スタートアップが盛り上がりを見せています。すでにスタートアップでチャレンジしている会計士の方や、次のキャリアとしてスタートアップを考えている会計士の方も多いのではないでしょうか。
その一方で、スタートアップに転職をしたものの資金調達やIPO準備、管理体制の構築など、スタートアップ特有の課題に直面している会計士の方や、これからスタートアップを目指そうとしているもののスタートアップに入り込むネットワークがなく躊躇しているという方もおられると思います。
今回は、そんな公認会計士の方々のために、2019年8月20日よりスタートした『KEPPLE ACADEMY(ケップルアカデミー)』をご紹介します。
KEPPLE ACADEMYとは?
KEPPLE ACADEMYとは、「すべてのスタートアップ・投資家のための学びの場」をコンセプトとしたアカデミーです。
スタートアップにおいて、ファイナンスや会計・バックオフィス業務等の実務を行う方、ベンチャーキャピタリストといった投資家の方々など、スタートアップの実務家の方々のために専門的な実務講座やイベント、ネットワーキングの場を提供します。
- 【2019/8/5】KEPPLE ACADEMY(β版)の提供を開始しました。(KEPPLE Webサイト)
今回は、KEPPLE ACADEMYの総合プロデューサーを務める、藤原 弘之(ふじわら ひろゆき)氏にお話を伺い、その概要をご紹介します。
株式会社ケップル
ケップルアカデミー 総合プロデューサー
藤原 弘之
TIS、アクセンチュアを経て、2012年にGlobis卒業と同時にGlobis Capital Partners出資先スタートアップへ転じExitを目指して奮闘。およそ2年後、当時LINEと分社化したばかりのNHNグループへの売却によりExitを達成し、GCPにも大きなキャピタルゲインをもたらす。2014年、NHN JAPANへの転籍後、新規事業開発・M&A担当GM・財務部門兼務等を経て、NHN CAPITALでベンチャーキャピタリストとして従事。同社投資先のスタートアップ7社全てを担当した。2019年6月、NHNの投資事業撤退に伴いKEPPLEに参画し現在に至る。
本記事の目次
- 運営母体はスタートアップを知り尽くしたKEPPLE(ケップル)
- KEPPLE ACADEMY(ケップルアカデミー)とは?
- KEPPLE ACADEMYの概要
- KEPPLE ACADEMYに参加するには?
1. 運営母体はスタートアップを知り尽くしたKEPPLE(ケップル)
KEPPLE ACADEMYをご紹介するに当たり、運営母体の「ケップルグループ」について簡単にご紹介したいと思います。
ケップルは、スタートアップに特化した会計事務所からスタートしました。
あずさ監査法人出身の公認会計士である神先孝裕(かんざきたかひろ)氏によって起ち上げられ、IT系を中心とした多数のスタートアップやVCから支持を受けて、スタートアップ専門の会計事務所として急成長を遂げています。
また、ケップル自身もスタートアップとして事業運営と資金調達を行っており、グループの株式会社ケップルでは、スタートアップと投資家のファイナンス実務をサポートするツール「FUND BOARD(ファンドボード)」をリリースしています。
「FUND BOARD(ファンドボード)」はベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、資金調達をしたスタートアップをユーザーとし、WEB上で株式や投資先管理を効率的に行えるサービスとして、これまでに30社以上(2019年8月現在)のベンチャーキャピタルや事業会社の投資部門に導入されています。
このようにスタートアップを知り尽くし、業界に深く入り込んだネットワークを有するケップルが新たにリリースしたのが、すべてのスタートアップ・投資家のための学びの場「KEPPLE ACADEMY」なのです。
2.KEPPLE ACADEMY(ケップルアカデミー)とは?
KEPPLE ACADEMYのターゲット
KEPPLE ACADEMYは、スタートアップCFOやファイナンス・バックオフィスの実務を担当されている方、ベンチャーキャピタリストなどの投資家といった実務家の方々を対象とし、専門的なノウハウや良質な人的ネットワークを提供します。
- スタートアップのCFOや経理、財務担当者
- スタートアップのCFOを目指す方々(公認会計士、投資銀行経験者、経理財務経験者 等)
- ベンチャーキャピタリスト
- スタートアップへの投資やM&Aを行う企業の経営企画部門の方々
- CEOやCOOなどスタートアップの経営幹部
KEPPLE ACADEMYが解決する課題
KEPPLE ACADEMYでは、ケップルグループが会計事務所やFUND BOARDなどのサービスを通じて、スタートアップのCFOやベンチャーキャピタリストから相談を受けてきた課題を解決することをコンセプトとしています。
- 本やネットからは手に入りにくいスタートアップの「実務」に関するリアルな情報を学べる場の提供
- スタートアップ投資や資金調達に必要な濃い業界ネットワークの提供
総合プロデューサーの藤原氏はKEPPLE ACADEMYによって解決したい課題を以下のように語ります。
KEPPLE ACADEMYでは、ふたつの課題を意識しています。
ひとつはスタートアップの課題です。ケップルでは、これまで、多数のスタートアップを支援する中で、ファイナンスやバックオフィスのノウハウが十分ではないケースを度々見てきました。
また、ある程度の会計や財務の知見があるCFO候補やバックオフィス経験者を採用したスタートアップにとっても、その実務には独特のノウハウがあり、入社した方が苦労するケースも少なくありません。
KEPPLE ACADEMYでは、そういったスタートアップで働く方々にファイナンスやIPOを始めとしたバックオフィスのナレッジを提供していければと思っています。また、もうひとつは、ベンチャーキャピタル業界の課題です。
近年、ベンチャー投資が活発となり、事業会社が新規設立するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)も増えてきました。しかし、スタートアップ投資に使われる契約内容も事業会社にとっては馴染みの薄いものが多く、投資先や業界の最新動向に関する情報なども強固なVC業界のネットワーク内で交換されることが多々あります。
そのため、私もベンチャーキャピタリストになったばかりの頃はそうでしたが、若手のキャピタリストや、スタートアップ投資のバックグラウンドがまだ少ないCVCの担当者などは、最初の入り口でナレッジ不足や人的ネットワーク不足で苦労されるケースが少なくありません。VC業界全体では、日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)が会員向けにとても良い内容の研修や勉強会を提供されていて業界の底上げのための取り組みも広がっているのですが、開催頻度も限られ、講師登壇するベテランキャピタリストのリソースにも限りがあるため、実務に必要なナレッジや人的ネットワークを、KEPPLE ACADEMYで獲得できるよう仕組み化し、業界の課題を解決したいと考えています。
-総合プロデューサー 藤原氏
圧倒的に専門的なコンテンツ
KEPPLE ACADEMYのコンテンツは、多くの人を集める一般的なものではなく、スタートアップ分野の中でもさらに特定のテーマにフォーカスした専門性の高い内容になっています。
コンテンツは「スタートアップ向け」と「投資家向け」のふたつに分かれており、それぞれがさらに専門的で細分化されたコンテンツで構成されています。
スタートアップ向けのコンテンツ
例えば、「資金調達(ファイナンス)」のテーマひとつにしても、上記のように「エクイティ」「デット」「ストック・オプション」「補助金」と分かれており、さらにそれぞれにおいて他では取り上げられることの少ない専門的なコンテンツが提供されます。
VC・CVC・企業の投資担当者向けのコンテンツ
VC向けのコンテンツでは、スタートアップへの投資部分だけでなく、ファンド運営や事業全般もカバーするなど、ベンチャーキャピタリストのニーズに総合的に応えるものとなっています。
KEPPLE ACADEMYのコンテンツは、スタートアップのCFOやベンチャーキャピタリストなど、特定の人に刺さる内容になっています。ですから一般ウケはしません(笑)。
例えば「EXIT」では、IPOのn-4期からn-2期までに何が起こるのか、一般論ではなく、上場までの道筋を実務レベルで事例を交えて提供します。スタートアップの経営者やキャピタリストといえども実際にIPOを経験したことがある人は少数派なので、そういった特定の立場で特定のニーズに直面している人がピンポイントで必要な知識を得られるよう常に意識しています。
他にも、「資金調達(ファイナンス)」のコンテンツでは、一般的に使われる過去の数値をベースにした経理的なアプローチではなく、急成長するスタートアップ特有の未来を見据えた財務モデルの構築、すなわち資金調達とM&AやIPOなどのEXITを前提とした財務モデルの作り方を指導するクラスも開講したりしています。
-総合プロデューサー 藤原氏
3.KEPPLE ACADEMYの概要
ニーズに応じた3つの学びの場
KEPPLE ACADEMYにはユーザーのニーズに応じた、
- Basic Class
- Advanced Class
- Master Class
の3段階での学びの場が用意されています。
Basic→Advanced→Masterと、より専門的かつ厳選された人材が参加する形式になっており、それぞれ、以下のような内容で提供されます。
Basic Class
- レベル:中程度
- 形式:50~100名程度での開催
- 価格:2,000~5,000円/回
「Basic Class」は、IPOやストック・オプション、M&Aなど、特定のテーマを設けて基礎よりやや専門的な中程度のレベルで、50~100名規模にて開催されます。
興味のあるテーマの情報やネットワークを求める方に、まずはBasic Classに参加いただくイメージです。
Advanced Class
- レベル:高度
- 形式:20~50名規模での開催
- 価格:12,000円/回
「Advanced Class」では、その分野の実務に関わる方を対象に、専門性の高い講義を提供します。
Basic Classよりも少数で、かつ、専門性の高い講義になりますので、テーマとなる分野について専門的、かつ、現場実務を踏まえた実践的な内容を学ぶことができます。
Master Class
- レベル:きわめて高度
- 形式:5~20名規模での開催
- 価格:30,000円/回
「Master Class」では、特定の分野に絞った極めて高度なテーマのカリキュラムを提供します。
総合プロデューサーの藤原氏は「講師選びからこだわって各クラスを設計している」と語ります。
例えば、8月25日から開講した『CFO/CFO候補が学んでおきたい「資金調達とIPOを見据えたExcel財務モデルの作り方」』というMater Classがありますが、講師はBIG4監査法人のIPOチームにも講義経験があり、かつ、受講した方からの評判も非常に良かった方です。
さらにベンチャーキャピタリスト2名がレビュアーとして参加します。3日間のカリキュラムの中で、2日目まではスタートアップが資金調達の際に使う財務モデルの作成について学び、3日目には受講生の方が実際に財務モデルを作って調達金額や株式シェア、IRRなどを発表し、それに対してベンチャーキャピタリストがVCの視点での投資可能性など、実務的なアドバイスを行います。VCからのレビューも受けられる、より実践的なカリキュラムなので、スタートアップの資金調達に必要なマインドも身に付けられます。また、特定のテーマに本当に興味関心のある受講生しかその場にはいませんので、講師はそこだけに響く高度な事例の紹介や、他では話しにくい裏話をすることができます。とても濃いコミュニティが形成されるので、受講生同士でも今後の事業に役立つ有効な人的ネットワークが獲得できます。
-総合プロデューサー 藤原氏
4.KEPPLE ACADEMYに参加するには?
スタートアップで活躍する公認会計士が増えて欲しい
最後に、総合プロデューサーの藤原氏から、公認会計士の皆様にメッセージを頂きました。
最近では、スタートアップで活躍されている公認会計士の方も増えてきています。KEPPLEファウンダーの神先も公認会計士ですし、当社の関与先や取引先にもCFOや公認会計士の方々が在籍している企業は少なくありません。今やスタートアップにとって公認会計士の方々は欠かせない存在ではないでしょうか。
一方で、公認会計士の方々がおられる監査法人などの会計業界とスタートアップとの間には、風土や慣習などにおいて大きなギャップがあることも事実です。そのギャップを埋められれば、もっと多くの公認会計士の方々にご活躍いただけると思っています。KEPPLE ACADEMYで、スタートアップに必要な知見やネットワークを得ることによって、より多くの公認会計士の方々が、CFOやベンチャーキャピタリストとして活躍できる世の中にしたいと思っていますので、今後ともご支援いただければ幸いです。-総合プロデューサー 藤原氏
申し込み方法
KEPPLE ACADEMYへの参加にご興味のある方は、以下いずれかの方法でお申し込みください。
皆様のご参加をお待ちしています!
1:気になるクラスやカリキュラムをチェックして申し込もう!
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