2020年5月の公認会計士、公認会計士試験、米国市場関連のニュースをまとめました。
2020年5月7日、15日、20日にリリースされた「東大卒公認会計士が漁師へ」「短答式試験延期で論文式も延期に」「米ナスダック中国企業のIPO制限で深まる溝」の3件のニュースをご紹介します。
東大卒公認会計士が漁師へ
- 東大卒の公認会計士が漁師に転身(福井新聞ONLINE 2020年5月7日付)
Yahoo!ニュースのトップに上がっていたので、ご覧になったという方もおられるかもしれません。
今回、漁師に転身した公認会計士に関する記事が、福井新聞ONLINEよりリリースされています。
福井県敦賀市で敦賀ふぐの養殖や漁に取り組む漁師の中に、一風変わった肩書を持つ男性がいる。地元で育ち、東京大学を卒業後、公認会計士として4年前までらつ腕を振るっていた山本彰彦さん(36)だ。
引用元:東大卒の公認会計士が漁師に転身(福井新聞ONLINE 2020年5月7日付)
記事によると、山本さんは漁師だった祖父と父の姿を見て育ち、地元に戻って親や祖父母の面倒を見たいと言う思いから、大手監査法人から一転、沿岸漁業を行う漁師へと転職したということです。
キャリアで悩んでいる方の中には、資格に縛られずやりたい道を進む山本さんの姿に、勇気づけられたという方もいるかもしれません。ご興味のある方は以下をご参照ください。
- 東大卒の公認会計士が漁師に転身(福井新聞ONLINE 2020年5月7日付)
短答式試験延期で論文式も延期に
- 新型コロナウイルス感染拡大に伴う令和2年公認会計士試験第II回短答式試験及び論文式試験の実施方針に係るお知らせ(公認会計士・監査審査会Webサイト 2020年5月15日付)
4月17日に公認会計士試験短答式試験の延期が発表され、その後の日程については公認会計士・監査審査会Webサイト等で公表される予定でしたが、大まかな日程が発表されました。
- 令和2年の短答式試験(当初、5月24日実施予定)は8月下旬を目途に実施することとして調整
- 令和2年の論文式試験(当初、8月21日から23日実施予定)も11月中旬を目途に延期
となりました。
正確な日程はまだ決定しておらず、引き続き公認会計士・監査審査会Webサイトでをチェックする必要があるということです。
短答式試験と論文式試験は、当初予定から約3ヶ月遅れで行われるということです。このスケジュールに合わせて合格者発表も例年の11月中旬から2月中旬にずれ込むことになれば、監査法人の採用活動の時期や内定者の入所のタイミングはどうなるのか(タイミングによっては入所時期と繁忙期が重なり法人、新人会計士ともに負担が増してしまう)など、気になる点もありますがどうなるのでしょうか。
詳細は下記をご参照ください。
- 新型コロナウイルス感染拡大に伴う令和2年公認会計士試験第II回短答式試験及び論文式試験の実施方針に係るお知らせ(公認会計士・監査審査会Webサイト 2020年5月15日付)
米ナスダック中国企業のIPO制限で深まる溝
- 米ナスダック、中国勢のIPO制限へ 米中対立飛び火(日本経済新聞 2020年5月20日付)
新型コロナウィルスの感染拡大の責任を巡り、米中の攻防が過熱しています。一方、米ナスダックの新規上場に関しても、中国外しとも取れる制限が設けられようとしています。
今回、米ナスダックの新規上場ルールの厳格化に関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。
米取引所大手ナスダックは新規上場ルールの厳格化に乗り出す。海外企業は新規株式公開(IPO)時に、最低でも2500万ドル(約26億円)、または時価総額の25%相当の金額を投資家から調達するよう義務付ける。監査状況についても新たな審査基準を設ける。事実上、中国勢の米上場を制限する内容だ。
引用元:米ナスダック、中国勢のIPO制限へ 米中対立飛び火(日本経済新聞 2020年5月20日付)
記事によると、ナスダックの上場ルール変更案では中国企業を制限対象として明記しているわけではありませんが、資金調達額が小さく流動性に乏しい銘柄が目出つ点や、中国政府が米当局による自国監査法人への調査を認めていない点などから、事実上中国を念頭に置いたものになっていると伝えられています。
投資家を不正リスクから守るという趣旨のようですが、自由であるはずの資本市場が政治の道具として利用され、投資家の不利益になることがないようにしてもらいたいものです。詳細は下記ををご覧ください。
- 米ナスダック、中国勢のIPO制限へ 米中対立飛び火(日本経済新聞 2020年5月20日付)
(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧)