不動産鑑定士、社会保険労務士、司法書士:公認会計士とシナジーのある資格

公認会計士の中には他資格の取得にチャレンジされる方も少なくありません。本項では、公認会計士が取得を目指す人気資格や公認会計士資格とシナジーのあると思われる資格について、転職市場での実際の評価について解説します。(評価は★から★★★★★の5段階とし、★★★★★を最高値とします。)

不動産鑑定士

取得難度…★★★    転職市場での評価…★★

不動産鑑定士は不動産評価に関わる高度な資格です。取得も簡単ではなく、不動産業界では高く評価される資格ですが、逆に活躍のフィールドは不動産分野に限られてしまうというデメリットもあります。公認会計士資格とあわせてシナジーを生み出すには、不動産関連を強みとしつつも、不動産関連に偏り過ぎないバランスの良いキャリアを積むことが重要です。

概要・取得の際の注意点

  • 不動産鑑定士はニッチな分野の資格のため有効活用するのは少々難しめである。
  • 不動産鑑定士は、不動産鑑定士事務所や不動産会社、不動産ファンドなどで活躍できる有用な資格であるが、公認会計士資格との相乗効果を発揮することにフォーカスすると転職での選択肢は少なめである。
  • 不動産鑑定士と公認会計士資格とを併せた最もスタンダードな活用方法は、不動産の査定を含むデューデリジェンスやバリュエーション業務に携わることである。
  • 不動産鑑定士を取得することによって不動産業界での活躍の可能性が高まる。ただし、不動産業界自体が景気の影響を受けやすい業界であるため、実務経験が不動産業界に偏ってしまうと自身のキャリアも景気の影響を受けやすくなる。(不動産業界が不況の際に転職先が少なくなってしまう。)
  • 公認会計士としては、不動産デューデリジェンスやバリュエーションだけでなく、事業会社のデューデリジェンスやバリュエーションも並行して経験しているとキャリアが安定する。(事業会社向けのデューデリジェンスやバリュエーションの経験を有しつつ、特に「不動産に強い」キャリアを形成できると他のバランスの良いキャリアとなる。)
  • そういった意味では不動産ファンドで不動産関連のデューデリジェンスやバリュエーションのみを経験するのではなく、FASや投資銀行などでバランスの良い経験を積む方がキャリアは安定しやすい。
  • 不動産鑑定士は簡単な資格ではないが、取得しただけで公認会計士のキャリアを大きく強化したり、転職可能性を特段に高めたりできる資格ではないので、可能な限り在職したまま勉強し、取得することが望ましい資格である。

社会保険労務士

取得難度…★    転職市場での評価…

社会保険労務士は人事労務に関する資格であり、取得することにより人事労務分野での評価を高めることができます。また、社会保険労務士としての開業も可能となるなど、公認会計士資格との一定のシナジーが期待される資格です。一方で、人事労務に関連するポジションでなければ評価されませんので、自身の目指す分野とマッチした資格かどうかを確認した上で取得することがお勧めです。

概要・取得の際の注意点

  • 公認会計士が社会保険労務士資格を取得した場合、主にベンチャー~中堅企業への転職の際に有利となる。
  • ベンチャー企業、IPO準備企業での管理部長職など、会計業務以外にと人事労務などの業務も含まれるポジションで評価される傾向にある。
  • 大企業への転職の場合、社労士資格を取得していることは評価されるが、大企業では会計関連部門と人事労務部門が明確に分かれていることが多いため、公認会計士と社会保険労務士を共に活かせる機会は非常にあまり多くない。
  • 会計事務所への転職においては、社会保険労務士の資格はやや印象は良いものの、最終的には税務実務経験が重視されるため、社労士資格を取得したからといって転職が非常に有利になるほどの効果はない。
  • 会計ファームへの転職を検討する場合には、社会保険労務士の資格はあまりプラスにはならない。一部、中小~中堅企業向けの企業再生をメインに手掛けているファームなどでは、社労士資格が評価される場合もある。
  • 社会保険労務士資格を有していることによって、開業の際に社労士業務も行える点では有利である。
  • 社会保険労務士は取得難度がそれほど高い資格ではないため、在職しながら取得することが望ましい資格である。

公認会計士のための転職エージェント

司法書士

取得難度…★★    転職市場での評価…★

司法書士は登記や法務関連書類の作成を行うことが可能となる資格です。司法書士事務所の開業など独立も可能な資格ではありますが、転職市場での公認会計士資格とのシナジーはほとんどありません。

概要・取得の際の注意点

  • 司法書士資格は法務職への転職や司法書士事務所、法律事務所への転職の際にはやや有利となる資格だが、公認会計士資格とシナジーのある転職先は皆無に近い。
  • 税務経験のある公認会計士が会計事務所に転職する場合などには、司法書士資格を有しているとやや有利になる場合もある。
  • 独立開業を視野に入れている公認会計士の場合、登記業務などを引き受けることができるなど一定のメリットはある。
  • 司法書士資格の取得難度はやや高めだが、取得後に転職市場での価値を大きく高められる資格ではないので、在職しながら取得することが望ましい。

不動産鑑定士・社会保険労務士・司法書士を取得して活躍する公認会計士の記事を読む

公認会計士ナビでは、様々なフィールドで活躍する公認会計士の記事をまとめてあります。

下記ページをご参考ください。

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不動産鑑定士・社会保険労務士関連のおすすめ書籍

不動産鑑定士、社会保険労務士、司法書士について学ぶには下記の書籍が参考になります。

新・要説不動産鑑定評価基準

うかる社労士総合テキスト 2016年度版

うかる! 司法書士 必出3000選/全11科目[1]―民法・不動産登記法編

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【手塚佳彦/公認会計士ナビ編集長・株式会社ワイズアライアンス代表取締役CEO】 神戸大学卒業後、会計・税務・ファイナンス分野に特化した転職エージェントにて約10年勤務。東京、大阪、名古屋の3拠点にて人材紹介・転職支援、支社起ち上げ、事業企画等に従事。その後、グローバルネットワークに加盟するアドバイザリーファームにてWEB事業開発、採用・人材戦略を担当するなど、会計・税務・ファイナンス業界に精通。また、株式会社MisocaのアドバイザーとしてMisoca経営陣を創業期から支え、弥生へのEXITを支援するなどスタートアップ業界にも造詣が深い。 2013年10月、株式会社ワイズアライアンス設立、代表取締役CEO(Chief Executive Officer)就任、公認会計士ナビ編集長。

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