【第7回】いつか転職したい若手会計士におすすめの4つの準備:会計士のキャリア小六法

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「会計士のキャリア小六法」では、「会計士のキャリア形成についての考え方のポイント」をミニコラム形式でみなさんにわかりやすくお伝えしていきます。

第7回は「いつか転職したい若手会計士におすすめの4つの準備」です。

前回前々回では、転職市場での会計士の評価に影響するポイントを取り上げさせて頂きましたが、今回はそれらを踏まえて「いつか転職したい会計士は若いうちに何をしておくべきなのか」について解説したいと思います。

意外と多い、いつか転職したいけど何をしたいか決まっていない若手会計士

会計士試験に合格した方の多くは監査法人に就職されますが、その中にも「いつか転職したいと思っているけど、時期もやりたいことも決まっていない」という方も意外と多いと思います。

多くの場合、「ずっと監査法人にいるつもりはないけど、転職に向けて何かしておいたほうがいいのかな…」と漠然と考えつつも、なんとなく日々の仕事をこなしていたら、気がつけば時間が過ぎていた…というパターンも多いでしょう。

そして、転職したいという気持ちが高まった際に転職活動をスタートするのですが、その際には既に市場価値は決まってしまっています。

とは言え、「いつか転職したい」「いつか転職するかも」くらいでは、本格的な自己啓発やキャリアアップを行うまでにモチベーションが上がらなのも事実です。

では、「いつか転職したい」と考えながら監査法人に勤務している会計士は、どのようなことを意識しておけばよいのでしょうか?簡単に対策しておけることはあるのでしょうか?4つのポイントを紹介します。

いつか転職したい若手会計士がしておくべき4つのこと

今回ご紹介する対策は以下の4つです。

ただし、前述のとおり、「対策」と言っても、それほど大げさなものではなく、なんとなく「転職するかも…」くらいのモチベーションの方でも少し頑張ればやっておける当たり前なことをピックアップしています。 

  1. 修了考査にはなるべく早く受かっておく
  2. TOEICを取得しておく -最低700点、目標は800点
  3. インチャージやシニアスタッフへの昇格など、社内での評価は高めておく
  4. 転職に関する情報は早めに行っておく

1:修了考査にはなるべく早く受かっておく

修了考査を何回も受けたいと思う人はいないと思いますが、修了考査になるべく早く合格しておくことは大切です。

近年は合格率が5~6割の修了考査、それでも修了考査は会計士なら受かって当然というような見られ方は強くあります。修了考査に早く受かっていることによって勤勉さが評価されますし、会計系ファームやFASでは合格していることが採用基準となるケースもあります。

また、早く受かることによって、その後の時間を有効に使うことができますので、スキルアップやその他の自己啓発などにも時間が使えます。

2:TOEICを取得しておく -最低700点、目標は800点

TOEICを取得しておくことによって転職市場での評価は大きく変わってきます。

最近は法人内で受けなければならないこともあると思いますが、少し頑張って公式のTOEICテストも受けておくと良いでしょう。点数としては、履歴書に書くのであれば600点程度からOKですが、最低限アピールするために700点、評価されるためには800点を目標とするのが目安です。

3:インチャージやシニアスタッフへの昇格など、社内での評価は高めておく

転職するのか、それとも、今の勤務先に勤め続けるのかが明確に決まっていないと、目の前の仕事や昇格に対しても貪欲にはなれないかもしれません。けれども、いつか辞めるかも知れないと考えている人こそ、社内での評価を得ておいて損はありません。

ずば抜けた評価を勝ち取る必要はありませんので、インチャージ経験やシニアスタッフへの昇格など、目安としては同期の中で平均以上のキャリアを維持しておくことを心がけておきましょう。

4:転職に関する情報収集は早めに行っておく

これが意外と重要なのですが、転職に関する情報収集は早めに行っておくことは大切です。

転職はしようと思えば勢いですぐにできますが、監査や会計の仕事をしている公認会計士の場合、四半期ごとにアサインがあり繁忙期が巡ってきます。そのため、この四半期のジョブが終わってから…と考えていると、転職活動も細切れになってスタートダッシュがかけられなかったり、活動期間が間延びしてしまったりと、意外と時間がかかることも少なくありません。

また、FAS、コンサル、事業会社(ベンチャー・上場企業、日系・外資)、金融機関…など選択肢も多いので、急に転職しようと思ったり、転職をしなければならない状況になったりしても、進路や方向性を決めるのに時間がかかってしまうケースもあります。

転職した友人や先輩、転職エージェントから話を聞くので構いませんので、なるべく早いタイミングから少しずつ情報を集め、事前準備をしておきましょう。

以上、4つのポイントです。

第5回と6回でも述べたように、転職市場では「すごい実績」がなくても、「キャリアの基礎」がしっかりしていれば十分に評価されます。 

例えば、上記の4つをしっかりと満たしているだけで、転職エージェントに行けば紹介してくれる求人の数や質が違いますし、書類選考の通過率も違います。漠然と「長く監査法人にはいないかもな…」と考えている方は参考にしてみてください。

なお、英語力や昇格・監査法人でのインチャージ経験など各項目の詳細に関しては、今後のキャリア小六法で解説していきますのでご期待ください。

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初稿:2013年12月19日
第2稿:2019年4月30日改訂

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この記事の著者

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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