【追記】
最新版の監査法人比較は下記になります。下記ページをご参考ください。
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→BIG4監査法人を比較!2023年12月版_四大監査法人の決算・業績(売上・利益)、クライアント数、人員数ランキング!
今回、三大監査法人(あずさ・新日本・トーマツ)を「規模(人員)」「クライアント」「業績」の3点から簡単に比較してみました。
『BIG4監査法人』や『四大(三大)監査法人』などと呼ばれる大手監査法人ですが、そこにはどれくらいの差があるのでしょうか?3つの視点から少し具体的に見てみたいと思います。
なお、今回、あらた監査法人も含めた「四大監査法人」で比較できるとベストでしたが、数字の正確性を帰すため「業務及び財産の状況に関する説明書」を参考に検証しているため、三大監査法人(あずさ・新日本・トーマツ)のみでの比較となっています。(あらた監査法人は有限責任監査法人ではありませんので、「業務及び財産の状況に関する説明書」を公開しておりません。)
※各法人について下記の期の説明書を参考としました。
- 有限責任 あずさ監査法人 第28期 平成23年7月1日~平成24年6月30日
- 新日本有限責任監査法人 第13期 平成23年7月1日~平成24年6月30日
- 有限責任監査法人トーマツ 第45期 平成23年10月1日~平成24年9月30日
三大監査法人を『人員』で比較する
三大監査法人の人員数
それでは、まずは三大監査法人を『人員』から比較してみましょう。
あずさ | 新日本 | トーマツ | |
人員総数 | 5,744名 | 5,723名 | 5,307名 |
パートナー数 | 616名 | 639名 | 659名 |
パートナー比率 | 10.7% | 11.2% | 12.4% |
公認会計士数 | 2,842名 | 3,060名 | 2,583名 |
公認会計士比率 | 49.5% | 53.5% | 48.7% |
総人員数は、トーマツがあずさ・新日本と比較して400名ほど少ないもののほぼ同数です。
パートナー(社員・代表社員)数に関しては、各法人とも600~700名程度ですが、人員の総数にパートナーが占める比率は、あずさの10.7%とトーマツの12.4%で2%近い差があります。
公認会計士数(試験合格者・会計士補含まず)に関しては、新日本が頭ひとつ抜けており、3,060名の公認会計士を有しています。また、人員総数のうち公認会計士が53.5%を占めるなど、過半数が公認会計士資格者となっています。
このように人員に関しては、三大監査法人の間で多少の差は見られるものの、特別に大きな差は見られないようです。
ただし、あずさ監査法人に関しては、この決算後に希望退職の募集を行い、数百人の従業員が退職していますので、次回の決算では人員数や収益に反映されてくると思われます。
また、参考までに、あらた監査法人に関しては、ホームページの情報(2013年4月17日現在)によると、総人員数は1,990名と三大監査法人の約3分の1となっています。一方、パートナー数は104名であり、パートナー比率は5.2%と三大監査法人の半分となっています。
「パートナー数が少ない=パートナーになりやすい」とは単純に考えられないかもしれませんが、パートナー比率の高低は将来の昇格にも影響があるかもしれません。
三大監査法人を『クライアント数』で比較する
三大監査法人のクライアント概要
次に、三大監査法人をクライアント数から比較してみましょう。
あずさ | 新日本 | トーマツ | |
監査証明クライアント総数 | 3,308社 | 3,960社 | 3,599社 |
金商法・会社法 | 731社 | 1051社 | 931社 |
金商法 | 52社 | 59社 | 22社 |
会社法 | 1,339社 | 1,405社 | 1,136社 |
金商法クライアント比率※1 | 23.7% | 28.0% | 26.5% |
非監査証明クライアント数 | 1,981社 | 2,882社 | 3,216社 |
非監査証明クライアント比率※2 | 0.60 | 0.73 | 0.89 |
※1:{(金商法・会社法)+金商法}クライアント数/監査証明クライアント総数で計算。
※2:非監査証明クライアント数/監査証明クライアント数で計算。
監査証明クライアントに関しては、新日本が3,960社と最も多く有しており、金商法クライアントの比率も28.0%と最も高くなっています。(23.7%のあずさとは4.3%もの差があります。)
また、非監査クライアントに関しては、3,216社とトーマツが最多となっており、監査クライアント数に対する非監査クライアントの比率も0.89と、あずさの0.60と比較するとかなり高いものとなっています。(トーマツの非監査業務比率が高いことに関しては、クライアントや案件の詳細がわからないため理由に関しては何とも言えませんが、TS部門の存在や、多数の連結子会社を有する総合商社クライアントが多いことなども影響しているかもしれません。)
三大監査法人を『業務収入・利益』で比較する
三大監査法人の業務報酬・当期純利益 (単位:円)
それでは、最後に業務収入や利益を比較してみましょう。
あずさ | 新日本 | トーマツ | |
業務収入 | 82,871,718,000 | 92,975,000,000 | 82,443,000,000 |
構成員ひとりあたり業務収入 | 14,427,528 | 16,245,850 | 15,534,765 |
パートナーひとりあたり業務収入 | 134,532,010 | 145,500,782 | 125,103,187 |
経常利益 | 3,730,089,000 | 2,689,000,000 | 5,403,000,000 |
構成員ひとりあたり経常利益 | 649,389 | 469,858 | 1,018,089 |
パートナーひとりあたり経常利益 | 6,055,339 | 4,208,138 | 8,198,786 |
経常利益率 | 4.5% | 2.9% | 6.6% |
当期純利益 | 202,699,000 | 507,000,000 | 2,231,000,000 |
構成員ひとりあたり当期純利益 | 35,289 | 88,590 | 420,388 |
パートナーひとりあたり当期純利益 | 329,057 | 793,427 | 3,385,432 |
純利益率 | 0.24% | 0.55% | 2.71% |
業務収入に関しては、新日本が最も大きくなっており、構成員ならびにパートナーひとりあたりの売上も新日本がトップとなっています。
あずさとトーマツに関しては、業務収入はほぼ同じ水準ですが、あずさ監査法人のほうがトーマツより400名ほど人員が多いため、構成員ひとりあたりの業務収入はトーマツのほうが高くなっています。一方で、パートナーひとりあたりの業務収入ではあずさがトーマツを上回っています。
また、経常利益率・純利益率に関しては、トーマツがトップとなっており、これは2011年のリストラ効果が出ているのではとも推測できます。一方、売上など規模は大きいものの、2010年にいち早くリストラを終えている新日本の利益率が低い点は気になるところです。(興味のある方はさらに分析してみて下さい。当サイトでも機会があれば改めて分析して取り上げます。)
なお、前述のとおり、あずさ監査法人は今回取り上げた決算後に希望退職を行なっていますので、上記の数字よりも利益率は改善していると考えられます。
そういった点も踏まえると、2013年の決算は、三大監査法人全てがリストラを終えてから初の決算となるため、今後の業界の勢力図を予想するにあたって大きく参考になりそうです。
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