2019年3月5日、13日、18日に、BIG4監査法人やIASBの人事、九州の公認会計士などに関するニュースがリリースされています。
あずさ理事長任期満了で後任に高波氏、IASB理事にPwCあらたパートナー、IPO支援で九州経済を支える会計士などの記事を幅広くご紹介します。
あずさ理事長任期満了で後任に高波氏
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あずさ監査法人理事長に高波氏(日本経済新聞 2019年3月5日付)
前回のニュースでEY新日本監査法人の理事長交代についてお伝えしましたが、他のBIG4でも任期満了による理事長交代が決まったようです。
今回、あずさ監査法人の酒井理事長の後任人事に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
あずさ監査法人は4日、7月1日付けで理事長に高波博之・専務理事(59)を充てる人事を固めた。現任の酒井弘行氏(62)は任期満了に伴い6月末に退任する。
引用元:あずさ監査法人理事長に高波氏(日本経済新聞 2019年3月5日付)
記事によると、高波氏はメガバンクなど金融機関を中心に会計監査を担当してきた方ということです。
高波氏の経歴については、KPMGから配信されているニュースリリースに詳細が報じられています。
- 次期理事長の選任について(KPMG 2019年3月5日付)
高波氏は2014年にKPMGコンサルティング株式会社を設立し初代社長を務められており、監査以外の分野にも知見が深いということです。あずさ監査法人が変わっていくのか、7月の就任に期待が高まります。
IASB理事にPwCあらたパートナー
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IASB理事にPwCあらたの鈴木氏(日本経済新聞 2019年3月13日付)
引き続き、人事に関するニュースです。
今回、PwCあらたパートナー鈴木氏のIASB理事就任に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
国際会計基準(IFRS)をつくる国際会計基準審議会(IASB)の理事に、7月1日付でPwCあらた監査法人の鈴木理加氏が就任する。IASBの運営母体であるIFRS財団の評議員会が12日、発表した。
引用元:IASB理事にPwCあらたの鈴木氏(日本経済新聞 2019年3月13日付)
記事によると、現在アジア・オセアニア枠の理事である鶯地氏が6月末に任期満了で退任するため、鈴木氏が後任に任命されたそうです。
このニュースについて、PwCあらた監査法人からプレスリリースが配信されています。
- PwCあらた有限責任監査法人のパートナー、国際会計基準審議会(IASB)理事に指名(PwCあらた監査法人 2019年3月13日付)
上記リリースによると、鈴木氏はIFRS、日本基準及び米国基準の会計相談・監査、IFRS導入支援の経歴を持ち、日本人初の女性理事として就任が決まったそうです。
EY新日本監査法人の理事長にも女性会計士が初めて就任するということで、会計士業界は女性のトップ人事が相次いでいます。
IPO支援で九州経済を支える会計士
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九州IPO 5割を支える会計士(探検!九州・沖縄)(日本経済新聞 2019年3月18日付)
IPOを市場別で見ると、2018年は総数90件のうち東証マザーズが63件、ジャスダックが14件、東証1部が7件、東証2部が5件と続き、地方市場でのIPOはほとんど見られませんでした。ですがIPOを目指す企業とそれを支援する会計士は、都心だけに集中しているわけではなさそうです。
今回、九州のIPO支援の半数を手掛ける監査法人トーマツのパートナー只隅氏に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
テノ.ホールディングス(HD)やグッドライフカンパニー、WASHハウス。2018年までの3年で九州の新規株式公開(IPO)の5割に携わった会計士が只隈洋一(48)だ。監査法人トーマツのパートナーで、起業支援のデロイトトーマツベンチャーサポートの九州地区統括。「地方が衰退するなか、IPOの意義は働く場をつくること」。福岡の八百屋の息子は、家業とは違う形で九州の「台所事情」を支えている。
引用元:九州IPO 5割を支える会計士(探検!九州・沖縄)(日本経済新聞 2019年3月18日付)
記事によると、只隅氏は監査法人トーマツに入所後は福岡県で企業監査、IPO支援、M&Aや事業再生を担当してこられたそうです。
会計士になったら東京勤務を考える方が多いかもしれませんが、地元に残りIPO支援を通じて地元経済に貢献するという働き方も、ちょっと真似したくなる働き方なのではないでしょうか。
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)