

記事によると、昨年秋以降から、重大な不正会計が大手監査法人全般で相次いで発覚しているそうで、人手不足や働き方改革、コロナ禍の監査手法の変化などが原因として指摘されています。また、八田名誉教授は、2006年から試験制度を簡素化したことで若年齢化が進み、異変を察知する感度や能力が下がったのではないかと分析されています。

会計士試験の簡素化で試験合格者の能力の低下が指摘される一方で、近年では、監査法人に勤務してから新たに勉強しなければならないことが急激に増えつつあり、働きながら求められる能力すべてをキャッチアップすることはかなり難しいと感じます。今こそ制度改革に取り組むタイミングなのではないでしょうか。

詳細は以下の記事をご参照ください。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧

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【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

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