監査法人の中には実はライバルは少ない!?20代でPwCのマネージャーになった会計士が語った“手を挙げること”の大切さ【第5回・公認会計士ナビonLive!!(3)】

  • 2016/8/14

来る2016年8月20日(土)に東京・日本橋にて公認会計士と「FAS・コンサルティング」「ベンチャー・スタートアップ」をテーマに第6回・公認会計士ナビonLive!!が開催されます。

本記事では第6回の開催に向けて大阪で開催された第5回・公認会計士ナビonLive!!in大阪の内容を振り返ります。

第5回 公認会計士ナビonLive!!のトークセッションでは、「関西出身会計士たちが語る会計士のベストキャリアとは!?」をテーマに、関西出身の5名の公認会計士が、それぞれのキャリアや会計士の活躍フィールドについて語りました。

※本記事はセッションでの発言を一部補足・編集した記事となっております。

 第5回 公認会計士ナビ on Live!! in 大阪
  ~関西出身会計士たちが語る会計士のベストキャリアとは!?~

【開催日】 2016年2月20日(土)14:00~17:00
【場所】 HERBIS PLAZA(大阪)
【登壇者】
・有光 賢治(辻・本郷ビジネスコンサルティング株式会社 執行役員/公認会計士・税理士)
・大石 悠人(大石公認会計士事務所 所長/公認会計士・税理士)
・大野 拓海(株式会社クラフル 代表取締役社長/公認会計士試験合格)
・草地 崇浩(GEヘルスケア アジアパシフィック ファイナンスマネジャー/公認会計士 米国公認会計士)
・宮崎 良一(株式会社BridgeConsulting 代表取締役CEO/公認会計士・税理士)

監査法人の中には実はライバルは少ない!?20代でPwCのマネージャーになった会計士が語った“手を挙げること”の大切さ 

度重なる異動を続けた結果、20代でPwCのマネージャーに

関西で独立し、自身の事務所を構える大石氏。20代後半でPwCのマネージャーとなった大石氏だが、そこに至るまでは社内で複数回の異動を経たユニークな経緯があった。順調だったPwCでのキャリアを捨てて関西に戻りゼロからの独立を選んだ経験と合わせ、監査法人でのキャリアアップの秘訣や独立時の苦労を語った。

 

大石 悠人

大石公認会計士事務所 所長/公認会計士・税理士

1981年生まれ、京都大学経済学部卒。2004年、公認会計士試験合格後、中央青山監査法人・あらた監査法人(大阪事務所)での勤務を経て、あらた監査法人・東京事務所、財務報告アドバイザリー部に異動。マネージャー職として日系グローバル企業への会計アドバイザリー業務やIFRS導入支援プロジェクトのインチャージを務める。また、PwCアドバイザリー株式会社(現・PwCアドバイザリー合同会社)に出向し、財務デューデリジェンスなどのトランザクション業務にも従事。2012年、あらた監査法人を退職し、関西に戻り独立・開業。大石公認会計士事務所を設立し、上場企業や未上場企業に対する会計コンサルティング、内部監査支援、経営相談などに従事。兵庫県在住。

京都大学在学中、大手証券会社の投資銀行部門のインターンシップに参加した大石氏、経済学部で金融業界に興味を持っていたが、投資銀行の苛酷さを目の当たりにしこれは自分には合わないと、将来独立の選択肢もある公認会計士を目指すことに。

その後、大学卒業後の2004年に会計士試験に合格し、中央青山監査法人・大阪事務所に入所(後にあらた監査法人へと移籍)した大石氏。所属した部署がそれほど大きい部署ではなかったため、2年目からインチャージを経験させて貰えるなど早い段階でひと通りの監査経験を積むことができたと会計士キャリアのスタートについて語った。

そんな中、内部統制ブームが到来し、東京事務所を中心とした内部統制部門を起ち上げる話が持ち上がったことによって、大石氏にも声が掛かる。「当時は特にその先のキャリアを考えていたわけでない。ただ、若いうちはいろんなことにチャレンジしようということだけは決めていた」と語った大石氏、自身も若く、また、おもしろそうであったのでやってみようと手を挙げ、東京に転勤し、内部統制コンサルティングにチャレンジする事となった。

そして、2年ほど内部統制コンサルティングに従事した大石氏だが、内部統制ブームの終了とともにプロジェクトも少なくなったため、同部門で行っていたグローバル企業の内部監査支援の案件に1年ほど携わった。

その後、新たなチャレンジをしようと、米国証券法に基づくForm F-4対応のプロジェクトに参加。同プロジェクトの収束に伴い今度はPwCアドバイザリーへと異動し、M&Aアドバイザリーに従事。そして、再びあらた監査法人へと戻り、IFRS対応プロジェクトやクロスボーダーM&Aの会計アドバイザリー業務に従事した。

「何かおもしろいことがあれば手を挙げて渡り歩いた20代だった」と語った大石氏、通常、監査法人で昇格していくにもひとつの部門や業務に腰を据えて取り組んでいくのが定石だが、異動を繰り返しながらマネージャーへと昇格していったというユニークな軌跡は登壇者の中でもひときわ注目を集めた。

経験がなくても “まずは手を挙げること”が大切

会場の参加者から「どうすれば異動の誘いがくるのか?また、異動先はどう選んだのか?」との質問に対して大石氏は「やりたいことがあるならまずは手を挙げることが大切」とアドバイスを送った。 

会計士はみんな真面目なので、やりたいことがあっても「まだスキルや能力が足りないのでは…」と考えて尻込みしてしまう人も多いですが、やりたいと思うならまずは勢い良く手を挙げてみることが大事だと思います。僕自身も内部統制もM&Aも何も知らなかったが「勉強するのでやらせてください」と頼んでその部門に入れてもらいました。

監査法人にはたくさんの人がいますが、保守的な人が多いので、思い切って手を挙げてみたら実は競争相手は多くなかった…ということもあると思います。「やりたい」と言えば希望が通ることは意外と多いと思いますし、監査法人の中にはみなさんが考えているよりもチャンスはたくさん転がっていると思います。 

独立という選択は無茶しすぎた!?関西に戻っての独立、人生最大のチャレンジ

PwCで順調なキャリアを歩んでいた大石氏だが、東京から関西に戻って独立したその経緯もユニークだった。

 「いろいろなことにチャレンジしたい」との軸でキャリアを積んできた大石氏だが、IFRSアドバイザリーの業務に従事していた際、PwC内で海外勤務の募集があり、チャレンジしてみたいと思い手を挙げたという。

無事に海外行きの内定を得た大石氏だが、家庭の都合で行かないという決断をすることとなり、何かチャレンジをしないといけないのでは…という焦りもあったことから、結果、選択したのが東京から関西に帰っての独立だったという。

 なぜ関西で独立したのかというと、仕事だけ考えるとビジネスの規模も東京が明らかに大きく、会計士の報酬単価も高い、成功確率は東京のほうが高いとは思ったのですが、仕事だけでなく生活面も考えると神戸が良いなと。子供時代から親の仕事で転々としていましたが、神戸が一番住みやすかったと思っていたので、この機会に関西に帰ろう、帰って独立しようと決めました。

当時、ちょうど結婚をし、子供もできたタイミングであったという大石氏、「今考えてもちょっと無茶したと思う(笑)」と会場の笑いも誘った。 

監査のパートはしない、コンサル1本で独立-関西マーケットの攻略法とは?

2012年に関西で独立した大石氏だが、当時の方針はコンサル1本で、監査のパートや税務は行わないとのことだったという。

「家族を養わないといけない状況で監査のパートもしないというのは、今思えば頭のネジが2~3本抜けていたと思うので(笑)、反面教師として聞いて欲しいが」と断りを入れつつ、自身のキャリアを振り返った時に、最も経験がありバリューが提供できるのはコンサルティングであると考え、そこに注力することにしたという。

ところが、当然、独立したての個人会計士が簡単に仕事を受注できるわけではなく、非常に苦労することになった。そのような中、関わったお客様のニーズ一つ一つに対し、誠心誠意答えていくことで、次第に信用も得られるようになり安定した仕事の受注につながった。

その後、幾度かの試行錯誤を経て、現在は売上高数百億~1,000億円程度の企業を始め、幼稚園や公益法人など様々な顧客との仕事を行っているが、独立してからの経験をもとに関西のマーケットを以下のようにまとめた。

関西では、東京の大手ファームにいた時のような時給数万円の感覚で提案に行くともちろん相手にされません。商売人気質も強い地域ですが、個人の信用を非常に大切にする側面もあり、一度入り込んで信頼を得られるととても大事にしてくれます。

私の場合も、コンサルティングでお付き合いが始まった企業でしっかりと成果を出したことによって、プロジェクトが終わった後も顧問として引き続きお付き合いさせて頂くというケースが続いています。関西には意外と明治時代創業のような100年企業があったりもするので、税務や監査でなく会計士の知見を活かしたコンサルティングにもチャンスがあるのかなと思っています。

関西は生活面のコスパが良く、住宅や子供の教育コストなど東京の2分の1近い価格で東京に近い水準のメリットが得られるので住みやすく、関西に戻ってきて良かったなと思っています。 

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