【第6回】同期や上司とどこで差がつく?会計士の転職に影響する要素:会計士のキャリア小六法

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「会計士のキャリア小六法」では、「会計士のキャリア形成についての考え方のポイント」をミニコラム形式でみなさんにわかりやすくお伝えしていきます。

第6回のテーマは「同期や上司とどこで差がつく?会計士の転職に影響する要素」です。

前回のキャリア小六法では、公認会計士のキャリアの基礎事項について触れましたが、今回はその要素についてもう少し掘り下げていきます。

まず、前回のおさらいですが、公認会計士のキャリアの基礎事項(書類選考などで最初に見られやすい項目)は下記の5つによって構成されます。

  1. 年齢
  2. 学歴・社歴
  3. 公認会計士試験合格までの期間
  4. 修了考査の合格
  5. 英語力

1、2、5に関しては、ビジネスパーソン全般に当てはまる項目であり、3と4は公認会計士特有の項目になりますが、それぞれの項目はどのような評価につながるのでしょうか?

年齢や学歴などはデリケートな話題で誤解も生みかねないため、一般的のメディアではあまり触れられませんが、わずかばかり実状に触れてみたいと思います。

1:年齢

若いほうが求人は多く、20代後半~30歳前後がピーク

本連載で過去にも述べましたが、転職市場においては20代後半から30歳前後の人材へのニーズが最も高く、求人も多くなります。これは、多くの企業において増員採用を行う場合には、スタッフ層を増員し、即戦力のスタッフ層としてちょうどよいのが20代後半~30代前半の人材だからです。

一方で、30代半ば以降では、求人数が減ったり、採用ハードルが徐々に上がっていきます。これは年齢が上がると求人の内容も、管理職の募集など、年齢相応の経験や実績を求める求人が増えてきたり、管理職のポジションは募集人数が少なかったりするためです。

もしくは、年齢が上がると、結婚して家族が増え、ローンを組んで家を買って…と年収が下げにくくなり、そういった点から応募できる求人の幅が狭まるというパターンもあります。

そのため、似たような経歴をした同期でも、3年前に転職した同期今転職しようとする自分の市場価値は異なる傾向があります。

※ちなみに、こう言った話題になると「若いうちに早く転職しましょう!」と煽る転職エージェントもいますが、キャリアは表面上の年齢だけでは決まりませんのでほとんどの場合は焦る必要はありません。

2:学歴・社歴

学歴は転職に影響するの?

公認会計士が転職するフィールドでは、ほとんどの分野では公認会計士資格と実務経験で市場価値が決まりますが、「どのような大学を卒業しているか」や「どんな企業で働いてきたか」が影響する場合もあります。 

学歴の話をすると「学歴主義」や「学歴差別」「学閥」のようなネガティブなイメージがありますが、ここでの趣旨はそういったものではありません。(一部、そう言った視点で選考する企業も残念ながら世の中にはありますが…)

どういった場合に影響するかと言うと、特に高い知的レベルが要求される業界や職種に応募するケースがあります。例えば、戦略コンサルや金融専門職などを思い浮かべるとイメージしやすいと思います。

公認会計士が転職するフィールドは、知的生産性を求められる分野が多く、そういった分野では選考時に「知的レベルの高さ(頭の良さ)」を図る指標のひとつとして学歴が意識されるケースもあります。

もしくは、ひとつの採用枠に対して複数の候補者が挙がってきた際に、学歴をひとつの要素として意識する企業もあります。

社歴はどう見られるの?

会計士の業界は基本的には専門性で評価されます。

そのため、社歴(転職歴)に関しては、一般よりも寛容な傾向がありますが、それでも、「短期での転職」や「意味のない転職」が続くと定着性に疑問を持たれ、評価が下がることもあります。

ただし、学歴や社歴はあくまで履歴書上のもので、書類選考や面接の第一印象ではプラスになるものの、面接で評価されるかどうかは別の話となります。

本質的には「それまで勤務した会社でどんな経験を積んできたか」「どんなスキルを持っているか」で判断されますので、学歴も社歴はあくまでも一要素で、毎回の転職先で経験値をアップさせているかが重要です。

3:公認会計士試験合格までの期間

どれくらいの期間、どのような状況で勉強したか

公認会計士の転職活動では、同じ試験に合格している人との比較になるため、合格までの期間やそこまでの内容も評価に影響があります。

一般的には、短い期間で合格しているほど評価されやすくなります。これは短期かつ少ない受験回数で合格していることによって「頭が良さそう」「要領が良さそう」という印象を与える効果があるためです。

もしくは、社会人合格の方であれば、勤務しながら勉強し合格していると印象は良いでしょう。

ただし、これは「会計士試験に合格するまで」の評価であり、転職の際は当然のことながら「合格後の経験」がより重視されますので、あくまで一要素ですし、評価への影響も限定的です。

4:修了考査の合格

なるべく早く合格することを目指す

かつては、受験すればほぼ全ての会計士が合格していた修了考査ですが、現在は60~70%台まで合格率が低下しています。(平成30年度はなんと50%台!)

この修了考査は、大部分の会計士が1~2回で合格する試験であるため、何度も落ちたり、受ける意思があるのに合格しないままにしておくことは評価ダウンにつながる場合もあります。もちろん、修了考査に好んで何度もチャレンジしたい人はいないと思いますが、修了考査はなるべく少ない回数で早めの合格を心がけることが重要です。

転職は修了考査合格後の方が良い?

「転職は、修了考査に受かってからの方が良いか?」ということは、会計士のみなさんが気にされる話題ですが、ひとつ指標を示すとすると「会計に近い距離にある仕事ほど、修了考査に合格している(会計士登録している)ほうが良い」傾向にあります。

FASや会計アドバイザリー、事業会社での経理職など会計関連の仕事での転職を考えている場合は、修了考査に合格してからのほうが転職が有利な傾向はあります。(このテーマに関してはまた機会を設けて詳しく解説します。)

5:英語力

目安はまずはTOEIC700点、理想は800点

近年では、日本企業のグローバル化が進んでいることもあり、英語力も重視されてきています。また、英語力があれば外資系企業やクロスボーダーディールを扱うアドバイザリーファームなど応募できる求人の選択肢も広がるため、転職活動を有利に進めやすくなります。

英語力の基準としては、実務で英語を使った経験があるかないかに関わらず、TOEICで700点あればひとまずは評価され、800点あれば高めの評価を受けることができます。また、TOEICなどの英語資格に加えて、実務での英語使用経験が豊富であれば、それに比例して評価が高まっていきます。

その他、英語に加えて中国語などの語学力があるとプラス評価となる場合もあります。

以上が公認会計士の市場価値に影響を与える5つの要素です。

限られたスペースでの説明のため、言葉足らずで少し誤解を与えた部分もあるかもしれませんので補足しておきますと、今号を読んで、

「え、オレ、もう30代だからキャリアアップとか転職とか厳しいの!?」

「会計士試験の合格に時間がかかったから自分は評価が低いの!?」

「去年、修了考査落ちたんだけど…ヤバい!?」

などと思われた方もおられるかもしれませんが、決してそうではありませんし、焦る必要はありません。

今回取り上げた5つの要素はあくまで一要素であり、キャリアはあなたの人柄や個性、スキルも含めた総合力で評価されます。(そもそも、これらすべての要素を完璧に兼ね備えている人もほとんどいませんので、人間であれば誰しも何かしら足りてない部分があるのが普通です。)

そして、最も重要なことは、これら5つの要素の背景にあるものを理解することによって、自分の強みや足りない部分を補い、キャリアを強くしたり個性を磨くこともできるという点です。

次回はこれらの要素を意識したキャリア形成について解説します。

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【改訂履歴】
「会計士のキャリア小六法」は時代に即したノウハウをお伝えするために不定期で改訂されております。本記事の改訂履歴は以下の通りです。
初稿:2013年12月19日
第2稿:2019年4月30日改訂

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