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リユースIT機器市場を広げる。独立性と文化を守り、大手の信用力で挑む非連続的成長
株式会社ゲットイットは、2001年創業の循環型ITソリューションサービス企業です。法人向け中古IT機器の売買・保守・レンタルを展開し、「ひとがカラフルに輝く場をつくる」を理念に循環型ITソリューションサービスの提供(ITAD(買取り) / 保守 / レンタル / 販売 / 修理 / 移設 / 構築 / データ消去)を行っております。
案件概要
課題
- 企業文化・独立性の維持と非連続的成長の両立
実施サービス
- 伊藤忠商事株式会社への第三者割当増資を伴う資本業務提携の実現に向けたアドバイザリー業務
効果
- 資本業務提携の実現
お話しを伺った方
株式会社ゲットイット
代表取締役
廣田 優輝 様
GWP
執行役員
長田 新太
Financial Advisory 1部 ヴァイスプレジデント
毛呂 早太郎
肩書・経歴はインタビュー時のものです。(以下敬称略)
ご担当者の声
依頼背景
提携先との対等なパートナーシップを実現するために求めた支援
- 長田
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創業から25年にわたり独自の企業文化を育みながら成長を続けてこられた貴社が、今回、大手総合商社との資本業務提携という大きな決断をされました。まずは、その背景についてお聞かせください。
- 廣田
-
当社は2001年の創業以来、法人向け中古IT機器、とりわけデータセンターで利用されるサーバー、ネットワーク機器、ストレージを中心に、売買・保守・レンタルを展開してまいりました。一方で、法人向け中古IT機器は「事業用途で問題なく利用できるのか」「トラブル発生時に誰が責任を負うのか」といった懸念を抱かれやすい商材です。品質面はもちろん、企業ブランドに対する信頼を高めることが、さらなる成長に向けた重要なテーマでした。
その中で、2018年頃から資本業務提携のお話をいただく機会が増加し、お声掛けいただく企業規模も段々と大きくなりました。それに伴い、この交渉を自社のみで進めることに難しさを感じるようになったのです。
(ゲットイット 廣田氏)
- 毛呂
-
どのような点に難しさを感じていらっしゃったのでしょうか
- 廣田
-
企業文化を守れるかという点です。私は大学3年生のときに起業しました。当時は中古IT機器のビジネス自体に魅力を感じており、社会的意義や社員の幸福といったテーマまで深く意識していたわけではありません。しかし、組織が拡大する中で、チームとして成果を生み出すためには、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりが不可欠であることに気付きました。そこで2009年頃から、多様な個性が活躍でき、内発的動機を大切にする組織づくりに本格的に取り組み、自分たちが今まで大切にしてきた価値観を言語化しました。その結果として生まれたのが「ひとがカラフルに輝く場をつくる」という理念です。今回の提携においても、条件面だけでなく、培ってきた企業文化を理解し、尊重していただける相手であるかどうかを重要な判断軸としました。
- 長田
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個人的に音楽好きなのもあり、御社のオリジナル社歌を社員の皆さまと創り上げる企業文化等、とても良い取り組みだと感じています。https://www.get-it.ne.jp/news/news_20241202/
また御社が成長戦略を実現するためにも、企業文化を守る必要があったのだと、よく理解できました。
(GWP 長田)
- 廣田
-
M&Aの目的は企業によって様々ですが、私たちが何より重視したのは企業価値評価の最大化だけではなく、企業文化の維持と対等なパートナーシップの構築です。だからこそ、当社の理念に共感し、ともに同じゴールを目指せる存在が不可欠でした。
そのような折、弊社の顧問会計士よりグローウィン・パートナーズ(以下、GWP)の紹介を受けました。複数のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)と面談を重ねる中では、評価額を主眼に置くアプローチの会社も多く存在しました。
その点、GWPは実務に根差した堅実な支援が期待できるとともに、私たちの企業文化や想いに深い理解を示してくださったのです。この実現に向けて力強く伴走していただけると感じ、依頼を決定いたしました。
支援効果
価値観を重視して選び抜いたパートナー
- 長田
-
候補の中から提携先を選定されるにあたり、特に重視されたポイントを教えてください。
- 廣田
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各社とも提携後のシナジー分析資料とともに意向表明書(LOI)をご提示くださいました。また、対話を重ねる中で、それぞれの企業文化や価値観の違いに触れる機会も多くありました。
最終的には、いかに高く評価されるか(バリュエーション)よりも、独自のカルチャーを崩さずに対等に長期的なパートナーシップを築いていけるかという観点を重視しました。提携することとなった企業は、担当者の熱意が高く、IT領域や当社事業への理解も非常に深いと感じました。また、未知数の数値目標を提示するのではなく、責任を持てる範囲で議論を進める姿勢にも誠実さを感じ、信頼できるパートナーであると判断しました。 - 毛呂
-
私たちとしては、経営上の自律性を維持しながら提携を実現するため、さまざまな株式の権利内容や税制面等を踏まえ最適なスキームをご提案しました。提携先が求める経済合理性と、廣田社長が重視される経営の独立性を両立することを目的としたものです。
(GWP 毛呂)
- 廣田
-
GWPのお二人の交渉を拝見していて、当初は「ここまで踏み込んで主張してもよいのだろうか」と感じる場面もありました。しかし振り返ってみると、受け入れるべき条件と見送るべき条件を明確に整理した上で交渉を進めていただいていたことがよく分かります。相手との関係性を損なうことなく、当社の立場を守りながら協議を進めていただけたことは、大変心強く感じました。
拡大する顧客からの期待と活躍市場の広がり
- 長田
-
2026年4月に伊藤忠商事株式会社との資本業務提携が正式に締結されました。提携から数か月が経過しましたが、変化を感じられている部分はありますか。
- 廣田
-
当社では「全員で経営する」という考え方のもと、資本提携についても情報提供を経営層に限定することなく、全社員に対して継続的な情報共有を行ってきました。「事業成長していくための一種の戦略」という前向きなメッセージが社員に浸透していた結果、オペレーション面で大きな混乱が生じることもなく、社員の離職や社内外からのネガティブな反応も見受けられませんでした。退職者も出さず、社内のカルチャーやモチベーションを維持したまま、円滑な統合(PMI:Post Merger Integration)へと繋がっています。一方で、お客様からの評価には明確な変化を感じています。
これまでは「いつも丁寧によくやってくれている」とお褒めの言葉をいただき、十分な信頼関係を築けていると思っていました。しかし実際には、お客様の側に無意識の「境界線」が存在していました。
具体的に言えば、「数億円の案件までは任せられるけれど、企業の命運を握るような数十億円の大規模システムを任せるには、中小企業としての信用力の面でどうしても不安がある」という壁です。例えるなら、局所的な「骨折の治療」は任せてもらえても、企業の根幹に関わる「心臓の治療」を任せるには信頼の器が足りていなかったのです。
お客様は、面と向かってはそのような不安を口にされることはありませんから、提携して初めてその事実に気付かされました。
それが、伊藤忠グループに入り大手の信用力やガバナンスが背景に加わったことで、「それなら、実はこれまで相談を控えていた大規模な案件も、ぜひゲットイットにお願いしたい」というお声を次々にいただけるようになりました。お客様の中に眠っていた期待の大きさと、目の前に広がる市場の巨大さに、私自身が一番驚かされています。
今後の展望
「持続可能なIT社会の実現」を加速させていく
- 長田
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今回の提携は、貴社が掲げる「持続可能なIT社会の実現」というビジョンをより早期に実現するための戦略的な意思決定であったと理解しています。どのような未来を見据え、事業を展開していかれるのか、お聞かせください。
- 廣田
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個人向け市場では、インターネットオークションの普及により、中古品の活用が広く定着しています。一方で、法人IT機器については依然として多くが廃棄されており、多くの機器が中古市場に出ることなく処分されているのが実態です。資源制約やサステナビリティへの関心が高まる中で、十分に利用可能なIT機器が大量に廃棄されている現状に強い課題意識を持っています。この構造的な課題を解決し、リユースIT機器を企業にとって当たり前の選択肢にしていきたいと考えています。
- 毛呂
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経営の観点からはどのような絵を描かれていますか。
- 廣田
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当社は資本提携をせずにオーガニックな成長のままでも2030年までに100億円規模への成長が見込まれる状況にありました。しかし、「本当にそれだけの時間をかけるべきなのか、前倒しできる可能性があるならば、今すぐそのスピードを加速させる手段を選ぶべきではないか」と考えたのです。これまで25年間この業界に身を置いてきたからこそ、この社会課題の解決を少しでも早く、より大きな規模で成し遂げたい。そのための最適なパートナーとして、今回、伊藤忠商事様との資本業務提携という選択肢を選びました。
100億円達成時期の前倒しはもちろん、その先にある200億円、300億円規模の市場機会も視野に入れています。 - 長田
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最後に、同様の課題に直面している経営者の皆様へメッセージをお願いいたします。
- 廣田
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提携交渉は多くの経営者にとって決して経験豊富な領域ではなく、自社だけで進めることには少なからずリスクが伴います。だからこそ、売却額以上に「企業文化の維持」や「経営の自由度」といった当社の真の目的を深く理解し、相手との信頼関係を損なわずに交渉を進めてくださったGWPのような信頼できる伴走者の存在が不可欠でした。
M&Aや資本業務提携は、単なるバリュエーションや条件面だけで判断できるものではありません。何より重要なのは、自社が大切にしてきた価値観や文化を守りながら、次の成長ステージへ進むこと。これから新たな決断をされる経営者の皆様にも、ぜひ自社の未来を共に描ける最適なパートナーを見つけていただきたいですね。
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