2024年2月の会計士業界ニュースをお届けします。
今回紹介するのは、「公認会計士による脱税事件4億3千万円の所得隠し」「元巨人プロ野球選手池田氏の公認会計士試験合格までの道のり」の2本です。
公認会計士による脱税事件4億3千万円の所得隠し
税理士法第1条では、納税義務の適正な実現を図ることが税理士の使命であると規定されています。顧問先の利益になるからといって、脱税の手助けをしてよいはずがないのですが、あってはならない脱税事件が起きてしまいました。
公認会計士による脱税事件に関する記事が、NHKからリリースされています。
ドラッグストアなどを運営する東京の会社の実質経営者と、公認会計士が、土地の売買などで得た利益、4億3000万円余りを隠し、1億円余りの法人税を脱税したとして、東京国税局から告発されました。
【引用元:土地売買で得た利益など隠し脱税か 会社の実質経営者ら告発(NHK 2024年1月29日付】
記事によると、実質経営者とその顧問税理士である公認会計士は、架空の経費を計上して不動産の売買で得た会社の利益4億3,000万円余りを隠し、1億円余りを脱税した疑いがあるとのことで、法人税法違反などの容疑で告発されたとのことです。
税理士法第45条第1項によれば、税理士が故意に脱税相談等の行為をした場合、2年以内の税理士業務の停止又は税理士業務の禁止の処分を課される可能性があります。本件は公認会計士全体の社会的な信頼も失うことにも繋がりかねず、厳しい責任が問われそうです。
元巨人・プロ野球選手池田駿氏の公認会計士試験合格までの道のり
公認会計士試験の魅力のひとつに、受験資格がないことが挙げられます。在学中も社会に出てからも、なりたいと思えばいつでも目指すことができます。
そんな公認会計士試験にチャレンジし見事に合格した元プロ野球選手池田駿さんに関する記事が、webSportivaから前編・後編の2本立てでリリースされています。
巨人や楽天で投手としてプレーした元プロ野球選手で、難関国家資格の公認会計士試験に合格した池田駿さん(31歳)にインタビュー。前編では、合格の喜びやプロ入り前の学生時代の文武両道について話を聞いた。
【引用元:元巨人左腕・池田駿が難関国家試験に合格 野球は「戦士」公認会計士は「魔法使い」?(webSportiva 2024年1月31日付) 】
前編では、池田さんが巨人から4位指名されたときの逸話や、子ども時代のエピソード、高校大学通しての野球人生について、池田さんが語っています。
後編では、試験へ向けた勉強とプロ野球の両立の話題から、アスリートのセカンドキャリアに対する思いにも言及した。
【引用元:元プロ野球・池田駿はシーズン中ロッカーでも試験勉強 公認会計士合格後のキャリアを語る(webSportiva 2024年1月31日付) 】
後編では、池田さんが公認会計士になろうと思ったきっかけや、公認会計士試験のために現役を引退したときの心境、公認会計士としての将来について伝えられています。
プロ野球選手という大きな夢を叶えた上に、公認会計士試験合格というもうひとつの夢も叶えた池田さん。セカンドキャリアのために資格を取ろうと思っている人のロールモデルになりそうですね。
今回取り上げたニュース
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)