2025年3月29日(土)に東京・茅場町にて第15回・公認会計士ナビonLive!!が開催されます。
本記事では、2024年8月31日(土)に「変わりゆく公認会計士のリアル」をテーマに開催された第14回公認会計士ナビonLive!!より、プレセッション「これからの会計士のネットワーキングと人的資産づくり」の様子をお届けします。
株式会社Konnect-linKの進藤さんは、公認会計士やスタートアップのイベントに週1回程度参加。交流会を通じて人脈を広げています。名刺交換した相手とはFacebookを上手く使いながら関係を構築。人脈をリスト化し、必要な時に迅速に連絡できるように管理しているそうです。
進藤さんのネットワーキング術やSNSの活用の仕方、イベントへの参加理由などに公認会計士ナビ編集長の手塚が迫ります。
※本記事の登壇者の肩書・経歴等はイベント登壇時のものになります。
※本記事の内容は公認会計士ナビにてセッションでの発言内容に編集を加えたものとなります。
監査法人にいた時は視野が狭かった、イベントに参加し始めた理由とは?
進藤(Konnect-linK):進藤綾子です。私は2015年に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツのトータルサービス事業部で上場会社や上場準備会社の会計監査や内部統制支援に携わっていました。
その後、IPO準備会社監査を専門とするESネクスト監査法人に入社し、15社程のIPO監査に関わりつつ、その傍ら、スタートアップの資金調達支援もしていました。
2024年7月には、経営コンサルティングとシステム開発を事業とする株式会社Konnect-linKにCFOとして参画しています。
株式会社Konnect-linK
執行役員CFO/公認会計士
進藤 綾子
2015年に公認会計士試験合格後、有限責任監査法人トーマツのIPO部門に入所。また、ESネクスト有限責任監査法人にて、IPO準備会社に10社超関与し、上場を見据えた課題抽出/会計監査に従事。その後、事業会社にてスタートアップ/中小企業の資金調達を経験し、株式会社Konnect-linKに参画、執行役員CFOに就任。
手塚(公認会計士ナビ):さて、本セッションのテーマは「これからの会計士のネットワーキングと人的資産づくり」。このテーマを選んだのは、1つの仮説があるからです。
私はこの業界に20年ほどいるのですが、これだけ時間が経つと、会計士試験に受かったばかりの若い頃から付き合いがあって現在は40代に突入した会計士の知人も相当数いるんですね。その中には当然、仕事で活躍していたり、社会的に成功していたり、満足度の高いキャリアや人生を歩んでいたりする人たちがいます。
そういう方々を見ていると、若いうちに「人との繋がり」や「人脈」を培っていたことが、すべてではないにせよ、主要な成功要因のひとつではないかなと思っているんです。
それで、こういったテーマを誰に話していただくのがいいかなと思ったのですが、進藤さんはいろいろなイベントに顔を出されていますし、実際、会計士のみなさんに聞いてもイベントで良く会う人として進藤さんのお名前が多くの方から挙がってくる方なので、このテーマにピッタリじゃないかなと思って、今回お声がけをしました。
株式会社ワイズアライアンス/代表取締役CEO
公認会計士ナビ編集長
手塚 佳彦
手塚(公認会計士ナビ):さて、それでは進藤さんにお話を聞いていきましょう。
まず、進藤さんは普段、どれぐらいのペースでイベントに参加していますか?
進藤(Konnect-linK):いろいろな方が来るイベントは週1程度です。会食などを含めればもっとありますね。
イベントの内容としては、今日のような会計士がたくさん集まるイベントもあれば、Konnect-linKのサービスがスタートアップ向けということもあって、スタートアップ向けのものも少なくありません。イベントの中身としては、前半がセミナーで後半が交流会といったものが多いですね。
手塚(公認会計士ナビ):イベントはどうやって探しているのですか?
進藤(Konnect-linK):最初の頃はどのイベントに行けばいいかわからなかったので、先輩に誘ってもらったものに積極的に顔を出すようにしていました。今はお誘いいただくものもありますし、知人がFacebookでシェアしていたイベントに行くことが多いですね。
スタートアップ関係のものだと、イベント情報をまとめたカレンダーがあるので、そこから情報を仕入れることもあります。
手塚(公認会計士ナビ):いろんなイベントがある中で、参加する・しないイベントをどのように判断しているか、教えてください。
進藤(Konnect-linK):登壇者を知っていたり、見かけたことがあったりするものに参加するケースが多いです。とはいえ、定期的に誰も知らないところに飛び込むことも大事にしているため、月に1〜2回はそういったイベントにも行くようにしています。
手塚(公認会計士ナビ):イベントに行くようになったきっかけはあるんですか?
進藤(Konnect-linK):修了考査を終えて同期がどんどん転職し始めて、その時期から外の世界に興味を持ちはじめたんです。それから先輩に誘ってもらったりして、いろんなイベントに伺うようになりました。外のイベントに参加するようになってから感じたのは、想像以上に「自分の視野が狭い」ということです。
監査法人の中でコミュニケーションをとるのは基本的には会計士が多いため、同じ思考で似たような生き方をしていることが多いかと思います。
でも、一歩外に出てると、同じような思考をもつ人と会うなんてことは、ほとんどありません。
外の方と会うことで、自分が見ている選択肢がいかに狭く、もっと選択肢は広げられると感じたことを覚えています。
挨拶したらすぐにメッセージを!相手に自分を思い出してもらうtipsは?
手塚(公認会計士ナビ):そもそも、進藤さんはどうしてイベントに数多く通い、ネットワークを広げているのでしょうか。
進藤(Konnect-linK):イベントでいろんな方に話を聞くことで、考え方や価値観が広がり、会計士やスタートアップではこういうキャリアが築けるんだと気づくことを楽しんでいます。
本を読んで知識を広げることもできますが、実務に携わっている人しかわからないこともありますし、詳しい人に聞く機会があるという意味でも、人脈があるといいですよね。
ちなみに私はXのアカウントをもっているのですが、そのDMで連絡をいただくこともありますし、リアルだけでなく、オンラインでの繋がりも大事だなと思っています。
手塚(公認会計士ナビ):交流会やイベントに参加するだけで、ネットワーキングしてもそれ以上発展しないという方も多いと思うんです。関係性を継続するためのコツがあれば教えてください。
進藤(Konnect-linK):交流会で挨拶をしたら、名刺をもらいますよね。私は名刺をもらった方については、可能ならその日中にFacebookで友人申請と「今日イベントでお会いした進藤です。ありがとうございました」といった類のメッセージを送っています。
進藤(Konnect-linK):特に、私はスタートアップの資金調達支援をしているため、起業家の方とVCやエンジェル投資家の方とを繋ぐことも多いんです。そのため投資家の方と挨拶した際には「資金調達支援をしているので、相性が良さそうなスタートアップがいたら紹介させてください」といったメッセージを送るようにしています。
手塚(公認会計士ナビ):「メッセージを送る」というのは意外に大事ですよね。僕もFacebookでは1,000人程と友達になっていますが、その中には「この人誰だっけ」という方が少なからずいます。
でもメッセージを遡って「こういう人です」という挨拶の履歴があると、思い出しますからね。
進藤(Konnect-linK):私は繋がっている人をExcelでリストにして管理もしています。「こういう人を繋ぎたい」となった際に「この人はどんな人だっけ」とゼロから思い出すのは大変ですからね。
例えば経営者、VC、金融機関、士業といった具合いで分類していて、経営者はさらに「今後、補助金や資金調達がといったイベントが起こりそうな会社の経営者」といった区分けをしています。それで実際にスタートアップとVCを繋ぐ必要性が出てきたら、そのリストから該当者を探してメッセージを送る…という感じです。
交流会で参加者と名刺交換をする進藤さん
人的資産が初めての相手に安心感を与えることも
手塚(公認会計士ナビ):ここまでの話では、自分から連絡したり繋いだりと進藤さんの「give」が前提になっていましたが、こういったことが「take」になる、つまり何かしらの自分のメリットになることもありますか?
進藤(Konnect-linK):いろんなイベントに顔を出して人脈を作ることで、仕事を紹介してもらう、人を繋いでもらう、今回みたいに登壇の機会をもらうということはもちろんあります。
手塚(公認会計士ナビ):進藤さんは、今日のこの場にも偶然知り合いがいたり、前で立ってもらって流暢に話してもらったりと、オープンな性格に見えますが、最初にイベントに出たときからそんな感じなんですか?
進藤(Konnect-linK):性格は変わっていないと思いますが、元々は人前に出て話すことは苦手ではありました。それを克服するために講師業をやっていた時期もあります。
ただ、知らない方に会う機会を日常的にもつようになってからは、そういったものもなくなってきましたね。
手塚(公認会計士ナビ):会計士の方にはコミュニケーションが得意でなかったり、自信のない人も多いと思います。例えば挨拶をして「はじめまして」から会話が続かないケースがあると思うのですが、どうしたらいいですかね?
進藤(Konnect-linK):例えば今日だったら、周りはみんな会計士なので「いつ合格したんですか?」「どこの監査法人にいるんですか?」といったことは聞きやすいですよね。
そこからFacebookの申請をする際に共通の知り合いがいれば「XXさんと知り合いですか?」というところから話が広がるのではないでしょうか。
手塚(公認会計士ナビ):じゃあコミュニケーションに自信のない会計士の方は、まず会計士の集まりから行くのがよさそうですね(笑)。
進藤(Konnect-linK):共通点があると話しやすいですからね。
手塚(公認会計士ナビ):ところで、先ほどからFacebookの名前ばかり出てきますが、近年SNSといったら、やはりTikTokやInstagramが優勢ですよね。
でもネットワーキングやコミュニケーションをとるならFacebookが有効なツールなのでしょうか。
進藤(Konnect-linK):私がスタートアップ界隈にいるからかもしれませんが、基本的にネットワーキング用のSNSにはFacebookを使っています。
元々私もそんなにFacebookは使っていなかったのですが、Facebook Messengerを仕事のやり取りで使うようになってから、自然とFacebookも使い始めました。
繰り返しになりますが、Facebookの良いところは、共通の友人が出てくる点です。共通の友人が多かったら相手の信頼感が上がりますし、そこから話も広がりますからね。
あるエンジェル投資家の方は、「相手が人的資産をもっているかどうかを大事にしている」とおっしゃっていました。相手のFacebookを見たときに共通の友人が多いと、いろいろなところに顔を出して人脈を築いているということがわかるので、その時点で安心度合いが上がるそうです。
Facebookで繋がると、相手の人間関係も見えてくるので、そういう意味では人を知るための便利なツールだと思います。
また申請して承認して始めて繋がることになるので、変な人が現れにくいというのも利点ですね。
手塚(公認会計士ナビ):ちゃんとした人と繋がれているということ自体が、その人の信頼度や信用として表れるというわけですね。
進藤さん、今日は会計士のネットワーキングと人的資産づくりについて教えていただき、ありがとうございました!会場のみなさん、今日の話を参考に、この後の懇親会でネットワーキングしてみてください。
【参加受付中!】第15回 公認会計士ナビonLive!! 開催!
第15回・公認会計士ナビonLive!!の開催が決定!
「会計士×付加価値との出会い」をテーマに、「独立」「M&Aアドバイザリー」「次世代のデータ分析スキル」「コミュニケーション力」といった分野にフォーカスをして公認会計士の方々にお話を伺い、みなさんとの交流の機会をお届けする予定です。みなさまのご参加お待ちしております!