IPOに向けて、原価計算の精度向上と工数削減を同時に実現
株式会社Brushup
さまざまな制作物のチェックを劇的に効率化するレビューツール「Brushup」を展開。 社内はもちろん社外との校正のやりとりや制作プロセスをオンライン上で一括管理することで、業務効率化とペーパーレスを実現し、制作業務にまつわる課題を改善。 グッドデザイン賞を受賞したシンプルで使いやすいUIで、業種を問わずさまざまな制作現場で利用されており、導入企業数は10,000社に達しています。
https://www.brushup.net/
課題
- IPOに向けて、 精緻な個別原価計算を行う必要があった
- 前期は一年間分をまとめて対応しており、表計算ソフトの準備なども含め丸2日程度かかっていた
結果
- 家賃や人員別の給料の配賦などが計算できるようになり、月次での精緻な原価計算が可能に
- ひと月分の原価計算を3時間ほどで終えられるようになった
IPOに向けて、より精緻な個別原価計算を実現するためにシステムを導入。業務効率化により毎月3時間程度で原価計算が可能な体制に。
「コミュニケーションを探求し、人と社会に成長を」をミッションに掲げ、レビューツール「Brushup」を展開している株式会社Brushup。IPOに向けた運用体制の構築をきっかけにマネーフォワード クラウド個別原価を導入。監査法人が求める水準の原価計算を実現するだけでなく、業務効率化により毎月3時間程度で原価計算が可能な体制構築に成功した同社に、導入時の背景や導入後の効果を伺いました。
IPOに向けて、より精緻な個別原価管理を行う必要があり、システム検討を開始しました。
――会社の概要と事業内容について教えてください。
安田様:当社は「コミュニケーションを探求し、人と社会に成長を」というミッションを掲げ、様々な制作物のチェックを効率化するレビューツール「Brushup」を展開しております。社内外との校正のやりとりや制作プロセスをオンライン上で一括管理できるツールで、業務効率化・ペーパーレス化を実現することができます。
グッドデザイン賞を受賞したシンプルかつ使用しやすいUIであることから、業種問わず幅広い制作現場で利用され、導入企業数は10,000社に達しました。
「Brushup」はデザイン面とシステム面それぞれに強みがあります。
当社はデザインにこだわったプロダクトを多数制作している親会社の1プロダクトが分社化して誕生したという背景もあり、競合他社よりもデザイン面にこだわってプロダクト制作をしています。
また、システム面では、最近出版業界とのお付き合いが増加したことから、これまでお付き合いの多かったゲーム業界やデザイン業界とは異なった校正業務に関する技術も必要となり、リスクエストに応じてオプションを新規開発するなど、使いやすさの向上に努めています。
――安田様の担当業務やバックオフィスのチーム体制について教えてください。
安田様:弊社の管理部はバックオフィス全般が集約された部門です。管理部は6名で構成されており、管掌役員であるCFOとプレイングマネージャーの他、経理業務2名、採用業務1名、総務・労務業務1名となっております。
その中で、私は弊社初の経理担当者として採用され、管理部のリーダーとして経理業務、具体的には日常経理業務・月次決算・経理業務の運用構築・IPO準備などを包括的に担当しております。
管理部全体では「IPOのための内部統制・内部監査の体制構築」を、経理では「上場企業レベルの運用体制に引き上げること」を大きな目標に掲げています。また、日常業務における目標としては、「精緻な計上」と「月次決算の早期化」も目指しています。
――マネーフォワード クラウド個別原価の導入背景を教えてください。
安田様:IPOに向けて、前期の決算時にはじめて個別原価計算をする必要が出てきました。はじめての個別原価計算で、一から仕組みを作らねばならなかったのですが、決算日が迫っている状態だったため、表計算ソフトを活用してなんとか年間のプロジェクト別原価を算出しました。
わたし自身としても前職が商社だったため、個別原価計算の経験がなく、「ソフトウェアサービスを開発するIT企業に適した原価計算がどのようなものなのか」を把握することに最も時間がかかりました。また、開発プロジェクトの内容が専門的で、原価なのか資産なのかの判断が難しく、そこも苦労した点です。
当時は一年間分の原価計算をまとめて行いましたが、監査法人からは月次ベースでの個別原価計算や、従業員ごとの給与をもとにしたより精緻な労務費の算出を求められていたため、表計算ソフトで対応するには限界を感じ、システム導入を検討することになりました。
SaaS事業にマッチするシステムであることが決め手に。サポート体制も万全で、安心して導入できました。
――マネーフォワード クラウドの他に比較検討はされましたか。比較検討されたポイントと一番の決め手を教えてください。
安田様:マネーフォワード クラウド個別原価を含む2社で比較検討しました。ソフトウェアの原価計算は製造業の原価計算とは異なるため、「自社の事業にマッチした原価管理ができるかどうか」を最重要ポイントとしてシステム選定を行いました。比較対象だったシステムはどちらかというと製造業向けの原価管理システムのような印象で、実業務のイメージが沸きませんでした。一方でマネーフォワード クラウド個別原価は、労務費の計算や間接費の配賦ができるだけでなく、原価をソフトウェア資産に振り替える業務までサポートしており、SaaS事業にマッチするシステムだと感じ、その点が導入の決め手となりました。
UI/UXの面でも、マネーフォワード クラウド会計Plusなどをすでに利用していたこともあり、馴染みやすかったことも大きかったです。
また、提案当初から営業担当と開発担当がそれぞれついてくれて、手厚くサポートしてくれたおかげで、安心して検討・導入することができました。導入を決定するにあたってテストを行う必要があったのですが、私が手一杯な状態で「テストにかける時間がない」と相談すると、担当者の方が快く引き受けて対応してくださいました。
毎回のミーティングの録画も送付していただいたおかげで、1人で導入作業する際も動画を見返しながらスムーズに設定できました。スケジュールもしっかりと押さえていただき、非常に満足しています。
原価計算の質・スピードが向上。毎月3時間程度で個別原価計算ができるように。
――マネーフォワード クラウド個別原価導入後の効果について教えてください。
安田様:まず、マネーフォワード クラウド個別原価の導入により、ひと月分の原価計算を3時間ほどで終えられるようになり、年次から月次で原価計算を回す体制へ移行することができました。前期は一年間分をまとめて対応したため、月次での単純な工数比較はできませんが、当時は原価計算に使用する表計算ソフトの準備に時間がかかっていたこともあり、個別原価計算に丸2日程度かかっている状態でしたので、質・スピードともに向上できたと感じています。
また、家賃や人員別の給料の配賦などもシステム内で計算ができるようになり、これまで表計算ソフトではできなかったより精緻な原価計算ができるようになりました。毎月の原価計算結果はいつでもレポートで確認することができるため、プロジェクト別にかかった費用を把握しやすくなりました。表計算ソフトでは数式の破損や引き継ぎの難しさにも不安を感じていましたが、その点でも安心して個別原価計算できるようになっています。
上場に向けて、さらなるバックオフィス強化を目指していきたい。
――マネーフォワード クラウド会計Plusの感想も聞かせてください。
安田様:私はこれまでオンプレミス型のシステムしか利用したことがなかったため、はじめてクラウド型の会計システムに触れ、とても新鮮でした。
証憑を添付する項目にPDF以外のデータも添付することができるところがとても便利で活用しています。証憑を1つの場所に集約できますし、アカウントを共有することで監査時も書類を提出する必要がないため、監査に関連する業務の効率化も進められていると思います。
マネーフォワード クラウドの導入によって、紙を使っての経理業務はゼロとなり、シームレスな連携で手作業・二重作業の業務もなくなりました。APIが豊富なため、他社システムと組み合わせても問題なく連携できますし、連携されていない場合でも連携予定である場合が多いため、マネーフォワード クラウドを導入してよかったと感じています。
――今後のチームや業務について、お考えになっていることがあれば教えてください。
安田様:これまではわたし1人で経理業務を担当していましたが、最近2名体制になったため、スムーズに引き継ぎし、業務を標準化することを直近での目標としています。
また、IPOに向けては、中小企業としてやってきたことから脱却し、上場企業にふさわしい体制・運用にしていかなければなりません。そのためには、月次決算についてもより精緻にやっていく必要があるため、質の向上と業務効率化の両立をはかりながら、進めていきたいと考えています。
――最後に、マネーフォワード クラウド個別原価の導入を検討されている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
安田様:マネーフォワード クラウド個別原価は、当社のようなSaaS企業やIT企業と相性が良いと考えています。また、SOC1レポートを取得しているため、IPOを目指している企業とも相性が良いシステムです。そのような企業の方々はマネーフォワード クラウド個別原価の導入をおすすめします。
公開日:2024年3月1日 公開当時の情報となります