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ゼロベースからの業務構築。新設法人の基幹システムを2ヶ月で立ち上げる。
COBOL PARK株式会社は、SCSK株式会社とベトナム最大手のIT企業FPT社とのジョイントベンチャーとして設立されました。金融機関などで多く稼働しているメインフレーム(COBOL等)システムの延命とモダナイゼーションを通じて、社会課題である「2025年の崖」の解決を目指しています。
案件概要
課題
- 新会社設立に伴う基幹システムの早期構築
- ゼロベースからの業務プロセスの設計
- 多系統のシステムの並行導入と高度なデータ連携基盤の確立
実施サービス
- 引合から売上計上に至る業務プロセス設計
- 「Fit to Standard」を前提とした、パッケージ標準機能への業務適合と要件最適化
効果
- 新システムの確実な導入と利用開始
- 運用・改善のベースとなる業務フローの確立
お話しを伺った方

COBOL PARK株式会社
経営企画本部 本部長
甲斐 芳和 様
開発本部 本部長
谷口 学 様
GWP
ERPコンサルティング部
林 尭史
肩書・経歴はインタビュー時のものです。(以下敬称略)
ご担当者の声
依頼背景
社会課題解決を掲げる新会社設立の背景
- 林
-
本日はよろしくお願いいたします。まずは、御社がSCSKとベトナムFPTの共同で設立された背景と、今回のシステム導入プロジェクトの経緯についてお聞かせください。
- 甲斐
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SCSKでは「2030年に売上1兆円」というビジョンを掲げており、ITエンジニアが不足する中、いかにリソースを確保し有効活用するかが大きな課題でした。そこでエンジニアを全体最適化してシェアリングするため、まずはjavaの領域から開発組織の集約と製造工程のオフ
ショア化を進めました。
その中で、提携していたベトナムのFPT社が現地に「COBOLアカデミー」を設立するなど、メインフレーム領域(企業の基幹業務システムや膨大なデータ処理を担うために特別に設計された、大型で高性能なコンピューター)の人材育成に注力していることが分かりました。
金融機関を中心に稼働するメインフレーム領域は、「2025年の崖」と呼ばれる社会課題です。この課題を全社的に突破するため、レガシーシステムにまつわる社会課題全般の解決を担う企業としてメインフレーム領域に強みのあるFPT社と共同で会社を設立しました。
(COBOL PARK 甲斐氏)
- 林
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そういった経緯で誕生した新会社だったのですね。その設立にあたって、事業の基幹システム面ではどのような課題感をお持ちだったのでしょうか。
- 谷口
-
会社設立から事業開始まで、実質数ヶ月という短期間で自前の基幹システムを用意しなければなりませんでした。 期間とコストを考慮し、販売管理に「ZAC」、会計に「勘定奉行」を導入する方針を決めました。しかし、社内に専任担当者もリソースも全くない状態からのスタートとなり、どこから手を付けようかと検討していました。
支援内容
業務が存在しない「ゼロベース」からのシステム構想
- 林
-
そんなタイミングで、ZACの提供元であるオロ社から弊社をご紹介いただいたのですね。外部のコンサルタントを入れることへの不安や、初めてお会いした際の我々の印象はいかがでしたか。
- 谷口
-
コンサルタントというと、大所高所から鋭い意見を言う「切れ者」が揃っていて、堅苦しいイメージを持っていました。しかし、初回面談から友好的で、「この人たちとなら一緒にやれる」と感じたのが率直な第一印象です。

- 林
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そのようにご期待いただき、大変ありがたく存じます。業務が存在しない「ゼロベース」からの設計ということでしたが、プロジェクトを振り返ると、どのように進み、また短期間で完遂できた要因を、どのようにお考えでしょうか。
- 甲斐
-
業務フローの構築に加えて、新会社のためマスターデータもないというゼロからの状況でした。しかし、期間や条件に厳しい制約があるからこそ柔軟に対応し、カスタマイズには頼らない方針をとりました。標準機能への業務適応を徹底したことが、短期間でのプロジェクト完遂を後押ししたと考えています。
- 林
-
そうですね。グローウィン・パートナーズ(以下、GWP)では、Quick Runのコンセプトに基づき、Fit to Standardの徹底および要件の優先順位付けによって、「まずは走り出しつつ、運用しながら改善する」というアプローチを提唱しています。今回のプロジェクトは短納期ではありましたが、システムの機能に業務フローを合わせる方針を当初より貴社がお持ちだったので、同じ考えのもと共に創り上げていけると考えておりました。
- 谷口
-
実務面ではSCSK独自システムである受発注システムとのデータ連携が重要課題だったので、ベンダーフリーで中立的かつ全体最適な視点でご提案いただけるGWPの存在は心強かったです。
特に印象的だったのは、ベンダーであるオロ社との打ち合わせの前に、GWPが毎回ZACの機能や論点を完璧に予習・整理してくださったことです。私たちが理解しきれていない部分を肩代わりしてリードしてくれたおかげで、スムーズに意思決定ができました。 - 林
-
ありがとうございます。我々も、COBOL PARKの社員になりきり、SCSKの業務マニュアルを読み込んで検証を行いました。現場の管理者や入力者、経理の皆様が極力作業内容を省くことができるよう、ユーザー側の視点に立った業務プロセスを意識しました。
また、システム外で行う業務内容といったアナログな部分にも当事者として関与し、必要十分かつシンプルな手順にすることを心がけました。実際の承認フローなど、谷口さんをはじめとした現場の管理職(ライン職)の方々を巻き込んでイレギュラー対応の解像度を上げていけたことも大きかったと思います。 - 谷口
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システム連携における具体的な部分では、データの入出力回数を極力抑制する設計も提案してくれましたね。
- 林
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複雑なシステム間のデータのやり取りは避け、販売管理、原価管理、経費管理などすべて一度ZACに集約したうえで、勘定奉行にデータ連携させて財務諸表の確認ができる運用にしました。日次バッチ処理は設けず、月次の締め処理を中心とした運用設計です。親会社向け月次連結対応もあり、タイトなサイクルではありますが、明確なルール設定をいたしました。

- 谷口
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業務がない状態でのスタートかつ、かなりタイトなスケジュールではありましたが、GWPの仮説ベースの提案や、現時点で決めること、決めないことの判断をリードしていただいたおかげで、無事に稼働することができました。
現在はシステムに日々修正や改善を加えながら動かしている状態です。
GWPに業務フローのベースとなる「叩き台」をしっかりと作っていただいたからこそ、それを基準にして実務に即したシステムに改善していくフェーズを実施しています。我々の手の届かないところを補い、圧倒的な当事者意識で伴走してくれたGWPがいなければ、絶対に10月の事業開始には間に合っていなかったでしょう。
今後の展望
COBOLで社会インフラの現在を支え、AIとグローバルで未来を描く
- 林
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COBOLの継続的な活用と将来的な移行に向けた選択肢の提供という、非常に社会貢献性の高い事業を展開されている貴社ですが、ぜひ今後の展望についてお聞かせください。
- 甲斐
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まずは、社会インフラであるメインフレームの「安心・安全」をしっかりと守り続けることです。世間ではレガシーシステムが足枷のように言われがちですが、銀行の住宅ローン計算など、絶対に止めてはいけない、1円のミスも起こしてはいけない社会インフラを支えているのはメインフレームです。
レガシーシステム自体が問題なのではなく、外部連携やデータ活用の困難さこそが課題なのです。モダナイゼーションすべき領域と保持すべき領域を明確に選定し、必要な部分には安心と安全を継続的に提供していきます。 - 林
-
「安心・安全」という基盤の上に、新たな技術の活用も据えられているのでしょうか。
- 甲斐
-
はい。メインフレームはどうしても時間のかかる開発が多いのですが、AIを導入することによって工期を短縮することで、お客様の商品のリリースサイクルが早くなります。メインフレームを単なるコストとしてみなすのではなく、戦略システムとしてトップライン(売上)を上げるような施策ができる「戦略的システム」に昇華していきたいと考えています。
結局のところ、金融機関が新しい商品を出しても、最終的にメインフレームに実装しないと解決しません。そこの開発期間を短くして柔軟にリリースできるようにすれば、メインフレームはコストではなくトップラインを上げるための手段になってきます。そういうところにAIを使っていきたいですね。 - 林
-
メインフレームが売上貢献の武器になるというのは、非常に素晴らしい視点ですね。
- 甲斐
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また、世界的に見てもメインフレームの需要は堅調です。データ量が爆発的に増大する中、クラウドを無限にスケールアウトさせるよりも、大量データを一括処理できるメインフレームの方がコストやパフォーマンスの面で優位になるケースがあり、アメリカやアジア、アフリカなどでも再評価されています。FPT社のグローバルネットワークも活かし、事業を拡大していきたいと考えています。
- 谷口
-
そういった構想も踏まえ、まずは社内に向けたシステム活用を進めたいです。現在はZACから抽出したデータを勘定奉行に連携させ、「業績予測の仕組み」の構築にも着手しています。
現状は標準的な基幹システムとして運用していますが、今後はより事業戦略に資するようなシステムの使い方を追求していきたいですね。 - 林
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ありがとうございます。社会インフラを支えるという、非常に意義深い事業を展開される皆様に、業務構築という形で伴走できたことを大変嬉しく、また心より感謝申し上げます。
今回の実質2ヶ月という非常に短納期でのシステム構築は、まさに当社の「Quick Run」アプローチの好事例だったと考えます。
最後に、同じような課題を抱え、導入手法を検討中の企業様へメッセージをお願いいたします。 - 甲斐
-
ITシステムにおいて他社との差別化要素にならない「非競争領域」は、パッケージが想定する標準的な業務の流れにそのまま合わせるのが今後のトレンドになっていくと考えています。
とはいえ、いざ自社への導入となると、資金や時間に余裕があるほど「あれもやってくれ」「今のやり方(現行踏襲)のままがいい」と過剰なカスタマイズを求めてしまいがちです。
今回は期間およびコストに厳しい制約がありましたが、我々はそれを壁と捉えるのではなく、「できないものは潔く諦める」という引き算の考え方を徹底しました。制約があったからこそ、既存の業務に固執せずパッケージの標準機能に合わせる決断ができ、それが結果的に、迷いなくプロジェクトを前進させる強い推進力へと転換できたのだと感じています。 - 谷口
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システム導入において、自社の業務をどうパッケージに当てはめるかという「引き算」の判断は非常に重要です。しかし、それを自社だけで完遂するのは容易ではありません。
だからこそ、コンサルタントを単なる外部の専門家として見るのではなく、同じ目線で取り組む「仲間」としてプロジェクトに参画いただくことが重要でした。
販売から会計に至るシステム全般の流れを深く理解し、我々の手の届かない実務までGWPが当事者として考えて伴走してくれたからこそ、我々も既存のやり方に固執することなく「Fit to Standard」の方針を貫き、実質2ヶ月という短期間での立ち上げを実現できたのだと実感しています。
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(COBOL PARK 甲斐氏)



























