紙ベースでの業務から脱却。業務効率化とペーパーレス化により、業務時間の30%以上を削減
ランサーズ株式会社
フリーランスと企業をオンラインでマッチングするプラットフォーム「Lancers」を運営しています。具体的には、フリーランスや正社員などで副業をされている方などの個人とお仕事を依頼したい企業をマッチングし、オンライン上で完結するサービスをメインに展開しています。他には、エンジニアやIT人材をエージェントを通してマッチングするサービス「Lancers Agent」やスキルの習得と仕事獲得のサイクルを目指した「Lancers Dagital Academy」や「MENTA」を運営しております。
※掲載内容は取材当時の情報です。
https://www.lancers.co.jp/
課題
- 紙ベースの承認申請によるミスリスクと修正作業が増加してしまっていた
- リモート勤務に対応できない紙ベースの申請・承認フローがあった
- マネージャーへの業務負荷の偏りによるチーム内問題が発生していた
結果
- 承認申請の体制が効率化され、業務時間が70時間削減された
- メンバーの業務時間が効率化され、学習意欲が高まった
- 自動連携により、証憑類の管理業務やミス防止の環境整備が効率化された
システム間の連携によって、経理業務だけでなく、内部監査対応の強化・効率化も実現
日本最大級のクラウドソーシングサービス「ランサーズ」の運営をはじめ、人材マッチングや教育などの多様なサービスを手掛けているランサーズ株式会社。コーポレート部門のメンバーは12名で、経理・財務・ビジネスオペレーション(営業事務)・法務の各部門に分かれています。これまで経理関連業務の申請・承認を紙ベースで行っていましたが、リモート業務の増加に伴い、ペーパーレス化と業務効率化を目指して2022年に「マネーフォワード クラウド会計Plus」を導入。「業務時間を大幅削減できた上、内部監査対応の強化・効率化にも役立った」という同社に、導入時の背景や導入後の効果を伺いました。
リモートワーク対応できる環境に向け、紙を使った承認対応など業務効率を改めて見直しへ
――まずは、貴社の事業概要やビジョンについてお聞かせください。
安川様:当社は、「すべてのビジネスを『ランサーの力』で前進させる」「誰もが自分らしく才能を発揮し、『誰かのプロ』になれる社会をつくる」という2つのビジョンを掲げ、クラウドソーシングサービス「ランサーズ」を日本最大級の規模へと成長させてきました。フリーランスとして活躍するプロフェッショナルの力を活かして、ビジネスをエンパワーメントしていくことを目指し、現在、ハイスキルなITフリーランスの人材紹介サービス「Lancers Agent」、企業とフリーコンサルタントを結ぶマッチングサービス「Professionals On Demand」なども展開しています。また、当社は、多くの人に価値と成長機会を提供し、個人の生活・働き方、あり方を変革することで、よりよい豊かな社会づくりに貢献していくことをミッションに掲げています。そのため、メタバースを活用したデジタルスキル教育サービス「ランサーズデジタルアカデミー」や、オンラインで多様な分野のプロフェッショナルに相談できるメンターサービス「MENTA」など、個の力を伸ばすサービスの展開にも注力しています。
――コーポレート部門の体制や、ご自身の役割、コーポレート部門全体における目標についてもお教えください。
安川様:当社のコーポレート部門は、経理・財務・ビジネスオペレーション(営業事務)・法務の4部門に分かれており、それぞれ独立した形で運営しています。経理業務を行う経理部門は6名が担当し、うち1名がマネージャーとして全ての承認・申請を担当しています。私自身は、これまで内部監査部門の部長として、内部監査に必要な体制整備を手掛けてきました。2023年4月より、コーポレート部長に就任し、今後は主に法務やビジネスオペレーションを見る予定です。
コーポレート部門全体では、数値的な目標だけでなく、メンバーの育成という面にも注力しています。部門としての”Must”を達成するのみでなく、そこからさらに踏み込んだ”Will”を実現することを目標に掲げており、今期は「生産性向上」と「コーポレートアクションの実施による事業貢献」という2点に集中して取り組んでいます。
――マネーフォワード クラウド会計Plusの導入に向かった背景・理由や、当時抱えていた課題についてお聞かせください。
安川様:業務効率化と内部統制の対応強化を目指し、ミスが発生しにくい環境と、業務負荷を軽減できる体制を整備することになりました。当時は、紙ベースで経理業務における承認申請を行っている状況がありました。仕訳作成の際には、仕訳伝票の根拠資料、内部監査の証憑・証跡を紙で打ち出し、そこに担当者が日付と名前を記入の上で押印するという、アナログな申請方法を続けていました。
承認申請の際には、押印まで終えたものをマネージャーに提出することが必要であり、マネージャーもまた、チェック後には承認の押印を押すことが必要でした。さらに、内部監査の時には、それらの紙の証憑類をすべてPDF化し、ファイル名を変更してからフォルダに格納していたため、非効率でしたね。
何より、紙ベースでの承認申請には、各自の作業工程でミスが発生しやすく、リスクがありました。そして、ミスが発生すれば、そのたびに修正作業や再度の承認申請が必要になり、さらなる業務負荷が掛かってしまいます。確認・修正などの対応に追われる中、月次の締め作業の精度も落ちやすくなり、月次決算の早期化など、とても実現できない状態でした。
また、リモート勤務の拡大に伴い、クラウド環境で申請・承認できるフローを実現することも必要でした。紙の場合は、各メンバーが出社しなくては提出自体ができません。月次5営業日締めに間に合わせるために、経理メンバーは月初4営業日などに出社して、午前中に印刷や記名、押印をして提出する形で対応していました。
しかし、承認を行う側のマネージャーにとっては、確認するための作業時間が足りず、残業も発生していました。実際、この承認業務に月110時間ほどかけて対処していました。マネージャーの負担が膨れ上がる中、チーム内での業務負荷に偏りが出てしまうことにも問題を感じていました。
経理部門には子育て中のメンバーが多いため、学校行事などでお休みする場合は、出社できないケースも多々あります。郵送では間に合わないので、後から承認申請をしなくてはならず、出社できないメンバーだけでなく、経理部門全体の業務にまで影響が及ぶことも問題でした。
これらの課題をトータルに解決すべく、ペーパーレス化とシステム化を推進し、工数削減とミス防止の環境実現に向かうことになったのです。
内部統制強化に必要な機能を満たす会計システムを検討。他領域との連携性と部分導入できる点が決め手に
――会計システムの導入に際して、他社との比較検討はされましたか。
安川様:今回の導入検討よりも以前に、内部統制強化に必要な機能を満たすクラウド型会計システムを探し、5社を比較検討したことがありました。検討の結果、2社に絞ったものの、専門的な会計知識に対応していなかったり、ファイルのインポート面で連携性が低かったり、機能そのものにまだまだ課題があると感じたことで、結局、導入決定まで至りませんでした。そのため、今回も同様の視点で、マネーフォワード クラウド会計Plusを含む3社で検討しました。
――マネーフォワード クラウド会計Plusに決定された理由についてお教えください。
安川様:当社は、すでにマネーフォワード クラウド債務支払とクラウド経費、クラウド請求書を導入していたため、自動連携の利便性に魅力を感じてマネーフォワード クラウド会計Plusを導入することにしました。
以前は、会計システムにファイルをインポートしてから紙に打ち出し、仕訳も内部監査に必要な証憑類もそれぞれ紙で確認する流れとなっていましたが、自動連携によって、それらの作業がすべて不要になりますし、保管してある大量の書類の中から必要なものを探す大変さも無くなります。自動連携によって工数削減ができることは明らかであり、社内の誰にとっても「経理業務の効率化を実現できる」ということが理解できたと思います。
また、当社では、パッケージシステムのような大規模なシステムに移行することは考えていませんでした。マネーフォワード クラウドなら部分的に導入できるので、それも選択のポイントになりましたね。
経理部門の業務時間を約30時間削減!効率化によって、さらなる改善意識が芽生えた上、採用にも好影響が
――実際に導入してみて、目に見えた効果などありましたら教えてください。
安川様:マネーフォワード クラウド会計Plusの導入で、クラウド上で承認申請ができるようになったため、承認申請の体制そのものを大きく効率化させることができました。これまで経理部門は、メンバーもマネージャーも余裕がない状態でしたが、働き方が改善されたことは非常に大きな効果だと感じます。もっとも業務負荷が掛かっていたのは、やはりマネージャーですが、月の業務時間を70時間削減することができ、大幅に負荷を減らすことができました。
また、「経理部門全体の月初業務にかかる時間をどう減らすか」という点も、恒常的な課題となっていましたが、導入後はメンバーの業務負担も大きく減り、経理部門全体で約30時間程度は削減できています。現在、経理部門のメンバー5名は、皆さん時短勤務をしていますが、それでも業務を回していくことができるようになりましたね。かつてフルタイム勤務のメンバー4名とマネージャーで経理業務をおこなっていた時期は、毎月の締め作業のために全員で時間をかけて業務をおこなっていました。当時の状況と比較すると、マネーフォワード クラウド会計Plusの導入効果の大きさをあらためて実感します。
――作業時間が大幅に削減されたことで、経理部門全体にどのような変化がありましたか。
安川様:以前は、ミスが発生すると、その処理に追われがちで、「業務を効率化しないとまずい」と考えていても、もはやそこにリソースを割く余裕などない状態でした。しかし、今まで非常に負担となっていた業務時間が削減されたおかげで、メンバー全員の頭がクリアになり、業務効率化についてさまざまなアイデアが出てくるようになったのです。「これもできそう」「あれもできそう」と、積極的に意見が交わされるなど、業務効率化への意識が向上し、さらなる改善に向かうことができています。
経理知識の向上という面でも、メンバーの意欲は向上していますね。以前から「もっと勉強したい」という声はありましたが、業務に追われる中、学ぶための時間を作ることが難しい状況でした。しかし、現在は余裕ができたおかげで各自の学習意欲がより高まり、「新しいことについて勉強したい」「税理士さんからこの領域の知識を学ぶにはどうすればいいのか」など、学びたいことについてマネージャーに相談しているそうです。
また、リモート環境で承認申請の対応ができるようになったため、現在、経理メンバーは、ほぼ出社なしで業務を遂行できています。子育て中のメンバーも働きやすい環境を実現したことで、採用にも良い影響がありました。最近、経理メンバー1名を中途で採用しましたが、「ご主人の転勤があるため、長く働き続けられるよう、フルリモート勤務を希望している」とのことでした。昨今の採用市場は厳しい状況が続いていますが、良い人材を採用できたのは、フルリモートで働ける環境を完全に整備できたからこそだと思います。
――業務効率化や内部統制の強化においては、具体的にどのような効果があったのでしょうか。
安川様:どちらにおいても、自動連携が非常に大きな効果をもたらしています。業務効率化という面では、まず、マネーフォワード クラウド会計Plusを起点に、マネーフォワード クラウド経費やマネーフォワード クラウド債務支払との自動連携ができるようになったため、紙を印刷する必要がなくなりました。以前は、領収書も紙で出力して保管していましたが、クラウド上での保管とデータ連携ができるため、膨大な証憑類の管理業務や管理スペースの確保が不要になりました。
また、ミス防止の環境整備にも役立ちました。以前使用していた会計システムは、債務支払いのデータをCSVで取り込んでも、源泉所得税を読み込む機能がなく、非常に不便でした。データを取り込んだ後、源泉所得税があるものだけを取り出し、行数を増やす形で再度、仕訳を作成していたので、ミスも発生しやすい状況でした。現在は、マネーフォワード クラウド会計Plus にCSVを取り込むだけで正しく反映されるので、ヒューマンエラーによるミスを防ぐことができています。
監査対応の際には、マネーフォワード クラウド会計Plusの仕訳からマネーフォワード クラウド債務支払に飛べるので、とても便利で助かっています。また、マネーフォワード クラウド債務支払には、支払日の仕訳も自動連携されます。以前の会計システムは、オプションで支払日を入れることが必要で、無駄な手間が掛かっていました。さらに、支払いデータを出力すると、すべて起票されてしまうため、マネージャーの再チェックが必要であり、ここにもひと手間掛かっていました。
しかし、今は直接API連携されるので、全員にデータを共有することができ、担当者の変更も簡単にできます。メンバーみんながチェックしてから、マネージャーがチェックすることが可能になり、ダブルチェックが簡単にできる体制を整備できました。加えて言えば、社員の経費精算についても、各自がマネーフォワード クラウド経費を通じて行い、領収書などの証跡も添付するため、経理メンバーが提出を依頼する手間もなくなりました。さまざまな面で、業務の効率化と内部統制の強化に大きく役立っています。
マネーフォワード クラウド会計Plusを中心に、そのほかの業務システムを連携させ、発展させていく
――今後の展望やマネーフォワードに期待することについてお教えください。
安川様:直近に、マネーフォワード クラウド請求書Plusを導入する予定です。2023年4月には、当社の連結子会社であるランサーズエージェンシーを吸収合併しましたが、ランサーズエージェンシーではマネーフォワード クラウド会計とマネーフォワード クラウド請求書を使用してきた状況があります。合併後は、全社統一でマネーフォワード クラウド会計Plusを使用する方針とし、さらにマネーフォワード クラウド請求書Plusを導入することで、より業務を効率化していきたいと考えています。
現時点では、どういう形でそれぞれのシステムを連携させ、どのように発展させていくのがベストかを考え、その方法を模索しています。入金消込を自動化するシステムや顧客管理システムも導入していますが、それぞれ運用している形のため、マネーフォワード クラウドを活用しながら、全体をうまくまとめていければと考えています。マネーフォワードには、この辺りの連携性についても大きく期待しています。今後、どのような形にしていけるのか、どんな方法があるのか、いろいろ相談していこうと思います。
――最後に、会計システムの導入・移行を検討されている方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
安川様:内部統制に必要な機能を満たす会計システムを探してみると、操作がわかりにくいものが多く、新しいシステム移行へのネックとなってしまいがちです。しかし、マネーフォワード クラウド会計Plusは、UIが非常にわかりやすいので、導入当初に「以前の会計システムと違い、会計知識がない一般の人が見ても感覚的にわかりやすそうだな」と思いましたね。どこから何をすればいいのかが、とてもわかりやすいので、誰でも感覚的に操作することができます。CSVデータも見やすくわかりやすいため、会計業務の知識がない人が見ても理解しやすいと思います。実際、経理メンバーからも「以前の会計システムより、使いやすくて満足している」という声が上がっています。
会計システムを移行する際には、できるだけUIがわかりやすく、使いやすいものを選んだ方が、現場のメンバーが操作を習得するまでの負担を軽減できるはずです。その点、マネーフォワード クラウド会計PlusのUIは、経理人材の会計知識が浅い場合にもすぐ使い方に慣れることができると思います。内部統制の強化だけでなく、使いやすいシステムで業務効率化を実現したい企業にもお勧めです。
※掲載内容は取材当時の情報です。
今回の導入サービス
引用元:紙ベースでの業務から脱却。業務効率化とペーパーレス化により、業務時間の30%以上を削減 – 「マネーフォワード クラウド会計Plus」導入事例