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2023年8月3日
PwC Japanグループ
PwC Japanグループ(グループ代表:木村 浩一郎)は、「ビジネスと人権」に関する企業のサプライチェーン・マネジメント高度化支援の一環として、企業のサプライヤー等を含めた広い事業範囲における人権リスクにかかる苦情・通報・相談の受付および、投稿者であるステークホルダーと企業との間のコミュニケーションを支援するためのプラットフォームを開発し、本日より提供を開始します。
日本政府が2022年9月に策定した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」では、国内外における自社・グループ会社に加え、サプライヤー企業や事業活動によって影響を受け得る地域住民や市民団体なども含め、幅広く利用できる「苦情処理メカニズム※」を設置することに最大限努めるよう求められています。
このようにグローバル企業にビジネスと人権に関するサプライチェーン・マネジメントの高度化を求める法令等は、欧米諸国を中心に急速に制度化が進められています。
※苦情処理メカニズム:「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン(令和 4 年 9 月ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議)」によれば、苦情への対処が早期になされ、直接救済を可能とするために、企業は、企業とそのステークホルダーに関わる苦情や紛争に取り組む一連の仕組みである苦情処理メカニズムを確立するか、又は、業界団体等が設置する苦情処理メカニズムに参加することを通じて、人権尊重責任の重要な要素である救済を可能にするべきである。」、「利用者が苦情処理メカニズムの存在を認識し、信頼し、利用することができる場合に初めてその目的を達成することができる」とされています。
苦情処理メカニズムを構築・運営するためには、世界中に所在するステークホルダーから人権コンプライアンスに関する苦情・通報・相談を受け付け、企業と投稿者であるステークホルダーとの間のコミュニケーションを支援する環境を整備・運用する必要があります。
PwC Japanグループは、安全なクラウドの上に、このデジタル・トラストサービス・プラットフォームである苦情・通報・相談受付対応のためのプラットフォーム(以下、「本プラットフォーム」)を構築し、人権コンプライアンスを始めとするサプライチェーン・マネジメントの専門家等による苦情処理メカニズムの構築・運営支援サービスを提供します。
苦情・通報・相談受付対応のためのプラットフォームの概念図
グリーバンスメカニズムを構築・運営するためには、投稿者からの苦情を受け付ける通信環境を整備・運用する必要があります。
PwCビジネスアシュアランス合同会社は、安全なクラウドの上に苦情・通報・相談受付のためのプラットフォームを構築し、グリーバンスメカニズムの運営支援サービス(SaaS)を提供します。
本プラットフォームの特長は以下のとおりです。
- 安全なクラウド上に構築したサービス(SaaS)であるため、システムの開発やソフトウェアのインストールは不要で、迅速かつ効率的に苦情処理メカニズムの構築・導入が可能になります。
- インターネットに接続可能な電子デバイス(PC、スマートフォン、タブレット等)により、特定の国や地域を除く幅広い国や地域に所在する投稿者から人権コンプライアンスに関する苦情・通報・相談を受け付け、本プラットフォームの中で投稿者と企業の運営事務局、受付担当者、調査担当者および外部の専門家等との間のコミュニケーションを完結することができます(他の言語による案内も追加可能)。
- 日本語、英語および中国語による苦情処理メカニズムに関する案内表示が標準設定されています(他の言語による案内表示も追加可能)。
- 個人情報保護法、データ越境移転規制およびデータローカリゼーション規制等の主要国の法令等へのコンプライアンスを考慮した苦情処理メカニズムの整備・運用を支援します。
PwC Japanグループでは、苦情・通報・相談受付対応のためのプラットフォームにあわせ、人権コンプライアンスを始めとするサプライチェーン・マネジメントの専門家等による苦情処理メカニズム関連書類のレビュー、人権コンプライアンスにかかるリスクの特定・評価や、PwCグローバルネットワークを活用した、現地詳細調査、人権デュー・ディリジェンス、および是正措置の実施など包括的なサービスを提供します。
本プラットフォームに関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。
PwC Japanグループによる「ビジネスと人権」に関する支援サービスの全体像
PwCでは、多様なプロフェッショナルの協働により、企業が日本政府ガイドラインで求められる人権課題対応のPDCAを回し続け、継続的な調査・改善と、高度化を図っていくことをサポートします。
人権課題対応支援チームの主要メンバー
- 磯貝 友紀 (PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス リードパートナー)
- 北村 導人 (PwC弁護士法人 パートナー代表 弁護士/公認会計士)
- 田原 英俊 (PwCあらた有限責任監査法人 パートナー サステナビリティ・アドバイザリー部リーダー/ESG戦略室リーダー)
- 若井 潔 (PwCコンサルティング合同会社 ディレクター)
- 平尾 明子 (PwCアドバイザリー合同会社 ディレクター )
- 小松 健太 (PwCアドバイザリー合同会社 シニアマネージャー/弁護士)
PwC Japanグループの人権課題対応支援についての具体的な支援内容については、こちらをご覧ください。上記、主要メンバーによる日本企業が取り組むべき人権課題への対応に関する具体的な実践方法や実務的な留意点を解説したオンラインセミナー(2022年12月)の開催レポートは、こちらからご覧いただけます。
(ご参考: 「ビジネスと人権」背景解説)
「ビジネスと人権」は、2022年の政府によるガイドライン策定でいよいよ行動が求められる
国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の策定以来、欧州各国を中心に、企業に人権デュー・ディリジェンス(DD)を含む人権尊重の取り組みを義務付ける法整備が進んでいます。2023年1月には、企業サステナビリティ報告指令(Corporate Sustainability Reporting Directive)が効力発生となり、EU加盟国は18カ月以内に国内で法制化することを義務付けられています。よって、海外で事業を行う日本企業や海外企業と取引を行う日本企業においても、各国の法規制等を理解し、的確な対応を行う必要があります。
日本では、2020年10月に「『ビジネスと人権』に関する行動計画」が、2022年9月13日に「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(以下、日本政府ガイドライン)が策定され、日本で事業活動を行う全ての企業が、人権尊重の取り組みに最大限努めることを求められています。さらに国際社会からは、自社や自社グループ内部における人権尊重だけではなく、国内外のサプライチェーン上の企業およびその他のビジネス上の関係策を含めたバリューチェーン全体のステークホルダーに係る人権尊重まで注視することを強く求められています。
企業に求められる具体的な対応
企業が人権尊重責任を果たすためには、「人権方針の策定」「人権DDの実施」「救済・苦情処理メカニズムの構築」を実行する必要があります。そのベースには、「ステークホルダーエンゲージメント」があり、合わせて4つの大きな取り組みが必要となります。
PwC Japanグループについて
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約11,500人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。
PwCについて
PwCは、社会における信頼を構築し、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としています。私たちは、世界152カ国に及ぶグローバルネットワークに約328,000人のスタッフを擁し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。