このコーナーでは、弥生のサービスを活用して、会計事務所経営を効率化した弥生PAP会員様をご紹介していきます。
今回は、弥生の記帳代行支援サービスを活用している三八城税理士法人(みやぎぜいりしほうじん)様をご紹介いたします。
平成22年(2010年)に設立され、青森県八戸市を中心に税務会計サービスをご提供している三八城税理士法人様は、3名の税理士が代表を務め、代表それぞれが自身のチームを持つ共同経営スタイルで税理士法人を運営されております。
今回は、3名の代表税理士のおひとりである石橋博仁先生にお話を伺いました。
石橋先生のチームで記帳代行支援サービスを導入された理由とは?また、記帳代行を提供するお客様の割合が高い状況下で抱えていた課題や、業務効率化に対する課題、それをどう解決されたのかを伺いました。
本記事の目次
- 今回ご紹介するサービス
- 今回インタビューした会計事務所
- 導入前の課題 –記帳代行支援サービス
- 選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
- 導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
- 導入後の成果 –記帳代行支援サービス
- 使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
- 記帳代行支援サービスへの要望
- 記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
今回ご紹介するサービス
弥生の記帳代行支援サービス
会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化するサービスで、弥生PAP加入の会計事務所が利用できます。
記帳代行支援サービスでできること
紙証憑のデータもインターネットバンキングのデータも、弥生の記帳代行支援サービスを利用して自動で仕訳に変換することで、会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化します。納品された仕訳は、「弥生会計AE」で、仕訳と元の紙証憑の画像を同時に確認可能です。
記帳代行支援サービスの特徴
- 証憑データのお預かりから1営業日で納品
- 入力・確認・修正にかかる工数を減らし、相談などの付加価値業務の時間を増やせる
- 担当者ごとの品質バラつきやミスも減らせる
記帳代行支援サービスの料金や詳細については、下記をご確認ください。
今回インタビューした会計事務所
三八城税理士法人
青森県八戸市中心部で実績を重ねてきた石橋会計事務所、北山会計事務所がひとつとなり、平成22年(2010年)に三八城税理士法人が誕生。その後、平成29年(2017年)より島浦理税理士事務所が合流し、現在に至る。
青森県八戸市の法人や個人事業主を中心に、税務・会計サービスを提供し、パートナー企業である三八城サポート有限会社では経営支援やファイナンシャルプランニング、セミナー講師派遣なども行う。
代表者:石橋 博仁(税理士・CFP)
昭和43年(1968年)生まれ。千葉商科大学商学部卒業。ふたつの会計事務所で勤務した後、平成13年(2001年)に石橋会計事務所を開設。平成22年(2010年)に三八城税理士法人を開設する。税理士、CFP。
事務所概要
- 事務所の人員数:約20名(うち、石橋先生のチームが10名)
- WEBサイト:https://www.a-miyagi.jp/
- 顧問先数:法人130件、個人240~250件/年(石橋先生のチームの顧客数)
- 使用会計ソフト:主に弥生会計
- 顧問先が使用している会計ソフト:主に弥生会計、その他、顧問先の希望に応じて柔軟に対応
- 記帳代行サービスを使い始めた時期:2020年8月(サービス開始前のベータ期間から利用)
- サービスの方針:
- 月1回お客様を訪問することを基本
- 記帳代行は顧問先全体のうち9割
- 事務所経営における方針:
- 業務効率化でサービスレベルを向上させることを重視
- ITでできることはITに任せ、人がすべきことに集中する
※事務所概要は記事公開時点での情報です。また、本記事は2021年4月8日に行ったインタビューを元に執筆しています。
導入前の課題 –記帳代行支援サービス
―三八城税理士法人様では、記帳代行業務をどのように提供していますか?
弊社は代表税理士3名がそれぞれチームを持っていて、私のチームには10名のメンバーがいます。
お客様は、法人が約100件、個人が240~250件なのですが、そのうち9割近いお客様から記帳代行のご依頼を受けています。
チームの10名は、さらに複数のチームに分けていまして、記帳代行については各チームがそれぞれ判断して経験の浅い人やその時に手が空いている人などが入力を担当する体制をとっていました。
―記帳代行支援サービス導入前の課題はありましたか?
記帳代行に非常に手間がかかっており、特に確定申告時期の多忙さを解消したいと思っていました。
実は、過去には他社の記帳代行サービスや、会計のアウトソーシングサービスを利用していたり、クラウド会計ソフトを使って自動化を試みた時期もあったのですが、入力したほうが早かったりコストが見合わなかったりで、納得の行くサービスに出会えていませんでした。
- 記帳代行によって確定申告時期が多忙になることが長年の課題だった。
- いくつかの記帳代行関連サービスを試したものの、納得の行くサービスに出会えていなかった。
選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
―今回、弥生の記帳代行支援サービスの導入を決めたポイントはありますか?
これからの時代は、AIやRPAを積極的に活用して効率化する必要があると感じていましたが、我々のような小規模な会計事務所がそれらを開発するには高額なため、経済合理性を考えて、出来上がったシステムを活用しようと考えていました。
そのタイミングで、弥生さんから記帳代行支援サービスを始めるにあたって、ベータ期間に参加頂ける会計事務所を探しているとのご連絡をいただき、これまで納得のいく記帳代行サービスに出会えていなかったこともあり、迷わず参加させていただきました。
まずはひとつのお客様で導入してみて、徐々に使い方に慣れながら、現在は20数社のお客様の記帳代行で利用させていただいています。
三八城税理士法人のWEBサイト
―他に比較したサービスはありますか?
弥生さんのサービスが始まる以前にいくつかの記帳代行サービスやクラウド会計ソフトでの自動化を試してみたことがありますが、フィットするものが見つかりませんでした。
以前利用していた記帳代行サービスでは、証憑のPDF化が手間で、量が多くないお客様は入力した方が早いという理由でスタッフの利用が進みませんでした。
また、アウトソーシングサービスも利用しましたが、青森は人件費が安いため、アウトソーシング会社に青森の人件費と比較して割高な報酬を払うことにあまりメリットが感じられませんでした。
クラウド会計ソフトも自動取込は便利なものの、入力などその他の作業がスムーズでなかったため、一度クラウド会計ソフトに取り込んで自動仕訳されたものを、さらに弥生会計に取り込んで利用するなど結果的に非効率になってしまいました。また、ネットバンキングを利用していないお客様も多いので、自動取り込みも限られた件数しかできないという難点もありました。
そんな中で弥生の記帳代行支援サービスはそういった点でも問題なく助かっています。
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- コストを考え自社開発ではなく、外部のシステムを利用したいと思っていた。
- これまで使ったサービスと違い、PDF化の手間や料金面でも使いやすく、お客様にも負担がかからないサービスだった。
導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
―初めはどのようなお客様から導入しましたか?
最初は、導入しやすそうなお客様を1件選んで試しました。その後、1件ずつ増やしていき、現在では、法人23件と個人22件で利用しています。
―弥生の記帳代行支援サービスの導入で、特に苦労したところはありますか?
他社の記帳代行サービスを利用した経験があったため、切り替えの手間は特にありませんでした。
お客様には、守秘義務の説明をして承諾書をもらいながら切り替えていきましたが、弥生さんの認知度も高いため、お客様からもスムーズに協力してもらうことができました。
導入後の成果 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービス導入後は何か変化はありましたか?
記帳代行については、「資料をお預かりしてから、法人のお客様は2週間以内に、個人の確定申告のお客様は1週間以内に着手する。」という事務所ルールを設けていますが、以前は、資料をお預かりしてから着手するまで1、2週間ほどかかっていました。
弥生さんの記帳代行支援サービスに依頼しておくことで、従来であれば手つかずのまま資料が放置されていた1~2週間の間に仕訳が終わっているので、効率的に進められるようになりました。
また、先日、1名退職者が出ましたが、記帳代行支援サービスで業務が効率化していたおかげで、代わりの人を採用せずにすみました。また、繁忙期の残業も減っていると実感しています。
- 従来であれば資料が放置されていた期間に記帳代行が行われているため、業務効率が改善した。
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人手不足が解消され、確定申告時期の残業時間が削減できた。
使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービスはどの程度利用していますか?
今回の確定申告では、22件のお客様で利用しました。ただ、スタッフに声掛けをしたのが確定申告の直前であったため、もう少し早めに始めれば利用は伸びると思っています。
数多く利用した方が業務効率化の効果が実感できると思うので、次回は夏場から準備するつもりです。
―利用しているスタッフの皆さんの反応はいかがですか?
現場のスタッフからは、スキャンする資料の印字が薄い場合にPDF化に時間がかかるという意見が出ていました。うまく読めるか何回も確認作業を繰り返しているうちに、10分、20分と時間が経ってしまうようです。
ただ、今までは複合機でスキャンを行っていたため、より早くスキャンができるようモバイルスキャナを試してみることや、スキャン以外にもカメラで撮影したデータを利用するなど、まだまだ利用方法に改善点はあると感じています。
―記帳代行支援サービスの値段に関してはいかがですか?
人件費と比較すると割安感があり、コスト的に満足しています。
現在は人件費でいうと1人分相当の利用を行っていますが、利用が増えるほど生産性も上がる感じがするので、今後はもう少し利用を増やしていきたいです。
- 複合機でのPDF化は時間がかかった。モバイルスキャナやカメラでの撮影を活用してより効率化したい。
- 記帳代行支援サービスの料金は人件費と比べて割安で満足している。
記帳代行支援サービスへの要望
―改善して欲しいところや、要望はありますか?
現金出納帳のデータはそのまま取り込めますが、手書きのお客様も多いので、手書きでも頼めるようになると助かります。*
*現在は手書きの現金出納帳の読み込みも可能となっております。
また、これまでは証憑のスキャンに時間がかかっていましたが、弥生さんから複合機ではなくScanSnapであれば1分間に50~60枚を一気に読み込むことができ、領収書1,000枚でも30~40分でスキャンが完了する機種もあると教えていただきました。非常に便利そうなので、早速購入して試してみたいと思います。
- 手書きの現金出納帳も取り込めるようにして欲しい。(機能改善を行い反映済み)
- スキャンを効率的に行う方法を知りたい。(ScanSnapを利用するとより効率的にスキャン可能)
記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
―記帳代行支援サービスを導入して時間に余裕が持てるようになってきたということですが、今後の展望はありますか?
人がやらなくて良いことや、機械に任せたほうが良いことはどんどん任せて、効率の良い事務所を作っていきたいです。導入前はじっくりと試算表を眺めながらお客様のご相談にのる時間がありませんでしたが、削減した時間でサービスレベルを向上させていきたいです。
スタッフのワークライフバランスの面では、確定申告時期の残業を減らすことが出来ました。スタッフ皆が幸せになることが一番良いと思っています。
―導入を検討している会計事務所の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。
会計事務所は、新しいことに積極的に取り組むタイプの人が集まる職場ではないかと思いますので、スタッフがなかなか利用してくれないと悩まれる所長もおられるかと思います。
私も以前、CSVを使ってデータを取込む方法をスタッフに勧めたものの、最初はなかなか利用してもらえませんでした。その際、私がスタッフの隣について一緒に作業をして見せることで導入を進めました。
その経験から、今回もまず最初の1件は私が試すところから始めました。所長自身が手を動かすのは大変かもしれませんが、一番最初のきついところを自身が率先してやってみせることで、スムーズな導入につながると思います。
また、今回は確定申告直前で利用を開始したため、準備不足な部分もありましたが、弥生の記帳代行サービスには仕訳の学習機能があることから、次回はさらに効率的に行える手応えがあります。
社内の動きとしても、次回はお客様から早めに資料を頂いて仕訳のルール整備をするなどの工夫をしていくつもりです。
当事務所も以前は確定申告シーズンは寝る時間も削られる状況でしたが、弥生さんの記帳代行支援サービスを活用させていただいたことで、残業時間が減り、労働環境が改善しました。
導入初期は慣れないことに時間がかかるかもしれませんが、そこを越えてしまえば、繁忙期をスムーズに乗り切っていけるのではないでしょうか。
―本日は、貴重なお話やご意見をありがとうございました。
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