監査法人が処分を受けた理由は?金融庁の監査法人への行政処分を流し読み

  • 2017/12/21

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最近、金融庁の監査法人に対する行政処分が厳しくなっているような気がしませんか?金融庁対応に時間を割いている監査法人も多いのではないでしょうか。

そこで、監査法人への処分にどんなものがあったか、金融庁公認会計士・監査審査会のWEBサイトを参考にまとめてみたいと思います。「効率的に監査の質を上げたい」と思っている方には、ポイントが見えてくるかもしれません。

【本記事の目次】

  1. 公認会計士・監査審査会の“勧告”まとめ
  2. 金融庁の“処分”まとめ
  3. 解散の危険も!?処分内容ワースト3
  4. こんな監査法人は処分間近!?処分理由の傾向と対策

1:公認会計士・監査審査会の“勧告”まとめ

監査法人の処分まとめを見る前に、監査事務所へのレビューの流れをざっくり見てみたいと思います。

まず協会が監査事務所に対して品質管理レビューを行い、公認会計士・監査審査会(以下、審査会)に報告。審査会は協会の報告に基づき、監査事務所に対して審査を行います。

ここで何か問題があると、審査会の意見を評価・提言等といった形でまとめるとともに、金融庁に対して行政処分その他の措置について“勧告”を行います。金融庁では“勧告”を受けて、監査事務所への処分を決定するという流れになっています。(金融庁が独自で処分を行うこともあります。)

そこで公認会計士・監査審査会のWEBサイトから、過去にどのくらいの“勧告”が行われているのか見てみたいと思います。

  • 平成18年…5件
  • 平成19年…3件
  • 平成20年…4件
  • 平成21年…2件
  • 平成22年…1件
  • 平成23年…1件
  • 平成24年…2件
  • 平成26年…4件
  • 平成27年…4件
  • 平成28年…3件
  • 平成29年…1件

勧告(公認会計士・監査審査会Webサイト)より集計。勧告を出したものの現在はサイトに掲載されてない事案がある可能性もございますのでご容赦ください。

平成29年11月20日時点のWEBサイトに掲載されている“勧告”の件数は全30件でした。

審査会は平成16年4月に発足し、平成18年に5件の“勧告”を行っています。審査はBIG4からということで、5件のうち4件が四大監査法人に対するものでした。

勧告数の多い3年間を見ると、平成20年と平成26年はそれぞれ4件ずつ“勧告”されており、中小監査法人を中心に出されています。平成27年は東芝事件が起きた年で、4件の“勧告”がされています。

2:金融庁の“処分”まとめ

つづいて、金融庁の監査法人に対する行政処分等をまとめてご紹介したいと思います。

以下に16件の処分事例を要約しましたのでご参考ください。

なお、要約したもののかなりボリュームがありますので、お時間のない方は流し読みをして「3:解散の危険も!?処分内容ワースト3」に進んで頂ければと思います。

※なお、金融庁Webサイトでは監査法人の実名を掲載していますが、当サイトでは仮称で掲載しております。また、平成29年11月20日時点の情報に基づいて記載しております。すでに金融庁Webサイトから削除されているものについては掲載しておりませんので、ご了承ください。

※処分内容、処分理由については抜粋して掲載しております。

A監査法人

処分日:平成29年9月22日
【処分内容1】
契約の新規の締結に関する業務の停止 3月(平成29年9月25日から同年12月24日まで)
【処分内容2】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)今回、当社に対する監査において虚偽証明が行われたことを踏まえ、法人としての適切な監査実施態勢を整備すること。 ほか6項目
【処分理由】
A監査法人(以下「当監査法人」という。)の社員である2名の公認会計士が、株式会社甲グループ(以下「当社」という。)の平成26年12月期における財務書類の監査において、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。
【事案の概要】
(前略)監査における不正リスク対応基準等に照らせば、本来、当監査法人は、より注意深く、批判的な姿勢で監査に臨むことが必要であり、監査人としての職業的懐疑心を保持・発揮することにより、不正による財務諸表の重要な虚偽表示が行われる可能性があると認識し、本件売上取消の是非を討議し、不正リスクに対応した追加手続を実施すべきであった。  しかるに、当監査法人においては、このような討議を行わなかったばかりか、業務執行社員が、監査補助者から進捗状況を随時確認する程度に留まり、経営者の主張が合理的と判断した監査補助者に対し、不正リスクの観点から適切かつ具体的な指示を行っていなかった。この結果、当監査法人は、監査における不正リスク対応基準の適用の必要はないという誤った判断を行い、必要な監査手続を実施しないまま、監査意見を表明した。
 また、監査業務に係る審査においては、審査担当社員が、「不正リスクを認識した慎重な対応が必要と識別」していたにもかかわらず、監査チームから提出された審査資料に基づき審査を実施するのみで、監査チームが行った重要な判断を客観的に評価していなかった。その結果、監査チームがより証拠力の強い外部証憑などの十分かつ適切な監査証拠を入手するための監査手続の実施を検討していないことを見落としているなど、監査実施上の問題点を発見・抑制できていなかった。(後略)

監査法人B事務所

処分日:平成29年2月21日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)代表社員は、監査実施者の専門的能力の向上や十分な人的資源の確保など監査実施態勢を強化するとともに、実効性のある品質管理のシステムを構築するなど、当監査法人の業務管理態勢の構築に主体的に取り組むこと。 ほか4項目
【処分理由】
いずれの代表社員も当監査法人の品質管理業務にほとんど関与していないだけでなく、監査実施者の専門的能力が不足しているなど監査実施態勢が脆弱であることを認識していない。 また、直近の日本公認会計士協会(以下「協会」という。)による品質管理レビューで重要な不備事項を指摘されているにもかかわらず、個別監査業務の品質や監査実施者の専門的能力について適切な評価を実施しておらず、現行の監査の基準で求められる水準に関する理解・知識が不足している社員に上場会社の業務執行社員や審査担当者を長期間継続させているなど、実効的な品質管理のシステムを構築していない。ほか複数の理由で、業務管理態勢・品質管理態勢が著しく不当と認められたため。

C監査法人

処分日:平成28年8月12日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)品質管理責任者も兼ねる総括代表社員は、組織的監査を実施するために、監査契約の新規締結及び更新時における的確な判断、十分な人的資源の確保、監査実施者の教育・訓練の充実、実効性のある定期的な検証の実施態勢の整備を含め、実効性のある品質管理のシステムを構築するなど、貴監査法人の監査品質の向上に責任を持って取り組むこと。 ほか6項目
【処分理由】
品質管理責任者である総括代表社員が、組織的監査を実施するために必要な実効性ある品質管理のシステムを構築していないことから、監査契約の新規締結及び更新、監査実施者の教育・訓練及び選任、監査業務に係る審査、定期的な検証など品質管理全般に多くの不備が認められている。ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

D有限責任監査法人

処分日:平成28年4月15日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善)(1)監査リスクに見合った組織的監査を実施する態勢を構築すること(監査を実施するための人的資源の十分な確保、入手した監査証拠の深度ある査閲、監査調書の査閲を通じた監査補助者への十分な監督及び指導の実施など審査会の検査において指摘された事項の改善を含む。)。 ほか5項目
【処分理由】
監査を実施するための人的資源を十分に確保していないなど、監査リスクに見合った組織的監査を実施する態勢を構築できていない。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

E有限責任監査法人

処分日:平成27年12月22日
【処分内容1】
契約の新規の締結に関する業務の停止 3月(平成28年1月1日から同年3月31日まで)
【処分内容2】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)今回、甲に対する監査において虚偽証明が行われたことに加え、これまでの審査会の検査等での指摘事項に係る改善策が有効に機能してこなかったこと等を踏まえ、経営に関与する責任者たる社員を含め、責任を明確化すること。 ほか6項目
※併せて、同日、約21億円の課徴金納付命令に係る審判手続開始を決定
【処分理由】
ア.E(以下「当監査法人」という。)は、株式会社甲(以下「甲」という。)の平成22年3月期、平成24年3月期及び平成25年3月期における財務書類の監査において、下記7名の公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。イ.当監査法人の運営が著しく不当と認められた。
【事案の概要】
監査チーム内において不正の兆候を把握した場合の報告義務を課すなどの適切な指示、指導及び監督を十分に行っていなかった結果、必要な監査手続が実施されず、自己の意見を形成するに足る基礎を持たずに監査意見を表明していた。その他複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

F監査法人

処分日:平成27年12月11日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)監査法人として、組織的監査の態勢を構築すること。 ほか6項目
【処分理由】
当監査法人においては、経営理念・経営方針を定めておらず、法人運営に関する明確な方向性がない中、法人代表者は、他の社員が自分よりも公認会計士としての経験や監査経験が長く、法人の業務運営については、自分がリーダーシップを発揮しなくても、他の社員が適切に業務を遂行するだろうと考えていたことから、法人の業務運営に係る社員間の相互牽制を働かせるための態勢を構築していない。一方、法人代表者を除く社員は、自身の個人事務所の運営等を行う中、法人の業務運営の多くを法人代表者に任せており、法人の業務運営に対する社員としての自覚を有していない。このため、当監査法人においては、社員同士が互いに牽制を行う風土が醸成されておらず、組織的監査を実施できる態勢となっていない。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

監査法人G

処分日:平成27年7月2日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)監査法人として、一体的に監査の品質を向上させ、組織的な監査を実施する態勢を構築すること。 ほか6項目
【処分理由】
当該監査法人においては、各社員が、自ら監査責任者として関与する監査業務に係る報酬及び費用を自ら管理するとともに、監査補助者の選任及び報酬についても自ら決定するなど各社員の経済的な独立性が強い状況において、各社員に対して組織的監査の重要性を認識させておらず、他の社員の行う監査業務に関与しない風土が醸成されている。加えて、総括代表社員を持ち回り方式により選任するなど、形式的に選任していることから、総括代表社員がリーダーシップを発揮できていない。 ほか複数の理由で運営が著しく不当と認められるため。

有限責任監査法人H

処分日:平成27年6月30日
【処分内容】戒告
【処分理由】
有限責任監査法人H(旧法人名 監査法人H)については、甲の平成17年3月期から平成18年3月期までの間における財務書類の監査において、下記3名の公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。
【監査法人の審査手続について】
平成17年3月期の監査においては、甲が約10億円の特別損失を計上していたにもかかわらず、監査法人は地区審査において、長期未収入金等に係る債権の実在性について監査チームに検討を指示しなかった。

I有限責任監査法人

処分日:平成27年6月26日
【処分内容1】
業務改善命令(業務管理体制の改善)(1)監査法人として、組織的な監査を実施する態勢を構築すること。 ほか6項目
【処分内容2】
1年間の業務の一部の停止命令(契約の新規の締結に関する業務の停止)平成27年6月29日から平成28年6月28日まで
【処分理由】
当該監査法人においては、社員が監査の品質を向上させる必要性を感じておらず、被監査会社の主張や被監査会社が作成した資料を批判的な検討なく受け入れる傾向があるなど、監査の基本である投資者及び債権者のために監査を行うという意識が希薄である。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

有限責任J監査法人

(注)同監査法人は、平成27年5月25日をもって解散し、清算法人に移行しています。

処分日:平成27年6月19日
【処分内容】
 1
年間の業務の一部の停止(清算業務を除く業務の停止)平成27年6月22日から平成28年6月21日まで
【処分理由】
当監査法人においては、法令が監査法人の業務管理体制として具備すべき要件として規定している、社員の総数の過半数が、公認会計士の登録を受けた後、3年以上監査証明業務に従事している者とする要件を満たしていない。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

K監査法人

処分日:平成26年10月29日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善)(1)監査に関する品質管理のシステムが有効に機能するよう態勢を整備すること(監査契約の更新時における被監査会社の適切なリスク評価、監査実施者の選任における社員の能力等を考慮した監査チームの編成及び業務執行社員による監査調書の査閲の適切な実施を含む) ほか5項目
【処分理由】
当該監査法人は、採算管理を明確にするため支部制を採用しており、採算管理、社員の報酬の決定及び監査チームの編成等を支部単位で行っている状況において、理事長が監査法人として一体的な業務運営を行う措置を講じていないことから、当該監査法人においては、他の支部の業務運営には関与しない風土が醸成されている。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

L監査法人

処分日:平成26年7月8日
【処分内容1】
業務改善命令(業務管理体制の改善)(1)理事長をはじめとする監査法人の社員は、自身の責任を自覚し、社員として求められる職責を果たすとともに、品質管理を重視し、被監査会社の主張を批判的に検討する風土を醸成すること。 ほか6項目
【処分内容2】
 1
年間の業務の一部の停止命令(契約の新規の締結に関する業務の停止)(平成26年7月10日から平成27年7月9日まで)
【処分理由】
当該監査法人の理事長は、公認会計士・監査審査会及び日本公認会計士協会から重大な指摘を繰り返し受けているにもかかわらず、法人の品質管理に重要な問題があることを自覚せず、公認会計士・監査審査会等の指摘に対して形式的な対応を品質管理担当責任者及び監査実施者に指示するのみで、具体的な対応を担当者任せにし、改善活動を十分に実施していないなど、理事長として行うべき行動をとっておらず、その職責を果たしていない。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

M監査法人

処分日:平成26年5月23日
【処分内容1】
業務の一部の停止1年(契約の新規の締結に関する業務の停止)(平成26年5月27日から平成27年5月26日まで)
【処分内容2】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)監査法人として、組織的な監査を実施する態勢を構築し、品質管理のシステムが有効に機能するよう品質管理態勢を整備すること。 ほか5項目
【処分理由】
当監査法人は、監査契約の解除等により資金繰りが逼迫し、法人代表者からの資金借入れを余儀なくされるなど厳しい環境の中、過度に人件費や経費を抑制した経営を行っている。このため、社員の退任が発生したものの、必要な人材の採用を行わず、実質3名の社員による業務運営を行っている。さらに、社員それぞれの役割分担を明確にしないまま、収益確保のため監査業務の実施に重きを置いたことから、品質管理責任者が実質的に不在となっているなど、監査法人として組織的な監査を実施する態勢ができていない。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

監査法人N

処分日:平成25年6月19日
【処分内容1】
平成25年6月21日から平成25年9月20日までの間、公認会計士法第2条第1項に規定する財務書類の監査又は証明に関する業務のうち、次の業務を停止すること。 イ.契約の新規の締結についてその勧誘をすること。 ロ.契約の新規の申込みを受けること。 ハ.契約の新規の締結をすること。
【処分内容2】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)会計上の見積りや収益認識等の重要な会計上の判断に関して財務諸表に重要な虚偽の表示をもたらす可能性のある事項、不正の疑いのある事項、関連当事者間で行われる通常でない取引等について、「特別な検討を必要とするリスク」として、それが財務諸表における重要な虚偽の表示をもたらしていないかを確かめるための監査計画の策定や監査手続の実施等を行う体制を整備すること。 ほか3項目
【処分理由】
監査法人Nは、甲の平成21年9月第2四半期から同22年12月第3四半期までの間における財務書類の監査において、同監査法人の業務執行社員が、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明した。 監査チームが監査法人の内部規定等で定められている残高確認等の手続きを実施していない理由及び代わりに実施した手続き等の記録がなされていないことについて、審査において、適切な確認・指導を行っていなかったことなど、業務管理体制に不備があった。

O監査法人

処分日:平成22年10月15日
【処分内容】
業務改善命令(業務管理体制の改善) (1)監査業務の品質管理に対する責任態勢の強化 ほか5項目。
【処分理由】
理事長及び品質管理委員長は、監査の基準において求められている監査業務の品質管理に関する必要な指示及び監督を十分に行っていない。さらに、監査業務に係る審査や品質管理のシステムの監視が実効性をもって実施されていないなど、その業務運営は、監査業務の質を合理的に確保するものとなっていない。 ほか複数の理由で、運営が著しく不当と認められるため。

P監査法人

処分日:平成18年5月10日
【処分内容】
 
業務の一部停止2ヵ月(平成18年7月1日から平成18年8月31日まで) 証券取引法監査及び会社法(商法特例法)監査(法令に基づき、会社法(商法特例法)に準じて実施される監査を含む。)。ただし、一定の監査業務を除外するものとする。
【処分理由】
甲の平成11年3月期、平成12年3月期、平成13年3月期、平成14年3月期及び平成15年3月期の各有価証券報告書の財務書類にそれぞれ虚偽の記載があったにもかかわらず、P監査法人の関与社員は故意に虚偽のないものとして証明した。 同監査法人については、審査・教育体制及び業務管理体制を含む監査法人の運営に関し、審査体制が、レビュー・パートナーによるレビューに過度に依存し、審議会による審議やインターナショナル・レビュー、モニタリング等が有効に機能していなかった。 ほか複数の不備が認められた。

以上、平成18年から平成29年の16件の事案をご紹介しました。

16件中、勧告を受けて処分が下ったものは11件、勧告なしで処分が決定したものは5件ありました(A監査法人・E有限責任監査法人・有限責任監査法人H・監査法人N・P監査法人)。

この5件の処分理由は共通しており、財務書類の監査で相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして証明したため処分を受けています。

3:解散の危険も!?処分内容ワースト3

では、16件の事案から、処分内容をピックアップして見てみましょう。処分内容いかんでは、監査法人の継続性に赤信号ということにもなりかねません。

処分内容が厳しい順にワースト3をまとめてみました。結果はこちら。

処分内容ワースト3

順位 処分内容 処分件数
1位 1年間の業務の一部の停止 (清算業務を除く業務の停止) 1件
2位 業務の一部停止2ヶ月。証券取引法監査及び会社法(商法特例法)監査(法令に基づき、会社法(商法特例法)に準じて実施される監査を含む。)。ただし、一定の監査業務を除外するものとする。 1件
3位 1年間の業務の一部の停止命令 (契約の新規の締結に関する業務の停止) 3件

ワースト1位の処分を受けた監査法人は平成27年6月に処分を受けていますが、処分を待たずして平成27年5月をもって解散し、清算法人に移行しています。

また、ワースト2位の処分を受けた監査法人は、監査業務の停止期間にクライアントが他の監査法人に流出。監査法人名の変更を行ったものの解散・清算に移行し、平成28年5月に清算結了しています。

3位以下の監査業務停止処分以外の監査法人で解散にいたったところはないようですが、クライアントや会計士が流出して規模が縮小している法人もあります。

監査業務停止処分を受けた場合、最悪の結論も覚悟しないといけないということのようです。

4:こんな監査法人は処分間近!?処分理由の傾向と対策

では監査法人は、一体どのような理由で処分されているのでしょうか。

処分理由は大きく分けて監査事務所監査業務の品質管理に関する事項があります。特に業務改善命令を受けている監査法人は、品質管理の改善点が複数かつ多数上っていました。中でも審査体制の不備を指摘された法人が多い傾向にあります。

全体的な印象では、調書レビューが不十分で監査手続の不足が指摘されない監査法人は、処分されるリスクが高い傾向にあります。

 

以上、金融庁による監査法人処分まとめをお伝えしました。効率的に監査の質をあげて勧告・処分を受けないようにするためには、審査制度の向上が欠かせないようです。

今回は処分理由の詳細な分析に踏み込んでいませんが、審査を受ける立場の方には興味のあるところかと思います。またの機会に、処分理由の分析も行いたいと思っていますので、お楽しみに。

(ライター 大津留ぐみ

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