このコーナーでは、弥生のサービスを活用して、会計事務所経営を効率化した弥生PAP会員様をご紹介していきます。
今回は、弥生の記帳代行支援サービスを活用している西山税理士事務所様をご紹介いたします。
令和元年(2019年)6月に開業された西山税理士事務所様。
さまざまな経営スタイルの税理士事務所がある中で、西山税理士事務所は、売上1億円以上のお客様を対象として、税務・経営コンサルティングや、事業承継支援を得意分野としながら、ご活躍されています。
そんな西山税理士事務所の西山優一郎先生が、弥生の記帳代行支援サービスを導入された理由とは?会計システムに次々と新しい機能がリリースされる中で感じていた課題、また、それをどう解決されたのかを伺いました。
本記事の目次
- 今回ご紹介するサービス
- 今回インタビューした会計事務所
- 導入前の課題 –記帳代行支援サービス
- 選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
- 導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
- 導入後の成果 –記帳代行支援サービス
- 使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
- 記帳代行支援サービスへの要望
- 記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
今回ご紹介するサービス
弥生の記帳代行支援サービス
会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化するサービスで、弥生PAP加入の会計事務所が利用できます。
記帳代行支援サービスでできること
紙証憑のデータもインターネットバンキングのデータも、弥生の記帳代行支援サービスを利用して自動で仕訳に変換することで、会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化します。納品された仕訳は、「弥生会計AE」で、仕訳と元の紙証憑の画像を同時に確認可能です。
記帳代行支援サービスの特徴
- 証憑データのお預かりから1営業日で納品
- 入力・確認・修正にかかる工数を減らし、相談などの付加価値業務の時間を増やせる
- 担当者ごとの品質バラつきやミスも減らせる
記帳代行支援サービスの料金や詳細については、下記をご確認ください。
今回インタビューした会計事務所
西山税理士事務所
令和元年(2019年)6月21日創業、神奈川県川崎市中原区に事務所を構える。会計・税務支援、税務調査対応を中心に、事業承継が得意分野。
クライアントは、売上規模1億円以上の法人が中心で、そのうち約半数の記帳代行を行っている。オンラインでの対応を行っているため、東京、神奈川、千葉を中心に、北海道、東北、関西、沖縄などにもクライアントを有する。
代表者:西山優一郎(税理士、租税訴訟補佐人)
1984年生まれ、神奈川県川崎市出身。2008年立教大学経済学部経済学部卒業。経営者であった祖父の影響で、税理士の道を志す。大手公認会計士事務所、大手税理士法人にて合計10年間、税務・財務・経営コンサルティングに携わる。2016年税理士資格取得。2018年事業承継士資格取得。
得意分野は、節税、事業承継、組織再編、資金調達。好きな食べ物は唐揚げ。
事務所概要
- 事務所の人員数: 18名(アルバイト6名を含む)
- WEBサイト:https://nk-tax.pro
- 顧問先数:約190件(法人180件・個人10件)
- 顧問先の売上高:平均5億円(法人顧客)
- 使用会計ソフト:弥生会計9割、TKC1割程度
- 記帳代行支援サービスを使い始めた時期:2021年6月頃
- サービスの方針:
- 1億円以上の売上規模が大きな顧問先が多い
- 事業承継コンサルティングが得意
- 事務所経営の方針:
- 顧問先が増加傾向にあり、安心して相談してもらえる体制作りに力を入れている
※事務所概要は記事公開時点での情報です。また、2022年9月9日に行われたインタビューを元に執筆しています。
導入前の課題 –記帳代行支援サービス
―西山先生の事務所では、従来は記帳代行業務をどのように提供していましたか?
当事務所では、お客様から証憑をお預かりしたら、まず、事務所にいる学生アルバイトがスキャンをしてPDF化、そのデータを在宅勤務のスタッフが受け取り、記帳を行うという流れで業務を行っていました。
実は、独立当初、私がひとりで始めた頃から、証憑をスキャンして、デジタルデータとして保存するということは行っていたんですね。
もちろん、スキャンするよりも自分で入力したほうが早く、時間の面では合理的ではないことは承知していましたが、電子帳簿保存法に対応できるようにしたいという意図があったのと、当時は自宅開業で書類を保存しておく場所の余裕がなかったので、PDF化したらすぐ返却できた点でもメリットがあったからです。
―事務所の体制作りは順調に進んでいたように思えるのですが、何か課題はありましたか?
効率的な仕組みを作ったつもりでも、人が作業している限り、やれることには限界があると感じていました。そして、今以上に効率化を進めていくためには、ITを活用する必要があるだろうと考え、AIを利用した記帳サービスを利用しようと思いました。
そこで、色々と調べたのですが、AIを使った記帳サービスは、現状ではまだ完璧なものはなく、人が入力した方が精度が高いということを知り、良いサービスを見つけられずにいました。
- 証憑の電子化は以前より行っていたが、より一層の効率化を進めるために、AIを利用したサービスが必要だと考えていた。
- 一方で、AIを利用した、精度の高い記帳サービスを見つけられずにいた。
選んだきっかけ –記帳代行支援サービス
―弥生の記帳代行支援サービスを利用しようと思ったきっかけは何ですか?
弥生のPAPカンファレンスに出席したときに、記帳代行支援サービスの説明を聞き、これだ!と感じました。
それまでは、AIだけの記帳サービスは精度が高くなく、どのサービスも同じだと思い諦めていました。ところが、弥生の記帳代行支援サービスは、AIによる記帳に加えて、2人のオペレーターがクロスチェックをしてくれると聞き、これは良さそうだと思いました。
―比較したサービスはありますか?
実は、PAPカンファレンスの1、2ヶ月前に他社の記帳サービスを契約して利用し始めたところでした。また、自分自身の確定申告で、他社の記帳サービスも利用していましたし、記帳サービスを行っている各社に問い合わせをして、記帳サービスについてかなり調べました。
そして、各社の営業の方からお話を伺い、デモやトライアルで実際に利用し、すべてのサービスを見比べた中で、弥生の記帳代行支援サービスがずば抜けて良いと感じました。
まず、2人のオペレーターがクロスチェックをしているので、AIだけのものと比べて精度が高いのが良かったです。
また、弥生のサービスなので弥生会計との連携がスムーズで、取り込みも簡単でした。
さらに、文字が大きくて操作方法が分かりやすいのも良かったです。
他社のサービスには、今風のおしゃれな格好良い見た目のものもありましたが、会計ソフトはわかりやすさが大事だと思っています。当事務所では、会計知識がない人も作業を行うので、弥生の文字が大きく見やすいといった見た目や操作性も大きな決め手でした。
そこで、契約したばかりの他社のサービスも解約し、弥生に切り替えることにしました。
弥生の記帳代行支援サービスは、当事務所にとって非常に利便性が高く、自分が求めていたサービスにようやく出会うことができましたね。
- AIだけではなく、オペレーター2人でクロスチェックをするので、精度が高そうだった。
- 弥生会計への取り込みが簡単で、文字が大きいなど、経験が浅いスタッフにとっても操作性が良かった。
導入の手順や手間 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービスを導入して、お客様との資料のやり取りなど、業務の流れに何か変化はありましたか?
記帳代行支援サービス導入前は、仕訳はすべて在宅勤務のスタッフや外注さんが入力していましたが、導入後は、お客様から証憑をお預かりしたら事務所にいる学生アルバイトがすぐスキャンして、データを記帳代行支援サービスに送り、納品された仕訳データを在宅勤務のスタッフがチェックするという流れに変わりました。
―在宅勤務のスタッフの方の仕事内容は変わりましたか?
入力が減り、弥生から納品された仕訳のチェック業務と、試算表を完成させる業務がメインになりました。
―導入に関して、事務所内での反応はいかがでしたか?
導入に際しては、入力が好きで自分でやりたい人もいれば、新しい業務に意欲的にチャレンジする人、新しいサービスの導入を面倒だと感じる人など、様々でした。特に、会計事務所経験者の中には、これまでのように全部自分で入力したいと言う声もありました。
ただ、私自身は、弥生の記帳代行支援サービスの良さを理解していましたし、導入すれば業務効率化につながると確信していました。
スタッフのうち4名は会計事務所経験者で、葛藤もあったと思いますし、私も導入はしたいけどスタッフには辞めないで欲しいという気持ちが強かったので、最終的に事務所に残り新しい体制に頑張って付いてきてくれているスタッフには感謝しています。
- 従来は在宅勤務のスタッフは入力作業を行っていたが、導入後は、弥生から戻ってきた仕訳データをチェックする作業へと変化した。
- 在宅勤務のスタッフは、入力作業がなくなった分、試算表を完成させる業務が増えた。
導入後の成果 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービス導入で、何か成果は感じていますか?
記帳代行支援サービスのおかげで、スタッフ一人分以上の労働時間が節約できて、業務効率化を実現できました。
在宅勤務のスタッフの業務も、以前は記帳だけでしたが、現在は試算表の作成も担当していて、スキルアップが図れています。
また、以前は私が行っていた試算表の作成を任せられるようになったため、時間に余裕ができたことも、非常にありがたいです。
将来的には、数字の分析にもっとリソースを回せるようにしていきたいです。
- 社員一人分以上の労働時間を節約できた。
- 記帳作業中心だったスタッフが試算表の作成にも携わることができるようになり、スタッフのスキルアップにつながっている。
- スタッフが試算表作成を担えるようになり、所長の時間にも余裕ができた。
使ってみた印象と感想 –記帳代行支援サービス
―記帳代行支援サービスは使いやすかったということですが、具体的にどの辺が良かったのでしょうか?
仕訳の精度が高い点を評価して導入しましたが、実際に使ってみたところ、「証憑ビューアー」の機能が一番良かったです。
弥生会計AEで証憑ビューアーのボタンが表示されるので、確認したい仕訳を選択して証憑ビューアーをクリックすると、画面上でその仕訳に関連する証憑を確認することができます。
お客様を訪問した際にも、気になった取引の証憑がすぐ確認できるのでとても便利です。
―記帳代行支援サービスの値段は、高いと思いますか、それとも安いと思いますか?
記帳代行支援サービスの料金は安いと思います。
実際に計算してみたのですが、記帳代行支援サービスに依頼している分を人が入力すると、1ヶ月につき150時間から200時間の労働時間になります。スタッフ一人分以上の作業量です。
一方で、弥生に支払う料金は、それよりも少なく済んでいます。この値段で精度の高いサービスを提供してもらえて、非常にありがたいです。
- 記帳代行支援サービスの料金は、スタッフ一人分の人件費より安く魅力的である。
記帳代行支援サービスへの要望
―記帳代行支援サービスの内容についてご要望はありますか?
記帳代行支援サービスに関しては、要望は特にありません。
強いて言うなら、記帳代行支援サービスで使える証憑ビューアー機能を、記帳代行支援サービスを利用できない仕訳でも使えるようにして欲しいです。
具体的には、給与は記帳代行支援サービスの対象ではないですが、給与仕訳に給与明細を付けられるようになると、非常にありがたいです。
- 記帳代行支援サービスで使える証憑ビューアー機能を、他の仕訳でも使えるようにして欲しい。
記帳代行支援サービスを検討している会計事務所へのメッセージ
―記帳代行支援サービスを導入し、時間に余裕ができたとのことですが、今後の展望はありますか?
今までも、少しずつ電子帳簿保存法対応を進めて来ましたが、今後はもっと多くの時間をあてたいです。
また、弥生会計に対応した分析ソフトなどを利用するなど、試算表や決算書の分析の時間も増やし、サービスの品質を向上していきたいとも考えています。
―導入を検討している会計事務所の皆さまに向けて、メッセージをお願いします。
私自身もそうでしたが、記帳代行支援サービスを利用するにあたり、一番ネックとなるのは証憑をスキャンしデータ化する作業でした。
特に税理士先生お一人の事務所の場合は、自らスキャンをしなければならないため、その手間から諦めてしまうことが多いのではないかと思います。
ですが、実践してみた結果、事務所で書類を保管する必要もなく、寝る前にデータを送っておけば、1営業日で仕訳データが納品されます。
実は、以前、日本の裏側の国に海外事務所を作れば24時間体制で夜の間に作業が進むのでは!?と考えたことがあったのですが、弥生の記帳代行支援サービスができて、その夢も実現してしまいました(笑)。
おかげで今は、木曜日にデータを送れば金曜日に納品データが届き、月曜日から作業を一気に進められて、良いリズムができています。
特に、年に1回でまとめて入力するお客様は、入力の量が膨大になるので、自分でデータ化をしてでも、導入するメリットは大きいと実感しています。
データ読み込みに必要なスキャンスナップも、弥生から割引で買えるので、ぜひ試してみて欲しいです。
―本日は、貴重なお話やご意見をありがとうございました。
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