東証1部移行基準緩和と東芝の今後、SECがPCAOB吸収か、公認会計士協会会長が不正増加に声明など3件:今月の会計士業界ニュース(2020年2月その1)

2020年2月の監査法人関連ニュースをまとめました。

2020年2月5日、13日、14日にリリースされた「東証1部移行基準緩和と東芝の今後」「SECがPCAOB吸収か」「公認会計士協会会長が不正増加に声明」の3件のニュースをご紹介します。

東証1部移行基準緩和と東芝の今後

東証の1部市場への移行要件が緩和されるということで注目が集まっていましたが、ようやく実現されました。

今回、東証2部から1部への移行要件緩和に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

東京証券取引所は5日、2部市場から1部市場への移行基準を7日から緩和すると発表した。従来は監査法人の適正意見がついた有価証券報告書(有報)が直近5年分必要だったが、2年分で移行できるようになる。

引用元:東証、2部から1部への昇格要件を緩和 7日から(日本経済新聞 2020年2月5日付)

記事によると、移行基準緩和で、現在2部に上場している東芝の1部復帰が早まると目されていましたが、1月に子会社不正取引が発覚したことで、審査通過に時間がかかる可能性が出てきたということです。

移行基準緩和や子会社の不正取引発覚など、ニュースが出るたびに東芝の株価が乱高下し、一喜一憂している投資家は多いのではないでしょうか。無事に1部に昇格し、投資家の期待に応えることができるのか、今後の東芝の動向が気になるところです。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。

SECがPCAOB吸収か

相次ぐ不正会計を受けて、監査厳格化は世界的な潮流となっています。ところが、トランプ米政権が流れに逆行するような施策を打ち出したことで、米国市場関係者の間に波紋が広がっています。

今回、米証券取引委員会(SEC)が上場企業会計監視委員会(PCAOB)を吸収するという記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

トランプ米政権は、監査法人を監督する上場企業会計監視委員会(PCAOB)を米証券取引委員会(SEC)に吸収させる方針を明らかにした。政権発足から3年で財政赤字が膨らみ、歳出削減策の一つとして予算案に統合計画が盛り込まれた。

引用元:米「監査法人の番人」に逆風 PCAOBをSEC吸収(日本経済新聞 2020年2月13日付)

記事によると、PCAOBは2022年中にSECに吸収される見通しで、2030年までに計5億8千万ドル(約630億円)の歳出削減効果が期待されているということです。一方で、統合により監査法人に対する監督機能が弱まり、監査の質が低下するのではないかと不安が広まっています。

米国資本市場は投資家からの信用を失わないためにも、慎重な判断が求められるところです。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。

公認会計士協会会長が不正増加に声明

不正会計を受けて、監査法人のガバナンスコード導入や株主等に対する情報提供の充実など、監査の信頼向上のため様々な制度が導入されてきました。ですが、なかなか効果が上がらず、2019年は不正会計が70件と過去最多に上ってしまいました。

今回、日本公認会計士協会の手塚会長の声明に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

日本公認会計士協会の手塚正彦会長は14日、上場企業で相次ぐ不適切会計について声明を発表した。「不適切会計に関連して監査の重大な不備が指摘されることになれば、監査の信頼性を損なうことが懸念される」と強調。

引用元:「不正会計、監査の信頼損なう」会計士協会長が声明(日本経済新聞 2020年2月14日付)

記事によると、上場企業の不正会計が相次いでおり、手塚会長から会員に対して、監査における不正リスクへの対応基準などを改めて確認するよう呼び掛けているということです。

監査の厳格化で監査手続は増加する一方で、監査時間は限られています。重点的に監査をするポイントがどこにあるのか、監査人としての資質が問われている気がしてなりません。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧

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