弥生の記帳代行支援を活用し業務の効率化を実現したKVI税理士法人:弥生PAPカンファレンス2020秋レポート(後編)



弥生PAPカンファレンス2020秋_KVI税理士法人

前編中編に引き続き、弥生PAPカンファレンス2020秋の模様をお届けします。

前編では、弥生株式会社(以下、弥生)の岡本代表が講演した「社会的システムのデジタル化に対する弥生の取り組み」について、中編では、弥生が2020年秋にリリースした、「会計事務所向け記帳代行支援サービス」についてお伝えしました。

後編では、弥生PAP会員のKVI税理士法人様による、記帳代行支援サービス活用の事例発表の模様をお届けします。

※記事内のスライドはすべて弥生PAPカンファレンス2020秋にて用いられたものです。

弥生PAPカンファレンス2020秋プログラム

弥生ロゴ

  • 弥生の現況と目指す方向(弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎)
  • 記帳代行支援サービスのご紹介(弥生株式会社 営業推進部 加藤健一、パートナー支援課 松原里英)
  • 弥生PAP会員による事例発表
    • 記帳代行支援サービスの活用とその効果について(KVI税理士法人 代表社員・税理士 岡森久倫、西村修斗)
  • インフォメーション~弥生 21 シリーズのご紹介~(弥生株式会社 営業推進部 パートナー支援課 山田泰広)

本記事の目次

KVI税理士法人とは?

今回の事例発表は、1980年創業、大阪市北区天神橋にある、KVI税理士法人岡森久倫 氏(代表社員・税理士)と、西村修斗 による「記帳代行支援サービスの活用とその効果についてです。

KVI税理士法人は、1980年に大阪の八尾市にて大谷会計事務所として創業された会計事務所です。

現在では税理士法人化し、「関西ベンチャーインキュベート」の頭文字をとったKVI税理士法人として、大阪を中心とした顧問先の支援を行っています。

KVI税理士法人 概要
  • 所在地:大阪市北区天神橋
  • 設立日:1980年(大阪府八尾市に大谷会計事務所として創業)
  • スタッフ人数:35名(うち公認会計士2名、税理士9名、社会保険労務士2名)
  • 関連会社:株式会社関西ベンチャーインキュベート
  • KVI税理士法人Webサイト

※弥生PAPカンファレンス2020秋に使用されたスライドより抜粋しています。

 

税理士事務所は、記帳代行・決算・税金計算、申告書作成などを業務としますが、KVI税理士法人はただ機械的にそれらをこなすだけではなく、「経営者にとってかけがえのない相談者になることを目指そう」を合言葉に、経営者と一緒に考えることに時間を割くことが重要だと考えています。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

経営者と一緒に考える時間を確保するためには、それ以外の業務にかかる時間を削減することが必要ですが、中でも、記帳代行業務は負荷の重い業務であり、記帳代行業務の工程を改革し当該業務にかかる時間を減らすことが、効率的に時間を生み出すことにもつがなります。

今回の事例発表では、KVI税理士法人が、弥生の記帳代行支援サービスを活用する要因となった、事務所を取り巻く内的・外的な環境変化、サービスを利用してどのような効果があったのか、他社との比較、またサービスを利用して感じた今後の課題についてプレゼーションが行われました。

KVI税理士法人を取り巻く環境の変化と課題

プレゼンテーションでははじめに、KVI税理士法人 代表社員・税理士 岡森久倫氏より、事務所の現状分析と課題に関する考察が示されました。

弥生PAPカンファレンス2020秋 KVI税理士法人 代表社員・税理士 岡森久倫

現在の事務所をとりまく環境の変化として、「残業時間をいかにコントロールするか(働き方改革)」「お客様により良い品質のサービスを提供するためメンバーの多様性を取り込むこと(ダイバーシティ)」「産前産後休暇・介護休暇への対応や在宅勤務制度への対応(リモートワーク)」の3つを挙げました。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

そういった環境変化を踏まえ、今まで以上に充実したサービスを提供して経営者にとってかけがえのない相談者になるためには、上記の課題を解消することが必要と考え、岡森氏から以下の3つが示されました。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

KVI税理士法人が直面した解消すべき課題
  • より早く、より精度の高い月次決算情報を!
  • 考える時間・対話時間の確保を!
  • 空間的・地理的・時間的制約からの自由を!

 

そして、これらを解消するツールとして、弥生の記帳代行支援サービスが試行されました。

記帳代行支援サービスと他サービスとの違い

続いて、記帳代行支援サービスの導入前と導入後の違いや、他社との比較について、KVI税理士法人 西村修斗氏から説明がありました。

弥生PAPカンファレンス2020秋 KVI税理士法人 西村修斗

「通帳などCSVデータを活用できるものは比較的課題解決が簡単だが、レシートなどの紙書類はPDFにするところから始めなければならず、レシートの処理がどれだけ簡単になるかが重要だ。」と、西村氏は、記帳代行支援サービスで解決したい課題をより具体的に示されました。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

KVI税理士法人では、もともと弥生会計のスマート取引取込を利用していましたが、その後、他社の記帳代行サービスを利用し、今回、弥生の記帳代行支援サービスのβ版を試されました。

実際に弥生のスマート取引取込、他社サービス、弥生の記帳代行支援サービスを利用した結果について、西村氏が、3つのサービスを比較しながらそれぞれの特徴について解説されました。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

「3つのサービスを比較した結果、すべての点において、弥生の記帳代行支援サービスにメリットがあるという結論に至った。」と、西村氏から報告されました。

軽減税率適用取引の確認も簡単「証憑ビューアー」

軽減税率が導入されましたが、1枚のレシートに消費税率10%と軽減税率8%の取引が混在しているケースも多く、従来より注意深く仕訳をしなければならないと感じている方も多いかもしれません。

弥生の記帳代行支援サービスは、このように複数の税率が混在している仕訳についても簡単にレシートが確認できる機能があり、ストレスなく仕訳の確認が行えるようになっています。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

西村氏から、

証憑ビューアー機能があり、仕訳をタップすればその証憑が表示されるので突き合わせがしやすく、下矢印キーで次の証憑が出てくるので切り替えが簡単である点で作業効率を上げることができた。また、付箋機能があり、二重仕訳の可能性があるものは二重仕訳の可能性があるという付箋がついた状態で弥生からデータが戻されるので、駐車料金のように同一日付で同一金額の取引が発生する可能性がある取引についても、効率的に確認作業ができるようになった。

と、弥生の記帳代行支援サービスの有効性が語られました。

証憑ビューアーの特徴
  • 仕訳をタップすればその証憑が表示されるため、突合が行いやすい。
  • 次の証憑への切り替えも簡単。
  • 付箋機能で二重仕訳の可能性がある取引も効率的に確認ができる。

 

一方で、預金を取り込む際に、仕訳ルールや学習履歴がない摘要の場合に、AIが推測でよく使う費用科目に登録してしまうことで確認作業が難しくなったことがある点を指摘し、仮勘定で登録した方が良いと改善案が示されました。他にも弥生の記帳代行支援サービスの改善案を提示しつつ、今後のサービス向上に期待する形で、西村氏は、プレゼンテーションを締めくくりました。

クライアントの成長と継続性を支えるために会計事務所が取り組むべきこと

最後に、岡森氏より、弥生記帳代行支援サービス導入後の効果について考察が示されました。

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

弥生PAPカンファレンス2020秋レポート

冒頭で挙げた3つの課題に対して、

弥生の記帳代行支援サービスは、精度・正確性をある程度維持しながら、記帳業務にかかる時間を短縮することができた。また、リモートワークと親和性が非常に高いサービスであり、優秀な人材の活用にプラスの効果があると感じた。

と、岡森氏からサービス導入の効果が述べられました。

業務フローのブラッシュアップや顧問先からの資料の入手方法の工夫など、記帳代行支援サービスを利用するにあたり事務所内でまだまだ業務を改善し、業務効率を向上できる可能性が感じられるとしつつ、「自社のためにではなく、顧問先の中小企業の皆様の継続性や成長に役立つかという視点から、今後も取り組みを進めたい。」と語り、岡森氏は、プレゼンテーションを締めくくりました。

業務効率化という会計事務所共通の課題に対して、記帳代行業務時間の削減に焦点をあてた新サービスのリリースで、今後の会計事務所の業務が大きく変わることを予感させるプレゼンテーションでした。

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弥生会計ロゴ「弥生PAP」とは、弥生株式会社と会計事務所がパートナーシップを組み、弥生製品・サービスを活用して、中小企業、個人事業主、起業家の発展に寄与するパートナープログラムです。2018年9月時点で9,000以上の事務所が加入。税務サービスを提供する会計事務所様はぜひご加入をご検討ください。

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【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

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