2020年1月の監査法人関連ニュースをまとめました。
2020年1月23日、24日、30日にリリースされた「監査契約長期化の実態が判明」「PwCジャパン木村代表が語るリーダー論」「不正会計過去最多の70件」の3件のニュースをご紹介します。
IPO大手監査法人から準大手へ
- 4大監査法人、IPO敬遠 昨年のシェア78% 10年で最低 リスク高く、人手も足りず(日本経済新聞 2020年1月23日付)
上場直後の不祥事発覚や監査法人の人手不足などを理由に、四大監査法人ではIPO監査の引受けが減少しています。昨年のIPOのシェアを見ると、四大監査法人が減る一方で、準大手監査法人はシェアを伸ばしています。
先日、公認会計士ナビでも以下の記事で特集させて頂きました。
今回、四大監査法人のIPO敬遠に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
新規株式公開(IPO)の監査業務で「ビッグ4」と呼ばれる四大監査法人のシェアが低下している。2019年の四大法人のシェアは前年比9ポイント減の78%と過去10年で最低になった。
引用元:4大監査法人、IPO敬遠 昨年のシェア78% 10年で最低 リスク高く、人手も足りず(日本経済新聞 2020年1月23日付)
記事によると、2019年にIPOした86社のうち四大監査法人が監査を手掛けたのは67社で昨年と比べて11社減少しており、時価総額の大きい企業の引き受けがされているということです。
活気ある資本市場を維持するためには、IPO監査難民は避けては通れない問題です。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 4大監査法人、IPO敬遠 昨年のシェア78% 10年で最低 リスク高く、人手も足りず(日本経済新聞 2020年1月23日付)
PwCジャパン木村代表が語るリーダー論
- 「理路整然・分かりやすく」で組織導く 説明に全力 PwCジャパングループ 木村浩一郎代表(上)(日本経済新聞 2020年1月23日付)
- 意見戦わせ優先順位判断 PwCジャパングループ 木村浩一郎代表(下)(日本経済新聞 2020年1月30日付)
PwCジャパングループの木村浩一郎代表は、2016年に50代前半という若さで代表に就任された方です。
今回、組織を導くリーダー論についての木村代表へのインタビュー記事が、1月23日と30日の2日間に渡り日本経済新聞よりリリースされています。
世界4大監査法人グループのひとつPwCグローバルネットワーク。その日本でのトップを務めるのがPwCジャパングループの木村浩一郎代表だ。(中略)木村代表は「しっかり理解して、納得してもらうために、リーダーには全力を尽くす義務がある」と話す。
引用元:「理路整然・分かりやすく」で組織導く 説明に全力 PwCジャパングループ 木村浩一郎代表(上)(日本経済新聞 2020年1月23日付)
1月23日付けの記事によると、木村代表は、「自分で全部をやろうとしてはいけない」、「組織の結論を出すときはPwCにとって正しいかを判断基準とする」、「方向性を明確に示す」ことがリーダーに必要だと考えているそうです。また、米シカゴでの駐在経験から、「理路整然と分かりやすく伝える」ことがリーダーには必要だともおっしゃっています。
監査法人トップからグループ代表に就いた木村浩一郎代表は、多様な法人で構成される企業集団を率いるうえで「ケンカも反対意見も大切」と強調。「その中で落としどころを見つけて決断するのがリーダーの役目」と説く。
引用元:「理路整然・分かりやすく」で組織導く 説明に全力 PwCジャパングループ 木村浩一郎代表(上)(日本経済新聞 2020年1月23日付)
また、後編となる1月30日付けの記事では、代表就任当初にPwCジャパングループとして連携を強めていく過程であった苦労談や、次世代リーダーの育成に対する考え方がまとめられています。
監査法人にいながらリーダー論を学びたい方にとって、木村代表のリーダー論は参考になるのではないでしょうか。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 「理路整然・分かりやすく」で組織導く 説明に全力 PwCジャパングループ 木村浩一郎代表(上)(日本経済新聞 2020年1月23日付)
- 意見戦わせ優先順位判断 PwCジャパングループ 木村浩一郎代表(下)(日本経済新聞 2020年1月30日付)
不正会計過去最多の70件
- 2019年「不正会計」70件で過去最多に 前年比3割増(日本経済新聞 2020年1月24日付)
IPO直後に不正会計が発覚する事件が起きていますが、IPO直後に限らず、不正会計はどのぐらい発生しているのでしょうか。
今回、東京商工リサーチが調査した「不正会計」件数に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
東京商工リサーチは24日、2019年に不適切な会計や経理処理を開示した企業が前の年より3割多い70社だったと発表した。16年(57社)を上回り、調査を始めた08年以降で最多となった。
引用元:2019年「不正会計」70件で過去最多に 前年比3割増(日本経済新聞 2020年1月24日付)
記事によると、大和ハウス工業や、藤倉コンポジット、イオンフィナンシャルサービスなどの事例を挙げて、中国など海外を舞台にして不正会計が増えていると伝えられています。
ボーダーレスの企業が増える一方で、日本の親会社から目が行き届かない海外で不正が起きており、海外拠点の管理の重要度が増していることが分かります。記事では詳細が述べられていますので、ご参照ください。
- 2019年「不正会計」70件で過去最多に 前年比3割増(日本経済新聞 2020年1月24日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)