このコーナーでは、弥生のサービスを活用して、会計事務所経営を効率化した弥生PAP会員様をご紹介していきます。
今回は、弥生の記帳代行支援サービスを活用している村松悟税理士事務所様をご紹介いたします。
平成19年(2007年)に開業された村松悟税理士事務所様。
村松先生は、愛知県西尾市に事務所を構え、建設業や美容院などを中心とした地場の顧問先に、税務会計のほか、財務戦略の策定や中長期的な資金繰り管理、金融機関対応(資金調達)などのサービスを提供し、ご活躍されています。
そんな村松先生が、弥生の記帳代行支援サービスを導入された理由とは?記帳代行率が9割を超えている状況で、業務効率化など記帳代行業務に感じていた課題、また、それをどう解決されたのかを伺いました。
本記事の目次
- 今回ご紹介するサービス
- 今回インタビューした会計事務所
- 導入前の課題 –記帳代行支援サービス
- 選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
- 導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
- 導入後の成果 –記帳代行支援サービス
- 使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
- 記帳代行支援サービスへの要望
- 記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
今回ご紹介するサービス
弥生の記帳代行支援サービス
会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化するサービスで、弥生PAP加入の会計事務所が利用できます。
記帳代行支援サービスでできること
紙証憑のデータもインターネットバンキングのデータも、弥生の記帳代行支援サービスを利用して自動で仕訳に変換することで、会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化します。納品された仕訳は、「弥生会計AE」で、仕訳と元の紙証憑の画像を同時に確認可能です。
記帳代行支援サービスの特徴
- 証憑データのお預かりから1営業日で納品
- 入力・確認・修正にかかる工数を減らし、相談などの付加価値業務の時間を増やせる
- 担当者ごとの品質バラつきやミスも減らせる
記帳代行支援サービスの料金や詳細については、下記をご確認ください。
今回インタビューした会計事務所
村松悟税理士事務所
2007年1月愛知県西尾市に事務所を構える。クライアントの半数が建設業。法人と個人事業主の比率は4対6程度。中小企業の財務部長的な立場で、中長期的な資金繰り管理や資金調達にも幅広く対応。
愛知県西尾市を中心に対応。
代表者:村松 悟(税理士・行政書士)
2002年中京大学法学研究科修了。税理士法人で税務実務に従事した後、2005年2月に税理士登録。2007年1月に村松悟税理士事務所を開設する。経営革新等支援機関認定、ドリームゲートアドバイザー認定、銀行融資プランナー協会会員。2016年12月に行政書士登録。
事務所概要
- 事務所の人員数: 9名
- WEBサイト:http://muramatsu-zei.com/
- 顧問先数:約300件(法人120社、個人180件)
- 顧問先の売上高:1千万円弱~2億円程度
- 使用会計ソフト:弥生会計が9割、他社のクラウド会計ソフトが1割
- 顧問先が使用している会計ソフト:顧問先の9割が会計ソフトを利用していない(残り1割は主に弥生会計)
- 記帳代行支援サービスを使い始めた時期:2020年8月(サービス開始前のベータ期間から利用)
- サービスの方針:
- 原則としてお客さまに定期的に訪問する(訪問頻度はお客さまとの契約による。)
- 訪問時には資料を回収し相談にのる(特に資金繰り、財務に関する相談は多い)
- 事務所経営における方針:
- 中小企業の財務部長的な立場で相談業務に比重を置く
- 業務を標準化して残業時間を削減する
※事務所概要は記事公開時点での情報です。また、本記事は2021年4月21日に行ったインタビューを元に執筆しています。
導入前の課題 –記帳代行支援サービス
―村松先生の事務所では、記帳代行業務をどのように提供していますか?
当事務所では、担当者がお客様ごとに書類の回収・入力・報告をすべて一人で行っています。入力に関しては、一部、パートの方に手伝ってもらうこともあります。
また、お客様の9割に記帳代行を提供しており、確定申告期には1年分の資料をまとめてお預かりすることも多く、入力のボリュームがかなりあります。
そのため、お恥ずかしながら、以前は平常時でもスタッフの退社時間が21時前後となり、確定申告期はさらに遅くまで残業していることもありました。
―かなり残業が多かったとのことですが、これまでに業務改善に取り組まれたことはあったのですか?
データで資料を回収して効率化を図ろうと思い、お客様に協力をお願いしたことがありました。
けれども、お客様にとってはこれまで紙の証憑を郵送するだけでよかったものを、わざわざスキャンをしてデータにして会計事務所に渡すメリットがなく、協力していただけるところはあまりありませんでした。
また、オンラインバンキングと会計ソフトを連携した記帳の自動化もご提案しましたが、オンラインバンキングを利用しているお客様も少なく、やはりこちらもわざわざ変更してくださるお客さまがほとんどおらず、受け入れてはいただけませんでした。
そのため、良い解決策がみつからないまま、従来通り、紙で資料をお預かりするお客様がほとんどという状況で記帳代行を行っていました。
- 記帳代行の割合が高いため、入力するボリュームが多い状況だった。
- 確定申告期でない時期も恒常的に残業が多くなっていた。
- 自動化やデータ化を試みたこともあるが、お客さまの意向で進まなかった。
選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
―今回、弥生の記帳代行支援サービスの導入を決めたポイントはありますか?
メインで使っている会計ソフトが弥生さんなので、同じく弥生さんの記帳代行支援サービスとは相性が良いと思っていました。無料体験プランで使い勝手を確認してみて、業務効率化の効果も見えたのですぐに導入を決めました。
―比較したサービスはありますか?
他社さんの記帳代行サービスのお話も聞きましたが、当事務所は弥生会計の使用割合が高いこと、また、費用面も他社さんと比較しましたが、あまり差もなかったので、使い勝手の良さで弥生さんに決めました。
-
- 弥生会計をメインに使っていたことから弥生のサービスと相性が良いと思っていた。
- 無料体験プランでサービスの効果を確認してから導入できた。
- 他社のサービスと比較して費用面でも遜色がなかった。
導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
―初めはどのようなお客様から導入しましたか?
まずはスタッフに1、2社試してもらい、やり方や感触をつかんだ後、確定申告期に法人20件と個人の確定申告50件ほど一気に導入しました。今後は、すべての法人顧客へ導入していこうと考えています。
―記帳代行支援サービスを導入するとき気になる点はありましたか?
利用する前は学習機能がどれぐらい働くのか不安もあり、たくさん頼んでも無駄になってしまうかもしれないとも考え、通帳1枚だけを試してみるなど少しずつ進めていきました。
しかし、使い始めてみると学習機能が非常に高いことがすぐにわかり、どんどん活用するようになりました。
―導入時に苦労した点はありましたか?
導入当初は、どんな細かい相談でも弥生さんの営業担当の方が毎日のように電話でサポートしてくれて、特に苦労したことはありません。私もスタッフも毎日のように弥生さんに電話をしていましたが、とても丁寧にサポートいただけました。
―記帳代行支援サービスを導入して、お客様との資料のやり取りなど、業務の流れに何か変化はありましたか?
お客様はこれまで通り毎月の資料を当事務所に渡すだけなので、特に気にされてはいません。所内の業務もスキャンをするだけですし、以前より早く数字を報告できるようになったので、お客さまにも好意的に受け止めていただいています。
- 学習機能がどの程度働くか不安だったが予想以上に効果的だった。
- お客様にも負担をかけることなく、数字が早く報告できるようになり好意的に受け止めてもらえた。
導入後の成果 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービス導入後は何か変化はありましたか?
お客さまに早く試算表を届けられるようになったことに加えて、スタッフの残業時間を大きく削減することができました。これまで21時まで残業していたのが、担当顧客の決算が集中している月でなければ19時前には帰社できるようになり、早く帰れるようになったとみな喜んでいます。
また、記帳代行支援サービスを導入してから、スタッフの時間の使い方や仕事への姿勢も変わってきたように感じています。効率を考えるようになった人、空いた時間に勉強する人、お客様への対応時間を増やす人も出てきており、良い影響がありました。
- お客さまに早く数字を届けられるようになった。
- 21時過ぎまで残業することが当たり前だったが、19時前には帰れるようになった。
- スタッフの働き方、意識にも良い変化があった。
使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービスを使い始めたときの印象はいかがでしたか?
サービスを導入したのは昨年(2020年)の夏*ですが、実は春にも一度導入を検討した時期がありました。当時はスタッフから「自分で入力しないと中身が分からないから嫌」という反応が多く、抵抗が強くて断念しました。
*サービス開始前のベータ期間から利用
その後、あらためて弥生さんの営業担当の方から無料体験プランが利用できると連絡をいただき、今度は導入することを前提としてなかば私の一存で話を進めていきました。
スタッフの反応は気になったものの、実際に使ってみたところスタッフからも大変評判が良く、もっと早く入れておけば良かったという声もあがってきました。
―サービスは、通帳やレシートなど、お客様から預かる資料すべてに利用していますか?
カード明細、通帳や当座勘定照合表にも利用しています。カード明細は表記は見やすく単純ですが、入力に手間がかかるので利用したほうが良いと思っています。
一方、現金払いの領収書には利用せずに手入力を行っています。領収書も読み込ませたらどうかとスタッフと相談したこともあるのですが、年に1度まとめて領収書を預かる場合、スキャンが大量になるため手入力より時間がかかる印象がありました。
そこで、実際に、スキャンする場合と、会計ソフトに直接入力する場合と、Excelに打ってスマート取引取込を使って取り込む場合の3つを比較してみましたが、会計ソフトへの直接入力とExcelを利用した場合の方が早かったので、領収書については利用しないこととしました。
ただ、それでも時間短縮の効果はかなり上がっています。
―成果物の品質についてはいかがでしたか?
初回のお客様を取り込むときは多少の設定も必要で手間はありますが、2回目以降は学習機能が効いているので特に苦労はありませんでした。
―導入する前にスタッフの方々から挙がっていた「自分で入力しないと中身が分からない」という声に関してはいかがでしたか?
導入してみると特に問題はなさそうです。
確かに自分で入力することでよくわかる部分もあるとは思いますが、それではいつまでも労力がかかってしまいますし、そもそも「出来上がったものを見る力」はこの業界では大切な要素です。
記帳代行支援サービスを利用するようになり、スタッフのそういった力も以前よりついてきたと思います。
―記帳代行支援サービスの料金についてはいかがですか?
記帳代行支援サービスを利用することで、弥生さんへの料金が発生しますが、利用していなければスタッフの残業代や繁忙期に雇うアルバイトの人件費がかかりますので、料金がかかること自体は気になっていません。
もちろん、より安ければ安いほど嬉しいですが、年間トータルで見ると、許容範囲内に収まっていると感じています。
- 導入前はスタッフから反対の声があったが、使ってみたらもっと早く使えば良かったという声が多かった。
- 料金はより安ければ嬉しいが、許容範囲内の印象。
記帳代行支援サービスへの要望
―記帳代行支援サービスの内容についてご要望はありますか?
学習機能、通帳の読み込み、料金プランについて気になる点があります。
学習機能について、摘要欄を忠実に反映しすぎる点が気になっています。
たとえば、返済回数120回の借入金の1回目の返済のとき、摘要欄を「120分の1」で入力すると、翌月の摘要欄にも120分の1が反映されます。同様に、摘要を「1月分」とした場合も、翌月も1月分になってしまいますので、そういった点も柔軟に設定できるとより使いやすいと思っています。
通帳の読み込みについては、読み込む際の日付指定ができるとありがたいです。
例えば、4月分の通帳データを読み込むにあたって、ページの途中で3月から4月に変わっている場合、すでに入力が終わっている3月分がもう一度読み込まれるので、改善して頂けると嬉しいです。
また、料金プランについては、10件の顧問先が登録可能なプランで利用させて頂いているのですが、年1回でまとめて対応するお客様については、利用のタイミングで都度登録しており、その手間がかかっています。必ずしも毎月記帳をするお客さまばかりではないので、そちらに合わせたプランもあると良いなと思っています。
- 学習機能をより柔軟に設定できるよう改善してほしい。
- 通帳を読み込むときに日付指定ができるようにしてほしい。
- より使いやすい料金プランも用意してほしい。
記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
―記帳代行支援サービスを導入して時間に余裕ができたということですが、今後の展望はありますか?
今後は、法人顧客については、特殊法人を除いて、全件に導入したいと考えています。
また、内部処理班と担当班に分けた製販分離を行い、内部処理班がすべての記帳代行を担当する体制にしたいと思っています。担当が代わっても分からないことがないよう、属人化しない体制づくりを目指しているところです。
―導入を検討している会計事務所の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。
付加価値業務をとりいれたいと考えている事務所の皆様には、導入していただくのが良いと思います。
スキャンしてから仕訳データの納品まで1営業日のため、そこにスキマ時間ができます。この時間を付加価値業務などに活用すれば、間違いなく効率は上がるのではないでしょうか。
―本日は、貴重なお話やご意見をありがとうございました。
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