「いずれAIで代替される仕事」として挙げられる、公認会計士や税理士。
業界全体として危機感が漂う中、実際は、開業から短期間で事務所を成長軌道に乗せている公認会計士もたくさんいます。
公認会計士の独立を成功させるためには、独立初期に一体何を行えば良いのでしょうか。
本記事では、全国2,200以上の会計事務所で導入されている会計事務所向けクラウドサービスMyKomon(マイコモン)と公認会計士ナビが、これまで多数の独立会計士や成長する会計事務所とのコミュニケーションを通じて蓄積したノウハウから、会計士が独立初期に押さえておくと良い3つのポイントをお届けします。
目次
- 公認会計士が独立初期に押さえておくと良い3つのポイント
- 1:生産性を徹底的に高める
- 2:税務をどうする!?対応範囲を決め、照会先を確保する
- 3:営業よりも採用に力を入れる(魅力ある組織を作る)
- 独立会計士の生産性・税務・組織の基盤作りを支えるクラウドツール MyKomon(マイコモン)
- MyKomon(マイコモン)とは?
- ポイント1:スケジュール・顧客データ・スタッフの工数管理がワンストップで!
- ポイント2:膨大な税務情報データベースと専門家への相談機能を装備!
- ポイント3:組織に必要な、情報共有やコミュニケーションを効率化する機能まで!
- 利用者の声:株式会社ゼロベース/渡邊勇教公認会計士・税理士事務所
- 【特典割引あり】今なら開業3年未満の会計事務所向けパックもご用意!!
公認会計士が独立初期に押さえておくと良い3つのポイント
1:生産性を徹底的に高める
公認会計士の仕事の多くは、タイムチャージ(時給)をベースに考えられることが一般的です。
非常勤などの業務委託や、直接契約の仕事のいずれにおいても焦点となるのが、限られた時間の中で、いかに少しでも長く稼働時間(チャージできる時間)を作れるか。また、いかに高い時給で働けるか(チャージレートを上げていけるか)で、独立初期の収入は変わってきます。
独立をすると、クライアントワークはもちろん、自身の事務所の総務庶務など、様々なやるべきことが生じます。それらを仕組み化したり、標準化したりすることによって作業工数を減らし『生産性を高めていく』必要があります。
2:税務をどうする!?対応範囲を決め、照会先を確保する
公認会計士の独立において、その多くがサービスとして提供を考えるのが、税務です。
豊富な税務経験を積んだ上で独立できれば良いですが、なかなかそうもいきません。また、ある程度の税務経験を積んでいたとしても、定期的な税制改正や、新たな判例や通達によって情報がアップデートされるなど、変化が多い。更には、時に特殊な事例も出てくるのが税務の世界です。
税務に関して考えておくべきことは、ふたつ。
ひとつ目は、どこまでの税務に関与するのか『対応範囲を決める』ことです。
個人や中小・ベンチャー企業の税務に特化するのか、中堅企業や大企業の税務や海外に関する税務もカバーするのか。もしくは、相続・資産税などにも広げていくのかなど、対応範囲を明確にしておくことで、独立初期の限られた時間や人手で、効率よく対応することが可能になります。
ふたつ目は、知らない論点が出てきた際の『税務の照会先を持つ』こと。
税務には、調べるという作業が一定数発生します。この調べる作業において、信頼性の高い情報に効率よくアクセスできるルートを持っていることにより、作業時間も品質も大きく変わります。
知らない論点が出てきた際に相談できる、先輩会計士や税理士とのつながりを持っておいたり、税務関連の団体や勉強会に所属したりすることによって、税務業務の時間と品質を向上することができます。
3:営業よりも採用に力を入れる(魅力ある組織を作る)
公認会計士が独立を考える際に真っ先に浮かぶ不安が、仕事はあるのか……ということ。
当然それは重要ですが、独立後の経営を安定させていく上で重視すべきは、実は『組織づくり≒採用』なのです。
多くの会計士は、自身の稼働がある程度埋まってくると、限界が訪れる前に人手を増やすことを考えます。その際の「人手」というのは大抵、以下のいずれかです。
- 自分と同じ、もしくは近い実務経験がある公認会計士
- 会計や税務のサポートを行うスタッフやアルバイト
- 事務やアドミを行うアシスタント
誰を採用するにしても、優秀な人材が望ましいことは間違いありません。ただし、知名度があり福利厚生も充実した大手監査法人などとは異なり、従業員が少ない会計事務所に興味を持って応募してくれる人材は限られるのが実情です。
小規模組織では従業員ひとりの影響が大きいため、良い人材を採用できる魅力的な組織を作ることが大組織以上に大切に。
組織文化作りは相応の時間がかかるからこそ、開業時から意識して注力する必要があると言えます。
独立会計士の生産性・税務・組織の基盤作りを支えるクラウドツール MyKomon(マイコモン)
今回3つのポイントをご紹介しましたが、「話はわかったけれど、具体的にはどうしたら良いの?」と思われる方も多いかもしれません。
実は、本記事作成にご協力いただいたMyKomon(マイコモン)様では、会計事務所の『生産性向上』『税務の照会先確保』『魅力ある組織作り』を実現する機能が提供されています。
これはまさに、会計事務所に特化したサービスだからこそ。他のSaaSやクラウドツールにはない「会計事務所にとって便利!欲しかった!」という機能の数々を、ぜひご覧ください。
MyKomon(マイコモン)とは?
MyKomonは、税理士事務所を母体とするコンサルティングファームである、名南コンサルティングネットワークが自社で蓄積したノウハウをパッケージングしたクラウドツールです。
税理士法人を母体とする、名南コンサルティングネットワーク
全国有数の規模を誇る税理士法人名南経営が「業界を活性化したい」「魅力あるものにしたい」というビジョンのもと、開発に着手。現在の規模に至るまでの過程で経験した課題の解決をベースに、会計事務所拡大のためのノウハウやツールをどの会計事務所でも使えるよう、標準化して誕生したクラウドツールです。会計事務所に必要な機能が網羅されていることが評価され、現在では、日本全国2,200以上の会計事務所で導入されています。
ポイント1:スケジュール・顧客データ・スタッフの工数管理がワンストップで!
MyKomonには多数の機能がありますが、その中でも最も支持されているのが“グループウェア”です。
グループウェアには、カレンダーや顧客データベース・日報などの機能が実装されており、従業員データに顧客データ、さらには業務・報酬データなども登録することができます。
例えば、顧客データベースでは、納税地や決算月など会計事務所特有の情報も管理ができるなど、会計事務所にこそ必要な専門的な項目も網羅。さらには自身でカスタマイズして、必要な項目を追加することも可能です。
また、従業員が日報にその日の業務を登録する際には、顧客や業務、報酬データとも連携することができ、顧客別・業務別・職員別それぞれの工数が自動で集計されます。
顧客情報だけでなく従業員の様々な工数が可視化されることで、経営効率の改善にまでつなげられる“グループウェア”は、MyKomonの人気機能です。
ポイント2:膨大な税務情報データベースと専門家への相談機能を装備!
MyKomonを利用することによって、約6,000件以上のクライアントにサービスを提供する名南コンサルティングネットワークが保有する、税務情報をベースにした会員専用データベースにアクセスすることができます。
データベースには税務を中心とした6万本以上のコンテンツが格納されており、全ての情報は名南経営の税理士が監修。税務会計に関するスタンダードな情報から旬な改正情報まで、信憑性のある情報をスピーディーに入手できるのです。
また、厳選されたコンテンツをリーフレットとして印刷できるメニューも用意されており、顧客向けのニュースレターを簡単に作成することもできます。
さらに注目すべきは、専門家への相談ができる機能、“フォーラム”です。
フォーラムでは、実務に直接携わっている様々な分野の専門家に、オンラインでの個別質問ができ、3営業日以内に実名で回答が届きます。
法人税に資産税・組織再編や国際税務といった税務種別ごとはもちろん、人事労務・法務など税務会計の周辺も含めた領域までカバーしており、フォーラムを活用することによって、税務に関する高度なナレッジを手に入れることができます。
ポイント3:組織に必要な、情報共有やコミュニケーションを効率化する機能まで!
最後にご紹介するのが、従業員間における情報共有やコミュニケーションを効率化する機能です。
ポイント1でも取り上げた“グループウェア”ですが、顧客情報などの各種データが登録できるだけでなく、報告や進捗管理に加え、会議などの機能も含まれています。
顧客対応履歴やタスクの進捗状況、日々の業務報告などを負担感なく登録することで、スタッフとのコミュニケーションや情報共有を促進。従業員間で効果的な連携ができ、必要な時にスピーディーなフォローも可能です。
“グループウェア”を使いこなすことで、従業員を増やして組織を拡大していくにあたって必ず生じるコミュニケーションロスを、減らすことができそうです。
利用者の声:株式会社ゼロベース/渡邊勇教公認会計士・税理士事務所
渡邊勇教公認会計士・税理士事務所/株式会社ゼロベース
代表 公認会計士・税理士
渡邊勇教
北海道帯広市出身。立命館大学卒業後、監査法人トーマツに入所。2007年に公認会計士試験合格、2011年に公認会計士登録。監査法人トーマツでは上場・非上場の国内監査業務に従事。その後、渡邊勇教公認会計士・税理士事務所(かぜよみ会計事務所)設立。2018年に業務改善や財務コンサルティング、他士業との連携サービスを提供する株式位会社ゼロベースを設立。また、渡邊勇教公認会計士・税理士事務所の代表として法人・個人の各種確定申告などもおこなっている。
-貴所について教えてください。
2014年10月に開業しました。顧問先は約80社で、介護事業・製造業・人材紹介・美容室・BPOサービスなど幅広い業種のお客様がいます。
サービス内容は、税務顧問をベースとして、記帳代行のほか、予実分析や新規事業などの財務アドバイザリーも行っています。
事務所の体制は、私以外に正社員が1名とパートタイムが8名です。スタッフとパートタイムのメンバーが記帳、月次試算表作成などの作業を行い、私が決算書や税務申告書のチェックに加え、経営相談などのコンサルティングを行っています。
-MyKomonはいつから利用されていますか?
2017年9月からです。独立3年目でした。
ツールを使い始めた目安としては、2人以上の従業員を雇い始めた頃です。労務管理も必要となるため、良いタイミングだったと感じています。
-MyKomonを使い始めたきっかけはありますか?
私どもが提供しているサービスは工数ビジネスなので、何時間・何人使ったというデータの管理が非常に重要です。工数分析のためのデータを蓄積したいと思ったのがきっかけです。
また、人を雇うと勤怠管理は当然必要になりますが、それ以外にも、テレワークが始まりスタッフがどのような作業をしているのか把握したいと考えていました。
工数分析と勤怠管理ができるもので何か良いサービスはないかと探していたところ、知人会計士からMyKomonを勧められ、導入に至りました。
-お勧めの機能や気に入っている機能があれば教えてください。
お勧めの機能としては、やはり工数分析でしょうか。デフォルトで必要な項目を追加してデータを管理・蓄積していくことができるため、すべての情報をMyKomonで集約できるところが大変便利です。
スケジュールやクライアント情報もMyKomonで管理していて、いつどこで誰とミーティングしたのか遡って調べられるので助かります。例えば、3ヶ月毎にミーティングのお約束をしているようなお客様の場合、前回の日時が分からなくなったとしても、すぐに調べることができます。
ToDo機能では、資料の回収やチェック業務に消費税の課税選択の判定など、メールでお客様に連絡したかなど進捗管理に活用しています。
アラートメールの機能も非常に便利で、例えば、税務業務でお客様に中間納税額のお知らせを送る際に利用しています。税務業務では、お客様には中間納税額をお伝えしますが、納付期限まで時間が空いてしまうため、忘れてしまう方も。いざ納付のタイミングとなった際に、必要な資金が確保されていなかったというケースが、実際にありました。
そのため当事務所では、決算のご報告のタイミングで、中間納付の納付期限の1ヶ月前と2ヶ月前にアラートメールをセットしておいて、あらかじめ用意している文面を自動で送信しています。余裕を持って資金を確保できると、お客様からも大変好評です。
また、ニュースレターの配信も、お客様から喜ばれています。税務業務では、毎月の顧問料をいただいておりますので、お客様に対する月次サービスのひとつとして提供させていただいています。
MyKomonには他にもたくさんの機能があり、私自身、利用していなかったりまだ知らなかったりする機能も多くあると思います。ただ、どんなツールでも長所と短所があり、完璧なツールはありません。すべての作業をMyKomonだけで済ませようとすると、結果的に使いづらくなってしまうということもあるかもしれません。
当事務所では、MyKomonの中でも社内管理の機能をメインに使い、それ以外は別のツールを活用しているケースもありますし、それぞれに使いやすい形を見つけて、MyKomonを活用されると良いのではと思います。
-最後に、独立している会計士の方やこれから独立を目指す会計士の方へのメッセージをお願いします。
私は、自分の力で挑戦してみたいという理由で独立し、たまたま会計ができたことから会計事務所を始めました。
私は会計士ひとりでの独立ですが、それにも良し悪しがあり、仲の良い仲間と組織的にやっていくというのももちろんありだと思います。
だからこそ独立する方は、仲の良い税理士や会計士と情報交換をしながら、自分のやりたいことやポテンシャルがどこにあるのかをフラットに考えて、会計事務所の枠にとらわれずチャレンジすることを大切にしていただきたいです。
また、記帳代行や税務申告のような会計事務所のビジネスは、今後は薄利多売のビジネスモデルへと変わっていく可能性があるとも思います。
そういった観点からも、クライアントがどのようなサービスを一番求めていて、価値があると感じているのか考えることが大切ではないでしょうか。
例えば、公認会計士は税理士と違い、様々な業種の大企業の内部統制を理解しているのが強みであり、それを応用してクライアントへのサービスを提案することもできます。
必ずしも独立イコール税務ではありませんので、税務があまり好きでない方などは特に、自分の強みを会計士としての観点で捉えること。また、自分が何をしたいのかを整理してから独立されることをおすすめしたいと思います。