リモート監査で作業効率低下、明らかに不合理な場合を除き金融機関の引当容認、会計士短答式試験も延期など3件:今月の会計士業界ニュース(2020年4月その4)



2020年4月の監査法人、会計士試験関連のニュースをまとめました。

2020年4月22日、26日、17日にリリースされた「リモート監査で作業効率低下、数万枚の書類に対応苦慮」「明らかに不合理な場合を除き金融機関の引当容認」「司法試験に続いて会計士短答式試験も延期」の3件のニュースをご紹介します。

リモート監査で作業効率低下、数万枚の書類に対応苦慮

監査法人では在宅勤務に切り替わっているところも多いと思いますが、事務所や現場に行かないとできない監査手続があり、監査作業に遅れが生じているようです。

今回、EY新日本監査法人の片倉理事長のコメントに関する記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

EY新日本監査法人の片倉正美理事長は日本経済新聞の取材に応じ、数万枚に及ぶ書類の確認など在宅勤務で対応しきれない業務に支障が出ていると話した。監査の時間確保に向け「企業に決算や株主総会の延期を要請している」とした。

引用元:EY新日本・片倉理事長「数万枚の書類、整理に時間」(日本経済新聞 2020年4月22日付)

記事によると、EY新日本の片倉理事長のコメントとして、多くの企業で債権の残高確認など書類の現物チェックが必要となっており、在宅勤務で監査が遅れる要因になっていると伝えています。

これに関連して、日本経済新聞より、監査法人でのリモート監査の現状についての記事もリリースされています。

今年は、監査法人の会計士が在宅で企業の帳簿や領収書をチェックする「リモート監査」が広がった。(中略)ただ、効率低下は避けられない。書類の電子化や期末直後に集中する業務の分散など課題も浮き彫りになった。

引用元:会計士、リモート監査 帳簿・領収書、在宅チェック(日本経済新聞 2020年4月26日付)

記事によると、監査法人トーマツでは必要書類の画像を送るため上場企業900社に携帯端末の配布を始めたり、EY新日本監査法人ではオンラインでデータをやりとりするポータルサイトを活用したりと、それぞれ取り組みが行われていると言うことです。

新型コロナウィルス収束の出口が見えないまま、異例の繁忙期へと突入です。ご興味のある方は以下をご参照ください。

明らかに不合理な場合を除き金融機関の引当容認

新型コロナウィルス感染拡大で経営状態が悪化する企業が続出する中、減損会計や引当金になどの会計処理を巡って、検討が続けられています。

今回、公認会計士協会が銀行の引当金計上に関して弾力運用を容認するとした記事が、日本経済新聞よりリリースされています。

日本公認会計士協会は22日、銀行の貸し倒れに備えた引当金のルールについて会計監査で柔軟に運用する方針を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で融資先の業績が悪化しても、銀行が引当金をただちに積まないといった判断を容認する。

引用元:銀行の引当金計上、弾力運用を容認 公認会計士協会(日本経済新聞 2020年4月22日付)

日本公認会計士協会では、「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その4)」を公表しています。この中で、銀行等金融機関の自己査定及び償却・引当については、企業が置いた一定の仮定が明らかに不合理である場合を除き、誤謬に当たらないものと考えられるとしています。

奇しくも、検査マニュアルが廃止された初年度と新型コロナウィルスの感染拡大が重なってしまいましたが、柔軟な対応が示されたことで、金融機関関係者の方も安堵されたことと思います。詳細は下記をご参照ください。

司法試験に続いて会計士短答式試験も延期

4月8日付で司法試験の実施延期が発表されており、5月24日に実施予定の公認会計士試験短答式試験延も延期になるのではないかと、多くの受験生の方が心配されていたことと思います。

今回、公認会計士試験短答式試験の実施延期に関するお知らせが、公認会計士・監査審査会Webサイトで公表されています。なお、延期後の実施方針は5月中旬を目途に、審査会Webサイト等で公表される予定とのことです。

試験日程に合わせて時間を惜しんで勉強してきた方にとっては辛いニュースになってしまいましたが、今後再開される予定の試験に向けて、合格目指して気を抜かず試験勉強に励んでいただきたいと思います。詳細は下記ををご覧ください。

(著者:大津留ぐみ / 大津留ぐみの記事一覧



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【大津留ぐみ:公認会計士・税理士/会計士・税理士専門ライター】 大学在学時にシェイクスピアを学んだことをきっかけに劇作家を目指すも挫折。編集プロダクションで編集やライティング業務に従事した後、公認会計士試験にチャレンジし合格。大手監査法人の東京事務所にて監査業務、財務デューデリジェンスなどに従事。 その後、フリーランスの公認会計士として非常勤監査、税理士法人の社員税理士として税務業務に従事しつつ、大津留ぐみのペンネームでライターとしての執筆活動にも従事。ライターとして、お金、社会保障、会計、税務などに関する記事を執筆。また、2児の母となったことをきっかけに、子どもの貧困や教育格差、子どものイジメに関する記事なども執筆。現在は、株式会社ワイズアライアンスの専属ライターとして会計・税務の記事を執筆しつつ、会計事務所にて内部統制業務にも従事するパラレルワーカー。公認会計士・税理士。

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